相談援助の理論と方法 第44回講義レジュメ・後半11/12*解決志向アプローチ*社会福祉士養成科

相談援助の理論と方法 第44回講義 レジュメ・後半 2010/11/12
*社会福祉士養成科・夜間部にて講義

3節 その他の実践アプローチ・続き
3 解決志向アプローチ テキストP176
*起源と基礎理論

・このアプローチは、面接展開方法、面接技法としてソーシャルワークのなかで活用されてきている。
・バーグやシェザーらによるブリーフセラピー(短期療法)の流れを汲む、心理臨床におけるアプローチである。
・社会構成主義等の影響も受け、直接的因果論や客観的事実を否定し、現在・未来志向の短期アプローチであるといえる。

*解決志向アプローチのキーワード
・解決構築

 このアプローチは、クライエントが抱いている問題解決のイメージを、ワーカーとの協働作業(面接過程)のなかで、つくり上げていく方法をとる。

・ソリューション・フォースト
 解決の過程は、クライエントの抱く具体的解決イメージに基づき、そのペースで進める。

*適用対象・適用課題
・主に個人、家族等に適用される。不登校、暴力・虐待等や、依存症、精神疾患、教育者やワーカー等の支援者側が抱える課題などにも適用される。

*支援焦点
・クライエントの解決へのイメージに焦点をあて、問題解決の実現により社会的機能を高めることに焦点がある。

*支援展開
・クライエントは(自分自身に関する)専門家であると捉え、純粋にクライエントの語りを傾聴=「無知の姿勢」、資源はクライエント自らがもち、「クライエントから教わる」姿勢=「ワン・ダウン・ポジション」により面接を展開する。

*特徴的な技法・面接態度
・ミラクル・クエスチョン
問題解決後の生活の様子や気持ちについて、想像を促がす質問
・スケーリング・クエスチョン
経験内容や今後の見通しなどについて、数倍に置き換え、評価する質問
・コービング・クエスチョン
問題を切り抜けてきた対処方法への質問
・サポーズ・クエスチョン
視点・考えを現在から未来へ移動させることを意図した質問


4節 アプローチを巡る課題
1 実践的側面

・ソーシャルワーク実践展開において、各アプローチを意識的に活用することは、一般化してこなかった。
・日本の福祉実践は、入所施設実践を中心に展開されてきた(昨今は、コミュニティ実践が強調される)。
そこでは、「生活ケア」が中核となり、施設ソーシャルワーク=レジデンシャル・ソーシャルワークが成熟しなかった。
 個別支援へのアプローチの活用には課題が存在している。
 実践の蓄積が少ないということである。
 一方、エンパワメントアプローチやナラティブアプローチなどの新興アプローチに対しては、比較的受容される傾向が見受けられる。しかし、支援視点の受容に留まる。
・しかし、各領域の「個別支援計画」を立案する必要からも、アプローチの活用が求められる。

相談援助の理論と方法 第45回講義 レジュメ 2010/11/15
関屋 光泰
4節 アプローチを巡る課題
・ソーシャルワークのアプローチ テキストP179図 参照

2 教育的側面
・アプローチ問題の教育的側面とは、これまでのソーシャルワーク教育において、各アプローチが十分に教授されてきたのかという課題である。スキルの獲得までは達せず、アプローチの概略の紹介にとどまっていたのが事実であろう(テキスト)。
・ソーシャルワーク教育において、アプローチの基礎的スキルが定着していないのであれば、実践現場においての活用は不可能である。
・ターナーは、大学院教育において、実践の備えとして、三~四の理論が教えられるべきであると述べている。
・日本においても、今後、個別・具体・特殊な対象に実践を展開するための方法・スキルとして実践アプローチを「ソーシャルワーク実践理論」として構成し、知識とともにスキルレベルにおいても教授し、定着させ、使用可能なものとしていくことが必要であろう。
・アプローチに関するスーパービジョンも含め、ソーシャルワーク教育の刷新が求められる。

3 研究的側面
・『ソーシャルワーク・トリートメント』においてターナーは、27の実践理論を紹介し、「相互連結理論アプローチ」を提唱している。
・実践理論が採用される八つの基準 テキストP181表
①その考え方は新しいものであること
②人間の状態に、クライエント集団に、社会的環境的システムに対する新しい洞察を与えること
③考え方のシステムが、専門職によって有用であると実証されていること
④知識の先端的体系が、新しい考え方を指示すること
⑤理論から生まれる介入法が倫理的であること
⑥概念と介入法が、専門織によって学習され、活用され得ること
⑦その考え方のシステムが実践と方法論の広範な連続体を取り扱っていること
⑧理論が専門職によって受け入れ始められていること
・日本において、多様化するクライエントに対応して、成果を積み重ねる必要があり、アプローチの活用が有効と考えられる。
・アプローチにクライエントを適合させるのではなく、クライエントに、課題に適合的なアプローチを選択、活用することが必要とされる。
・理論的研究に加えて、実践現場との応答作業のなかでの実証研究が必要である。
研究的循環作業が、実践場面と教育場面のアプローチ問題を解決することになる。



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by yrx04167 | 2010-11-14 09:21 | Comments(0)