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相談援助の基盤と専門職 練習問題 前期7回

相談援助の基盤と専門職 練習問題 前期7回

*正しいものには○、誤っているものには×で解答しなさい。

問題1 1905年,米国マサチューセッツ総合病院のキャボット医師が,医療ソーシャルワーカー(「ソーシャル・アシスタント」)をおいた。

問題2 YMCA(キリスト教青年会)の活動は、グループワークの源流の一つと考えられる。

問題3 アメリカにおけるセツルメントでの友愛訪問活動等の経験を通じて、リッチモンドらによってケースワークが形成された。

問題4 慈善組織協会(COS)の活動は、後にコミュニティワーク等に、また、特に友愛訪問はケースワークに発達したとされる。

問題5 世界で最初に設立されたセツルメントは、1884年、ジョン・ハワードがロンドンに設立したトインビー・ホールである。

問題6 マサチューセッツ総合病院等で、精神科ソーシャルワーカー(PSW)の配置がはじまった。

問題7 エルバーフェルト制度とは、ドイツの貧民救済制度であり、1853年にエルバーフェルト市(当時)の条例に基づいて実施され,その後ドイツ各地で実施されるようになった。

問題8 F.ホリスは、トインビー・ホールから多くを学び、アメリカへ帰国後、シカゴにハル・ハウスを設立した。ハル・ハウスは世界最大規模のセツルメントとされている。

問題9 社会改良事業とは中世キリスト教社会で広まった、生活困難にある人に対して,宗教的な動機から援助する救済事業のことである。

問題10 当初ほとんどがボランティアであったフェビアン協会の友愛訪問員が有給職員として配置されるようになったことは、社会福祉職の専門化のきざしの一つと考えられる。

問題11 1915年の全米慈善・矯正会議におけるA.フレックスナーの報告は、ソーシャルワーカーはいまだ専門職ではないということを報告したものであり、その後のソーシャルワークの定義をめぐる議論のきっかけとなった。

問題12 リッチモンドが最初に社会福祉に従事したのは、1889年、ボルチモアの慈善学校への就職である。

問題13 リッチモンドはケースワークを専門職として確立させた功績から「ケースワークの母」と呼ばれ、ノーベル平和賞を受賞した。

問題14 チャルマーズが考案した個別援助活動の特徴の一つとして、個人と社会環境への洞察をもとに、個別援助活動が直接的活動と間接的活動の両方からなるとしたことが挙げられる。

問題15 リッチモンドは面接、記録、事例研究などの個別援助技術の具体的技法を1880年代にすでに提示している。

問題16 ハミルトンはその著書『ソーシャル・ケースワークとは何か』でケースワークの定義を示し、「ソーシャル・ケースワークは人間と社会環境との間を個別に意識的に調整することを通して、パーソナリティを発達させる諸過程からなっている」とした。






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正答と解説

問題1 ○ 正しい

問題2 ○ 正しい

問題3 × 正しくは、「慈善組織協会での友愛訪問」

問題4 ○ 正しい

問題5 × 正しくは、「S.バーネットら」

問題6 ○ 正しい。

問題7 ○ 正しい。

問題8 × 正しくは、J.アダムズ

問題9 × 正しくは、慈善活動、もしくは慈善事業

問題10 × 正しくは、「慈善組織協会(COS)」

問題11 ○ 正しい。

問題12 × リッチモンドが最初に福祉に従事したのは、「COS(慈善組織協会)」である。

問題13 × ノーベル平和賞を受賞したのはハル・ハウスを設立したJ.アダムズである。リッチモンドは受賞していない。

問題14 × 正しくは、リッチモンド。

問題15 × 正しくは、「1920年代に」

問題16 × 正しくは、リッチモンド



<解説>

■「隣友運動」、チャルマーズ Chalmars, Thomas
・スコットランドの長老教会の牧師、神学者、経済学者
◎チャルマーズは1820年代にグラスゴー市において、教区を区分けして「隣友運動」=貧困家庭への友愛訪問(貧困者の友人として)や、社会資源の活用を含めた組織的な援助など相互扶助や自助を重視する慈善活動を実験的に始めた。民間の活動を重視する救済方法であり,その後,慈善組織協会(COS)の活動に継承された。

■ハミルトン Hamilton, Gordon (1892-1967)
 アメリカにおける診断主義ケースワークの代表的な女性研究者の一人。1923年から57年までの約35年間,ニューヨーク社会事業学校(現・コロンビア大学大学院)で教鞭をとり,診断主義ケースワークの確立と発展に大きく貢献した。また,その代表的著書『ケースワークの理論と実際』(Theory and Practice of Social Case Work, 1940)は,アメリカのみならず,世界中で読まれ,各国のケースワーク研究や実践の発展にも貢献した。

■ホリス Hollis, Florence (1907-87)
 アメリカにおけるケースワーク理論の主流の一つである診断主義アプローチを代表する理論家の一人。特に,ホリスは,診断主義のなかでも「状況の中にある人間」(the-person-in-his situation)や「人と状況の全体関連性」(person-situation configuration)といった特有の概念を用いる心理社会的アプローチを提唱した研究者として広く知られ,ケースワークの発展に大きく貢献した。[主著] Casework : A Psychosocial Therapy, 1964.

■社会改良 social reform
 社会問題や社会の矛盾を解決するために,革命という急進的な手段で社会体制を変えるのではなく,欠陥を是正し,修正するなどの漸進的な方法で社会を改善しようとすること。19世紀末から20世紀初頭にかけてのソーシャル・セツルメント運動などが代表であり,教育・宣伝的方法,議会活動などを通して,社会政策や社会福祉政策などに影響を与えることを目的としている。

■フェビアン協会、フェビアン主義
 フェビアン社会主義もほぼ同義。1884年にイギリス・ロンドンで結成されたフェビアン協会(Fabian Society)が推進した社会主義の思想・理論をさす。ただし統一的な理論・教義があったわけではなく,民主的な方法により漸進的な社会改良を通して,社会主義の目標を実現していくという,同協会が推進した社会主義の基本的な方向性を指し示す概念といえる。主な理論的指導者は,ショー(Shaw, G. B.),ウェッブ(Webb, S.),コール(Cole, G. D. H.)ら。フェビアン協会の活動については,社会運動よりも官僚機構を通じた政策の実施に重点をおきすぎているという批判もあったが,ウェッブ夫妻によるナショナル・ミニマム論の提唱などにより福祉国家の構想を提示したり,調査研究や政策提言を通じてイギリス労働党の政策形成に寄与することによって,イギリスの社会政策の推進と福祉国家の形成に重要な役割を果たしてきたことは確かである。



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*08年度「社会福祉士 受験支援セミナー」 受験対策用のポイント解説&練習問題

<受験支援セミナー 編集者HP>
by yrx04167 | 2009-05-29 12:04 | Comments(0)