相談援助の理論と方法 第46回講義 レジュメ前半 スーパービジョンの機能、スーパーバイザーとは

相談援助の理論と方法 第46回講義 レジュメ・前半 10/11/19
*社会福祉士養成科・夜間部にて講義

9章1節 スーパービジョンの意義と目的・続き
○補足:スーパービジョンの機会

・スーパービジョンは、施設や機関などの職場内で職場の上司(先輩)が新人スタッフに対して行うのが通例である。
 「職場外」のスーパービジョンは、ほとんどは、「一対多数」の研修会等の形をとる。

・スーパービジョンは、新人のワーカーや実習生に対して行われることが多いが、熟練した援助者にもスーパービジョンの必要性はある。

・通常のスーパービジョンは、定期的に継続して行われるが、加えてスーパーバイジーの困難時にも臨時に行なわれる場合もある。これらは、事前の契約で確認される。

○補足:スーパービジョンの手段
①話し合い

・実践に関して話し合い、スーパーバイザーからの助言等が行なわれる。
 記録が併用されることが多い。

②記録を用いる
・事前にスーパーバイジーは,スーパーバイザーに報告する「記録」を用意する。
フォーマルな記録とは別のものを用意するのがよいとされる。
・その記録とは,面接の時間的順序に沿った過程記録がよく用いられる。
・記録を用いながら話し合う方法が、通常の形態といえる。

③ロールプレイを活用する
・役割演技・ロールプレイは、基本的な技法を学ぶために用いることが多いが,スーパービジョンでも大事な訓練・教育の方法である。
・間接的だが,必要な場面を想定し,練習できる。

④録音テープ,ビデオテープ,メールを用いる
・実際の場面をテープによって再現する。紙の記録よりも臨場感が伝わる。繰り返し検討できるので自己学習も可能である。
・スーパービジョンの方法は多様になっており,最近では実習先の学生と教員がメールを用いて、指導・サポートする方法も試みられている。

*解説:ロールプレイ(役割演技)
 場面と登場人物の役割が設定され,筋書きのない即興劇を演じること。今日では,援助や治療だけでなく,学習そのものを目的として,援助者の訓練や学習の教育的方法とし,スーパービジョン場面などでも用いられている。 

3 スーパービジョンの必要性と機能
*支持的機能は、前回講義にて解説済み。
②教育的(学習的)機能 テキストP192

・スーパーバイザーが責任を持って、スーパーバイジーが能力を最大限活かしてより良い実践ができる様に援助する過程ともいえる。

・スーパービジョンを通して、技術を身につける、専門的な判断能力の習得、態度や倫理を身につけることが求められる。
・実務と並行した、専門職養成の継続である。

*ワーカーの学習の動機づけを高める
専門職として成長するために、実務に並行して、継続した研修・学習が必要である。
 スーパーバイザーは、ワーカーの関心、課題に合わせて、自ら学習に取り組む意欲を高める。

*具体的なケースを通して理論と実際を結ぶ
・混乱・困難な場面には、学んだ理論を単純に個別のクライエントに当てはめることは不可能である。個々のケースに合わせた、適切な援助もできない。
・蓄積された経験と実践知、実践的スキルも必要になる。これらと理論の往復が求められる。スーパーバイジーは、具体的な実践によって理論を再確認し、実践的なものとしつつ、クライエントの個別性に柔軟に対応できる実践力を身につける。スーパービジョンはその学習の手段の一つである。

*ソーシャルワーク実践に必要な知識・技術・価値を伝授する
・本来、教育的スーパービジョンの中核をなす機能といえる。
専門職としての知識・技術・価値が同時に発揮されて、援助行為は成り立つ。
・知識・技術は、実践分野によって、共通基盤の他に、特殊なものが必要とされる。
スーパービジョンによる伝授が不可欠である。
 価値に関しては、倫理綱領やバイステックによる援助関係形成の原則も、価値に基づく実践の指標となる。

③管理的・調整的機能
・組織、チームに属するワーカーにとって、組織やチームの環境が、実践に影響を及ぼす。  例:組織やチームの理念や方針には、ワーカーは従い、実現のため貢献し、調整を担う。
・管理的なスーパービジョンが必要となる。

*ワーカーが能力を発揮できる職場環境を整える
・職場環境の整備とは、人間関係の調整等を含む。
・社会福祉基礎構造改革以降、サービスの質向上に取り組む組織が多い。
組織によっては、組織運営管理に偏重し、職員管理・教育、サービス(品質)管理が行なわれ、ワーカーは、組織の方針に沿い、結果として“よいサービス(品質)をつくる組織人”の力量が求められる。これにより、ワーカーの萎縮、クライエント重視からの変節、上司の評価を意識した業務に陥る恐れがある。

*しかし、ソーシャルワークは結果のみを求めるものではなく、援助のプロセスに本質がある。また援助関係のあり方は、一般的サービス業務における、スタッフが顧客と結ぶ関係とは質や深度において、根本的に異なる。
・管理的スーパービジョンにおける職場環境の整備、運営管理と調整が求められる。

*ワーカーが組織の一員として活動できるようにする
・第一義的な目的は、組織の専門的機能が発揮されるよう、ワーカーを管理することである
・ワーカーは組織の機能・サービスを代表する。
 組織の目標や理念、方針の達成に向けて、ワーカーの援助活動が適切なものになるように管理する。

*3つの機能の関連
・スーパービジョンの三つの機能は、互いに関連し合い、一体的なものである。
 どの機能に重点がおかれるかは、スーパーバイザーの立場や権限、両者の関係、組織のなかでの位置づけにより異なる。
・三つの機能を重複させる、あるいは使い分けることで、効果的なスーパービジョンを行うことができるのである。ただし、支持的機能は、教育的・管理的機能の前提になる。

<後半に続く>


*前回講義のレジュメ・練習問題
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 第45回講義 レジュメ・前半 11/15*スーパービジョン、バーンアウト
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 第45回講義 レジュメ・後半11/15*社会福祉士養成科・夜間部
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 練習問題11/15 スーパービジョン*社会福祉士養成科


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科
社会福祉士及び介護福祉士法
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by yrx04167 | 2010-11-21 09:37 | Comments(0)