現代社会と福祉 練習問題 基礎編-エンパワメント*社会福祉士受験対策
現代社会と福祉 練習問題 基礎編
*社会福祉士 精神保健福祉士 受験対策
問題19 次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A QOL(quality of life)とは、生活者の満足感・安定感・幸福感を規定する主観的要因や生活者の意識構造、生活環境などを表す用語である。
B 利用者とは個人・家族・組織集団の構成員・地域住民等の当事者を意味し、個別援助技術、集団援助技術、地域援助技術等の対象となる。
C エンパワメントとは、諦めや無力状態(パワーレス)に陥った人々が、自分の無力さや現実を直視して、自らの問題の解決は専門職に全て任せていけるよう、そのサービスを活用する能力のみを強めていこうとする援助である。
D 1929(昭和4)年に、救護法が制定され、同じ年に実施された。
《組み合わせ》
A B C D
1 × × ○ ○
2 ○ ○ × ○
3 ○ ○ × ×
4 × ○ × ○
5 ○ ○ ○ ×
問題20 次の文章の空欄A、B、Cに該当する語句の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
日本の社会福祉のあり方について考えるうえで、日本国憲法に定められた< A >保障の思想は、最も基本的な拠りどころである。憲法< B >第1項では、「すべて< C >で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定している。
《組み合わせ》
A B C
1 生存権 第25条 国民は健康
2 財産権 第9条 国民は幸福
3 プライバシー権 第13条 国民は富裕
4 労働三権 第17条 国民は劣悪
5 日照権 第62条 国民は多忙
*解答は下記をクリック
=============================
<解答>
問題19 答え3
問題20 答え1
Aから生存権 第25条 国民は健康
<解説>
*QOL
QOLは「生活の質」「生命の質」「生存の質」などと訳され,生活者の評価意識である満足感,幸福感,安定感を規定している諸要因の複合を意味する。
主観的QOLは,QOLの主観的側面で,生活者自身の健康状態,能力,所得,時間的ゆとり等についての意識,および生活者個人の状態(家族関係,近隣関係,職場の人間関係等)を中心に捉えられたQOLである。
*エンパワーメント
ソーシャルワークにおいて一致した定義はいまだないが,おおむね,個人,家族,集団あるいはコミュニティが,その個人的,対人関係的,社会経済的および政治的な影響力(パワー)を強め,それによってその取り巻く環境の改善を実現させていくこと,あるいはそれらが実現された状態を意味している。パワーの脆弱化,無力化をディスエンパワーメント(disempowerment),パワーの欠如状態をパワーレスネス(powerlessness)とそれぞれよんでいる。
ソーシャルワークにおいてこの概念を初めて取り上げたのは,ソロモン(Solomon, B.)の著書『黒人のエンパワーメント』(1976)であるといわれている。そこでは,アフリカ系アメリカ人がイギリス系アメリカ人に比較してパワーの欠如した状態にあること,それがスティグマによる否定的評価と社会的な抑圧によるものであり,その結果として,社会的役割を遂行するうえで有用な資源を活用できない状態に陥っているという図式が提示された。こうした状態にあるクライエントに対して,パワーの回復を図っていくソーシャルワークのプロセスに「エンパワーメント」という名称が与えられたのである。それ以降,1980年代から取り上げられるようになり,90年代に入ると,デュボアとマイリー(Dubois, B. & Miley, K.),グティエーレス(Gutierrez, L.),リー(Lee, J.)などによっておのおののソーシャルワーク理論の中核に位置づけられるようになる。さらに,人種・民族上の少数者にとどまらず,さまざまなマイノリティの人々,例えば,高齢者,障害者,同性愛者,貧困者層などに対するソーシャルワークの取組みにこの概念が適用されていくようになった。
この概念に基づくソーシャルワーク実践は,すべての人間はどのような悪い状況にあってもそれを改善していける能力とパワーを有しているという基本的人間観にたち,クライエントとワーカーとのパートナーシップを通して,クライエント自身がエンパワーメントしていくことが目標になる。加えて,以下のような特徴があることが指摘されている。①制度や社会構造との関係において人はパワーが欠如した状態におかれ,その結果,社会資源をコントロールしたり,獲得することが困難になる,②クライエント= ワーカー関係におけるパワーの不平等性はクライエントのエンパワーメントを阻害する恐れがあるために,両者がパワーを共有しあえる協働関係の樹立が望まれる,③クライエントとそれを取り巻く環境の強さ(strength)が強調される,④ワーカーの介入は,ミクロからマクロにまたがるジェネリックなアプローチが基本とされる,⑤パワーの欠如状態を発生せしめた原因は主にマクロ的なものであるという認識から,特に資源配置上の公平性確保といった政治的パワー回復が重視される,⑥問題解決の前提として,クライエントが変化に向けての責任をもつべきであるという視点にたつ。
*救護法
恤救規則にかわって,制定された法律(昭和4年法律39号,1932年7月施行)。1946年(旧)生活保護法が制定されるまで,わが国の一般救貧法として機能した。対象者は,65歳以上の老衰者,13歳以下の幼者,障害者など。救済内容は,生活扶助,医療扶助,助産扶助,生業扶助。実施機関は,市町村。居宅保護を原則とし,収容保護,委託保護を容認。
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問題19 次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A QOL(quality of life)とは、生活者の満足感・安定感・幸福感を規定する主観的要因や生活者の意識構造、生活環境などを表す用語である。
B 利用者とは個人・家族・組織集団の構成員・地域住民等の当事者を意味し、個別援助技術、集団援助技術、地域援助技術等の対象となる。
C エンパワメントとは、諦めや無力状態(パワーレス)に陥った人々が、自分の無力さや現実を直視して、自らの問題の解決は専門職に全て任せていけるよう、そのサービスを活用する能力のみを強めていこうとする援助である。
D 1929(昭和4)年に、救護法が制定され、同じ年に実施された。
《組み合わせ》
A B C D
1 × × ○ ○
2 ○ ○ × ○
3 ○ ○ × ×
4 × ○ × ○
5 ○ ○ ○ ×
問題20 次の文章の空欄A、B、Cに該当する語句の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
日本の社会福祉のあり方について考えるうえで、日本国憲法に定められた< A >保障の思想は、最も基本的な拠りどころである。憲法< B >第1項では、「すべて< C >で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定している。
《組み合わせ》
A B C
1 生存権 第25条 国民は健康
2 財産権 第9条 国民は幸福
3 プライバシー権 第13条 国民は富裕
4 労働三権 第17条 国民は劣悪
5 日照権 第62条 国民は多忙
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<解答>
問題19 答え3
問題20 答え1
Aから生存権 第25条 国民は健康
<解説>
*QOL
QOLは「生活の質」「生命の質」「生存の質」などと訳され,生活者の評価意識である満足感,幸福感,安定感を規定している諸要因の複合を意味する。
主観的QOLは,QOLの主観的側面で,生活者自身の健康状態,能力,所得,時間的ゆとり等についての意識,および生活者個人の状態(家族関係,近隣関係,職場の人間関係等)を中心に捉えられたQOLである。
*エンパワーメント
ソーシャルワークにおいて一致した定義はいまだないが,おおむね,個人,家族,集団あるいはコミュニティが,その個人的,対人関係的,社会経済的および政治的な影響力(パワー)を強め,それによってその取り巻く環境の改善を実現させていくこと,あるいはそれらが実現された状態を意味している。パワーの脆弱化,無力化をディスエンパワーメント(disempowerment),パワーの欠如状態をパワーレスネス(powerlessness)とそれぞれよんでいる。
ソーシャルワークにおいてこの概念を初めて取り上げたのは,ソロモン(Solomon, B.)の著書『黒人のエンパワーメント』(1976)であるといわれている。そこでは,アフリカ系アメリカ人がイギリス系アメリカ人に比較してパワーの欠如した状態にあること,それがスティグマによる否定的評価と社会的な抑圧によるものであり,その結果として,社会的役割を遂行するうえで有用な資源を活用できない状態に陥っているという図式が提示された。こうした状態にあるクライエントに対して,パワーの回復を図っていくソーシャルワークのプロセスに「エンパワーメント」という名称が与えられたのである。それ以降,1980年代から取り上げられるようになり,90年代に入ると,デュボアとマイリー(Dubois, B. & Miley, K.),グティエーレス(Gutierrez, L.),リー(Lee, J.)などによっておのおののソーシャルワーク理論の中核に位置づけられるようになる。さらに,人種・民族上の少数者にとどまらず,さまざまなマイノリティの人々,例えば,高齢者,障害者,同性愛者,貧困者層などに対するソーシャルワークの取組みにこの概念が適用されていくようになった。
この概念に基づくソーシャルワーク実践は,すべての人間はどのような悪い状況にあってもそれを改善していける能力とパワーを有しているという基本的人間観にたち,クライエントとワーカーとのパートナーシップを通して,クライエント自身がエンパワーメントしていくことが目標になる。加えて,以下のような特徴があることが指摘されている。①制度や社会構造との関係において人はパワーが欠如した状態におかれ,その結果,社会資源をコントロールしたり,獲得することが困難になる,②クライエント= ワーカー関係におけるパワーの不平等性はクライエントのエンパワーメントを阻害する恐れがあるために,両者がパワーを共有しあえる協働関係の樹立が望まれる,③クライエントとそれを取り巻く環境の強さ(strength)が強調される,④ワーカーの介入は,ミクロからマクロにまたがるジェネリックなアプローチが基本とされる,⑤パワーの欠如状態を発生せしめた原因は主にマクロ的なものであるという認識から,特に資源配置上の公平性確保といった政治的パワー回復が重視される,⑥問題解決の前提として,クライエントが変化に向けての責任をもつべきであるという視点にたつ。
*救護法
恤救規則にかわって,制定された法律(昭和4年法律39号,1932年7月施行)。1946年(旧)生活保護法が制定されるまで,わが国の一般救貧法として機能した。対象者は,65歳以上の老衰者,13歳以下の幼者,障害者など。救済内容は,生活扶助,医療扶助,助産扶助,生業扶助。実施機関は,市町村。居宅保護を原則とし,収容保護,委託保護を容認。
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by yrx04167
| 2009-12-28 22:15
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