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ニュース:マニフェスト「雇用」…非正社員を救済・・・雇用の受け皿は?

マニフェスト「雇用」…非正社員を救済

2009年8月11日(火)3時9分配信 読売新聞
 昨年秋以降の不況で、派遣労働者や期間従業員など約23万人が職を失った。不安定な働き方を続け、将来展望を描くことが難しい若者も多い。自民、民主党とも、政権公約(マニフェスト)で、常に失業の不安を抱える非正規雇用の労働者の待遇改善策を掲げている。

 ◆「訓練しても受け皿なし」

 「10年以上働いたんだから、やめたらどうですか」
 派遣先のシステム開発会社から、時給を4割カットすると通告された東京の派遣社員の女性(39)が派遣元会社に相談すると、担当者からこう言われた。
 一つの会社で専門業務を担当し、半年~1年の契約更新を繰り返して12年。出産のため昨秋に職場を離れ、12月に復帰すると、不況で仕事が激減した。残業代が多く40万円以上だったこともある月収は半減し、8月から時給も減る。女性は「派遣制度は企業には都合が良いが、派遣社員を守ってくれない」と訴える。

 1986年に13業務に限定して解禁された労働者派遣。99年の原則自由化などで派遣労働者数は急増し、2007年度には381万2353人と、86年度の26倍となった。

 自民、民主両党とも、不安定な雇用の是正のため、短期派遣の規制といった基本線は同じだ。しかし、派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「派遣社員だけでなく、契約社員や期間従業員なども正社員化を進めるなど、有期雇用全体の改善が不可欠」と主張する。

 若年失業者の対策も急務。総務省の労働力調査(08年平均)では、派遣労働者は25~34歳の層で50万人と最多。失業期間1年以上の人が最も多いのもこの層だ。非正規の雇用を続けるため技能が蓄積されず、職を失うと再就職が難しい。

 自民は若者に実践知識を身につけさせる職業教育強化や、年長フリーターの正社員化支援を公約に盛り込んだ。民主も、今は時給で平均703円の最低賃金を1000円に引き上げることを目指す公約を掲げる。

 しかし、経営者団体は「最低賃金の大幅引き上げは中小企業の倒産、失業者増につながる」と反発。ニートの若者を支援するNPO法人「育て上げネット」の工藤啓理事長も「手に職のない若者は、低賃金でも簡単な仕事から段階を踏むケースも多い」という観点から疑問を呈している。

 両党の公約には、職業訓練中の生活を支援する政策も盛り込まれた。これに対し、放送大学の宮本みち子教授(青年社会学)は「現状では訓練しても雇用の受け皿がない」と指摘。さらに「当面の不況対策だけではなく、女性や高齢者の労働力をどう活用するかという中長期の課題にも取り組むべきだ」と話している。
by yrx04167 | 2009-08-12 19:33 | Comments(0)