当ブログ筆者が10月25日及び11月22日の講座を担当


案内 子どもの居場所づくり講座 三鷹市社会福祉協議会
⽇ 時:平成29年10月25⽇(水)から11月22⽇(水)【全5回】毎週水曜⽇
 午後6時30分〜午後8時30分(ただし、11月8⽇のみ午後7時〜午後9時)
会 場:みたかボランティアセンター2階会議室
受講料:500円(社協会員300円)
定 員:30名(申込者多数の場合は抽選)
対 象:三鷹市内在住・在勤・在活動者で、⼦ども支援のボランティア活動に関⼼のある方
 申込み:10月2日(月)〜10月20日(⾦)に、電話、FAX、メールにて、
①名前②年齢③住所④電話・FAX番号⑤メールアドレス⑥保育の有無及びお⼦さんの年齢⑦受講動機、質問等
についてお伝えください。

申込・問合せ先:三鷹市社会福祉協議会 ボランティア・地域福祉推進係
TEL 0422-76-1271 FAX 0422-76-1273
 メールアドレス chiiki@mitakashakyo.or.jp

<10月25⽇(水) 当ブログ筆者(ルーテル学院大学 総合人間学部 教員)が担当の講座 内容(一部) >
1.何故今、子どもの居場所づくりなのか 背景と必要性
・子どもを巡る問題とは 児童福祉の諸問題
 児童虐待と家族問題、関連する生活問題とメンタルヘルス。
 要支援の家族の社会的孤立
 地域における子育て支援の課題の考察

<子どもと家族の生活困窮、家族問題>
*当ブログ筆者の22年間程の貧困領域の支援の実践から。
 貧困問題の変遷(1993年から2017年)
 貧困=単身の日雇労働者・ホームレスから、地域の多様な生活困窮者(子ども、女性、若者、高齢者、家族等)へ。

*複合的な問題としての子どもの貧困

・「経験の貧困」 子ども時代の経験と成長、社会的参加。
 教育格差と「貧困の世代間連鎖」とは。生活問題等の世代間連鎖を伴う。
・「時間の貧困」
 地域における家庭と子育て支援の課題。
・移動の貧困 交通と安全の問題
 子ども、高齢者、地方に顕著な問題。安全の問題を伴う
・情報、繋がりの貧困。
 インフォーマル支援の不足。社会的不利。
・子どもの「お小遣い問題」
 「仲間」への参加、いじめ等のリスク。
・子どもの栄養と成長。食育の必要性。

2.子どもの居場所づくりのあり方
 事例から(子ども食堂、子どもの居場所づくり、多世代交流「誰でもコミュニティカフェ」)

*子どもの居場所づくりの進め方
 子ども対象(子育て支援、学習支援、フリースペース等)のグループワーク
 プログラムのアイデア。計画立案の原則。

*子どもの居場所づくりのヒント

・各地の子ども食堂の例から
 毎月1回開催が多い。(多くても2回)。ネットワークによる支援の必要性。
 子どもへの食事提供<子どもは無料、大人は数百円という設定が多い>
 平日の夕方に実施か、土日の昼に実施か。
・食事への提供が主要ではあるが、毎回のメニューや食材に関連して食育を実施。
 小学生等対象の学習支援(教材準備も)とのコラボレーション。
・会場:公民館や集会場、福祉施設等のフォーマルなスペース。
 既存の飲食店の店舗、寺院、教会等。
 「空家活用」が流行である。地域におけるインフォーマルスペースをコミュニティの交流拠点とする。
・担い手:地域密着型のボランティア。
 各地で民生・児童委員が協力している。子どもボランティアも参加。
 保育士、社会福祉従事者、シェフ等、専門職ボランティア。
 学習支援は、教員等が担う。得意分野を活かす。
 連携・コーディネートの要としての社会福祉協議会。
・対象:子どもは「誰でも」=「子ども会型」か、対象が明確な「ピンポイントのサポート型」。
 もしくは、多世代交流型=子どもから高齢者まで「誰でも」カフェ・居場所か。
 多様な形態が必要である。多世代交流型が、福祉教育としては有効である。
 生活困窮等の問題を支援するためには、対象が明確な居場所が必要か。多様な形態の居場所が必要である。
・広報(対象と関連する。紙のチラシが有効か。地域の小学校等の協力がポイント)
 例 子ども会型ならば、幅広く(チラシの小学校や児童館、学童保育、スーパー等への掲示、SNS。母親コミュニティのクチコミが重要)
・「食堂型」ボランティアが調理し提供か、みんなでクッキング「共同調理」か。
 子どもも大人も一緒に調理しながらのコミュニケーション。交流を深める。
 もしくは、菓子や食べ物一品の持ち寄り
・プログラムの有無(例 「経験の貧困」を補う学習支援やレクレーションのプログラム。もしくはフリー)
・食材の留意、集める方法(寄付の活用)
・個別支援と集団支援の必要性。子どもの迎え等、安全への配慮。

*子どもの居場所 プログラム例

 紙飛行機づくり、さつまいも掘り、工作、卓球、アート、ヨガ
 例 高齢者福祉施設における、花壇づくりを通じた高齢者と小学生の交流。福祉教育として。


*地域福祉活動としての子どもの居場所づくり。
 地域密着で、子育て支援に関心を持つ多くの住民が関わる、多様性、相互理解=ありのままを受け容れ合う多世代交流の場を創る。
 共生のコミュニティで子どもを育てる。共助活動、支え合いのファシリテーションの必要性。

問いかけ:なぜ、子どもの居場所づくりを行いたいのか。

 子どもを巡るどのような課題に関心があるのか。

11月22日(水)当ブログ筆者が担当の講座
「子どもの居場所づくりの方法(児童グループワークの実践)地域で支え合うために、今私たちができること」
 子どもの居場所づくりのプログラムのアイデアを持ち寄るワークショップ。


<当ブログバックナンバー>
 2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国 「悩む職員の心のケア」(やまゆり園事件が残したもの:下)
 朝日新聞から取材を受け、障害者福祉施設等において支援、ケアを担う現場職員を支援する必要性を筆者は提言した。
 また、筆者の開発した「福祉施設職員のストレスケア研修」プログラムは、福祉施設の現場を支えたいという想いから開発し、施設職員のストレス対処、感情労働、セルフケアをサポートするために実施を続けていること等をコメントした。

 離職、職業訓練(求職者支援制度)を経て、介護施設へ就職をした元訓練生の介護職員対象のグループインタビュー、ヒアリング等から、彼ら彼女らの介護現場における離職等につながり得るストレス要因について考察したものである。 

当ブログ筆者の論文 リンク

関屋光泰(2010)「簡易宿泊所街・横浜寿町地域における民間支援活動-歴史的経緯の概要」『研究紀要』第18 巻第1 号 学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所,39-48頁


<子ども食堂、子どもの居場所づくり 関連記事 当ブログバックナンバー>

子どもの貧困率13.9% 厚生労働省国民生活基礎調査とは 子どもの貧困対策、奨学金

「厚生労働省が2017年6月27日に発表した2016年国民生活基礎調査で、「子どもの貧困率」は15年時点で13.9%(7人に1人)だった。先進国の中では依然として高めの水準。特にシングルマザーなどひとり親を取り巻く状況は厳しい。子どもの貧困率は、平均的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合を示す」


子どもの貧困、貧困の連鎖の現状と課題シンポジウム、学習支援短期ボランティア説明会 無料夏期講習 情報

 日本の子供の貧困率は、OECD(経済協力開発機構)加盟諸国と比較して、高い水準にある。子ども期の貧困は、大人になってからも不利益をもたらし、さらには次世代に貧困が受け継がれる「貧困の世代間連鎖」の原因にもなっている。 


子ども食堂支援基金を県が創設、子ども食堂助成情報、子育て世帯2割が食料困窮経験 子どもの貧困実態調

引用「北海道は2017年4月5日、北大と共同で行った子どもの貧困に関する全道実態調査の集計結果を発表した。過去1年間に経済的理由で家族が必要とする食料を買えなかった経験があると答えた世帯が20・5%に上る」


子どもの貧困にむきあう 子どもの里映画上映 地域福祉活動、子ども食堂、居場所、シェルター

「大阪市西成区釜ヶ崎。“日雇い労働者の街”と呼ばれてきたこの地で38年にわたり取り組みを続ける「こどもの里」。障がいの有無や国籍の違いに関わらず、0歳からおおむね20歳までの子どもが無料で利用することができます。学校帰りに遊びに来る子、一時的に宿泊する子、様々な事情から親元を離れている子、そして親や大人たちも休息できる場として、それぞれの家庭の事情に寄り添いながら、地域の貴重な集い場として在り続けてきました」


参考:映画「さとにきたらええやん」公式サイト



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保育士養成課程にて、当ブログ筆者が講義
インテーク面接の留意点 概要

相談援助 第2回講義レジュメ4 (レジュメ要約) 

3.インテークの内容
*概要

 インテークは,「取り入れること」あるいは「受理」面接と訳すことができる。

・通常、インテークは,問題が持ち込まれた時点で,初回の面接というかたちをとって行われる。

 単なる事務的な”サービス申請書類の受理”と混同しないため,「インテーク」という言葉が使用されている。

・ケースワーク・相談援助は、実質的にインテークによって開始される。


*インテークでは次の三つの点に注意しながらすすめる必要がある。
①申請者(この段階では利用者ではない)の主たる訴え(主訴)に十分耳を傾け(傾聴),その要求(ニーズ)が何であるかをあますところなく表明してもらい,的確に把握する。

②援助者が所属する機関や施設が提供できるサービスの内容と機能を情報として明示し,申請者の要求と関連させて十分な理解と納得がいくようにわかりやすく説明する。

申請者の要求と、施設・機関の提供できる機能とが適合するか否かを検討しつつ,申請者による選択を促すことが重要である。


*インテーク面接における、コミュニケーションをとる際の留意点とは 

 インテークにおける相談員の姿勢の基礎とは、来談者を理解しようとする気持ちを持つことである。

 来談者の主訴、感情を理解したいという受容的な態度である。

 来談者が表現する言葉が必ずしも本人の真の主訴、感情であるとは限らない。その表情や行動による非言語、社会的な背景からその言葉の潜在的なものを考える。

・支援のあり方として、来談者への共感、存在と個性の肯定、全人的な理解と尊重が基本となる。

 来談者中心、来談者主体の支援につながる。理解と想像力を持つことは、危機の予防も可能となる。


(契約)
 申請者の要求と、施設・機関の提供できる機能とが適合するか否かを検討しつつ,申請者による選択と、解決に向けた協同の確認を行なう。

*二つ(二重)の不安
・社会福祉機関、福祉施設に相談を持ち込む人は,二重の不安を抱いている。
 直面する問題からもたらされる不安と,いま直面している問題について,相談を持ち込もうとしている機関や施設の職員が真摯かつ受容的に対応してくれるかどうかの不安である。
援助者はインテーク段階で利用者の話を「傾聴」し,この二重の不安を緩和するという援助を開始する。これはカタルシスを図るという意味も持つ。

 医療が診断を下すまで治療を開始しないこととは異なる、ケースワークのプロセスのあり方である。


◎解説:カタルシス catharsis
 今日では一般に,心理的な浄化をさす。抑圧された怒りや悲しみなどの情動を言語により発散し、心の緊張を解消させる。

*率直な感情表現の相互性、コミュニケーションの深化

・関わり、相互作用の継続と深化は、クライエントと援助者の双方が、表向きの自己、見せかけに感情を隠すことは出来なくなる。

率直な感情の交流が、重要な過去の感情の表現「あの出来事で生じた感情」の表現を促す

 人間は誰でも生活問題、家族問題、内面の問題を抱え、自力で解決が出来なくなることが起こり得る。特に家族介護、心身の病気、ターミナルにおいて。

 喪失というソーシャルワークの支援の最大のテーマ、健康、仕事、人間関係、財力等、すべてのものはやがて失う。

 例えば、生老病死=避けることのできないこの世での人間の4種の苦悩。何一つ人間の思うようにはならない。

 生まれること、老いること、病気をすること、死ぬこと。四苦。

 生活問題-経済的困窮、働くことを巡る問題、人間関係、医療・介護の問題、交通の問題等。

 社会福祉領域の支援者とは、人生の苦境のなかにある人々の隣に寄り添うことが、専門職としての使命である。


*対応時の留意点
・援助者が申請者の不安を和らげようとするあまり,安易に問題解決を請け負ってしまうことのないようにすべきである。

過度の依存や,問題解決がうまくいかないときの援助者あるいは所属する機関や施設に対する利用者の不信につながる可能性がある。

*ラポールの形成、傾聴、個別化

・信頼関係形成のために、援助者は利用者が表出するニーズや情動を受け止め,理解できていることを利用者に的確に伝える必要がある。

・また、面接を行ないながら、相手を観察することも重要となる。
・ソーシャルワークのインテークの特徴は,この段階から援助の一部が開始されていることにある。
・インテークは、慎重な対応のうえにも緊張と不安が和らぐような雰囲気のなかで面接が行われる必要がある。
 自分の声にも耳を傾けてくれる、孤立から脱する、もう一人ではないという人間関係の実感を、面接によって獲得する。


*スクリーニング 
・援助要求の確認作業では,その援助が当該の機関や施設では提供できないことが明らかになる場合もある。この場合,相談を持ち込まれた機関や施設が,利用者にほかの機関や施設を紹介したり,その相談を適切な機関に送致する。
・申請者は資源にたどり着いたという状況であり不安感も強いのであるから、つなぎすぎるということはない。


*緊急度の検討
・クライエントの問題の、緊急度の検討が必要不可欠である。
・急迫した問題や、利用者がパニック状態になっている場合、インテークも必要最小限にとどめ、援助者の判断で必要な援助を行ない、状況が安定した段階で、改めてインテークから個別援助の過程を開始すべきである。
 状況が安定した後に、利用者自身が今後のことを考えていけるよう援助することも重要である。

*役割とサービス内容の明確化
・インテークでは,問題解決における援助者の役割と援助者が属する機関や施設が提供するサービスについて,利用者に説明する。
 これは,社会福祉制度のもとに保障された利用者の権利を明らかにするとともに,過度の依存や不信を回避するためにも必要な作業である。

◆援助担当者との引継ぎ
福祉事務所における生活保護申請窓口や,一部の児童相談所,民間の相談機関にはインテーク専門のワーカーが配置されているが,インテークが終わった段階で援助担当者に引き継がれることになる。
・インテークを担当したワーカーは,担当者の変更を利用者に伝え,継続して援助を利用するうえでの動機づけを行う。また,インテークワーカーは援助担当者にインテークで得られた情報を提供し,アセスメント以降の課題についても伝達する。

・インテークにおける情報収集の留意事項は、必要事項を自然な流れで聞き,傾聴に集中する,情報は本人だけでなく,家族や関係者からも聞くことも必要な場合がある,個人情報保護、守秘義務について注意する,などである。

<当ブログバックナンバー>
 2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国 「悩む職員の心のケア」(やまゆり園事件が残したもの:下)
 朝日新聞から取材を受け、障害者福祉施設等において支援、ケアを担う現場職員を支援する必要性を筆者は提言した。
 また、筆者の開発した「福祉施設職員のストレスケア研修」プログラムは、福祉施設の現場を支えたいという想いから開発し、施設職員のストレス対処、感情労働、セルフケアをサポートするために実施を続けていること等をコメントした。

 介護留学生支援、外国出身の介護福祉士(在留資格「介護」の創設)の増員と並行して行うべきことがある。
 障害者福祉施設の支援員、高齢者福祉のケアワーカー、児童福祉施設の指導員や保育士等、現場の福祉施設職員への支援である。
 介護福祉、社会福祉領域の従事者の離職率の高さ、つまり福祉の現場から人が逃げていくかの様な状況を放置せず、改善を図らなければならない。介護士や支援員等、福祉施設職員の働く環境の問題等の課題がある。
 専門職キャリアの入口の支援だけではなく、職員の研修や個別の支援、メンタルヘルスへのサポートを拡充すべきと考える。
 <「全国社会福祉教育セミナー2016(主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会 於:淑徳大学)」における筆者の報告に、加筆したものである>



<社会的養護、子どもの貧困に関連して>
日時  :11月19日(日)14~18時  ※開場13時半
会場名 :快・決いい会議室 KDX東新宿ビル内 ホールA
所在地 :〒160-0021 東京都 新宿区 歌舞伎町2-4-10 KDX東新宿ビル 3F
アクセス:地下鉄副都心線・大江戸線「東新宿駅」から徒歩1分
参加費 :無料
お問合せ:kodomo_forum.2017@living-in-peace.org<mailto:kodomo_forum.2017@living-in-peace.org>
お申込み:https://goo.gl/emQMbj

【プログラム(予定)】
3. パネル「新しい社会的養護のビジョン - 変わるもの、変わらないもの」
引用「社会的養護のあり方についての国の方針が大きく変わろうとしています。この数年の間に社会的養護の全体制度策定に深く関わってきた方々が、それぞれの考える社会的養護のビジョンについて語ります」
*登壇者
 奥山 眞紀子(国立成育医療研究センター こころの診療部 部長)
 鈴木 聡(三重県児童相談センター児童相談センター所長)
 藤野 興一(社会福祉法人鳥取こども学園 理事長)
 山本 麻里(厚生労働省 内閣審議官)
*モデレーター
 慎 泰俊(NPO法人Living in Peace 理事長)

4. パネル「社会的養育の現場から」
引用「社会的養護は、家庭の貧困・虐待から始まり、一時保護、里親・施設養育、卒業後の支援と幅広い分野にまたがっています。それぞれの現場で長年子どもたちに関わってきた専門家らが、自分たちの見てきた世界を語り、これからの社会的養育がどうあるべきかについて語ります」
*登壇者
 上栗 哲男(社会福祉法人広島新生学園 園長 理事長)
 山口 公一(社会福祉法人筑波会 理事長)
 ロング 朋子(一般財団法人ベアホープ 代表理事)

5. 私たちに今すぐにできること

引用「私たちが暮らしている日本には、虐待などを背景に親と暮らせない子どもたちが全国に約5万人います。
 その子たちは、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、里親など、児童福祉法によって定められた養育環境で日々を送っています。保護者の代わりに別の大人が子どもと愛着関係をきずき、子どもの成長を見守っていくのです。
 そのような養育のあり方を「社会的養護」と呼びます。
 2016年、児童福祉法が大きく改正され、「子どもの権利」を尊び、子どもの最善の利益を追求すること、社会的養護において家庭的な養育環境を目指すことが宣言されました。
 さらに本年8月には、厚生労働省より「新しい社会的養育ビジョン」という社会的養護全体に関わる抜本的な改革案が提出されています。
 このビジョンには、幼児は里親養育を原則とすること、施設も子どもの一時保護の役割を担っていくことなどが記されています。
 社会的養護下で暮らす子どもたちに目を向けることはまた、「子どもの貧困」というもう一つの社会課題に目を向けることでもあります。日本では依然として、7人に1人の子どもが「相対的貧困」と呼ばれる生活困窮家庭で生活しています。
 経済的困窮は子どもから人とのつながりや心の健全な成長を奪い、大人になったときの貧困、さらにその子どもたちの貧困と連鎖していきます。多くの場合、そのなかで虐待も発生します。こうした背景から、社会的養護下で暮らす子どもには生活困窮世帯の出身が多いのです。
 子どもの貧困は大変に大きく複雑な社会課題ですが、社会的養護はその解決の鍵となります。社会的養護がすべての子どもに最善の利益を提供できれば、社会的養護を入り口に貧困の連鎖を止めることができるはずです。
 当日は、家庭の貧困・虐待、児童相談所、施設・里親、自立支援にまたがる社会的養護の全体像を俯瞰し、それぞれの分野を牽引してきた方々の話に耳を傾け、過去に里親養育に大きく舵を切った欧米諸国に学びながら、今の私たちにできることは何かを考えたいと思います」引用ここまで

「新たな社会的養育の在り方に関する検討会」(座長:奥山眞紀子 国立成育医療研究センターこころの診療部長)では、このほど、「新しい社会的養育ビジョン」をとりまとめましたので、公表します。


<ルーテル学院大学 ファシリテーター養成講座修了生グループの活動紹介>
 関心をお持ちの皆様、ぜひ、ご参加下さい。
*詳細は下記をクリック
 災害発生時、困難に直面する方々の孤立防止に関心をお持ちの方のための情報!
日時:平成29年10月28日(土)14時から16時30分
会場:前原暫定集会施設A会議室
講師:荒井康善さん(小金井市聴覚障害者協会 会長)

*プログラム
第1部 講演会 午後2時から3時
     聴覚障がいとは
     東日本、熊本大震災を見ての現状
第2部 ワークショップ 午後3時10分から4時10分
     第3部 災害ボランティア、情報の交差点から情報提供 午後4時半終了

対象:障がい、福祉に関心のある方 聴覚障がいについて知りたい方
参加費:無料
定員:30名(定員に達し次第締め切ります)
主催:情報の交差点チーム
共催:小金井市社会福祉協議会
後援:三鷹市社会福祉協議会・武蔵野市民社会福祉協議会
協力:ルーテル学院大学



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保育士養成課程にて、当ブログ筆者が講義
テーマ:相談援助の過程 概要

相談援助 第2回講義レジュメ3 (レジュメ要約) 
<3.ソーシャルワーク相談援助のプロセス 概要>

テーマ:ケースワーク(相談援助)の展開過程・概要、インテーク

1 相談援助の展開過程について

・社会福祉における相談援助・ケースワークは、利用者の状況や生活環境の変化などから当初の計画どおりに進むわけではなく,試行錯誤を繰り返す

 社会福祉の支援は、螺旋状に進む人間中心のプロセスである。

・相談援助は、来談者のインテークから始まって終結に至るまで,多様な知識・技能・手法等を活用して援助を実践するものであるが,典型的なモデルとしての過程であって,実際にはさまざまな展開をみせるものであり,柔軟かつ弾力的な支援が求められる。

・援助者は常に達成可能な着地点を意識しながら、支援を計画的かつ柔軟に行う必要がある。

 相談における支援内容、言動、姿勢の適切な一貫性と、臨機応変なしなやかな対応のバランスが求められる。

・支援の過程には、相談が行われる機関・施設・対象・問題の種類等による違いもある。


・ケースワークにおける「分からなさ」-人間とその問題を「分かったつもり」にならない。

 面接の無際限性とは、面接においても、人間とは基本的に捉え尽くせないもの、無限なものという意味であり、分からなさが最期まで残る。分かったつもりはならないこと、理解し合う姿勢、技術が求められる。

・クライエントにとって、専門職との専門的援助関係によって、コミュニケーション能力や社会的スキルを身につける新たな経験、全人的な成長の機会となる。

 援助者にとっても、専門職しての成長の機会である。援助関係の相互性。

クライエントとの、人格的交流の必要性。相互にありのままで向き合うこと。率直な感情の交流。

専門職の真実性。


2 相談援助の展開過程・概要

(ケース発見)⇒⇒ インテーク・受理面接 ⇒⇒ アセスメント・事前評価 ⇒⇒

プランニング・援助計画 ⇒⇒ インターベンション、計画の実施、介入 ⇒⇒

モニタリング・経過観察 ⇒⇒ 終結

・情報提供のみ等、一回で完結する場合や、緊急の場合等の例外がある。

①インテーク

*インテーク(受理面接)は,来談者が最初に援助機関と出会う局面である。
 また、生活問題を的確に把握し,その人にとって、適切な援助機関を判断する場面でもある。
主訴、状況やニーズを把握するために行われる援助過程の入口、受理面接のことである。サービス提供に該当する場合には,利用者のニーズや状況を分析・評価するアセスメントへと移行する。また該当しない場合には,他機関への紹介などニーズに対応しうる地域の社会資源につなげる。

・この面接では,主に,①クライエントに援助を受ける意思があるか否か,②クライエントに本当に援助が必要か否か,③その社会福祉機関がそのクライエントを援助できるか否か,④他社会福祉機関へ紹介する必要性があるか否か,以上の4点を明らかにする目的がある。

 クライエントの抱える問題の性質とその社会福祉機関の専門性と機能を検討しつつ上記を考察する。

・基本的には、来談者の来所により相談プロセスは開始になる。

②アセスメント

・ソーシャルワークやケアマネジメントの過程において,クライエントや家族,地域社会における状況について情報収集し,生活問題の背景、要因を分析し,解決への方向性を検討するプロセスである。

・その情報とは、心身の健康、障害、生活の状況,住環境,家族の状況,経済状態,社会参加,近隣関係など幅広い領域におよぶ。

・分析の際,当事者のライフコース,ストレッサー,コーピングや,現存する資源,周囲の支援システムやコミュニティと当事者の関係について考慮する必要がある。

 例えば、ライフコースとのかで老年期の課題=喪失-労働、社会的な役割、友人、健康、移動の自由、配偶者等の喪失。

 ストレッサーとは、ストレスを引き起こす因子となるもの。

これらにより、利用者や家族のニーズの個別性の把握が可能になり,より利用者にフィットしたサービスが提供できるようになる。

・アセスメントは、ソーシャルワーク・相談援助の,介入の前段階における過程のうち,中核になる部分である。多角的に集められた情報は,専門職によって包括的に捉えられ,明確化される。

③目標設定

・収集した情報を基礎にして、利用者に最もふさわしい援助の目標設定を利用者とともに考える過程である。

 ここでは具体的な目標の設定が必要であり,多くの場合,当面の緊急を要するものから,中長期の展望のもとに設定すべき目標までを視野に入れて行われる必要がある。

④プランニング

・どのようなかたちでクライエントの問題解決を行っていくかという援助方法の計画をすること。クライエントの抱える問題の種類によって,援助プランニングの内容は変わってくる。援助プランニングでは,次の段階である介入が正確に行われるよう,誰が何をいつどのように実施していくかを明らかにしておくことが必要である。

⑤介入

「介入」の意義は,生活者としての利用者の「生の過程」を尊重し,社会福祉の「援助の過程」を,契約に基づいて利用者の「生の過程」に「介入」するものと位置づけることにある。

・援助活動は大きく次の三つに分けることができる。
 ①個人に重点をかけて援助を展開する場合
 ②利用者を取り巻く社会環境に比重をかけて援助を行う場合
 ③個人と環境の関係に主として関わる援助を行う場合
・援助者及び施設・機関が保有しているあらゆる機能を活用し,動員可能な社会資源を有効適切に活用するとともに,利用者のもてる可能性や潜在能力,問題解決への動機や強さや健康な側面をあますところなく発揮できるような場と機会を用意することが重要である。
・必要に応じて各種のアプローチ、援助方法を用いる
⑥モニタリング

提供された援助の内容の評価を行なう=経過観察。

 計画通りにサービスが提供されているか、また援助の効果測定・判断を行なう。場合によっては再アセスメント・プランニングのために必要である。

⑦ターミネーション

・援助過程の最終段階である。対象問題が解決された、もしくは改善された場合に終結となる。

今後の課題は残るが、利用者自身で解決可能な場合も終結となる問題解決、自己解決の見込みに対する判断が援助者、利用者間で合致することが必要である。

アフターケアの計画を立て、新たな問題が生じた場合に受け入れ準備があることを伝える必要がある。

支援のオープンドアな終了」


<当ブログバックナンバー>
 2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国 「悩む職員の心のケア」(やまゆり園事件が残したもの:下)
 朝日新聞から取材を受け、障害者福祉施設等において支援、ケアを担う現場職員を支援する必要性を筆者は提言した。
 また、筆者の開発した「福祉施設職員のストレスケア研修」プログラムは、福祉施設の現場を支えたいという想いから開発し、施設職員のストレス対処、感情労働、セルフケアをサポートするために実施を続けていること等をコメントした。

 離職、職業訓練(求職者支援制度)を経て、介護施設へ就職をした元訓練生の介護職員対象のグループインタビュー、ヒアリング等から、彼ら彼女らの介護現場における離職等につながり得るストレス要因について考察したものである。 



<日本福祉教育専門学校 卒業生の皆様へ>
【日付】2017年9月30日(土)
【時間】13時30分 〜 13時45分:総会
    14時00分 〜 16時00分:懇親パーティー
【場所】ハイアットリージェンシー東京
【参加費】1,000円(2017年3月卒業生は無料ご招待☆)
当日参加も可能です。会場でお待ちしています。

<ルーテル学院大学 ファシリテーター養成講座修了生グループの活動紹介>
 関心をお持ちの皆様、ぜひ、ご参加下さい。
*詳細は下記をクリック
 災害発生時、困難に直面する方々の孤立防止に関心をお持ちの方のための情報!
日時:平成29年10月28日(土)14時から16時30分
会場:前原暫定集会施設A会議室
講師:荒井康善さん(小金井市聴覚障害者協会 会長)

*プログラム
第1部 講演会 午後2時から3時
     聴覚障がいとは
     東日本、熊本大震災を見ての現状
第2部 ワークショップ 午後3時10分から4時10分
     第3部 災害ボランティア、情報の交差点から情報提供 午後4時半終了

対象:障がい、福祉に関心のある方 聴覚障がいについて知りたい方
参加費:無料
定員:30名(定員に達し次第締め切ります)
主催:情報の交差点チーム
共催:小金井市社会福祉協議会
後援:三鷹市社会福祉協議会・武蔵野市民社会福祉協議会
協力:ルーテル学院大学



*子どもの生活困窮、居場所づくり関連情報
<子どもの貧困対策 全国キャラバンin山口>
日 時 2017年11月12日(日)午前10時から午後4時まで
場 所 パルトピアやまぐち防長青年館(山口市神田町1-80)
内 容  午前は「第一部 全体会」、午後は「第二部 分科会(意見交換)」
<午前>(1)主催団体挨拶(小河光治 あすのば代表理事)
(2)来賓挨拶(山口県)
(3)支援者からの報告「私たちの取組(仮題)」
・行政説明(山口県こども家庭課)
・NPO法人とりで(金本理事長)
・スクールソーシャルワーカー(岩金俊充)
・こども明日花プロジェクト ボランティアスタッフ(仲子智章)
・子どもの貧困対策宣言企業 ㈱池田建設代表取締役(池田直人)
(4)パネルディスカッション「子どもの声を地域で受け止めるために」
パネラー:主に大学生ボランティアなど
ファシリテーター:村尾政樹 あすのば事務局長
<午後>(1)午前(全体会)振り返り
(2)分科会(グループワーク)「地域で進める子どもの貧困対策」
(3)全体共有、まとめ(村井琢哉 山科醍醐こどものひろば理事長)
参加者(参加無料:100名程度)一般、各大学、関係団体、自治体等ほか
主 催 公益財団法人あすのば
共 催 山口県、NPO法人山口せわやきネットワーク〔こども明日花プロジェクト〕
後 援:内閣府、山口市、山口県教育委員会、山口市教育委員会
山口県立大学、山口県社会福祉協議会、山口県社会福祉士会
助 成:公益財団法人キリン福祉財団、やまぐち子ども・子育て応援ファンド助成事業


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相談援助 第2回講義レジュメ2 (レジュメ要約)
 保育士養成課程にて、当ブログ筆者が講義
 テーマ:相談援助における社会資源

2.社会資源について

*補足:社会資源に関して

・社会資源とは,援助の行われる生活環境に実在するものである。不足もしくは無いときに、開発する場合もある。

・来談者のニーズは多様であり、例えば貧困・低所得者のなかでも,経済的な保障のみで自立可能な人から、人間関係や住居の支援を必要とする人まで,様々である。

これら人々のニーズとその変化によって、必要な社会資源も多様である


1.社会資源とニーズの調整

ソーシャルワークの役割として,ニーズと社会資源とを調整すること、また利用者が社会資源を利用できるように援助すること、加えて社会の変動により生じるニーズの変化に応じ,新たに社会資源を開発することが求められる。


*社会資源の開発は、ソーシャルワーク、地域福祉活動の重要な課題の一つである。

 コミュニティにおいて、住民と協働して当事者、住民が必要としている社会資源を開発する。

 コミュニティが必要としている資源は、コミュニティ主体で、地域に合ったものを力を合わせて皆で創っていく。

 これこそ、住民主体の地域福祉活動である。

 住民が主役の地域福祉活動、共助を促進するソーシャルワークによる支援が課題である


◎ソーシャルワーク実践には,社会資源の再活性化や新たな資源の創出に向けた活動が含まれる。

◎社会資源の活用・開発にあたっては、社会資源充実のために当事者の意見に耳を傾ける。

 援助に必要な資源が無い場合に、諦めるのではなく、当事者の声に耳を傾け、工夫し、既存の資源の改善を図っていく。

 ソーシャルワークは利用者中心であり、利用者に合わせて資源も開発していくところに特徴がある。

 ソーシャルワークの醍醐味とも言える。


2.ソーシャルワークにおける社会資源の位置

社会資源とは、社会生活上のニーズの充足や問題解決のために活用される多様な資源の総称である。

施設・機関,設備,備品,資金等の物的資源,ソーシャルワーカーなどの各種専門職,家族,ボランティア等の人的資源,制度,政策,法律等の制度的資源のほか,知識,技能,情報など、あらゆるものが含まれる。


・仮に、社会資源無しでは個別援助は展開できない。

・また、来談者は多くの場合、有効な人的資源と繋がることが出来ない、不足がある。

 換言すれば、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)の欠乏とも言える。

 繋がりの貧困、公私の支援からの孤立。

・だからこそ、個別のニーズにフィットした資源の開発、社会資源のマネジメント、繋がりの構築=ネットワーキングの支援として、ソーシャルワークの専門性が求められている。

相談のプロセスで、クライエントのニーズに応じた社会資源へのアクセスを支援する。

・クライエント本人が気づいていない身近なインフォーマルな資源への気付きや、捉え方の転換も支援する。

・クライエントにとって、必要としている支援を積極的に求め、アクセスすることは生き抜くための技法である。


社会資源は、ソーシャルワークを構成する最も基本的かつ不可欠な要素、キー概念である

ソーシャルワークの援助は,社会資源と切り離すことはできない、密接で不可分なものである


・ネットワークとして連携することで,個々の社会資源の有効性を高めることができる

・利用者の資料の収集は、その取り巻く環境の情報に加え、個々のインフォーマルな資源やフォーマルな社会資源の状況、利用者との関係なども、情報収集する必要がある。


3.内的な資源と外的な社会資源

・外的な社会資源ばかりが資源ではなく,利用者の内面にある問題解決の力、援助への動機づけは、内的な資源である。

・援助者は社会資源を動員しながら,利用者が資源に依存し自らの能力を低下させるのではなく,利用者の能力といった内的資源を刺激し、活用することで利用者の問題解決と対処の能力を高めることを目指す。

・内外の資源を開発するソーシャルワークの働き。


<当ブログバックナンバー>
 2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国 「悩む職員の心のケア」(やまゆり園事件が残したもの:下)
 朝日新聞から取材を受け、障害者福祉施設等において支援、ケアを担う現場職員を支援する必要性を筆者は提言した。
 また、筆者の開発した「福祉施設職員のストレスケア研修」プログラムは、福祉施設の現場を支えたいという想いから開発し、施設職員のストレス対処、感情労働、セルフケアをサポートするために実施を続けていること等をコメントした。

 介護留学生支援、外国出身の介護福祉士(在留資格「介護」の創設)の増員と並行して行うべきことがある。
 障害者福祉施設の支援員、高齢者福祉のケアワーカー、児童福祉施設の指導員や保育士等、現場の福祉施設職員への支援である。
 介護福祉、社会福祉領域の従事者の離職率の高さ、つまり福祉の現場から人が逃げていくかの様な状況を放置せず、改善を図らなければならない。介護士や支援員等、福祉施設職員の働く環境の問題等の課題がある。
 専門職キャリアの入口の支援だけではなく、職員の研修や個別の支援、メンタルヘルスへのサポートを拡充すべきと考える。
 <「全国社会福祉教育セミナー2016(主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会 於:淑徳大学)」における筆者の報告に、加筆したものである>

 人間のいのちを支えることを使命とする福祉施設において、このようないのちが軽く扱われてしまう事件が起きてしまうことは残念でならない。再発防止のために解明が待たれる。
 社会福祉の倫理の最重要なものは、人間の尊重である。人間は,人間であること自体で価値があり、社会福祉は人間を平等に尊重する。
 人間のいのちと権利を尊重すること、護ることが、社会福祉実践の使命である。特に、障害者福祉分野は、当事者組織の活動の歴史もあって、権利の保障、ノーマライゼーションが獲得されてきた。これらの理念は、福祉施設職員の標準であるはずだ。


<ルーテル学院大学 ファシリテーター養成講座修了生グループの活動紹介>
 関心をお持ちの皆様、ぜひ、ご参加下さい。
*詳細は下記をクリック
 災害発生時、困難に直面する方々の孤立防止に関心をお持ちの方のための情報!
日時:平成29年10月28日(土)14時から16時30分
会場:前原暫定集会施設A会議室
講師:荒井康善さん(小金井市聴覚障害者協会 会長)

*プログラム
第1部 講演会 午後2時から3時
     聴覚障がいとは
     東日本、熊本大震災を見ての現状
第2部 ワークショップ 午後3時10分から4時10分
     第3部 災害ボランティア、情報の交差点から情報提供 午後4時半終了

対象:障がい、福祉に関心のある方 聴覚障がいについて知りたい方
参加費:無料
定員:30名(定員に達し次第締め切ります)
主催:情報の交差点チーム
共催:小金井市社会福祉協議会
後援:三鷹市社会福祉協議会・武蔵野市民社会福祉協議会
協力:ルーテル学院大学



<情報:子どもの貧困問題解決に向けた取り組み>
引用「□無料学習会を開きたいけれど、まず何をすれば良いの?
□低所得の子どもや親への接し方で気をつけるべき点は?
□学習支援がうまくいかない・・
□教材や指導法はどうしているの?
という方はもちろん、
□子どもたちのために何か自分がアクションしたい!
という方も、大歓迎です。
「学習支援コーディネーター」とは、進路が決定する前段階の小学生、中学生時代、勉強を入り口にさまざまな相談を通じて、「自分のことを見てくれる人」との出会い、「わかるって楽しい!」「勉強を頑張ったら喜んでもらえた!」等の学びへの動機づけを与え、実際に力をつけ、希望の進路へ導く。それが「学習支援コーディネーター」の役割です。

〇10月14日(土)に受講説明会を開催
受講説明会概要
【日時】2017年10月14日(土)11:00〜12:30(10:45開場)
【場所】キッズドア ラーニングラボ東京
【住所】〒104-0033 東京都中央区新川2-1-11八重洲第1パークビル7階
【地図】 http://goo.gl/MBsn3U
【アクセス】日比谷線「八丁堀」駅 A4出口より徒歩2分
       日比谷線・東西線「茅場町」駅 1番出口より徒歩4分」引用ここまで
【お申込】

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筆者の担当講義 精神保健福祉学科、社会福祉学科にて。

地域福祉の理論と方法 第10回講義レジュメ

1 社会福祉法の施行と福祉コミュニティ

・社会福祉法第4条は、実質的に福祉コミュニティの形成を理念として掲げた(2000(平成12)年6月に改正・改称)。

⇒福祉コミュニティづくりを法律上明記した意義。

・社会福祉法第四条

 「地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者は、相互に協力し、福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるように、地域福祉の推進に努めなければならない」

*福祉コミュニティとは

 地域社会を「福祉」という機能の面から捉えた概念である。

 略

福祉社会をコミュニティ・レベルで実現することを意味している。

<補足>

福祉コミュニティとは、一般のコミュニティの形成を基盤にして、福祉的な援助を必要とする人々と共に生きるバリアフリーの状態を地域社会のなかに実現し、

コミュニティに具体的な社会資源やサービスを整備し(制度的・資源的要件)

地域の住民が社会福祉に関心と理解をもって、それに積極的に参加する(態度的要件)コミュニティのイメージである。

つまり、ノーマライゼーションが地域に根づいている福祉社会という意味でのコミュニティを指している。

無関心、不寛容、無理解といった心の障壁、バリアを克服していくことを促進する。地域福祉の働きの一つである。

ハンディキャップの有無、文化の違いなど、多様性のある人々が共に生きるコミュニティを組織化する。

地域の結びつきも深めていく、繋がりを創る。

居場所づくりとしてのコミュニティカフェ、オレンジカフェ、子ども食堂の働き。

また、コミュニティに暮らす一人ひとりには、人間としてその力の限界があるが、地域で共に暮らす仲間として受け容れ合うこと、支え合うことが求められる時代である=共助を促進するコミュニティワークへ。


*福祉のまちづくり

 最広義には,福祉コミュニティの形成など,援助を要する人々を市民として受け入れることのできるノーマライゼーション社会の実現を意味している。

■岡村理論にみる福祉コミュニティの考え方

 福祉コミュニティの考え方を最初に提起した岡村重夫は、地域福祉における地域共同社会のもつ意味を支持した。

・「福祉コミュニティ」の必要性

社会的不利条件をもつ少数者の特殊条件に関心をもち、これらの人々を中心とした『同一性の感情』をもって結ばれる下位集団が『福祉コミュニティ』である。

「福祉コミュニティ」は「社会福祉サービスの利用者ないし対象者の真実の生活要求を充足させるための組織体である。

市民社会型地域社会

生活者としての住民の主体的参加

地域的連帯責任

■岡村・福祉コミュニティ論の今日的課題 テキストP29

1970年代から、福祉ニーズの普遍化-社会福祉問題の国民化と地域化。

岡村の「一般住民の生活課題と福祉サービス対象者の福祉課題との乖離」が縮小しつつある。

福祉サービス(介護、育児等)を必要としている人は特殊な条件の下にあるのではない

・岡村は地域福祉の構成要件の一つとしてコミュニティケアを指摘-一般的社会サービスとは異なる。

⇒今日、地域福祉はコミュニティケアの個別支援機能を中核にしながら、ソーシャルサポートネットワーク構築、ユニバーサルデザインの都市、福祉教育の推進、社会参加の促進へ。福祉コミュニティの総合的な展開

・「一般コミュニティ」を、岡村の「福祉コミュニティ」の視点において再構築する。

・従来の町内会、自治会等の「地域コミュニティ型組織」と、共通の関心で結成された「アソシエーション型組織」とが、生活圏域、市区町村を基盤にして、地域福祉のプラットホームをつくり、活動をして推進していくこと。

*解説:アソシエーション

(略)

<福祉コミュニティの形成に向けて>

地域福祉の基盤となるコミュニティは、福祉コミュニテイである。

その思想の根幹は多様性を認め合う社会、いかなる少数者も少数者であることに誇りをもって生きることのできる社会の実現というノーマライゼーションであり、中核には常に当事者が存在しなければならない。すでに住民の参加とネットワークにより社会福祉法人を住民が運営する動きも始まっている。

コミュニティ概念には地域社会と共同社会という2つの意味内容が含まれるが、公共性・共同性が喪失しつつある現代社会で、現実にある問題や課題を打開する過程のなかで共同社会を実現していく道が地域福祉であり、少数者を排除しない共同杜会に向けて、共同の活動、組織、システムを創出する動きがボランティア活動等でも始まっている。

排除しない、受け容れ合うコミュニティは、時間の流れと共に成長し、深みを増し、その内面は発展していく。

少しづつ共通の想い、価値観が創られていく。

本物のコミュニティとは人々の生き方であり、暮らし方、物事のとらえ方である。

人と人との繋がりのように、目に見えるものよりも、みえないものこそ重要とも言える。


<当ブログバックナンバー>
 2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国 「悩む職員の心のケア」(やまゆり園事件が残したもの:下)
 朝日新聞から取材を受け、障害者福祉施設等において支援、ケアを担う現場職員を支援する必要性を筆者は提言した。
 また、筆者の開発した「福祉施設職員のストレスケア研修」プログラムは、福祉施設の現場を支えたいという想いから開発し、施設職員のストレス対処、感情労働、セルフケアをサポートするために実施を続けていること等をコメントした。

 離職、職業訓練(求職者支援制度)を経て、介護施設へ就職をした元訓練生の介護職員対象のグループインタビュー、ヒアリング等から、彼ら彼女らの介護現場における離職等につながり得るストレス要因について考察したものである。 

 介護留学生支援、外国出身の介護福祉士(在留資格「介護」の創設)の増員と並行して行うべきことがある。
 障害者福祉施設の支援員、高齢者福祉のケアワーカー、児童福祉施設の指導員や保育士等、現場の福祉施設職員への支援である。
 介護福祉、社会福祉領域の従事者の離職率の高さ、つまり福祉の現場から人が逃げていくかの様な状況を放置せず、改善を図らなければならない。介護士や支援員等、福祉施設職員の働く環境の問題等の課題がある。
 専門職キャリアの入口の支援だけではなく、職員の研修や個別の支援、メンタルヘルスへのサポートを拡充すべきと考える。
 <「全国社会福祉教育セミナー2016(主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会 於:淑徳大学)」における筆者の報告に、加筆したものである>


<参考>

外国人介護人材に熱い視線 日本語学校や福祉施設がセミナー

2017年09月13日 福祉新聞

引用「日本語学校、介護福祉士養成校、福祉施設が集まり、外国人介護人材の活用について情報を共有するセミナーが8月31日、都内で開かれた。

介護現場の取り組みについて講演した竹田一雄・社会福祉法人若竹大寿会理事長(横浜市)は、略。同法人は2015年からEPA(経済連携協定)に基づき介護人材を受け入れ、現在、技能実習生の受け入れに向けて現地で面接選考を行うなど外国人雇用に積極的に取り組んでいる。外国人人材への日本語研修のほか、日本人職員に受け入れにあたっての教育も行っている。竹田理事長は、法人内では外国人人材の記録業務に問題はなく、利用者とのトラブルもないという。外国人人材の介護の適性は高いとし「外国人ゆえのトラブルではなく、受け入れる法人の経営者や職員の質に問題があることが少なくない」と指摘した。 同法人では最終的に外国人人材を常勤職員の1割程度(70~100人)に広げたいとしている。

外国人介護人材をめぐっては9月1日に外国人の在留資格に介護が追加され、11月1日には技能実習制度に介護が追加される」引用ここまで


外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会中間まとめ 厚生労働省

<子どもの貧困対策 全国47都道府県キャラバンin熊本 開催概要>

子どもの貧困対策センター 公益財団法人あすのば

日時 2017年10月8日(日) 13時~17時

会場 熊本県庁 地下大会議室 (熊本市中央区水前寺6-18-1)

主催 公益財団法人 あすのば

共催 熊本県

後援 内閣府/熊本県教育委員会/熊本市/熊本県社会福祉協議会/熊本県母子寡婦福祉連合会

助成 公益財団法人 キリン福祉財団

プログラム

■第一部(全体会)13時~15時

主催者あいさつ(小河光治・代表理事)/共催者あいさつ(蒲島郁夫・熊本県知事)

来賓あいさつ(多野春光・熊本市副市長)

熊本県の取り組み発表(冨永章子・熊本県子ども家庭福祉課長)

パネルディスカッション『子どもの貧困問題を熊本で考える』

●パネラー: 稲田明日菜・子ども支援塾ステップ学生代表(熊本大学3年)

上村加代子・にしはらたんぽぽハウス施設長

冨永章子・熊本県子ども家庭福祉課長

三宅正大・あすのば子どもサポーター(創価大学4年) (50音順)

●コーディネーター:小河光治・あすのば代表理事

■第二部(意見交換会)15時20分~17時

分科会「地域ですすめる子どもの貧困対策」/意見交換タイム など

参加費 無料


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ケアマネジャー(介護支援専門員)受験対策
 模擬問題 介護支援分野

問題1 介護保険法における介護支援専門員の義務として正しいものはどれか。2つ選べ。
1 基準遵守義務
2 医療機関指導義務
3 資質向上努力義務
4 要介護度改善義務
5 保険者奉仕義務

問題2 介護保険法における保険者として正しいものはどれか。1つ選べ。
1 年金保険者
2 全国社会福祉協議会
3 国民健康保険団体連合会
4 都道府県
5 市町村及び特別区

問題3 介護保険法に定める保健福祉事業として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 介護保険施設の運営事業
2 指定居宅介護支援の事業
3 日常生活自立支援事業
4 指定地域相談支援事業
5 要介護被保険者を現に介護する者の支援のために必要な事業

<解答は、記事の最後に掲載>


当ブログ筆者の公開講座>
「地域にあると嬉しい“サロン”と“居場所”」 ルーテル学院大学教員 関屋 光泰
10月10日(火) 午後1時30分~ 3時30分 を担当します。

介護予防ボランティア養成講座
 介護予防に興味がある方、
 身近に交流する場所を開きたい方、
 地域で何か活動したいという方、ぜひご参加下さい!

◆日時<全4回+実習>午後1時30分~3時30分(毎週火曜日)
 平成29年10月3日、10日、17日、31日
 (および10月4日~10月30日の間に体験実習1日
◆受講料
 無料
◆定員・対象
 20名(申込者多数の場合抽選) 三鷹市在勤、在住、在活動者
◆申込
 9月26日(火)までに、電話またはFAX、メールで①名前②年齢③住所④電話・FAX番号⑤メールアドレス⑥ボランティア経験の有無(有の場合は活動内容)⑦受講動機についてお伝えください。
◆主催、問い合わせ
 電話:0422-76-1271 FAX :0422-76-127


<当ブログバックナンバー>
 2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国 「悩む職員の心のケア」(やまゆり園事件が残したもの:下)
 朝日新聞から取材を受け、障害者福祉施設等において支援、ケアを担う現場職員を支援する必要性を筆者は提言した。
 また、筆者の開発した「福祉施設職員のストレスケア研修」プログラムは、福祉施設の現場を支えたいという想いから開発し、施設職員のストレス対処、感情労働、セルフケアをサポートするために実施を続けていること等をコメントした。 

 介護留学生支援、外国出身の介護福祉士(在留資格「介護」の創設)の増員と並行して行うべきことがある。
 障害者福祉施設の支援員、高齢者福祉のケアワーカー、児童福祉施設の指導員や保育士等、現場の福祉施設職員への支援である。
 介護福祉、社会福祉領域の従事者の離職率の高さ、つまり福祉の現場から人が逃げていくかの様な状況を放置せず、改善を図らなければならない。介護士や支援員等、福祉施設職員の働く環境の問題等の課題がある。
 専門職キャリアの入口の支援だけではなく、職員の研修や個別の支援、メンタルヘルスへのサポートを拡充すべきと考える。
 <「全国社会福祉教育セミナー2016(主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会 於:淑徳大学)」における筆者の報告に、加筆したものである>



<参考情報>
「子ども達の選択肢を増やす」方法を一緒に考えましょう!
引用「子どもの未来を一緒に考えましょう
○先生方、教育関係者のみなさん
 学校と家庭の信頼構築に、地域を活用しませんか。
 負担を少しだけ地域に分散しませんか
 
○塾の先生、経営者の皆さん
 多様な学びの中に、塾をしっかり位置づけませんか。
 横の連携を強めませんか

○NPOの皆さん
 地域資源を活用して、持続可能な学習支援に踏み出しませんか

○議員の皆さん
 グローバル時代に生きる子ども達の「未来を支援する政策」を一緒に考えませんか

 専門家や実践家の意見を一度聞いてみましょう。話し合いをしましょう。
 皆で子どものたちの未来を応援するため、知恵を出し合いましょう。

 【講師】
  「多様なキャリア形成を目指して」
  ○道中 隆(関西国際大学教授)
  「フリースクールの実践からみえてきもの」   
  ○北村 真也(京都府認定フリースクール学びの森塾長
 【パネラー】
  ○久下明美(スクールソーシャルワーカー)
  ○山口 真史 (new-look 代表理事、TOB塾 代表)
  ○川本 貴弘(映画監督)

 【日時】 9月30日(土) 13:30~16:30
 【会場】 阪神尼崎駅前 土井ビル4F 会議室
 【対象】 教育・子育てに関心ある人
      ※子連れの方は、年齢等の事前確認をお願いします。
 【参加費】500円(資料代)
 【定員】100人
 【主催】NPO法人シンフォニー/9・30実行委員会(吉田実行員長)
 【後援】兵庫県教育委員会(申請中)、尼崎市教育委員会、近畿ろうきん地域共生室、日本政策金融公庫」引用ここまで 

引用「豊中つばめ塾 9/15開講レポート
豊中つばめ塾では、経済的な事情で塾に通っていない中学生に無料で学習支援をしています。みんなで一緒に勉強しませんか?webサイト、twitterからお気軽にお問い合わせください」引用ここまで

引用「介護福祉士養成専門学校が置かれる状況は、全国的に厳しい。YMCA介護福祉士科にはかつて1学年80人在籍したが、3年前から20人前後しか埋まらない。打開策として、高齢者施設に呼びかけ、賛同を得た5施設と留学生向け奨学金制度を創設。15年秋にベトナムで50人以上を面接して対象者12人を選んだ。今では総勢34人の外国人が通う。
 ベトナムの看護師資格を持つジェムさんらが介護福祉士科に進むのは来年。井之上校長は「彼女らを単なる労働力とは考えていない。施設の将来を担う人材として、人生の最期に触れる介護の意義や価値を教えます」と熱を込める。
 外国人受け入れは、08年に設けられた国の経済連携協定から始まった。対象はインドネシア、フィリピン、ベトナムの3ヵ国。施設で働きながら介護福祉士を目指せ、4年間で資格を取れば、その後も就労可能だ」引用ここまで


<模擬問題 解答>
問題1 答 1 3
介護保険法
(介護支援専門員の義務)
第六十九条の三十四  介護支援専門員は、その担当する要介護者等の人格を尊重し、常に当該要介護者等の立場に立って、当該要介護者等に提供される居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス若しくは地域密着型介護予防サービス又は特定介護予防・日常生活支援総合事業が特定の種類又は特定の事業者若しくは施設に不当に偏ることのないよう、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。
2  介護支援専門員は、厚生労働省令で定める基準に従って、介護支援専門員の業務を行わなければならない。
3  介護支援専門員は、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術の水準を向上させ、その他その資質の向上を図るよう努めなければならない。

問題2 答 5
 介護保険における保険者は、市町村および特別区(東京23区)である。

問題3 答1 2 5
1、2、5、が介護保険法の領域である。
 3「日常生活自立支援事業」は社会福祉法の領域、4「指定地域相談支援事業」は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律で定められている。

 介護保険法とは、老人福祉・保健制度を改善し,介護を社会全体で支えていく仕組みをつくっていくために,ドイツの介護保険制度を参考にしながら,新たな高齢者介護システムの検討が進められて,高齢者介護・自立支援システム研究会の報告書がまとめられた。
 1995年には、老人保健福祉審議会での審議が始まり,1996年11月には、介護保険関連3法案が国会に提出された。
 介護保険法は1997年12月に公布,2000年4月1日に施行(平成9年法律123号)。

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筆者の担当講義 精神保健福祉学科、社会福祉学科にて。
地域福祉の理論と方法 前期第1回講義レジュメ2<概要>

前回記事の続き)
7章 ソーシャルサポートネットワーク
1節 ソーシャルサポートネットワークの考え方とは テキスト196頁
1 相互扶助の歴史とソーシャルサポートネットワーク
・血縁、地縁
・慈善
・博愛 人類愛

*新たな支え合いコミュニティのファシリテーション 
 ソーシャルワーカー=相互支援、共助活動の促進者、組織者、コーディネーター。
 今日的な相互扶助がコミュニティにおいて求められている。子育て支援のホームスタート等。
 福祉教育による支え合いコミュニティの未来に向けて。道徳教育との連携を。
 新たな支え合い、共助活動を住民と共に創る、その組織化を行うコミュニティワークの役割が期待されている。
 コミュニティにおけるシェアリング活動の展望。居住、コミュニティ経済等。

 福祉等の制度に基づくサービス、福祉行政に期待するだけではなく、市民主体の支え合い、共助活動が求められている。
 地域社会密着、工夫と小回りがきく地域福祉活動の出番である。
 福祉コミュニティとは、行政だけではなく、市民、民間団体、企業の皆で創っていく、まちぐるみのビジョンである。
 自立したコミュニティを目指して、わが町のことは市民自身が担い手である。
 生活困窮も「行政の支援が足りない」と言うだけでは何も前に進まない。暗さを嘆くだけではなく、灯を持ち寄ろう。
 出来ることから、民間、コミュニティが支援していく。行政の施策を待っているだけでは、何も実現しない。
 持ち寄り型地域福祉、子育て支援、子ども食堂や居場所づくり、学習支援。
 その先に福祉コミュニティがあるのだろう。

・生活の全体性
・エンパワメント

*ピアサポート、共助による地域福祉
・ピアカウンセリングと障害者支援
・自助グループ、依存症、摂食障害、虐待等被害者、家族問題等のセルフヘルプ・グループ。
・自助(セルフヘルプ)グループとは、弱さと痛みを分かち合い、支え合う共同体
 人間は誰でも痛み、病をそれぞれが持ちながら生きている。例えば、疾患であり、障害、過去、高齢、自尊感情の欠如等である。
 その痛みを癒やすためには、それを自分の目で見つめなければならない。
 人間は、弱さ、痛みを分かち合い、支えあって生きることも出来る。
 排除や搾取ではなく、調和と相互扶助をもたらすことに、社会福祉専門職と行動する当事者たちの役割がある。

*チーム・アプローチ  
 利用者の生活問題やニーズに対する複数の専門職による働きかけのこと。
 複数の専門職が分離して,縦割りで働きかけるのではなく,目標や価値観を共有し,異なった専門性や役割を担当し,それが連携して実施することが重要な課題となる。

*地域包括ケアと多職種連携の課題
 高齢者の抱える生活問題は介護の領域にとどまらない。介護福祉、ケアマネジャーのみでは問題を解決することは難しい場合も多い。
 保健・福祉・医療等の専門職の連携,ボランティアなどの住民主体の地域福祉活動も含めた連携によって,地域の多様な社会資源を統合した地域包括ケアを提供することが必要である。

2 フォーマルサポートとインフォーマルサポート
・ソーシャルサポートのアセスメント

*ソーシャルサポートネットワーク
 制度に基づく専門職によるフォーマルな支援及び、コミュニティの住民によるインフォーマルなサポートのネットワークを形成して援助活動を展開していく技術である。
 つまり、フォーマルな支援とは、機関、施設等による制度的な支援であり、インフォーマルは、家族、友人等によるボランタリーなサポートである。

*インフォーマルサポート
 インフォーマルサポートとは、コミュニティの住民や家族などによる支援である。
 特徴として、相互の情緒面での支援に貢献できる等が挙げられる。
 地域福祉活動の担い手は、社会福祉関連分野の専門職だけではない。
 また生活問題をかかえている当事者、社会福祉サービスの利用者なども、専門職とパートナーシップをもって、社会福祉援助活動を担っている。

*多問題家族と連携による支援
 生活困窮・傷病・心身障害・問題行動など複数の問題群をかかえた家族のことである。
 多様な資源によるネットワーキングによる支援や、当事者の自尊感情を低下させずに問題解決を行うための支援のスキルが必要である。

*スティグマ stigma
 社会学者のゴッフマン

3 ソーシャルサポートネットワークづくり
・ネットワーキング

・コミュニティにおけるグループワークの役割

*グループワーク
・グループによる意図的なプログラム活動や、グループの相互作用を活用して個人の成長をめざし,個人,集団,社会のさまざまな問題への効果的な対応を支援するソーシャルワークの方法である。
・グループワークの援助媒体とは,ソーシャルワーカーがグループの目的を達成するために用いる手段のことである
①ワーカーとメンバー間の専門的援助関係,
②メンバーの相互作用,
③プログラム活動,
④社会資源である。

*グループワークのプロセス
◆準備期 -波長合わせ-
◆開始期 -契約-
◆作業期 -媒介-
◆終結期 -移行-

*「三大援助技術」
 ソーシャルワーク・社会福祉援助技術のうち、ケースワーク(個別援助技術)、グループワーク(集団援助技術)、コミュニティワーク(地域援助技術)のことである。

*ソーシャルワーク社会福祉援助技術の「三大分類」とは、直接援助技術、間接援助技術、関連援助技術である。

*「直接援助技術」
 利用者自身への直接的な、固有の方法からなる援助技術で、ケースワークとグループワークから構成される。   

*「間接援助技術」
 地域の支援体制づくりなどの方法レパートリーであり、コミュニティワーク・地域援助技術、ソーシャルワークリサーチ・社会福祉調査、アドミニストレーション・社会福祉運営管理、ソーシャルアクション・社会活動法、社会福祉計画法から構成される。

*「関連援助技術」
 隣接科学を援用した方法レパートリーが含まれており、ネットワーク、ケアマネジメント、スーパービジョン、カウンセリング、コンサルテーションで構成される。

当ブログ筆者のコメント 地域福祉と子ども食堂、子どもの居場所づくり>
 先日、子ども食堂の活動に参加させて頂いた。
 子ども食堂のプログラム前半は、学習の時間で小学生等が机に向かい、算数や国語の勉強をする。ボランティアの先生方のサポートは貴重なものだと思う。
 後半は、8月は通常より少なめの30人超の子どもと大人20人程が、モロヘイヤあんかけ肉じゃが、胡瓜と車麩のサラダ、和風デザート等の食卓を囲んだ。シェフのリードによって力を合わせて調理したメニュー、食材を寄付して下さる方々にも支えられている。
 食事と学習の支援、食育の機会でもあり、同じコミュニティでも関係が無かった住民、子どもに互いに繋がりが生まれる場、居場所づくりでもある。


<貧困問題関連>
日時:9月28日(木)19時~
会場:神奈川県司法書士会館
当日参加可,参加費無料
 引用「いま,高校を卒業した生徒の7割以上が大学や専門学校へ進学する一方,生活保護世帯の 生徒たちの進学率は,3割程度とその半分以下にとどまっています。
 しかし,制度をよく理解し,活用すれば,生活保護世帯からでも進学は可能です。
 反貧困ネットワーク神奈川では,今回,進学のために活用できる制度などをまとめたリーフレット「生活保護世帯から大学・専門学校へ進学するために」を作成しました。
 リーフレットの紹介と合わせ,学生生活の実態を踏まえて進学のためのお金の問題をどう 乗り越えるか,学費問題に取り組んで10年以上の西川治弁護士が報告します。
 大学・専門学校への進学格差の問題に触れつつ,生活保護世帯から大学等への進学をサポートするための諸制度の内容や注意点等を紹介します。ご参加をお待ちしております」引用ここまで


引用「勉強したいなぁ、と思っても、できない時ってありませんか?
 塾に行きたいけど、お父さんやお母さん、周りの人に言えない時ってありませんか?
 お金がないから、って言われて、がっかりしたことありませんか?
 豊中つばめ塾は皆さんが「学びたい」という気持ちを、持ち続けていられるようにしたいと思っています。

 対象:中学生(小学生、高校生はご相談ください)
 ※ただし、つばめ塾設立の趣旨に基づき、私立、国立の「中学校」に通う生徒さんはご遠慮ください。

 条件
1.ご家庭が経済的に困難であること
2.他の有料塾、家庭教師に習っていないこと
3.本人に勉強をする気があること
以上3つの条件にすべて当てはまらないと入塾はできません。

 費用:無料

引用「厚生労働省は2日までに、生活保護受給世帯など経済的に困窮している家庭の子供を対象に自治体が実施している学習支援事業について、主な対象としている小中学生に加え、2018年度から高校中退者や中卒者にも対象を広げる方針を決めた」引用ここまで


<当ブログ バックナンバー等>
 人間のいのちを支えることを使命とする福祉施設において、このようないのちが軽く扱われてしまう事件が起きてしまうことは残念でならない。再発防止のために解明が待たれる。
 社会福祉の倫理の最重要なものは、人間の尊重である。人間は,人間であること自体で価値があり、社会福祉は人間を平等に尊重する。
 人間のいのちと権利を尊重すること、護ることが、社会福祉実践の使命である。特に、障害者福祉分野は、当事者組織の活動の歴史もあって、権利の保障、ノーマライゼーションが獲得されてきた。これらの理念は、福祉施設職員の標準であるはずだ。


*関連報道 宇都宮障害者施設職員の暴行事件
引用「宇都宮市の知的障害者支援施設で今年4月、入所していた20歳代後半の男性が腰の骨を折るなどして一時、意識不明となっていたことが、栃木県警の捜査関係者などへの取材で分かった。
 けがの状態や現場の状況などから、施設職員から暴行を受けた可能性が高いとみて、県警は傷害事件として捜査している。
 捜査関係者によると、男性は昨年8月に入所。今年4月15日夕から体調不良となり、翌日夜、極度の貧血で意識がもうろうとしているのを夜勤の職員が見つけ、病院に救急搬送された」引用ここまで

引用「県警は施設内で職員から暴行を受けた疑いもあるとみて、傷害事件として捜査している。
 連絡を受けた県警は職員らを事情聴取。けがの状態などから、男性を暴行した職員がいるとみて捜査を進めている。
 施設側も内部調査を行ったが、これまで職員による暴行は確認されていないという。施設は「受傷者が出た責任はある。警察の捜査には協力したい」としている」引用ここまで

引用「警察は11日午前、男性が職員から暴行を受けた疑いがあるとして、施設などの家宅捜索に入りました。
家宅捜索が入ったのは宇都宮市の障害者支援施設と、施設を運営する社会福祉法人の本部などです」引用ここまで

引用「県警は同日、傷害の疑いで同施設に勤務していた男(22)を逮捕。職員の女(25)の逮捕状を取り、捜査を進めている」引用ここまで

引用「2人の逮捕容疑は、4月15日にビ・ブライト内で、入所者の男性(28)の腰付近を代わる代わる数回足蹴りするなどの暴行を加え、腰椎骨折など6カ月の重傷を負わせた疑い」引用ここまで

引用「県警は13日、傷害の疑いで施設を運営する社会福祉法人「瑞宝会」職員で当時、同施設に勤務していた同市、松本容疑者(25)を逮捕した。調べに対し「殴ったり蹴ったりした」などと容疑を認めているという。一方、施設内の防犯カメラの録画記録に事件前後の映像が残っていないことが判明。県警は意図的に消された疑いも視野に捜査している。
 ほかに同容疑で逮捕されたのは、事件当時に同施設で就労訓練中で、現在は那須町湯本の関連施設に入所する無職佐藤容疑者(22)。
軽度の知的障害があるが、県警は刑事責任能力に問題はないとみている。県警は13日、送検した。
 2人の逮捕容疑は共謀して4月15日夕、「ビ・ブライト」内で入所者の都内、無職男性(28)の腰付近を代わる代わる数回蹴るなど暴行し、腰の骨を折るなど約6カ月の重傷を負わせた疑い」引用ここまで

引用「社会福祉法人「瑞宝会」(本部・宇都宮市)が運営する宇都宮市の知的障害者支援施設「ビ・ブライト」で入所者の男性(28)が重傷を負った事件で、同法人運営の別の知的障害者支援施設「カーサ・エスペランサ」(栃木市)でも入所者が虐待された疑いがあるとして、栃木市が調査していることが14日、分かった」引用ここまで

引用「社会福祉法人「瑞宝会」が運営する栃木市都賀町の知的障害者支援施設「カーサ・エスペランサ」で今月、入所者の50代女性が施設から逃げ出し「職員から暴行を受けた」と訴えていたことが、14日までに分かった」引用ここまで

引用「傷害の疑いで逮捕された職員の女ら2人が県警の調べに「(男性の言動に)腹が立ってやった」などと供述していることが14日、捜査関係者への取材で分かった。県警は2人が衝動的に事件を起こした可能性が高いとみて、動機や経緯を調べている。
 一方、事件を受け、福田富一(ふくだとみかず)知事は同日の定例記者会見で、同施設を運営する社会福祉法人「瑞宝会」が設置する別の5施設で「現地調査を実施したい」との意向を明らかにした」引用ここまで


<当ブログバックナンバー>
 2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国 「悩む職員の心のケア」(やまゆり園事件が残したもの:下)
 朝日新聞から取材を受け、障害者福祉施設等において支援、ケアを担う現場職員を支援する必要性を提言した。
 また、筆者の開発した「福祉施設職員のストレスケア研修」プログラムは、福祉施設の現場を支えたいという想いから開発し、施設職員のストレス対処、感情労働、セルフケアをサポートするために実施を続けていること等をコメントした。 

関屋光泰『職業訓練生たち-1年目職員が感じた介護&ストレス』
「介護人材Q&A 2015年2月号 介護職員「こころの健康管理」その施策と工夫」,産労総合研究所

ブログ筆者の論文 要約
 離職、職業訓練(求職者支援制度)を経て、介護施設へ就職をした元訓練生の介護職員対象のグループインタビュー、ヒアリング等から、彼ら彼女らの介護現場における離職等につながり得るストレス要因について考察したものである。




ファシリテーター養成講座 福祉のまちづくりを協働により推進する
ルーテル学院大学

引用「地域福祉ファシリテーターとは?
 地域の福祉課題や地域の中で支援を必要としている人を発見し、自らが持つ能力や人脈、社会資源を生かしながら、具体的な「新たな支え合い」活動を企画・実施する中核となる人々のことを指します。この講座では、講義だけでなく、体験的な演習やフィールドワークを盛り込み、講座修了後には、具体的な「新たな支え合い活動」が実際に展開されることを目標としています」引用ここまで

<ルーテル学院大学 ファシリテーター養成講座修了生グループの活動紹介>
 関心をお持ちの皆様、ぜひ、ご参加下さい。
*詳細は下記をクリック
 災害発生時、困難に直面する方々の孤立防止に関心をお持ちの方のための情報!
日時:平成29年10月28日(土)14時から16時30分
会場:前原暫定集会施設A会議室
講師:荒井康善さん(小金井市聴覚障害者協会 会長)

*プログラム
第1部 講演会 午後2時から3時
     聴覚障がいとは
     東日本、熊本大震災を見ての現状
第2部 ワークショップ 午後3時10分から4時10分
     第3部 災害ボランティア、情報の交差点から情報提供 午後4時半終了

対象:障がい、福祉に関心のある方 聴覚障がいについて知りたい方
参加費:無料
定員:30名(定員に達し次第締め切ります)
主催:情報の交差点チーム
共催:小金井市社会福祉協議会
後援:三鷹市社会福祉協議会・武蔵野市民社会福祉協議会
協力:ルーテル学院大学


<貧困問題関連>
キッズドア
☆☆☆学習会・開催概要☆☆☆
◇日程:毎週水曜日 

◇時間:18:00~21:00 (指導時間 18:30-20:30)

◇場所:足立区生涯学習センター(@北千住駅から徒歩15分)

◇対象:経済的な困難を抱える中学1年~3年

◇内容:個別指導+アクティビティ


≪ボランティア説明会のご案内≫
【日時】9月13日(水)18:00~(1時間程度)

【参加費】無料

【会場】足立区生涯学習センター 北千住駅徒歩15分


 
引用「ミャンマーでは民政化以降、経済特区の開発などが急激に進み、今までミャンマーが経験したことのない規模やスピードで経済が動き始めました。
 東南アジアで既に経済発展を遂げた国々では、開発のなかで従来の暮らしが成り立たなくなった地域もあり、人々の間の経済格差は拡大しています。最後のフロンティアといわれるミャンマーでは、これからどうなっていくでしょうか。
 日本の政府や企業は、ミャンマーの経済開発で重要な推進役となっています。じつは日本の私たち一人ひとりも、知らないうちに納税者や消費者としてその開発に関与しています。私たちが、ミャンマーの人たちの生活に直結した切実な想いに配慮し、格差を生まない開発を実現していくポイントは何でしょうか。
 この企画では、異なる立場の利害関係者間に「対話」を生み出すことで、開発の負の影響を受けているミャンマー住民の支援を行う日本のNGOの経験をうかがい、ビジネスで人権や環境に配慮する意義と課題を見つめます。企業と開発地の住民と私たちがどう関係性を構築していけばよいのか、グローバルな経済の動きと足元の暮らしの関係を一緒に考えましょう。
■ゲスト: 黒田かをりさん
■基調講演: 木口 由香さん
日時:2017年9月21日 18:30~21:00(開場18:00)
■会場:新宿区 若松地域センター 2階  第2集会室
         東京都新宿区若松町12-6 (大江戸線・若松河田駅 河田口 歩2分)
■参加費: 一般1,000円/学生500円 ※当日受付にてお支払ください。
主催: 認定NPO法人まちぽっと ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)
  Tel 03-5941-7948、Fax 03-3200-9250

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筆者のコメント 「生活保護アパート」等の火災再び
 居住福祉、社会福祉における居住の支援の必要性、人間にふさわしい居住環境とは。
 居住の貧困とは。生活困窮者、高齢者、障害者、生活保護受給者に安全で健康的な住まいを求めて。

共同通信2017/8/22 19:06
引用「秋田県横手市のアパート火災で、県警や地元消防は22日午後、現場の「かねや南町ハイツ」を重機で捜索し、住人とみられる1遺体を発見、死者は計4人となった。県警は、4人の身元や連絡が取れない残る1人の安否確認を急ぐとともに、出火原因を調べている。
 横手市などによると、管理人を除く住人は20~70代の24人で、このうち17人が精神科の病院に通院しながら社会復帰を目指して暮らしていた。また、12人は生活保護を受給していた。防火設備の不備なし」引用ここまで

<筆者のコメント>
 先ず、犠牲になられた方々のご冥福と、負傷されている方々のご回復を祈念します。
 今回の火災や、居住されていた人々の詳細はまだ、十分には分かっていない。解明が待たれる。

 筆者が言えることは、生活困窮者、生活保護受給者、高齢者の方々の住まいの火災が繰り返されてしまったということである。
 火災の事例をいくつか挙げたい。他にも犠牲者をだしてしまった火災はあるだろう。
 2009年、高齢者施設「たまゆら」(群馬県渋川市)の火災では、10人の入居中の高齢者がお亡くなりになった。
 2011年11月6日、新宿区大久保の木造二階建てアパートの火災で、5人の住民が亡くなった。そのアパートは、住民23名のうち19名が生活保護受給者であり、集住していた物件だったことが分かった。
 2015年5月17日未明の、川崎市の簡易宿泊所「吉田屋」と「よしの」の火災では11人が亡くなった。

*生活困窮者と火災、簡易宿泊所 
 かつて簡易宿泊所街にとって、木造の簡易宿泊所の火災は、延焼を招き、火災の犠牲者、生活の破壊は大きな生活問題だった。
 これについては後述する。
 つまり、生活困窮者、生活保護受給者にとって、火災が生命、健康、生活を脅かす問題として復活したといっても過言ではないだろう。

*居住福祉、住まいの支援
 誰でも、住まいは安全で、健康な生活が維持され、可能な限り快適であってほしい。
 社会福祉と関連する領域では、「居住福祉」という考え方がある。
 引用すると、居住福祉とは「人間にふさわしい居住が,いのちの安全や健康や福祉や教育やほんとうの豊かさや人間としての尊厳の基礎であり,安心して生きる社会の基礎である」(早川和男『居住福祉』1997)。
 人間らしい生活の基盤は、人間にふさわしい住まいからという考え方と言えるだろう。
 誰にとっても、暮らしや健康にとって、住まいは欠かせない。
 それは、食生活、周囲の環境、移動、孤立等も含めた総合的な人間にふさわしい居住のあり方が問われる。
 生活に困窮しても、高齢になっても、ハンディキャップを持ってもコミュニティで暮らすために、住まいの質と、居住の場におけるサポートのあり方が問われている。火災の予防、万が一の火災時の避難のためにも支援が必要と言える。
 また、居住の場を運営する事業者、支援を行う事業所に対する社会的支援も求められている。

*新たな居住の貧困 低所得者シェアハウス
 加えて、単身高齢者や障害者等の生活困窮者や生活保護受給者の住まいとして、これらの人々が集住する木造老朽化アパートや簡易宿泊所に加えて、若年生活困窮者が住む傾向があるのがネットカフェ(参考記事) やシェアハウスである。シェアハウスは快適でお洒落な物件と、住宅困窮者向けシェアハウス(参考記事)の格差が拡大し、注目していく必要があるだろう。

<報道から>
引用「
横手署などによると、アパートは築50年ほどで、部屋はすべて和室6畳。1階の13部屋には11人、2階の15部屋には14人が入居していて、亡くなるか連絡が取れていない5人は全員2階に住んでいた。
 火は隣接する空き家2軒と、市の子育て支援施設「わんぱく館」の計3軒に燃え広がり、約5時間後に消し止められた。
 アパートを管理する会社の役員は朝日新聞の取材に対し、アパートは食事提供がある下宿という位置づけだと説明。日曜祝日以外は朝食、夕食が出て、1カ月の家賃は食費込みで5万1840円だったと話した。
 同社の佐々木社長(48)によると、2年前に別のアパートで火災が起き、それ以降、室内では火気の使用を禁じ、消火訓練などをしてきたという。再び火災が起きたことについて「対策を練ってきたつもりだったが(死者が出て)大変残念だ」と話した」引用ここまで


 引用「「かねや南町ハイツ」を経営する佐々木社長は日常的にアパートを訪れ、住人と面識が深かった。気の合う住人同士で互いの部屋を行き来し、「穏やかな日常だった」と振り返った。
 佐々木社長によると、遺体で見つかった千田さん(58)はパソコンが得意で、インターネットで情報収集するなど知識豊富な人だった。佐藤さん(62)は自転車で遠出することが多く、県内に泊まりがけの旅行に出掛けるなど活動的だったという。
 山本さん(78)について、アパートの管理人の奥山さん(63)は「気が強いけれど親切な人。缶コーヒーをくれることもあった」としのんだ。当該物件の見取り図等」引用ここまで

 
<筆者の論文から 関屋2009>
*簡易宿泊所火災による“罹災保障”の要求のソーシャルアクション 横浜市寿町の地域福祉活動
 1968年5月25日、簡易宿泊所の祥雲荘、扇屋、ことぶき荘の三軒の簡易宿泊所が、火災により全半焼し、罹災者は204世帯、265人に及んだ。
 この火災をきっかけに「罹災者同盟」が発足した。横浜市寿生活館のケースワーカー等の支援者がその組織化、罹災保障要求のソーシャルアクションを支援した。
 およそ二ヵ月にわたって簡易宿泊所経営者と交渉し、罹災者1人につき2000円の見舞金と無料宿泊券5日分という条件で合意に至った。以降、寿町の簡易宿泊所で火災が発生した場合は、簡易宿泊所経営者の組合から罹災者に見舞金を支給するという慣行が継続された 。
 1960年以降では、寿町の簡易宿泊所火災は13件発生し、15人が死亡している。例えば、「長者荘」の火災では、延焼し5軒の簡易宿泊所が全焼、2人が死亡し、4人が重軽傷を負い、361人が罹災している。 

*当時の寿町地域の居住環境とは
 寿町に最初の簡易宿泊所「恵会館」が、1956(昭和31)年4月に建築申請されてから、寿町は簡易宿泊所街としての基礎が形成されていった。
 1963(昭和38)年末に、横浜市建築局が把握していた寿町地域の簡易宿泊所は81軒であった。
 当時の寿町の簡易宿泊所は「2階4層」の不法・違法建築もあり、また「ベッドハウス」形式の簡易宿泊所も存在していた。宿泊者数は、推測に頼るほかないが、宿泊所の収容能力から約8000人程度であった。
 この時期の寿町の住民生活に関連する特徴的な出来事として、1963年4月に、簡易宿泊所「丸井荘」で集団赤痢が発生し、1人が死亡、15人を隔離したことが挙げられる。簡易宿泊所に居住する義務教育未就学児童の問題とも合わせて、住民の生活と居住環境の問題が顕在化しつつあったと言えよう 。
 福祉行政による寿町支援施策として、その嚆矢となる、中民生安定所の夜間出張相談が、1962(昭和37)年5月から開始された 。また、民間による支援の先駆けとして、この出張相談に、地域の民生委員も協力している。
 翌1963(昭和38)年4月には飛鳥田横浜市長が就任し、革新市政となった。同年9月には「横浜市青少年相談センター」が扇町に開所された。公的な寿町支援施策の開始となった。

序章 
第1節 問題の所在
第2節 研究の目的と方法
第3節 論文の構成

第1章 民間支援活動の位置づけと支援に関する先行研究
第1節 支援の概念と寿町における民間支援活動の位置づけ
第2節 貧困領域における民間支援活動および支援者に関する先行研究
第3節 寿町における民間支援活動および支援者に関する先行研究 

第2章 開始期:子どもへの支援とセツルメント-寿町における支援活動の歴史的変遷と特徴-
第1節 支援活動の歴史的変遷と特徴-文献から- 
第2節 証言としてのインタビュー    
第3節 考察                

第3章 発展期:福祉事業化と神奈川県域への拡大
第1節 支援活動の歴史的変遷と特徴-文献から-     
第2節 証言としてのインタビュー                     
第3節 考察                                 

第4章 模索期:活動の多様化と新たな支援のあり方の模索
第1節 支援活動の歴史的変遷と特徴-文献から-     
第2節 証言としてのインタビュー            
第3節 考察                      

終章  考察 -支援者の存在意義と民間支援活動の展望-  

「寿町」 地域とは、横浜市中区の簡易宿泊所 が密集した「ドヤ街」 である。
 かつての横浜港で働く日雇労働者とその家族のドヤ街 の面影は無く、現在は、高齢者や障害者等の生活保護受給者が単身で集住する「福祉の町」である 。

<筆者の論文 抜粋 寿町地域の簡易宿泊所の居住福祉を考える>
「簡易宿泊所街・寿町における、生活保護受給者等を対象とする精神科デイケア

 -開始段階の実践に関する考察―」から抜粋

1 簡易宿泊所の住環境=3畳の和室、外出の障壁、トイレ問題
 寿町の簡易宿泊所の住環境と居住者の心身の健康への影響に関して述べる。
 簡易宿泊所は1泊2200円という料金が多く、個室である。多くは三畳の和室で、窓があり、ベランダが付いている場合もある。寿町には、山谷 や釜ヶ崎(あいりん地区) 等に見られる、2段ベッドの集団部屋で宿泊する「ベッドハウス」と称されるものは現存しない。
 近年、寿町の宿泊所のなかには、介護対応やバリアフリー等と称して、洋室の介護用ベッドが入れられる部屋や、やや広くなり四畳の部屋、寿町等で「帳場」と称されている管理人への呼出用コール、介護対応浴室等を設備した宿泊所も登場した。デイケア開設時の1999年の時点では、このような「バリアフリー」新型簡易宿泊所は登場していない。
 エアコンの設備がある宿泊所と無い宿泊所があるが、後者は熱中症の危険が増す。エレベーター設置の宿泊所もあるが、階段のみの老朽化した宿泊所も現存し、通常よりも階段が急な宿泊所もある。老朽化した宿泊所は、和室の入口には段差があり、採光や照明の不良により廊下が暗い。これらは、高齢者や身体障害者の外出、移動の障壁になり、転倒の危険を増している。居住する高齢・障害者が自室に閉じ篭りがちになる要因である。
 個室内には、キッチンやトイレは設備が無く、各階に共同のものがある。老朽化した宿泊所の共同トイレは、和式便器であり、高齢や障害のある居住者にとって使用し辛く、臭気も強くて清潔とは言い難いところもある。これらは、居住者をトイレから遠のかせる、つまり排泄を我慢させることにも繋がる。自室外にあることから、間に合わないこともあり、自室内での失禁、排泄を繰り返し、住環境の衛生面を悪化させる居住者も少なくない。また、尿瓶等を利用する居住者もいる。なお、トイレには暖房が無い為、冬期は特に、寒暖差からも、健康への悪影響があると思われる。
 寿町の簡易宿泊所は、コインシャワーとコインランドリーの設備を持つところが多く、当然、有料であり、入浴や洗濯をしたがらない居住者もいる。銭湯は、地域内と隣接地域にある。入浴や洗濯から遠ざかり、衛生上の問題もあって、南京虫等に悩まされる居住者も珍しくない。

2 簡易宿泊所居住者の食生活-インスタントラーメン、弁当、惣菜の孤食-
 寿町地域の簡易宿泊所の共同炊事場は、ガスコンロや流しの設備があるが、調理の度に自室から、鍋やフライパン、まな板、包丁、食材等を持参しなければならない。盗難を防ぐため、炊事場から離れることも出来ない。老朽化した宿泊所では、流しは水道のみであり、コンロも古く、使用し辛く、かつ衛生的とは言い難い。炊事場には冷暖房の設備も無い。
 略

3 簡易宿泊所街の人間関係-希薄・匿名性故の住み易さと孤立・孤独死の危険-
 続く

当ブログ筆者の論文 リンク

 207万人の読者の皆様へ
<当ブログ(社会福祉士受験支援講座 教員日記)は、2009年3月のサイト開設から、
今日まで2,077,017人の方に訪問して頂きました。>

<当ブログ バックナンバー>
 2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国 「悩む職員の心のケア」(やまゆり園事件が残したもの:下)
 朝日新聞から取材を受け、障害者福祉施設等において支援、ケアを担う現場職員を支援する必要性を提言した。
 また、筆者の開発した「福祉施設職員のストレスケア研修」プログラムは、福祉施設の現場を支えたいという想いから開発し、施設職員のストレス対処、感情労働、セルフケアをサポートするために実施を続けていること等をコメントした。 

関屋光泰『職業訓練生たち-1年目職員が感じた介護&ストレス』
「介護人材Q&A 2015年2月号 介護職員「こころの健康管理」その施策と工夫」,産労総合研究所

ブログ筆者の論文 要約
 離職、職業訓練(求職者支援制度)を経て、介護施設へ就職をした元訓練生の介護職員対象のグループインタビュー、ヒアリング等から、彼ら彼女らの介護現場における離職等につながり得るストレス要因について考察したものである。

 介護留学生支援、外国出身の介護福祉士(在留資格「介護」の創設)の増員と並行して行うべきことがある。
 障害者福祉施設の支援員、高齢者福祉のケアワーカー、児童福祉施設の指導員や保育士等、現場の福祉施設職員への支援である。
 介護福祉、社会福祉領域の従事者の離職率の高さ、つまり福祉の現場から人が逃げていくかの様な状況を放置せず、改善を図らなければならない。介護士や支援員等、福祉施設職員の働く環境の問題等の課題がある。
 専門職キャリアの入口の支援だけではなく、職員の研修や個別の支援、メンタルヘルスへのサポートを拡充すべきと考える。
 <「全国社会福祉教育セミナー2016(主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会 於:淑徳大学)」における筆者の報告に、加筆したものである>



ファシリテーター養成講座 福祉のまちづくりを協働により推進する
ルーテル学院大学

引用「地域福祉ファシリテーターとは?
 地域の福祉課題や地域の中で支援を必要としている人を発見し、自らが持つ能力や人脈、社会資源を生かしながら、具体的な「新たな支え合い」活動を企画・実施する中核となる人々のことを指します。この講座では、講義だけでなく、体験的な演習やフィールドワークを盛り込み、講座修了後には、具体的な「新たな支え合い活動」が実際に展開されることを目標としています」引用ここまで


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筆者の担当講義 精神保健福祉学科、社会福祉学科にて。
 寿町の地域精神医療、生活困窮者支援と地域福祉活動とは

地域福祉の理論と方法 前期第1回講義レジュメ前半<概要>
1.はじめに
・ことぶき共同診療所の地域精神医療、精神科デイケア、グループワーク。
 筆者の地域福祉、コミュニティワークの実践事例
・横浜市の簡易宿泊所街「寿町」の地域福祉活動
 (後述)

2.科目オリエンテーション
 シラバス参照 当日配布

*地域福祉とは 概要
・地域社会、コミュニティ
・住民主体
・国・地方自治体,住民組織,民間組織・NPOの協働
・地域福祉活動

・住民主体、参加型福祉社会 課題

・今日の生活問題の特徴
 ニーズの多様化と新たな生活問題の出現、問題の重複(例:家族問題+貧困+精神疾患+問題行動+社会的孤立)が挙げられる。
 社会的孤立、多問題家族等。
・社会的孤立は、各地域、社会福祉の各分野共通の課題である。
 誰にも相談できない、誰にも分かってもらえないという孤独の痛み。
 支えになる人、頼れる人がいない。拠りどころがない。
 人間は独りでは生きていけない。周囲と繋がって生きている=人間の社会性。
 人間は、他者との繋がり、関わり、支え合いを希求する想いを抱いている。
・人との繋がりを結ぶのもボランティア、地域福祉の働きの一つである。

*権利擁護
・マイノリティへの差別、バッシングの傾向。
 精神障害者に限らず、差別されている全ての人々、全てのマイノリティの擁護者としての役割を持ちたい。
 また、困難もあるが、地域社会のなかでマイノリティへの理解を促進する福祉教育を実践することが求められている。社会福祉協議会などの役割が大きい。社会福祉協議会にとっては、今後の大きなテーマの一つであろう。

・マジョリティ側の課題

*相互性、互酬性
 双方向の関わりである。お互いのための活動である。
 ボランティアの自己理解、自分に向き合う-自分探し、自分の可能性を発見
 社会について学ぶもう一つの学校
 出会いと共感
 意識化、気付き

*参加型福祉社会
 住民参加型在宅福祉団体やNPOなど,民間のボランティアや非営利組織が,参加しながら行政と協働してつくっていく福祉社会のあり方。

・介護保険制度

・参加型福祉社会-協働、パートナーシップ、福祉社会の担い手
・コミュニティの再生を図る、ネットワークを構築する。
・グローバルに考えローカルに行動する

・ふれあいのまちづくり事業

・横浜市の簡易宿泊所街「寿町」の地域福祉活動
 貧困領域における民間組織による支援、地域福祉活動は、戦後、簡易宿泊所街である、東京「山谷」や、大阪「釜ヶ崎」、横浜「寿町」と、「寄せ場」と呼称される日雇労働市場である名古屋「笹島」等で行なわれてきた。
 論文(関屋,1999)で概要を述べているが、寿町地域においては、福祉行政による支援施策は、1962(昭和37)年5月に開始された中民生安定所の夜間出張相談が、また民間の活動としては、1964(昭和39)年の「子ども会ぼっこ」の活動の開始が、支援の嚆矢となった。
 その翌年には、横浜市の隣保施設「寿生活館」が設置され、福祉行政と民間支援活動の拠点となった。寿生活館は、住居のない者及び簡易宿泊所宿泊者等の更生と福祉を図るために、横浜市が設置した。
 1966(昭和41)年には、これらの活動を担っていた横浜市職員が、町内の簡易宿泊所に住み込み、セツルメントを志向した取り組みが開始された。その後、住民主体の地域福祉活動とソーシャルアクションが展開されていった。
 1973(昭和48)年には、支援者が寿町に生活の場を置く「ことぶき共同保育」が開始され、民間のセツルメント的な実践が定着したと言えよう。
 また、各地の寄せ場等に共通する、寄せ場日雇労働者やホームレス等の民間支援活動の三大領域とも言える、
 1.「炊き出し」と呼ばれる給食活動と、
 2.「(人民)パトロール」等と称せられる、野宿者を嫌がらせや「シノギ(モガキ)」と呼ばれる路上強盗から防衛し、アウトリーチ・安否確認の為の巡回、
 3.医療支援活動と、年末年始期に集中的に取り組まれる支援活動の「越冬活動」のスタイルが、1973年12月に完成した。

*簡易宿泊所街「寿町」
「寿町」地域は、横浜市中区の簡易宿泊所街である。この地域は、中区寿町2丁目の一部と3~4丁目、扇町3丁目の一部と4丁目、松影町3~4丁目、三吉町の一部、長者町1丁目の一部を含む、簡易宿泊所(通称:ドヤ)の密集地である。面積は、およそ0.06平方キロメートルである。

*簡易宿泊所
 「簡易宿泊所」とは、旅館業法における4種(ホテル、旅館、簡易宿所、下宿)の旅館営業許可業種のうちのひとつである

*簡易宿泊所街、寄せ場
 簡易宿泊所街は、「ドヤ街」とも蔑称される。ドヤとは、宿の逆語であり、旅館やホテルと区別された、日雇労働者の簡易宿泊所である。
 青木によれば、寄せ場とは、大都市内のドヤの密集地域に位置づく日雇労働者の就労場所をいう。多くの場合、寄せ場は、周辺スラムとともに複合地域を形成する。寄せ場は、日雇労働者が集まる都市下層地域として、固有の社会と文化(生活様式)をもつ。それは、他の下層地域とは異なる
 青木秀男『寄せ場労働者の生と死』 明石書店, 1989年,19頁,20頁

*山谷
 「山谷」とは、東京都台東区と荒川区にまたがる、簡易宿泊所街・寄せ場である。「泪橋交差点」を中心にした、簡易宿泊所が集中する地域であるが、地域名として、「山谷」は残っていない。
 松沢哲成「主要寄せ場についての概要」日本寄せ場学会年報編集委員会編『寄せ場文献精読306選』,202頁~213頁,日本寄せ場学会,2004年,205頁~207頁

*釜ヶ崎、あいりん地区
 釜ヶ崎は、大阪市西成区萩之茶屋周辺の簡易宿泊所街・寄せ場である。1966年の「第五次釜ヶ崎暴動」以降は、行政や大阪府警により「あいりん地区」の呼称が用いられるようになった。 前掲書,2004年,202頁~205頁

*笹島
 名古屋市中村区名駅南にある名古屋中公共職業安定所の周辺の寄せ場である。簡易宿泊所街は無く、日雇労働市場のみである。
 前掲書,2004年,210頁~212頁


<第1回講義 後半に続く>

<当ブログ バックナンバー>
関屋光泰『職業訓練生たち-1年目職員が感じた介護&ストレス』
「介護人材Q&A 2015年2月号 介護職員「こころの健康管理」その施策と工夫」,産労総合研究所

ブログ筆者の論文 要約
 離職、職業訓練(求職者支援制度)を経て、介護施設へ就職をした元訓練生の介護職員対象のグループインタビュー、ヒアリング等から、彼ら彼女らの介護現場における離職等につながり得るストレス要因について考察したものである。

福祉施設職員のストレスケア、メンタルヘルス、感情労働とは 筆者のコメントが新聞に掲載されました
 2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国 「悩む職員の心のケア」(やまゆり園事件が残したもの:下)
 朝日新聞から取材を受け、障害者福祉施設等において支援、ケアを担う現場職員を支援する必要性を提言した。
 また、筆者の開発した「福祉施設職員のストレスケア研修」プログラムは、福祉施設の現場を支えたいという想いから開発し、施設職員のストレス対処、感情労働、セルフケアをサポートするために実施を続けていること等をコメントした。 

 介護留学生支援、外国出身の介護福祉士(在留資格「介護」の創設)の増員と並行して行うべきことがある。
 障害者福祉施設の支援員、高齢者福祉のケアワーカー、児童福祉施設の指導員や保育士等、現場の福祉施設職員への支援である。
 介護福祉、社会福祉領域の従事者の離職率の高さ、つまり福祉の現場から人が逃げていくかの様な状況を放置せず、改善を図らなければならない。介護士や支援員等、福祉施設職員の働く環境の問題等の課題がある。
 専門職キャリアの入口の支援だけではなく、職員の研修や個別の支援、メンタルヘルスへのサポートを拡充すべきと考える。
 <「全国社会福祉教育セミナー2016(主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会 於:淑徳大学)」における筆者の報告に、加筆したものである>


<ルーテル学院大学 ファシリテーター養成講座修了生グループの活動紹介>
 関心をお持ちの皆様、ぜひ、ご参加下さい。
*詳細は下記をクリック
 災害発生時、困難に直面する方々の孤立防止に関心をお持ちの方のための情報!
日時:平成29年10月28日(土)14時から16時30分
会場:前原暫定集会施設A会議室
講師:荒井康善さん(小金井市聴覚障害者協会 会長)

*プログラム
第1部 講演会 午後2時から3時
     聴覚障がいとは
     東日本、熊本大震災を見ての現状
第2部 ワークショップ 午後3時10分から4時10分
     第3部 災害ボランティア、情報の交差点から情報提供 午後4時半終了

対象:障がい、福祉に関心のある方 聴覚障がいについて知りたい方
参加費:無料
定員:30名(定員に達し次第締め切ります)
主催:情報の交差点チーム
共催:小金井市社会福祉協議会
後援:三鷹市社会福祉協議会・武蔵野市民社会福祉協議会
協力:ルーテル学院大学

ファシリテーター養成講座 福祉のまちづくりを協働により推進する
ルーテル学院大学

引用「地域福祉ファシリテーターとは?
 地域の福祉課題や地域の中で支援を必要としている人を発見し、自らが持つ能力や人脈、社会資源を生かしながら、具体的な「新たな支え合い」活動を企画・実施する中核となる人々のことを指します。この講座では、講義だけでなく、体験的な演習やフィールドワークを盛り込み、講座修了後には、具体的な「新たな支え合い活動」が実際に展開されることを目標としています」引用ここまで


<子どもと家族の生活困窮、ソーシャルワーク 関連情報>
 千葉県里親家庭支援センター主催の社会的養護の勉強会。
 今回は、アメリカの里親に実親としての権限を与えて、里子たちの生活をより“ふつうの生活”に近づけようという社会的養護の潮流等がテーマ。
引用「ワシントン州では、Prudent Parent 法案が可決してから、里親さんに実親としての権限を与えて、里子たちの生活をより“ふつうの生活” に近づけようという動きがあります。
 また、米国全体に、ノーマルシーについての Working Group ができていて、ユースや児童福祉の専門職がさかんにこのテーマについて語り合う場をもうけています。日本ではまだ、聞きなれない言葉かも知れませんが、里親養育、そして養子縁組とたいへん密接な関係がある取り組みなので、里親さんたち、また里親養育について学んでいる方たちとの活発な話し合いができればと思っています
 日 時       
 2017年 9月12日(火曜日)午後1時30分~4時30分
 場 所
 市川男女参画センター 6階研修室F
 参加費
 1000円
 お申込み方法 HP 参照」

<ソーシャルビジネス、社会的起業 関連情報>
引用「本イベントは、公益財団法人村上財団の支援を受け実施しているU-25 TOHOKUソーシャルビジネスコンテストのキックオフイベントとして、コンテストの詳細や、参加自治体による課題の説明のほか、
 東日本大震災を契機に地元に戻り岩手県大船渡市でワイナリー建設に取り組んでいる起業家 及川 武宏氏の講演や、
 NHKのニュースキャスターを経て、様々な発信を続ける人気ジャーナリスト・キャスターの 堀 潤氏、
 東京から震災支援のコーディネーターとして南三陸町に入り本年南三陸町に起業家の誘致と育成を行う事業を立ち上げた 山内 亮太氏、
 内閣府の子どもの未来応援国民運動の発起人でもあるNPO法人キッズドア理事長 渡辺 由美子によるパネルディスカッションなどを行います。
 東日本大震災から7年目に入り、人口流出が大きな課題です。地元が好きだから地元に残りたいけれど、仕事がないから出て行くしかないという声を聞きます。これからは、東北の魅力を生かし、いろいろな仕事を作ることが必要です。本イベントは、起業のハードルを下げ、「挑戦してみよう」と思ってもらうためのイベントです。一人でも多くの方にご参加いただき東北を盛り上げていきたいと思っております。
◆被災地に行かなくても東北支援がしたい方
◆東北の地元の良さをビジネスにつなげたい方
◆何か面白いことで東北を盛り上げたい方
 など、東北の方も、そうでない方も、老若男女どなたでもたくさんのご参加をお待ちしております。
▶︎日時:8月26日土曜日
▶︎時間:13:00〜17:30(途中入退場自由)
▶︎ 会場: 常盤木学園高校
 (宮城県仙台市青葉区小田原四丁目3-20)
 https://www.tokiwagi.ed.jp/access/

▶︎アクセス:仙台駅・東照宮駅から徒歩20分、
      宮城野通駅から徒歩15分
▶︎ 参加費:無料
▶︎対象:どなたでも
【第1部】 13:00 – 15:30
1.賞金100万円を目指せ!コンテスト概要説明
2. コンテスト優勝のコツはまず課題の把握から!
  8自治体による課題のプレゼンテーション 

【第2部】 15:40 – 17:30
3.メイン講演: 株式会社スリーピークス 及川武宏
  「大船渡にワイン文化を根付かせたい!故郷で起業するまで」
4. パネルディスカッション
  若い起業家が未来をつくる!これからの東北を応援!

《パネリスト》
 堀 潤:ジャーナリスト・キャスター。
     市民投稿型ニュースサイト「8bitNews」主宰。
 及川 武宏:株式会社スリーピークス 代表取締役
 山内亮太:株式会社ESCCA 代表取締役 
 渡辺 由美子:特定非営利活動法人キッズドア 理事長
▶︎ 主催:特定非営利活動法人キッズドア


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地域福祉活動・まちづくり支援、児童地域支援・子どもの居場所づくり、共助・相互支援促進、大学の地域社会貢献活動
ファシリテーター養成講座 福祉のまちづくりを協働により推進する
ルーテル学院大学

引用「地域福祉ファシリテーターとは?
 地域の福祉課題や地域の中で支援を必要としている人を発見し、自らが持つ能力や人脈、社会資源を生かしながら、具体的な「新たな支え合い」活動を企画・実施する中核となる人々のことを指します。この講座では、講義だけでなく、体験的な演習やフィールドワークを盛り込み、講座修了後には、具体的な「新たな支え合い活動」が実際に展開されることを目標としています」引用ここまで

ルーテル学院大学「ファシリテーター養成講座」8期修了生グループ主催の子ども支援活動
<当ブログ筆者(ルーテル学院大学教員)も参加するイベントのご紹介>
日時 8月22日(火)午前9時から12時 雨天決行
会場 ルーテル学院大学 多目的コート (トリニティホール 264号教室)
参加費 無料

内容:体育の先生やルーテル学院大学の学生ボランティア等と一緒に、おにごっこやフットサル体験など、広いグランドで体を動かしスポーツを楽しみます。
 三鷹市・武蔵野市・小金井市に住む小学生の皆さんが対象です。定員:25名(定員に達し次第締め切ります)
 ぜひ、ご参加ください。

持ち物:帽子・スポーツのできる服装で。水筒、タオル。
 当日は、飲み物とお菓子をご用意しています。

 メール kosaten10@gmail.com

主催:情報の交差点チーム
   (小金井市・三鷹市・武蔵野市3市の地域福祉ファシリテーター養成講座8期修了生のグループ)
後援:小金井市社会福祉協議会・三鷹市社会福祉協議会・武蔵野市民社会福祉協議会

参加申込
イベント(行事)保険加入のため、下記情報が必要となります。
申し込み時の個人情報は当イベント以外使用しません。

参加者氏名(ふりがな):
学校・学年:
保護者氏名:
電話(緊急時連絡がつくもの):
アレルギーの有無:ある ない
 ある場合(                                )
その他:

<当ブログ筆者も参加します。近隣の小学生の皆さん、ぜひ、ご参加下さい>

*情報の交差点チーム 今後の活動 詳細は下記をクリック
 災害発生時、困難に直面する方々の孤立防止に関心をお持ちの方のための情報!
日時:平成29年10月28日(土)14時から16時30分
会場:前原暫定集会施設A会議室
講師:荒井康善さん(小金井市聴覚障害者協会 会長)
参加費:無料
定員:30名(定員に達し次第締め切ります)

主催:情報の交差点チーム
共催:小金井市社会福祉協議会
後援:三鷹市社会福祉協議会・武蔵野市民社会福祉協議会
協力:ルーテル学院大学


<当ブログ バックナンバー>
関屋光泰『職業訓練生たち-1年目職員が感じた介護&ストレス』
「介護人材Q&A 2015年2月号 介護職員「こころの健康管理」その施策と工夫」,産労総合研究所

ブログ筆者の論文 要約
 離職、職業訓練(求職者支援制度)を経て、介護施設へ就職をした元訓練生の介護職員対象のグループインタビュー、ヒアリング等から、彼ら彼女らの介護現場における離職等につながり得るストレス要因について考察したものである。

福祉施設職員のストレスケア、メンタルヘルス、感情労働とは 筆者のコメントが新聞に掲載されました
 2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国 「悩む職員の心のケア」(やまゆり園事件が残したもの:下)

 介護留学生支援、外国出身の介護福祉士(在留資格「介護」の創設)の増員と並行して行うべきことがある。
 障害者福祉施設の支援員、高齢者福祉のケアワーカー、児童福祉施設の指導員や保育士等、現場の福祉施設職員への支援である。
 介護福祉、社会福祉領域の従事者の離職率の高さ、つまり福祉の現場から人が逃げていくかの様な状況を放置せず、改善を図らなければならない。介護士や支援員等、福祉施設職員の働く環境の問題等の課題がある。
 専門職キャリアの入口の支援だけではなく、職員の研修や個別の支援、メンタルヘルスへのサポートを拡充すべきと考える。


<イベント情報>
引用「登校拒否・不登校に、こころをくだいている全国のみなさんが、つどい、語り、学び合い、つながりを育んできた「全国のつどい」。ひとりで悩まず、いっしょに考えていきましょう。
日程  : 2017年 8月 26日(土) 27日(日)  8/26 受付 11:30より 開始 12:30 8/27 開始 9:00
会場 : 多摩永山情報教育センター  東京都多摩市諏訪2-5-1
全大会 : 記念講演 8月26日(土) 13:15~14:45
  「子ども・青年にゆったりとした子ども時代を ~登校拒否・不登校からみえてくるもの~」
  横湯園子さん (元中央大学教授)
 基礎講座や13のテーマの分科会、子どもたちや青年のための「ひろば」もあります。
参加費 : 両日参加 4,000円  (宿泊・大交流会参加費別、学生料金あり)
主催 : 第22回登校拒否・不登校問題全国のつどいin東京実行委員会
      登校拒否・不登校問題全国連絡会」引用ここまで

引用「教員志望・教育格差に関心のある学生歓迎!
塾に通えない子どもたちの高校入試をサポートするボランティア[タダゼミ]
●タダゼミとは?
 経済的な理由で塾などに通えない中学3年生のに勉強を教えるボランティア活動です。
 集団指導と個別指導で生徒たちをフォローします。

●どんなボランティアなの?
 子どもたちの受験勉強を、大学生メンバーでサポートします。
 メンバーはそれぞれ英数国理社の教科担当に分かれ、自分の教科をうけもちます。
 メンバーと相談しながらカリキュラムを立てて、自分で授業を行います」


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 介護福祉士養成施設入学者の4人に1人は留学生か離職者(社会人経験者)。留学生は倍増。
 介護福祉士養成施設の定員充足率は45・7%、前年比1ポイント減。定員割れ、養成施設の廃止相次ぐ。

<筆者のコメント 課題を放置せず、福祉施設職員への支援の充実を>
 日本出身のケアワーカーや介護福祉士を目指す学生の減少が止まらないから、留学生を増やすことも一つの方向性ではあるだろう。
 福祉施設の現場の文化の多様性を更に豊かにして、福祉実践の力としていくことは意義あることだと思う。
 留学生と
外国出身のケアワーカーを受け入れるならば、各地の福祉施設、地域においてスムーズに定着し、活躍できるように言葉や文化の違いを乗り越えるための教育と支援の整備が求められている。
 筆者もかつての勤務先において社会福祉士、介護福祉士等を目指す留学生を、講義と個別のフォローにより、また学生のピアサポートの支援を通して、留学生支援を行ってきた。

 筆者も一人の教員として、今後も機会があるならば留学生支援、教育、国際交流を更に積極的に行っていきたい。

 介護留学生支援、外国出身の介護福祉士(在留資格「介護」の創設)の増員と並行して行うべきことがある。
 障害者福祉施設の支援員、高齢者福祉のケアワーカー、児童福祉施設の指導員や保育士等、現場の福祉施設職員への支援である。
 介護福祉、社会福祉領域の従事者の離職率の高さ、つまり福祉の現場から人が逃げていくかの様な状況を放置せず、改善を図らなければならない。介護士や支援員等、福祉施設職員の働く環境の問題、また利用者への適正な支援、利用者の人権問題、コンプライアンス等の課題がある。
 専門職キャリアの入口の支援だけではなく、職員の研修や個別の支援、メンタルヘルスへのサポートを拡充すべきと考える。
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福祉施設職員のストレスケア、メンタルヘルス、感情労働とは 筆者のコメントが新聞に掲載されました

 2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国 「悩む職員の心のケア」(やまゆり園事件が残したもの:下)

 離職者、他の職種からの福祉専門職への転職を支援し、社会人への専門職教育、リカレント教育も課題である。
 当ブログ バックナンバー 関連記事
 離職、職業訓練を経た介護職のストレス ブログ筆者の論文要約 離職者に開かれた福祉施設の仕

 関屋光泰『職業訓練生たち-1年目職員が感じた介護&ストレス』
「介護人材Q&A 2015年2月号 介護職員「こころの健康管理」その施策と工夫」,産労総合研究所

 「介護福祉士養成施設の定員充足率は45・7%、定員割れ」という、「人数」の問題は深刻である。
 しかし、筆者が現在勤務するルーテル学院大学は、もともと少人数教育であり、学生一人ひとりと教員が向き合い、関わり合うなかで、学生は主体的に学んでいる。
 人数は少なくても、障害者福祉や児童福祉、精神保健福祉、地域福祉、高齢者福祉等の現場を真っ直ぐに目指す学生が目立つ。
 目に見える「人数」の問題はもちろん重要ではあるが、社会福祉の現場にとって、一人ひとりの職員の内面が、見えないからこそ重要ではないだろうか。


介護福祉士養成校の半分が定員割れ 留学生は倍増
2017年08月07日 福祉新聞

ここから引用「今年4月入学の介護福祉士養成施設の定員充足率が前年と比べて1ポイント減の45・7%であることが、7月26日、日本介護福祉士養成施設協会のまとめで分かった。
 介養協によると、入学定員1万5891人に対する入学者は7258人。このうち学費の一部を雇用保険で補てんされる離職者訓練制度対象者が1307人、外国人留学生が591人に上った。入学者の4人に1人は社会人経験者か留学生という計算になる。
 留学生は昨年の257人から2倍超に増えた。昨年11月に改正出入国管理・難民認定法が成立したことにより、今年9月から在留資格に介護福祉士が追加されることが背景にある。
 介護福祉士を在留資格に位置付けることは、介養協がかねて要望していた。介養協は今後さらに外国人留学生が学びやすい環境を整え、入学者を増やしたい考えだ。
 今年4月1日現在、養成施設の数は373校、397学科。ここ数年は定員割れの学校・学科が多く、廃止が相次いでいる」引用ここまで

<ブログ筆者のコメント:学生と職員の不足を嘆くだけではなく、社会人学生を福祉専門職に> ここから
 「離職者訓練制度」等の給付金の制度があっても、各校の定員の半分にも満たないことに危機感を覚える。
 介護福祉士こそ高齢者福祉のケアの現場の要である。
しかし、後述の社会福祉士養成校の例の、80人の定員充足を8年間続けていた学科とは対称的である。

補足:社会人学生の福祉専門職への転職、感情労働の困難、リカレント教育等の課題とは
 筆者が8年間、専任教員を務めていた社会福祉士養成校等の、社会人の福祉専門職教育についての報告を次に掲載したい。
 この社会福祉士養成校において社会人学生は、(前の)職場におけるコミュニケーションやストレスの問題を抱えて、離職し、もしくは前向きにキャリアチェンジし、人間との関わる仕事を求めて社会福祉士を目指すという学生が目立っていた。
 福祉施設の現場は、利用者への支援、他の職員とのチームアプローチ等、コミュニケーションや自身のストレスを抱えやすい傾向もみられる。
 つまり、自分のコミュニケーションに課題があるから、これらの特徴のある福祉専門職を目指すというのは、実践のストレスを抱えこむ等の困難が予想されるキャリアチェンジとも言える。

 換言すると、社会人学生の「自分探し型キャリアチェンジ」とも言えるだろう。
 課題(人間関係、メンタルヘルス等)が多い学生、全くの他分野からの学生に対しては、通学課程の1年間という期間が十分な時間なのだろうか、まして通信課程のスクーリングの時間のみで実践的に学ぶことが出来るのか、議論が必要ではないかとも思う。この報告のときには専任教員という立場もあり、述べることは出来なかったが、1年間の通学には限界があるのではないかと感じる場合もあったからこそ、議論の必要性を述べておきたい。
 ポジティブな側面として、人間関係等が苦手だからこそ自己の成長を求めての福祉専門職キャリアへのチャレンジという捉え方もある。ある意味、どのような職種の職場も、成長の場、人間成長の道場でもあり、福祉専門職として人間としても磨かれ、成長していくという意味もあるだろう。
 これらの特徴を持つ社会人学生の、感情労働、人間関係が更に求められる福祉専門職へのチャレンジと、リカレント教育のあり方は、考え続ける必要がある。

 もちろん人材不足の課題がある社会福祉領域にとって、社会人学生は貴重な担い手である。職員不足の現状(参考 読売新聞記事)を考えるならば、社会人から更に志願者を募るべきであると思われる。
 多様な経歴、個性を持つ社会人学生が社会福祉の現場に加わり、専門職として成長していくことは、社会福祉全体としても意義がある。

<ここからは、ブログ筆者が昨年、第46回全国社会福祉教育セミナー2016 会場 淑徳大学 
 分科会「一般・短期養成施設や通信課程におけるソーシャルワーカー養成の現状と課題」(2016年10月30日)

 において、関屋光泰「社会福祉士養成校(通学1年 昼間部)におけるソーシャルワーク専門職養成」として報告させて頂いた内容の要旨である。


1 社会福祉領域への「転職」を目指す社会人学生とリカレント教育
 本論が触れる専門学校 社会福祉士養成学科とは、大卒者等を対象とする社会福祉士一般養成施設の1年制の通学課程昼間部の一つである。当該学科は、2004年度に設置された、定員80名の学科である。
 当該学科の学生は、大学において心理、教育、法学、国際分野、経済、社会学等の領域を学び、大学卒業後直ぐに当学科に進学する進路変更か、大学卒業後に社会福祉以外の職種や不安定なキャリア(フリーター)等を経て、当学科に進学する社会人学生の両者で多数を占める。
 当該学科の学生の就職先として、医療機関の医療ソーシャルワーカー等、高齢者福祉、社会福祉協議会、公務員福祉職が主なところであった。
 社会人学生は、社会福祉領域の経験や知識が皆無の状態からの社会福祉専門職への転職である。
 多様な生活歴、職歴等の社会経験による個人差があり、コミュニケーションや社会人基礎力等の学生間の格差は大きい。
 例えば、大学卒業後、中学校等の教員を経て、社会福祉士取得、スクールソーシャルワーカーを目指す学生や、一方、大卒後、フリーター等の不安定なキャリアを経た学生も少なくない。


 当該学科を含む社会福祉士養成校の主要な役割とは、社会福祉専門職の志願者を幅広く募り=入学前、専門職養成教育の実施と福祉領域への就職の促進=在学中、卒業後の継続教育・スーパービジョンとネットワーク構築等のフォローアップであると考えられる。
 これらの社会福祉士養成校の、卒業後の実践へと繋ぎ、媒介する総合的な専門職教育のあり方に関して述べていく。
 それは、専門職への入口であり、転職後も継続した自己研鑽、学習とその資源、ネットワークの媒介となるリカレント教育への提言である。単なる職業訓練に留まらない、社会福祉実践と連結した専門職教育とも言える。

2 社会福祉士養成校、社会人学生の社会福祉士への転職パターン
(1)大学(学部、大学院)卒業直後の転進-大学卒業⇒資格取得⇒就職
 例:心理学部、教育学部、法学部、国際分野、経済、社会学部等を卒業⇒本校に通学して社会福祉士取得⇒福祉職公務員等である。
大学院博士前期課程修了(修士)等(理系が目立つ、文系)、司法試験や公務員等を挑戦していた人も含む(少なくない)。
 大学院(他分野)、司法試験受験からの進路の転進、再チャレンジである。

(2)異業種からの転職=キャリアチェンジ
 大卒⇒ 一般企業への就職(例 システムエンジニア、アパレル、販売) ⇒ 退職 ⇒ 社会福祉士取得 ⇒ 社会福祉協議会等に転職である。
・フリーター(外食産業、販売)等。公務員を中途退職して入学する学生も。
・フリーターと、システムエンジニアが目立つ、専門職キャリアへの転職、正規雇用へのチャレンジである。

(3)専門性の拡充=スキルアップ
例:大卒⇒小・中学校の教員(非正規を含む)、塾等の教育・関連職、ケアワーカー、保育士 ⇒退職⇒ 社会福祉士取得 ⇒ スクールソーシャルワーカー等。
例:大卒⇒医療事務等医療機関職員・製薬企業社員 ⇒ 退職 ⇒ 医療ソーシャルワーカーに転職等である。
 例:大卒(福祉学部以外)⇒有料老人ホーム等介護職⇒退職⇒社会福祉士取得⇒高齢者福祉施設。
・高齢者福祉はケアワーカー、児童福祉は保育士、医療事務から医療ソーシャルワーカー等、キャリアの拡充が目立つ。

(4)キャリアの再構築-定年退職後のセカンドキャリア、女性のキャリア再構築
 大卒⇒企業勤務⇒「専業主婦」⇒社会福祉士取得⇒児童福祉領域に転職等である。
 定年退職等による、セカンドキャリアの再構築を含む。
・学生の子育てや家族介護との両立と、学校としての支援が課題となる。

*フリーターやニートから福祉専門職に
 これらに加えて、フリーター等の不安定なキャリアの社会人学生の正規職員キャリアの支援であり、職歴なし、ニートであった学生の社会参加、就労支援の側面が専門学校にはある。

 働きづらさ(働く上でのストレス、コミュニケーション、メンタルヘルス等の困難)、生きづらさからの引きこもり生活、「何もかもうまくいかない」等の当事者でもある。
 多様な社会人学生に対する、サポーティブな専門職養成のあり方が求められている。

3 入学の動機 当事者性と、人と関わる仕事への憧れ
 上記の専門性の拡充と正規雇用キャリアの再構築に加えて、次のような動機を持って入学に至る。
(1)「福祉の仕事」への憧れ 福祉専門職への転職の源流
 人生のどの段階で抱いたものかは個人差があるが、人間と関わり直接的に支える「福祉の仕事」への漠然とした憧れが、転職の検討段階で復活し、動機を構成している。
 多くは相談等の個別援助に魅力を感じ、福祉施設の運営管理、経営に関心を持つ学生も少ないながらも存在する。

(2)女性のキャリアの再構築 結婚・出産・育児等を経て専門職キャリアへの途中参入
 女性の場合、結婚(離婚)や出産、育児等による生活の変化に応じて、キャリアの再構築を図る。
 キャリアとライフプランの再構築の場合もある。
 専門性、専門職としてのやりがい、自己効用感、安定した正規雇用を求めての再出発である。

(3)広義の「当事者性」傾向-家族介護・育児の経験と人生の転換点
 きょうだいや祖父母等のハンディキャップを持つ家族のケアを親や自身が担った経験である=家族ケア・介助の当事者性。
 また、自身の心身の健康問題や事故による負傷の経験と、医療やリハビリテーション等を受けた被援助経験も含む。
 加えて、自身のハンディキャップ、メンタルヘルス、いじめや家族問題、前職におけるストレス、人間関係の問題からの転職等、健康、家族、社会生活上の困難を体験し、乗り越えてきた当事者の場合もある。
 これらが関連して、他の職種や領域から、福祉専門職を志願することになる。

*生きづらさの当事者から福祉専門職に
 様々な当事者性、マィノリティの側面を持つ人々が福祉専門職という進路に活路を見出している。
 社会福祉の領域には、様々な「生きづらさ」の当事者の参加をサポートする使命がある。
 根底にあるのは、当事者性から出発した、人間を支援する仕事への願望と、やりがい、自己効用感への希求が、社会福祉士への転職の意欲を生み出しているとも言えよう。
 痛みの連帯、自らの支えられた経験を専門職として、またコミュニティの一員としての支援の力にしていくことは、重要なテーマである


4-1 現場と繋がるソーシャルワーク教育、フィールドワークと専門職教育
 相談援助実習指導、演習において、筆者自身の地域における実践を活かした事例検討やディスカッションを実施し、現場と直結した福祉専門職教育を行ってきた。
 約20年間の地域精神医療、公的扶助領域におけるソーシャルワーカーとしての実践経験と、その実践知や事例、エピソード等を講義において活用し、学生の福祉実践力の養成を図ってきた。担当する講義において、専門職としての倫理や知識と、現場との往復を重視した実践的な教育を目指してきた。


 また、簡易宿泊所街「寿町」(横浜市中区)のフィールドワークとして、地域の医療機関や福祉施設の訪問プログラムを、地域福祉を学ぶフィールドワークとして2003年から実施してきた。
 地域福祉、地域精神医療の現場を学生が体験し、また簡易宿泊所や福祉機関・施設への訪問を実施し、地域生活支援等の現状と課題を体験から学ぶプログラムとして継続していた。

 加えて、児童福祉施設の見学会のプログラムも2014年6月から実施している。

4-2 ソーシャルワークの視点と思考を育てる実習・実習指導
 「相談援助実習指導」は、社会福祉士養成課程において、現場への配属実習の準備と事後の実習報告等の学習を行い、実習は学生とフィールドとの出会いの機会であり、学生の就職意欲や、その後の実践にも影響を与える。
 2015年度、筆者が担当する同科目は、前期、実習先の各領域とその実践の現状の解説や、事例を用いたアセスメントや支援計画立案の演習、面接のロールプレイ、グループワークの解説等を実施した。
 
<演習テーマ 反響の大きかったもの>
*ターミナル・緩和ケア
*アルコール・薬物依存症からの回復
*女性の貧困・DV問題
*子どもの貧困、養護問題
*リワーク支援
*福祉施設職員の燃え尽き、ストレスケア


 後期は、学生からの実習報告とその共有を中心として、発表、事例検討やグループディスカッションによって、学生のこれまでの生活歴や日常との地続きの問題としての、ソーシャルワークの今日的なテーマを考察した。

 これらに加えて、教員であり実践者でもある筆者の実践を、フィールドとの連結を図るために組み込んだ。主に、貧困に関連する精神疾患等の諸問題や、当事者の生と死、自尊感情、関わりが困難な事例など、グループワークや訪問におけるエピソードを授業に活かしている。

4-3 ソーシャルワークの視点と思考を育てる
①価値の源流を伝える。

 社会福祉の歴史の重視。

②価値観を揺るがす問いかけ。
  例 死生観、「自立」、多様性の尊重。
  
③視野、知識の幅を拡げる。
 ⇒参考文献の紹介、回覧

5 社会人学生の専門職教育の課題
(1)「社会人学生」間の格差が大きいこと。相互理解の困難。
 時に、学生の交流によって摩擦が生じることもある。「社会人経験」といっても、様々な企業、生活歴、学歴、地域の特性、個性、視野があり、格差が大きい。
 ハンディキャップを持つ学生への理解や配慮、寛容さが十分ではないこと、一方、他の学生への適応が難しいこともある。

(2)当事者性(広義の)を持つ学生の支援
 様々な当事者性(心身のハンディキャップ、メンタルヘルス、社会的マイノリティ、いじめの経験等)の自己理解(自己覚知)、自らの個性を受け容れた生き方が出来るか。
 福祉専門職への適性、周囲への適応、コミュニケーション等、社会参加に課題がある場合も。
 学校生活や実習に困難があり、学生相談等で支援する。

(3)社会人学生は何を学びたいのか、どのように教えるのか
 例 「資格試験に合格できればよい」専門職養成よりも資格試験受験対策を望む学生もいる。
 実際は、社会福祉士等のライセンスは専門職のスタートラインに過ぎず、専門性、実践の力量こそ求められるのだが。
 加えて今日、教育に求められているアクティブラーニングの活用であり、単なる「資格の学校」、職業訓練は社会的にも求められていない。

(4)社会人学生が一皮むける学びを
 学生間の格差が大きいが、価値観と視野の狭さ、他者への許容範囲が狭い社会人学生も散見される。
 更生保護領域に対して、その存在意義の理解が進まない等、課題がある。
 相談等の実践の担い手になったときに、自己の内面の障壁(偏見、不寛容)を自覚し、乗り越えることが出来るのか。
 社会人として出来上がった価値観と、福祉専門職(ソーシャルワーク)の価値との摩擦、せめぎ合いを自覚し、内省することから挑戦ははじまる。

*社会人経験よりも生活者目線が活かされる
 他産業の職業スキル、社会人の経験は活用できるのかという課題がある。
 これらを前向きに評価している、活用の具体的な方法を提示している文献は、稀ではないか。
 「生活者」としての視線は、活かされる(社会福祉士テキスト)。
 
・社会人学生による、社会福祉分野のNPO等の、社会的起業を期待したい。
 就労支援等の領域で、社会人経験が活かされることもあるだろう。経営の経験も活用できる。
・社会との媒介としての役割。地域生活支援において、生活者視点が活かされる。

(5)社会福祉の価値の内在化こそ必要 小手先のスキルよりも重要なもの
 社会人学生にとって、社会福祉士等の資格・ライセンスは、専門職としてのキャリアのスタートラインである。
 資格試験合格のみが重要だ、というのは正しくはない。
 資格取得の先の、専門職としてどのような実践を行うのかこそ重要である。
 実践の姿勢、基盤の構築のためソーシャルワーク関連科目において、学生に対してソーシャルワークの価値・倫理の内在化を図ってきた。
 倫理の今日的な課題や、生命倫理の領域を含めて、講義で扱う必要がある。福祉専門職の実践には、価値・倫理が宿っていなければならない。
 求められるのは、現実と価値との往復であり、価値に立脚しつつ現状から出発する、しなやかな実践のあり方である。
 社会福祉を巡る状況の複雑化、多元化に対して、また倫理的なジレンマにも対応するために、倫理・価値の内在化、それに基づく思考、柔軟性を持った調整が求められる。

(6)自分のフィールド、ミッションの探求-実習・就職支援の課題
 社会人を経て学ぶ途上にある学生にとって、視野の拡大がなければ、社会福祉専門職としての使命感を抱くことは不可能である。
 実習は、学生の視点、思考、姿勢といった従来の枠組みを問い直す機会でもある。特に、社会人学生にとっては必要である。
 異なる特質を持つ他者、とりわけマイノリティへの視点を、理解を拡大することが課題である。これらは、実習において、職員や利用者との直接的な関わりから教えられ、投げかけを与えられてこそ得られるものであろう。
 また、当事者に対する差別、格差等のマクロの問題の理解を深めることも求められる。これを促進するためには、社会福祉に関連する今日的なテーマを、講義の中でも扱う必要がある。
 実習に向けた細やかな指導と、個々の学生へのスーパービジョンに重きを置いた実習指導を、多様な社会人学生に対してサポーティブな姿勢で実施することも求められている。

<補足>
 福祉専門職として就職後にも継続した学び、スキルアップ、フォローのための研修が必要である。
 また、学びの場の新たなかたちとして、専門学校から専門職大学へ(専門職大学・専門職短期大学 文部科学省HP)も注視していきたい。

 以上は、筆者が報告させて頂いた。
第46回全国社会福祉教育セミナー2016 会場 淑徳大学 「ソーシャルワーク教育の新たな発展をめざして」
分科会第4 『一般・短期養成施設や通信課程におけるソーシャルワーカー養成の現状と課題』2016年10月30日

コーディネーター: 空閑浩人氏(同志社大学)
発題者: 山本由紀氏(上智社会福祉専門学校)
     明星明美氏(日本福祉大学福祉経営学部 通信教育)
     関屋光泰 (当ブログ筆者)
主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会

分科会報告 関屋光泰「社会福祉士養成校(通学1年 昼間部)におけるソーシャルワーク専門職養成」 抄録155頁から162頁


当ブログ筆者の論文
関屋 光泰「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月
抜粋「福祉施設において、有効な離職予防策を打ち出せないまま職員の人員不足を招くことや、燃えつき等によって充分に能力を発揮出来ない職員を生じることは、現場に更なる負担をかけ、過失や事故等に繋がる可能性に直結する。施設と個々の職員のストレス・マネジメントは、リスク・マネジメントでもあり、施設の運営管理にも大きく関わる課題である。
 良い福祉施設、良いサービスは、職員の心身の健康の維持と、実践と生活の拡充によって実を結ぶ。福祉施設においては、事業の根幹は人にある。だからこそ、着手が可能なところから、現場職員の支援策と、サポーティブな職場づくりを開始する必要がある」

福祉施設職員のメンタルヘルスの支援 職員のストレスマネジメントと施設のリスクマネジメント
当ブログ筆者の論文 関連業績一覧


当ブログ筆者の論文
「福祉専門職への転職と実践を支えるアクティブ・ラーニング」 『研究紀要』第22巻第1号,2014年


東京都福祉保健局(委託の研修事業)登録講師派遣事業 講師派遣を希望する事業所の方へ



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関屋光泰『職業訓練生たち-1年目職員が感じた介護&ストレス』
「介護人材Q&A 2015年2月号 介護職員「こころの健康管理」その施策と工夫」,産労総合研究所

ブログ筆者の論文 要約
 離職、職業訓練(求職者支援制度)を経て、介護施設へ就職をした元訓練生の介護職員対象のグループインタビュー、ヒアリング等から、彼ら彼女らの介護現場における離職等につながり得るストレス要因について考察したものである。
 対象者は、2012年に開講された求職者支援制度による介護職員基礎研修の受講者であり、聴き取りの実施時期は研修終了から1年である。

離職者に開かれた介護の仕事 介護職への転職の理由
 元訓練生は介護職という全く未知の領域へ転職しようとした理由について、「40代の自分(女性)であっても、正規職員になれるから」等、他の業種・職種に比べて介護職など福祉施設職員の正規雇用に採用される年齢等の幅の広さを挙げている。
 また、「介護職員として就職できたことで、1人で子供を抱えている自分も自立できた」など、シングルマザー等にとって介護職は開かれた職業・職場
であることが分かる。
 加えて、「(職業訓練の)前は引きこもりの生活であったが、介護の仕事によって自らの生活も安定した」、「(離職)前の職場では周囲と人間関係がうまくいかなくて仕事が続かなかった」と語ってくれた人もいた。これらは離職を経た職業訓練の特徴とも言えよう。
 さらには「利用者とお互いの痛みを持った人間同士のつながりを持ちたかった」、「誰かの役に立つ仕事をしたかった」、「人が喜んでくれる仕事がしたかった」等の職業選択の理由は、介護職という人をケアする意義ある職業を現しているのではないだろうか。これらも介護職領域の特性の1つといえるかもしれない。

介護の職場のストレス要因
 特徴的であるのは、「自分の考えていたような介護ができない」という悩みであった。
 例えば、認知症高齢者の行動特性を踏まえたマンツーマンによる関わりの徹底によって、質の高いケアを追究することができているなど、介護職として着実に歩んでいるケースもある。
 しかし、大半は職業訓練で学んだことと現実の介護現場との「落差」が大きいことにショックを受けている。さらに「利用者に寄り添うことによる緊張感」や、利用者の看取りなど、喪失に関わることもストレスにつながる。
 ストレス要因に挙がっていたのは、職員不足の傾向に対するものである。「多くの利用者に対して職員1名では、単にこなすだけの作業になってしまう。きめ細やかな介護ができない」といった訴えである。また「モチベーションがあまり高くないかn様な職員もいることが残念」、「職員の離職率が高い」等である。
 それでは、介護実践のストレスはどこから来るのか。大半が職員間の人間関係が大きいと答えている。
 次に多いのが「自分が思っていたような介護ができない」という意見である。利用者の主体性の尊重など、自立支援に対して「学んできた介護倫理の観点とはギャップがある」という。

 例えば、施設理念の中に「自立支援」を目標として掲げているわりには、実際は、利用者の中には付き添いがあれば歩いてトイレに行けるかもしれない人がいるにもかかわらず、職員は食事介助などの多忙のため、最初から車いすに乗せてしまう。また利用者の自己決定の尊重という面でも、本来ならば利用者が「こうしたい」とするいう希望をじっくりと聴き、受け入れる時間が必要である。しかし、それを待つだけの時間がなく、利用者の意思にかかわらず、対処せざるを得ない。

介護技術だけでなく職員のサポーティブ研修が必要
 各施設において職員研修は行われている。しかし、介護技術のスキルアップ研修が多いようである。
 技術だけではなく、職員のセルフケアを支えるという面で、研修のもう1つのスタンスを「サボーティブ研修」として位置づけ、また研修以外にも職員が気軽に専門家に相談できる窓口との連携、職員のサポートネットワークなどの整備が急がれる。

 総じて、聴き取り対象の元訓練生の介護職員たちは、再就職のために職業訓練を経て介護職員として「人間を支える仕事」の道を選んだ。
 ヒアリングでも「利用者のためになる仕事だから頑張れる」、「前職に比べ人間的な仕事だ」など、介護職員として日々の実践から自己効用感を得て、介護という仕事の意義を内在化して働いていることが分かる。

当事者性を持つ介護職の居場所としての福祉施設
 失業を脱するための職業訓練から出発し、再就職出来た介護職員は、自らの失業・生活困窮や家族問題、メンタルヘルス等の当事者性を持っている。そして、安定した雇用と自己実現、やりがい、繋がりを得られる居場所が、福祉施設の職場であるという側面がある。
 自己実現、繋がり、自らの居場所等を獲得した人たちが、困難があっても、離職せずに介護職員に定着しているとも言えよう。

 こうした離職を経た元訓練生の介護職員の意欲を維持し、成長を支えていくためにも、これまで以上に施設側のきめ細かな施策を期待したい。

付記

離職からの再スタートのキャリアとしての介護職
 この論文で触れた介護職員は、長期の離職や困窮、引きこもりなど生活や心身の健康、家族の問題を経験し、乗り越え、再スタートした人々である。

支援を受けた経験をケアの力へ
  人生の一時期、支えられた経験を持つ人が、支える側へと成長していくことは、ソーシャルワークにおいて、提起されてきた(クライエントだった人をワーカーとして活用する)。当事者性を持つスタッフによる支援は、これまで、依存症からの回復支援、精神保健、障害者支援、生活困窮者支援などの領域のなかで先駆的に取り組まれてきた。更なる拡大がもたらすのは、自立、社会参加、自己実現に繋がり、かつ社会への貢献でもある。

「求職者支援制度」は、離職者対象の職業訓練と経済給付制度であり、その一環として介護職員養成も行われている。
 求職者支援制度のほか、東京都のTOKYOチャレンジネット 介護職就職コースは、特筆すべき対策である。
 他の産業の失業者、住居喪失者(そのおそれのある)、生活困窮者を介護職員として養成する。サポートする事業である(対象「解雇・雇い止めによる離職者等であり、住居喪失状態または住居喪失状態となるおそれのある方」等)。
民間の支援団体による、ホームレスを介護職員にする活動もあった。

 再スタートの介護職員を福祉施設として受け入れ続けることは、意義がある。しかし、フォローを施設だけに任せるのではなく、外からの支援として研修、相談、コンサルテーション、継続した学びの機会の提供(リカレント教育など)等が必要である。
 また、各施設のスーパーバイザーや現場のリーダー、職員研修の講師等、対策を担っている専門職、研究者の対応の実際と課題、実践知の共有を進めることも必要であると考えられる。

職員の多様性をゆたかなものへ
 福祉施設職員の多様性のゆたかさを現場の力へ、ケアの質へ、個人と組織のレジリアンスに転換していくことが求められている。

当ブログ筆者の論文
関屋 光泰「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月

抜粋「福祉施設において、有効な離職予防策を打ち出せないまま職員の人員不足を招くことや、燃えつき等によって充分に能力を発揮出来ない職員を生じることは、現場に更なる負担をかけ、過失や事故等に繋がる可能性に直結する。施設と個々の職員のストレス・マネジメントは、リスク・マネジメントでもあり、施設の運営管理にも大きく関わる課題である。
 良い福祉施設、良いサービスは、職員の心身の健康の維持と、実践と生活の拡充によって実を結ぶ。福祉施設においては、事業の根幹は人にある。だからこそ、着手が可能なところから、現場職員の支援策と、サポーティブな職場づくりを開始する必要がある

福祉施設職員のメンタルヘルスの支援 職員のストレスマネジメントと施設のリスクマネジメント
当ブログ筆者の論文 関連業績一覧


<当ブログ筆者の論文>
関屋光泰「福祉施設職員のメンタルヘルスとリワークの支援」
日本福祉教育専門学校 研究紀要 55頁から73頁


<ブログ記事 バックナンバー>
当ブログ記事バックナンバー 福祉施設職員研修


当ブログ筆者執筆
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

筆者のコメントが新聞に掲載されました 福祉施設職員のストレスケア、メンタルヘルス、感情労働とは
新聞に筆者のコメントが掲載されました「ルーテル学院大の関屋光泰 助教は、東京都内を中心に約60カ所の障害者施設などで職員向けのストレスケア研修を行ってきた。「忙しい時に利用者への言葉がきつくなり、そんな自分を責めてしまう」、研修の受講者からは、そんな悩みが多く寄せられる。<略>「自分が理想とする支援ができず、自己嫌悪に陥る職員も多い。職員のケアの必要性に目を向けるべきだ」と訴える」抜粋
(やまゆり園事件が残したもの:下)地域に開く、支え合い歩む
2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国


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ファシリテーター養成講座 福祉のまちづくりを協働して推進する
ルーテル学院大学

引用「地域福祉ファシリテーターとは?
 地域の福祉課題や地域の中で支援を必要としている人を発見し、自らが持つ能力や人脈、社会資源を生かしながら、具体的な「新たな支え合い」活動を企画・実施する中核となる人々のことを指します。この講座では、講義だけでなく、体験的な演習やフィールドワークを盛り込み、講座修了後には、具体的な「新たな支え合い活動」が実際に展開されることを目標としています」引用ここまで


「フクシゴトフェス @東京 福祉をもっと、好きになれ」

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新聞に筆者のコメントが掲載されました「ルーテル学院大の関屋光泰 助教は、東京都内を中心に約60カ所の障害者施設などで職員向けのストレスケア研修を行ってきた。「忙しい時に利用者への言葉がきつくなり、そんな自分を責めてしまう」、研修の受講者からは、そんな悩みが多く寄せられる。<略>「自分が理想とする支援ができず、自己嫌悪に陥る職員も多い。職員のケアの必要性に目を向けるべきだ」と訴える。 悩む職員の心のケア」抜粋
(やまゆり園事件が残したもの:下)地域に開く、支え合い歩む
2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国
 朝日新聞から取材を受け、障害者等の福祉施設において支援、ケアを担う職員を支援する必要性を提言しました。
 また、筆者の開発した「福祉施設職員のストレスケア研修」プログラムは、福祉施設の現場を支えたいという想いから開発し、施設職員のストレス対処、感情労働、セルフケアをサポートするために実施を続けていること等をお話しました。
 関心をお持ちの方、ご連絡下さい。

<以下、記事に関連して。筆者の補足コメント> 
1 福祉施設職員のメンタルヘルス、慢性疲労の実際
 筆者が講師として研修で出会う障害者福祉施設や高齢者福祉施設等の職員の方々のうち多くは、利用者を全力で支援し、現場の様々な困難、人員不足等のなかでも、施設に踏みとどまっている。支援、ケアの実践のなかで、利用者の痛みに真摯に向き合い、専門職として寄り添いながら支援する上で、職員自身の慢性的な心身の疲労感、痛みを抱えていることも少なくなかった。
 しかし、職員が職務のストレスからメンタルヘルスや、身体的な不調を抱えても、職員への支援は十分とは言えない。ケア、支援する職員が心身の健康を失っても、支える人がいないと言っても過言ではない。
後述する。
 福祉施設は、人間が人間を支える場である。支える側=職員、支えられる側=利用者の双方があって成り立つ。出会い、関わり合い、認め合い、支え合う、活かし合う場である。

2 福祉施設職員の「いきなり退職」、その働き方等の問題
 多くの福祉施設に共通する問題とは、職員の突然の退職である。支援員、介護士等の職員自身のメンタルヘルスが密接に関わる「いきなり退職」は、現場を去る側には「逃げた」かのような退職の罪悪感を、残される職員には、退職職員の困難の抱え込みを気付かなかったこと、サポート出来なかったことの自責を、組織には職員不足、人材確保の困難をもたらす。
 当然ではあるが、「いきなり退職」はメンタルヘルスの問題のみならず、複合的な要因が顕在化したものであり、多様な側面がある。

3 メンタルヘルス休職と復職支援の課題 介護職等福祉施設職員
 研修実施先などにおいては、慢性疲労や、職務上の困難を抱える職員を、周囲がどのように支えていくべきかという課題が挙げられた。
 また、メンタルヘルス等の要因から、休職中の職員の復職の支援(リワーク)をどのように進めていくべきかという具体的な課題が目立った。福祉施設職員のリワークについては、後述する。

4 福祉施設職員のセルフケアを支援する研修 レジリアンスとは
 筆者が開発し講師として障害者福祉施設等で実施している「福祉施設職員のストレスケア研修」のポイントを述べたい。
 第一、福祉施設職員の燃えつきバーンアウト=総合的な問題
 福祉施設職員のストレス、燃えつきは総合的問題である。福祉職員の心身の健康、働き方、生き方の質が問われる側面もある。ストレスの緩和のためには、各自のメンタルヘルスのみならず、総合的な対応が求められる。
内省しながらの実践によって成長し、かつ自らの生の拡充を図る。
 第二、職員間の人間関係という最重要事項
 福祉施設の職員チームの人間関係は、職務のストレッサーとなり得るものであり、またストレスを緩和する要ともなる重要なものである。

 第三、福祉施設職員のレジリアンス
 ストレスを皆無にすること(ストレスフリー)は出来ないが、ストレスマネジメント、ストレスに対処し、復元、回復する力、レジリエンスを高めることは出来る。
 レジリアンスとは、困難においても適応する力、自然治癒力等の側面もある概念である。レジリアンスには、内省的な思考力と、感情のコントロール、弱さを隠さず助けを求める力、人間関係の維持、想像する力、柔軟性等も含まれる。
 第四、相互支援のつながりの職場へ、実践ストレスからの拠り所
 ストレスからの拠り所となるのは、職場の内外の相互支援のネットワークと、個別職員への支援である。実践知の共有や多様性を尊重する対話、実務とメンタル両方の相互支援の促進が課題である。
 これらにより、ストレスに職員個人、職員チーム、施設として対処し、実践を持続可能なものとしていく。
 つまり、福祉施設職員の、ストレスからの悪影響を緩和するストレス対処スキル、自己効用感の向上等の、セルフケアの支援を目指している。また、困難を抱え込み孤立する傾向がある職員の繋がり、孤立した声を繋ぐ研修でもある。

5 福祉施設職員のストレスケア研修内容、プログラム 燃えつきとは
筆者の実施するストレスケア研修の具体的な内容
を挙げる。
⑴福祉施設職員のメンタルヘルス、燃えつきバーンアウトとは。
 福祉施設職員の燃えつきは総合的問題である。改善のためには、各自のメンタルヘルスのみならず、総合的な対応(心理、健康、社会等)が求められる。
 マスラックらは,バーンアウトを3つの因子に分けて捉えることを提案した。
 ①情緒的疲弊、②脱人格化、③個人的達成感の低下
⑵‌ストレスから復元する力であるレジリアンスの重要性。
⑶実践ストレスのセルフケアのプロセスの概要。
⑷ストレッサーの自己分析の方法。
⑸‌援助者のエモーショナル・リテラシーの向上と、ストレス場面への対処の方法。

⑹援助者のストレングスと自己への受容的語りかけ。
⑺リフレーミングとアサーティブの方法。
 リフレーミングは、視点、捉え方の転換・再構成
 ①人間であることを許す。あるがままの自他を受容する。
 ②状況の再構築。経験の意味を落ち着いて考える。
 ③広い視野で捉える。柔軟に考える。
⑻自省的フィードバックと実務上の対策。
⑼職場の総合的ストレス・マネジメントの推進。
⑽‌燃えつきのストッパー、職員間の人間関係の二つの側面。
⑾‌援助者のカタルシスと語りの場、「くぐり抜け体験」の共有化、意味づけによる困難の克服。

⑿‌相互支援のファシリテーション、リーダーによるファシリテーションの重要性。
⒀‌協同による実践と、「疲労リミッター」、「弱さの情報公開」。
⒁‌新たな働き方、ワーク・ライフ・バランスの確立、自然体で働くということ。


6 福祉施設職員のメンタルヘルス チェック項目 抜粋
 筆者が開発した福祉施設職員のストレスケア研修において、ストレスの自覚、ストレス理解を促すチェックリスト、質問項目がある。筆者自身の20年間程のソーシャルワーク実践における困難やストレスの経験や、社会福祉や介護、看護、教育等、関連領域の専門職のストレスケア、燃えつき(バーンアウト)の文献・論文、また研修受講者のコメント等を参考にして、筆者が作成したオリジナルなものである。
 ケア関連のチェック項目から一部を紹介する。
・ゆとりが無いときに、呼び止める利用者に対して「ちょっと待って」「後でね」等と言ってしまう。
・忙しいと利用者に対する言葉がきつくなる。
・援助者(介護士、支援員、ケアマネージャー、ソーシャルワーカー等)の役割の矛盾、仕事の曖昧さがある。
・自らの熱意と、ケア・支援・相談の仕事の達成感との間にギャップがある。
・理想のケアや使命感と、今の仕事の現実との間にギャップがある、本物のケアではない。
・他の専門職(例:看護師)との間で利用者の支援について、方針が食い違う。
・職場のなかで、率直に相談したり、困難を打ち明けることが出来る同僚や先輩が誰もいない。
・利用者等から、乱暴な言葉を受ける、大声で怒られる。
・自らが、十分には利用者の気持ちの支えになっていないのではないかと感じる。
・親しくしていた利用者が亡くなることがある。自分を責めてしまう。


7 福祉施設職員の感情労働 介護職等の情緒的な疲労
 職員に共通する困難として、福祉施設職員としての支援、ケアの実践が「感情労働」の側面を持つことが、一つの要因である。
 感情労働とは、自分の深層もしくは表層の感情をコントロールし、利用者に適応した態度と言葉、表情、振舞い、配慮等で対応することにより、報酬を得る労働のことである。

 ホックシールドによれば「この労働を行う人は、自分の感情を誘発したり抑圧したりしながら、相手のなかに適切な精神状態をつくり出すために、自分の外見を維持しなければならない。この種の労働は精神と感情の協調を要請し、ひいては、人格にとって深くかつ必須のものとして私たちが重んじている自己の源泉もしばしば使いこむ」。
 例えば、利用者の態度や感情が怒りを含めたどのようなものであっても、職員側はあたたかさ、受容的な態度と対応、配慮をするための、自身の感情の統制である。職員側は、常に情緒的な安定を維持することがその基盤にある。
 しかし、職員も感情を持つ人間であり、自らの感情を統制し、時に操作、規制することは、困難があり、疲労が蓄積されていく。加えて、職務の忙しさによって時間と精神的なゆとりが減少すると、感情労働の切り詰めや、わりきりが行わざるを得ない。支援、ケアの実務にはスケジュールが過密になる、人員不足の場合の、悪循環である。
 総じて、福祉施設職員を含む社会福祉、介護、看護等の対人援助領域全般が、感情労働としての側面も持つ。深層演技は、職員の情緒への負担、疲労の蓄積に繋がり、その限界から情緒が摩滅するならば、実践の質に影響が生じる。
 求められているのは、感情労働の疲労等を表現する場であり、職員チームとして支え合うことである。


8 介護職等のストレスマネジメント、働き方の課題とは
 筆者の「福祉施設職員のストレスケア研修」は、東京都福祉保健局の委託を受け、「事業所に対する育成⽀援事業 登録講師派遣事業」として都内の施設で実施した。この事業は、筆者を含む大学等の教員を、小・中規模の福祉施設の要望に応じて派遣し、個々の施設の課題に合わせ研修を実施するものであり、東京都社会福祉協議会が東京都から委託を受けて実施している。
この東京都委託の研修以外の福祉施設研修を合わせて、これまでに60施設で研修を実施してきた。
 筆者が、この研修を開発し、実施する理由は、障害者福祉施設の支援員や高齢者福祉施設の介護職員が提供するケアが更に質が向上し、利用者の生きること、尊厳を支える、人間的な支援が持続出来ることを目指している。また、職務の困難を抱え込む傾向の人が多い福祉施設職員を支えたい、より良い働き方、生き方の拡充を促進するためである。

9 相互支援の職場・職員集団へ=ストレスからの拠り所を持つ
 個々の職員の心身の慢性疲労、メンタルヘルスの不調は、支援の実践に影響するという側面もある。
 実践上の困難のなかでも感情を表現し合うこと、職場内の相互支援によって、個々の職員の自立した実践が成り立つとも言えよう。利用者の人々も職員集団も共に過ごす福祉施設においては、相互に影響を与え合い、双方と施設全体が成長を遂げる可能性がある。
 メイヤロフによれば、ケアというものは、対象者の人間的な成長のためのものであり、ケアの提供者もケアの実践を通じて成長することが出来る。そしてケア提供者は、対象者から必要とされることによって、世界のなかでその場所に自らの居場所を獲得する。

介護職員等の人間関係はなぜ難しいのか
 なぜ、福祉施設など対人援助領域は、職員間の人間関係の問題が生じるのか。ストレッサーになるのか。
 支援、ケアの職務上の無力感、利用者への否定的な感情は、職員の人間関係に転嫁される。
 つまり問題の置き換えであり、実践の現実的な問題から、職員の人間関係の問題、葛藤へ置き換えている。
 しかし、職場の人間関係は、ストレッサーともなり、またストレス緩和の要ともなる。
 良い職員集団は、相互支援を行う。同僚を支えるという視点、姿勢が求められる。
 職員のインフォーマルグループの関係性が、職員の働きやすさ、チームアプローチ、サービスの質に直結する。
 ソーシャルサポート=繋がりによる支えは、社会的・心理的葛藤の心身への悪影響を緩和する。
 仲間による支援=フェローシップが、職員集団に切実に求められている。


介護職等、福祉施設職員のサポートを 介護職リワークの必要性
今後も筆者は、福祉施設やその職員の方々、現場からのフィードバックを得ながら、福祉施設職員のメンタルヘルスと実践を支えるプログラムを改善していきたい。
 当然ではあるが研修のみでは限界があり、福祉施設職員対象の個別相談やスーパービジョン、組織と職員に対する継続的なコンサルテーション、メンタルヘルス休職職員対象のリワークのグループプログラム、継続した学びの場なども必要とされている。


福祉施設職員の支援、メンタルヘルス等のサポートの現状
1.地方自治体の研修事業(社会福祉協議会等民間団体に委託し実施)

 研修による職員支援、得にスキルアップは、現在の対策の一つと言える。
・筆者の研修プログラムも、東京都の福祉保健局が、東京都社会福祉協議会に委託した「登録講師派遣事業」の一つの研修メニューとして実施している。
 東京都福祉保健局、東京都社会福祉協議会・福祉人材センターの事業は、先駆的なものといえる。


2.地方自治体の相談等支援事業(後述)
 一部の実施にとどまり、東京都が民間(東京都社会福祉協議会 東京都福祉人材センター)に委託して実施。
 また、地方自治体が「潜在介護職員復職支援事業」埼玉県等を、民間(人材派遣事業者など)に委託して実施している。

<民間の対策>
3.個々の福祉施設・社会福祉法人による研修等の対策

 施設・法人がそれぞれ実施する職員の支援、スキルアップの研修も主要な対策の一つである。施設・法人が自前でグループワーク等による研修を実施するか、研修講師(団体)に依頼して実施している。

*EAPへのメンタルヘルス支援の委託
・一部の施設は、外部の団体にEAP(Employee Assistance Program)従業員支援プログラムを委託し、職員のメンタルヘルス支援を実施している。
 内容は、EAPのカウンセラーによる、リフレーミング等を用いた相談を、希望者に実施するとのことである。

4.専門職団体(介護福祉士会など)、社団法人、ネットワーク等の民間の研修
・職場外における研修。

・総じて、支援員、介護士等の福祉施設職員への支援は、入り口は手厚いが、入職後の支援には課題があるといえる。
 つまり、福祉施設職員の志願者を募るための介護職員の仕事の広報、就職説明会、インターンシップ(例 「フクシゴトフェス @東京 福祉をもっと、好きになれ」、専門職養成の支援(ヘルパー資格の無料講座 例:東京都の「介護職員初任者研修資格取得支援事業」、介護福祉士養成等の支援給付金 例:東京都の「介護福祉士等修学資金貸与事業」)など、福祉キャリアの入り口は手厚い。
 しかし、入職後は地方自治体が民間に委託して実施しているスキルアップのための研修が主要なものである。メンタルヘルス支援は、一部にとどまる。
 福祉施設、社会福祉法人がそれぞれに研修を実施、また職場内でメンタルヘルスを自前でサポートに努めている。
 介護職等の福祉施設職員とその働き方への、更なる総合的支援が必要とされている。



福祉施設職員のための、こころの電話相談窓口 以下、引用
<東京都社会福祉協議会 東京都福祉人材センターHP 引用>

引用「福祉の仕事に関する悩みを相談する
仕事のコト、将来のコト、その他福祉の仕事に関する悩みを相談したい
相談無料です。
福祉のしごとに詳しい専門の相談員がご相談をお聞きします。
会って相談していただくこともできます。
○相談場所
東京都福祉人材センター千代田区飯田橋3-10-3
東京しごとセンター7階(飯田橋駅徒歩7分)
予約なしでもご相談いただけます。ただし、予約の方優先なので、お待ちいただくことがあります。

こころのモヤモヤはなしてみてください
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こころスッキリ相談 フリーダイヤル0120-981-134

•電話相談・面接相談 毎日9時~22時、面接予約受付 平日9時~21時、土曜日9時~16時
•相談無料です(お一人様年間5回まで。6回目以降は有料)。
•臨床心理士・産業カウンセラー等がご相談をお聞きします。
•外部機関に委託して実施しています」引用ここまで
東京都社会福祉協議会 東京都福祉人材センター


当ブログ筆者の論文
関屋 光泰「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月

抜粋「福祉施設において、有効な離職予防策を打ち出せないまま職員の人員不足を招くことや、燃えつき等によって充分に能力を発揮出来ない職員を生じることは、現場に更なる負担をかけ、過失や事故等に繋がる可能性に直結する。施設と個々の職員のストレス・マネジメントは、リスク・マネジメントでもあり、施設の運営管理にも大きく関わる課題である。
 良い福祉施設、良いサービスは、職員の心身の健康の維持と、実践と生活の拡充によって実を結ぶ。福祉施設においては、事業の根幹は人にある。だからこそ、着手が可能なところから、現場職員の支援策と、サポーティブな職場づくりを開始する必要がある

福祉施設職員のメンタルヘルスの支援 職員のストレスマネジメントと施設のリスクマネジメント
当ブログ筆者の論文 関連業績一覧


<当ブログ筆者の論文>
関屋光泰「福祉施設職員のメンタルヘルスとリワークの支援」
日本福祉教育専門学校 研究紀要 55頁から73頁


『職業訓練生たち-1年目職員が感じた介護&ストレス』
「介護人材Q&A 2015年2月号」,産労総合研究所

<ブログ記事 バックナンバー>
当ブログ記事バックナンバー 福祉施設職員研修


当ブログ筆者執筆
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)


ファシリテーター養成講座 福祉のまちづくりを協働して推進する
ルーテル学院大学



(やまゆり園事件が残したもの:上)
差別・障害「私は伝えていきたい」やまゆり園事件1年
2017年7月24日 朝日新聞

引用「障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市)で19人の入所者の命が奪われた事件から、まもなく1年を迎える。事件とどう向き合い、その教訓をどのように伝えていくのか。模索している人たちを訪ねた」引用ここまで

19のいのち NHK 「19のいのち」をたどって

福祉人材確保対策 厚生労働省

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「降ろし忘れ 障害男性、熱中症死 送迎車内に6時間半」
毎日新聞2017年7月13日 21時24分

 
「障害者施設の送迎車内で男性死亡 降ろし忘れで熱中症か」 朝日新聞

東京新聞 記事

 上尾市の障害者支援施設(NPO法人 コスモス・アース)における利用者の方の熱中症死は、本当に心が痛む。
 人間のいのちを支えることを使命とする福祉施設において、、このようないのちが軽く扱われてしまう事件が起きてしまうことは残念でならない。
 しかし、この事件には、いくつか気にかかる点がある。再発防止のために解明が待たれる。

 社会福祉の倫理の最重要なものは、人間の尊重である。人間は,人間であること自体で価値があり、社会福祉は人間を平等に尊重する。
 人間のいのちと権利を尊重すること、護ることが、社会福祉実践の使命である。特に、障害者福祉分野は、当事者組織の活動の歴史もあって、権利の保障、ノーマライゼーションが獲得されてきた。
 これらの理念は、福祉施設職員の標準であるはずである。
「社会福祉士の倫理綱領」抜粋
・前文
「われわれ社会福祉士は、すべての人が人間としての尊厳を有し、価値ある存在であり、平等であることを深く認識する。
 価値と原則
「社会福祉士は、すべての人間を、出自、人種、性別、年齢、身体的精神的状況、宗教的文化的背景、社会的地位、経済状況等の違いにかかわらず、かけがえのない存在として尊重する」

世界人権宣言第1条
「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。」

 しかし、今回も障害者への虐待、不祥事が繰り返されてしまった。
 利用者本位、ピープル・ファーストであるべき福祉施設において、いのちが軽く扱われてしまった。
 過去に福祉施設で起きてしまった不祥事の多くがそうであるように、意図的なものではなく、ミスなのかもしれない。福祉施設職員のなかで、悪意を持って、意図的にハラスメント、虐待など加害行為を起こす人は稀である。ミスとしての倫理違反や、判断ミスや失敗も起こり得る。職員のバーンアウト、慢性疲労等の状態は、適切な実践を損なう要因ともなる。しかし、かけがえのないいのちを失い、権利を侵害した深刻な結果を招いた。

1 「置き去り」の原因は何か
 車内置き去り、閉じ込めが意図的なものではなく、現場の職員のミスではないかと思われるが、原因の究明が待たれる。もしかしたら慢性的な職員の不足や、組織としてのコンプライアンスの問題があったのかということも疑われるが、いくつかの要因が複合しているのだろう。

 コスモス・アース通信 第25号によれば「コスモス・アースの利用者 平成26年4月開設当初5名の利用者で開始した(中略) 27年度の平均利用率(開設日の実利用者数)は17.6人。平成28年4月新たに10名と契約」
 つまり、17、18人のなかの一人が送迎車(5人のなかの一人)から出てこないのに、半日程も職員が気がつかない、原因は何かということだ。
 生活介護施設であるから、施設における食事、移動、活動等、個別に支援しているるのに、不在を気づかない、また確認しないのはなぜか。
 東京新聞は「施設を運営するNPO法人の大塚健司理事長(75)によると、ワゴン車に乗っていた施設利用者は死亡した男性を含め五人。本来は降車時に複数の職員で点呼するが、他の利用者に気を取られるなどしたため、今回は怠っていた。昼食で利用者が一堂に集まったときも、男性の不在に気づかなかったという(略)施設では、通常、朝夕の送迎時の点呼と全員で食事を取る昼食時の三回、利用者の人数を確認できる機会があった。しかし、施設側は男性が送迎用ワゴン車から確実に降りたかどうかも確認せず、その後も不在に気づかなかった」
 「他の利用者に気を取られるなどしたため、今回は(点呼を)怠っていた」のは、職員の専門性、経験、チームワークに問題があったのか。
 個別の生活介護を行っているのに、利用者の不在に半日も気づかない。職員不足が常態化していたのか、職員数の問題から派遣や非正規職員が実際の支援を行っていて、申し送り等が行われていなかったのか。

2 活かされていない理念
 福祉施設にとって倫理を実践のなかで実行すること、理念に基づいた支援は重要なテーマであるが、下記のコスモス・アースが語る理念は、活かされていたのか気になる。
 福祉施設にとって事業の理念、倫理は樹の根なのである。。
 「NPO法人コスモス・アースは、「自然環境を守り、障害者があたりまえに暮らせる地域づくり」をテーマに活動を続けている。障害者がコロニーとして、囲い込まれて生活するのでなく地域社会で「壁」を造らずに生活する、物理的な壁だけでなく心の壁もなくしていこうとのことである。
 (略)
 相模原の事件を契機に厚生労働省を始め行政が「防犯カメラの設置」を叫び、地元警察や利用者の親から外部者への対応を聞かれる羽目になった。刺股の用意があるか、また、新聞等で訓練の様子が報じられる始末である。
 地域社会との壁をなくそうとしてきたことにたいして、「壁」を創れ、人間社会の根底には差別があり、障害者を守るためには監視が必要とのことなのか、単なる行政の保身的な発想で膨大な税金を補助金として使い防犯カメラ業界をもうけさせるだけなのか、年頭に当たり複雑な思いである。(大塚)」コスモス・アース通信 第27号

*社会福祉の価値と倫理、専門性とは
 社会福祉専門職の専門性を構成する基本的要素とは、
①専門職の価値と倫理=実践という大樹の「根」
・価値=善い、良いもの。何がよいか、望ましいかを示すものであり、実現を期待するもの。
・倫理とは、価値、理念から導かれる、専門職としての行動の指針と規範である。
②知識=専門的知識、
③専門的な技術・技能の三つが専門性である。これらの調和が保たれなければならない。

*社会福祉専門職には、なぜ倫理が必要なのか=何のため、何を目指す実践なのか
・介護・福祉専門職には、職業倫理が必要とされる。職業倫理とは、ある職業に就いている個人や集団が、職業としての責務を果たすために、自らの行為をコントロールする基準・規範のこと。
・あるべき姿、専門職と組織の成長の方向を示すもの。
 自らを問い直す、内省を伴う実践へ。

 多くの民間福祉施設において、慢性的な人員不足に陥り、過密な職務スケジュール、ゆとりの無い業務となっている。
 今日、福祉は設と職員にとって、正念場を迎えていると言えよう。職員が突然、辞めてしまうことは、珍しいことではない。
 しかし、当然ではあるが、職員の多くは、福祉施設の現場に留まり実践を継続している。
 福祉施設職員のストレスマネジメントは、施設のリスクマネジメントに直結する。
 人間が人間を支援している福祉施設にとって、一人ひとりの職員は要である。福祉は人である。


 利用者も職員も長い年月を共に過ごす福祉施設においては、相互に影響を与え合い、双方と施設全体が変化し成長を遂げる可能性がある。
 メイヤロフ(Mayeroff)によれば、ケアというものは、対象者の人間的な成長のためのものであり、ケアの提供者もケアの実践を通じて成長することが出来る。そしてケア提供者は、対象者から必要とされることによって、世界のなかでその場所に自らの居場所を獲得する。このケアとは広義の支援を指し、場所とは施設等を指すと考えられる。

*利用者本位
 ノーマライゼーションと、利用者の自己決定の実現を目指す。利用者と職員が対等な関係にたち,利用者の立場を第一に考える。
・社会福祉は本来、利用者主体という基盤のもとに拠って立っている。

当ブログ筆者の論文
当ブログ筆者の論文 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月

抜粋「福祉施設において、有効な離職予防策を打ち出せないまま職員の人員不足を招くことや、燃えつき等によって充分に能力を発揮出来ない職員を生じることは、現場に更なる負担をかけ、過失や事故等に繋がる可能性に直結する。施設と個々の職員のストレス・マネジメントは、リスク・マネジメントでもあり、施設の運営管理にも大きく関わる課題である。
 良い福祉施設、良いサービスは、職員の心身の健康の維持と、実践と生活の拡充によって実を結ぶ。福祉施設においては、事業の根幹は人にある。だからこそ、着手が可能なところから、現場職員の支援策と、サポーティブな職場づくりを開始する必要がある」

福祉施設職員のメンタルヘルスの支援 職員のストレスマネジメントと施設のリスクマネジメント
当ブログ筆者の論文 関連業績一覧


 繰り返される福祉施設の問題の再発予防のため、この上尾の事件の解明が待たれる。
 毎日新聞「10年7月には千葉県木更津市の高齢者福祉施設で、利用者の女性(当時81歳)が炎天下の車内に約8時間置き去りにされて死亡した。女性は体が不自由で外に出られなかったとみられる」


<続報 新聞記事等>
<上尾男性放置死>忙しく運転手1人で降車確認 食事残るも確認せず
2017年7月14日(金)埼玉新聞

引用「県は14日、施設の立ち入り調査を実施。職員から事情を聴き、事実確認を行った。それによると、施設では利用者が送迎車を降りる際、運転手と職員が利用者の確認をしていたが、事故当日は実習生の受け入れなどで忙しく、運転手が1人で行っていた。また、昼食時に手付かずで残った男性の食事を見て職員の1人が不在に気付いたものの、遅刻などのケースもあるため確認を怠り、職員間で情報共有もされなかった。施設の大塚健司管理者(75)は13日、報道陣の取材に「職員の確認行為、連携がうまくいかず、機能しなかった」。

<上尾男性放置死>男性発見まで5回出欠確認、欠席扱いならず見逃す
2017年7月15日(土)埼玉新聞

引用「県警は15日、業務上過失致死の疑いで、施設を家宅捜索し、男性が車内に放置された経緯について捜査を進める」

<上尾男性放置死>男性の通夜、知人ら怒り「ずさん、考えられない」
2017年7月16日(日)埼玉新聞

引用「上尾市の障害者支援施設「コスモス・アース」で男性利用者(19)が車内に放置され熱中症とみられる症状で死亡した事故で、男性の通夜が16日夕、上尾市内の斎場でしめやかに営まれ、親族や友人らが早すぎる別れを惜しんだ。男性の母親は憔悴しきった様子で、「本当のことが知りたい」と話したという。知人女性は「体の大きな男性を車から降ろし忘れるなんて考えられない。いないことに気付いた職員が男性を捜さないのもずさん」と怒りをあらわにした」

障害者施設の送迎車に放置、熱中症で死亡男性の告別式
TBSニュース 2017年7月17日

引用「男性の告別式は17日午前11時前から上尾市の斎場で営まれました。男性の親族は、JNNの取材に「とにかくかわいい子でした。どうして6時間も取り残され苦しまなければならなかったのか、真実を知りたいです」などと話しました。警察は業務上過失致死の疑いもあるとみて、施設の管理体制などを調べています」引用ここまで

<上尾男性放置死>あり得ない…施設に批判の声 浮かぶずさんな管理
2017年7月19日(水)埼玉新聞

引用「事故が障害者の親たちに与えた衝撃は大きく、男性の通夜に参列した保護者らは「確認の点呼を取らないなんてあり得ない」「男性の面倒を見る担当者はいなかったのか」と施設を批判した」引用ここまで

<上尾男性放置死>ひとごとでない…施設の1日に密着 人手不足の今
2017年7月20日(木)埼玉新聞


平成27年度における埼玉県内の障害者虐待への対応状況について
埼玉県HP

部局名:福祉部
課所名:障害者支援課
担当名:総務・市町村支援担当
引用「障害者福祉施設従事者等による障害者虐待への対応状況等について
 ○ 県内の市町村等で受け付けた障害者福祉施設従事者等による障害者虐待に関する相談、通報件数は、平成26年度より2件減り、47件でした。
 ○ 相談、通報があった47件のうち、市町村が虐待と認定した件数は、平成26年度より5件増え、14件でした。
 ・ 虐待行為の類型(※)は、身体的虐待7件、心理的虐待6件、性的虐待5件でした。
 ・ 虐待を受けた障害者(※)は、男性16人、女性9人でした。障害の種別(※)では、知的障害25人、精神障害1人でした。
 ・ 虐待を受けた障害者の年齢は、30歳代7人、40歳代6人、20歳代4人の順でした。
・ 県及び市町村では施設等に対し指導を行い、改善計画の提出など再発防止の徹底を図りました。
 (※)認定件数に比して多いのは、1件につき複数の虐待が行われたため」引用ここまで

【相模原市障害者施設殺傷事件】 障害者団体等の声明 ハートネットTV
全国手をつなぐ育成連合会 神奈川県立津久井やまゆり園での事件について(声明文)等

<情報提供>
「ともに生きる社会」を考える 7.26神奈川集会

 障害のある19名が亡くなった、津久井やまゆり園事件から半年後の、平成29年1月26日に、『津久井やまゆり園事件を考える』1.26神奈川集会を横浜で開催し、障害者や支援者等300名以上が集まり、亡くなった方々の追悼をするとともに、障害者が安心して地域で暮らすことのできる社会を作るためのアピール文を神奈川県に届けました。そして、事件から1年を迎える平成29年7月26日に、改めて亡くなった方々を追悼し、「ともに生きる社会」を考え、実現するための神奈川集会を開催いたします。
■日時:平成29年7月26日(水)13:00~16:30(受付開始 12:00~)
■会場:男女共同参画センター横浜(フォーラム)

<追記 紹介>
「ともに生きる社会を考える」7.26神奈川集会アピール
 だれもがその人らしく暮らすことのできる地域社会の実現にむけて

引用・抜粋「「障害者なんていなくなればいい」「障害者は不幸を産み出すことしかできない」という考え方(優生思想)をいだいた元職員により、障害のある人19名の命がうばわれ、27名が傷つけられた津久井やまゆり園事件から一年がたちました。
 この一年、なぜこのような事件が起きてしまったのか、津久井やまゆり園をどのような形でつくりなおす必要があるのか、二度とこのような事件を起こさないためには、どのような取り組みが必要なのかを考えてきた一年でした。 略
 障害のある人たちが自分の暮らし方を、自分で選べる状況になってはじめて、「ともに生きる社会」になったと言えます。神奈川県をあげてそうした取り組みをすすめることこそが、あの恐ろしい事件で奪われ、傷つけられた命を大切にすることにつながるのではないでしょうか。
 日本は2014年に「障害者権利条約」をむすびました。「障害者権利条約」というのは、障害のある人たちの権利を守ることについて世界で決めている国際条約です。その人が望めば、自立し、社会に参加する権利があることを示したものです。
 その条約の中には、障害のある人一人ひとりが、誰と、どこで、どのように暮らすかを選択することが権利として認められていること、その選択を実現するために必要なサービスを受けられることが書かれています 略 」引用ここまで

「障害者いらない」取り消して=被害施設家族会長―相模原殺傷から1年
時事通信社 2017年7月22日

引用「「障害者はいらない」とした元職員植松被告(27)=殺人罪などで起訴=の発言に対し、「言葉を取り消してほしい」と強く訴えた。事件を契機に、「共生社会の実現ということに、自分たちがどう関わっていくのか」を考えるようになった」引用ここまで

やまゆり園殺傷事件で追悼集会「十九の御霊よ安らかに」
2017年7月22日 朝日新聞

引用「同園の家族会などは22日、建て替えのための仮移転先「津久井やまゆり園芹が谷園舎」(横浜市港南区)の体育館で、亡くなった19人を追悼する集会を開いた。
 入倉かおる園長は「一人ひとりの人生が確かにあの地にあって、豊かに暮らしていたことを語り合いたい」などと涙ながらに話したという」引用ここまで

(やまゆり園事件が残したもの:上)
差別・障害「私は伝えていきたい」やまゆり園事件1年
2017年7月24日 朝日新聞

引用「障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市)で19人の入所者の命が奪われた事件から、まもなく1年を迎える。事件とどう向き合い、その教訓をどのように伝えていくのか。模索している人たちを訪ねた」引用ここまで

障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律について

障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律

平成27年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果
 厚生労働省

施設職員による障害者、高齢者虐待 過去の重大事件
87歳を投げ落とし殺害容疑、元職員逮捕 川崎3人死亡
2016年2月16日01時24分朝日新聞

引用「県警によると、今井容疑者は2014年11月3日午後11時ごろから4日午前1時50分ごろにかけ、川崎市幸区幸町2丁目の老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で、入所者の男性(当時87)を4階ベランダから投げ落として、殺害した疑いがある。男性は胸を強く打ち、内臓破裂で死亡した。川崎市消防などによると、14年11月にこの男性が転落した以外にも、12月上旬には女性(当時86)が4階から、同月下旬には女性(当時96)が6階からそれぞれ転落していた。消防が市内の病院に救急搬送したが、死亡が確認された」引用ここまで

 組織としてのコンプライアンスの問題 過去の事件
 群馬県の「たまゆら火災事件」など。
 日本経済新聞 たまゆら元理事長に有罪 老人施設火災10人死亡 前橋地裁判決
 
 神奈川のNPO PWLも、コンプライアンスなどが社会問題になり、事業は別法人に継承された。
 神奈川新聞「公的事業から撤退 横浜・NPO法人「PWL」、別法人が障害者支援継承」

引用「警視庁は2月26日、東京都板橋区内の介護付き有料老人ホーム「レストヴィラ赤塚」において2012年2月、入所者の女性(当時74歳)が入浴中に溺死した事故について、必要な介助を怠ったなどとして、レストヴィラ赤塚ホームの当時の施設長(46)とケアマネジャー・介護士ら男女職員4人を業務上過失致死容疑で東京地方検察庁あてに書類送検した。
 書類送検されたのは、いずれも当時「レストヴィラ赤塚」の女性施設長(46)と男性ケアマネジャー(37)・男性職員(46)・女性職員(30)――の計4人。このホーム施設は、居酒屋チェーンなどを全国展開する外食大手「ワタミ」(当時は渡辺美樹氏=現・参議院議員=が会長)のグループ会社「ワタミの介護」が運営していた。施設長ら2人は容疑を全面的に認め、ほかの2人もおおすじで認めているという。
 入浴死亡事故は2012年2月16日に発生。74歳の入所女性は午後2時15分ごろから入浴し、午後3時40分ごろにホーム施設内の風呂場内でうつぶせの心肺停止状態でみつかり、緊急搬送先の病院で死亡が確認された。司法解剖の結果によると、その死因は水死だった。
 介護保険法に基づく施設サービス計画書では「本人の様子を見ながら必要であれば洗身、洗髪を行なう」などと規定されているが、今回のホーム職員は入浴中に一度も74歳女性の様子を確認しなかったとされる。
 今回の送検容疑としては、74歳女性を入浴させた際に介護職員が81分間、事故が起きないよう付き添ったり見守ったりするなどの適切な安全管理対策を講じることを怠って、入所者女性を81分間にわたり1人で入浴させて放置さえしなければ、浴槽内での水死には至らなかった疑いがあるというもの。女性は2009年に運動障害を起こすパーキンソン病と診断されていた。
 自宅での介護が困難ということで、2010年12月にレストヴィラ赤塚ホームに入所。一昨年1月末ごろからの約1年2ヵ月のあいだに転倒事故を46回も繰り返していた記録が残っていることも判明している。
 女性遺族らによると、施設側は当初、遺族側に対し「目を離したのは10分間だけで、浴室のなかで心肺停止で発見された。病死の可能性が高い」などと説明していた。しかし、警視庁がホーム施設内の防犯カメラを解析したところ、付き添い担当の介護職員は事故当時ずっと浴室から離れており、遺族側への説明が虚偽だったことが判明。女性が1人で長く入浴すれば溺れる危険があることを当時の職員らは予見可能だったと判断し、今回の刑事事件立件化へとつながったもよう。施設ホーム側はその後、「ほかにも入浴者などがおり、とても手が回らなかった」などと遺族らに釈明したとされる」引用ここまで

<関連記事>
睡眠薬を過剰投与 諏訪市、社会福祉法人を指導
2017年6月18日 中日新聞

引用「諏訪市の社会福祉法人「こころ」が運営する特定施設入居者生活介護事業所で、入所者に医師が処方した分量を超えて睡眠薬を服用させる身体的虐待が認められたとし、市が法人に対して改善計画書の提出を指示したことが分かった。
 市は一月に通報を受け、高齢者虐待防止法に基づき聞き取り調査などを実施。睡眠薬の過剰投与は身体拘束に当たるとし、虐待と認定した」

引用「岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」に入所していた高齢の男女3人が7月末から相次いで死亡していたことが18日、分かった。別の入所者2人もけがをしているといい、県は17、18両日に介護保険法などに基づき立ち入り調査を実施した。県警は事件、事故の両面で施設関係者らから事情を聴いている」引用ここまで


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