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相談援助の理論と方法 第1回講義レジュメ2 社会福祉士の相談事例、役割、障害受容とは 社会福祉士養成

相談援助の理論と方法 第1回講義レジュメ その2 2011年4月7日
 社会福祉士養成科(トワイライト)


<テキスト解説>
1章 相談援助とは
1節 ソーシャルワーカーの具体的な事例 テキストP2
1 ソーシャルワークとは  -役割-

 ソーシャルワーカーとは、各種の社会福祉施設・団体・相談機関,あるいは医療機関などにおいて,専門的知識と技術,価値観をもって,社会福祉サービス利用者の相談等の援助・社会資源の活用,地域やグループへの援助を行なう社会福祉専門職である。
 わが国におけるソーシャルワーカーの国家資格としては,1987(昭和62)年「社会福祉士及び介護福祉士法」によって社会福祉士が創設された。また、97年には精神保健福祉士が創設された。

<事例について
・心理的な問題は、障害の受容などが課題である。
・社会的な問題は、在宅生活を支援する社会資源の活用と調整が課題である。
社会資源とは、社会的ニーズを充足するために活用できるあらゆるものであり,具体的には,制度,機関,組織,施設・設備,資金,物品,さらに個人や集団が有する技能,知識,情報などである。また,社会資源を供給する主体から分類すると,家族,親戚,友人,同僚,近隣,ボランティアなどのインフォーマルな人々によるもの,および行政,法人などのフォーマルな組織によるものとに分けることができる。

*ソーシャルワーカー=社会福祉士の役
・相談援助(面接・訪問によりクライエントの成長、問題解決等を図る)
・コーディネーター的業務 (クライエントのニーズと社会資源との連絡調整、利用支援等)
・ボランティア・インフォーマルなサポートのネットワーク
・就労支援
・グループワーク、レクリエーション指導
・地域福祉活動、調査、社会活動(社会資源の修正・開発) 等

<補足>
*社会福祉士の資格とは ー社会福祉士及び介護福祉士法より

(目的)
第1条 この法律は、社会福祉士及び介護福祉士の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって社会福祉の増進に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「社会福祉士」とは、第28条の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者(第47条において「福祉サービス関係者等」という。)との連絡及び調整その他の援助を行うこと(第7条及び第47条の2において「相談援助」という。)を業とする者をいう。

・杜会福祉士及び介護福祉士は名称独占資格である。
・また、杜会福祉土及び介護福祉土法では両福祉士の業務の概念を規定するとともに、 秘密保持義務(守秘義務)や、信用失墜行為の禁止などの義務及び医療などの関連職種との連携規定が定められている。

*「相談」の一般的な意
 問題の解決のために話し合ったり、他人の意見を聞いたりすること。また、その話し合い。(『大辞泉』より)

*社会福祉における「相談
 社会福祉の援助を行う際には,的確なニーズ把握を行い,問題解決のプロセスを支援し,必要に応じて適切な社会資源を活用することが重要となる。利用者自身の問題解決能力を高め,相談員がこうしたサポート機能を発揮していくことが,社会福祉における相談活動である。(有斐閣『現代社会福祉辞典』より)

*社会福祉士及び介護福祉士
 社会福祉士・介護福祉士の資格を定め,業務の適正と福祉の増進への寄与を目的に1987年・昭和62年に制定された法律(昭和62年法律30号)。

<続く・第1回講義レジュメ>


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
 社会福祉士養成科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの夜間部(2コース)です


*社会福祉士とは
  「社会福祉士及び介護福祉士法」により定められた、相談援助、運営管理等、ソーシャルワークに携わる専門職の国家資格です。
 各種の相談機関、福祉行政機関、福祉施設・団体、医療機関などにおいて,専門的知識と技術をもって,福祉サービス利用者の相談援助や,グループワーク、施設の運営管理、地域福祉活動等を行なう社会福祉専門職です。
 社会福祉士は、子ども、医療、コミュニティ、障害者、貧困、女性、高齢者、更生保護、行政等、多岐にわたる領域で、他者を支え、社会に貢献する仕事・職業です
社会福祉士及び介護福祉士法


<レジュメ続き・用語解説は下記をクリック



<用語解説>
*医療ソーシャルワーク
 ソーシャルワークの分野の一つで,保健・医療領域における活動のことをさす。ソーシャルワーカーとして,医療機関で働き,主として疾病にかかった人が医療を受けるのに妨げとなる心理社会的問題の解決や,疾病によって必要となってきた生活再構成、退院・転院への援助を行う。

*クライエント
◎ソーシャルワークにおいて,専門的な社会福祉の援助を求めて訪れる来談者のことをクライエント(client)という。ほか最近は,それに代わり,利用者(user),消費者(consumer),カスタマー(customer)などの用語が用いられることもある。厳密には,福祉サービス機関との契約が成立した段階からクライエントとよび,それまでの申請から契約までの段階は申請者(applicant)とよぶ。

*ニーズ・ニード
・ニーズとは、「必要」もしくは「要援護性」と訳される。文脈によっては,ニード(need)と単数形が用いられる。
・三浦文夫による分類。
「非貨幣的ニーズ」とは、貨幣で測定すること,また貨幣の給付のみでは充足が困難であり、物品や人的サービス等の現物給付により充足するのが適当とみなされるニーズである。多くの先進諸国と同様,わが国の社会福祉においても,経済成長と社会保障制度の確立の結果,貨幣的ニーズよりも非貨幣的ニーズへの対応に重点がおかれるようになったとされている。
 「貨幣的ニーズ」とは、販売されていて、代価を支払えば充足可能なニーズである。

*リハビリテーション rehabilitation
 障害をもつ人のQOLを最大限に高め,人間らしく生きる権利の回復を図るために,医学的・社会的・教育的・職業的アプローチを組み合わせ,かつ相互に調整して用いられる実際の援助,あるいはそうした理念のこと。端的に「全人間的復権」とも定義されている。

*訪問リハビリテーション
 在宅療養者に対して,理学療法士や作業療法士等が家庭を訪問して行うリハビリテーション活動をいう。心身の機能の維持・回復を図り,日常生活の自立を助けることを目的としている。

*日常生活用具
重度身体障害者等が用いる,日常生活が円滑に行われるための用具。

*民生委員
 民生委員法に基づいて住民のなかから選任される委員で,区域を担当し,住民の生活状態の把握,相談・援助,福祉サービスに関する情報の提供,社会福祉事業を行う団体や行政に対する協力・支援などを行っている。3年の任期で厚生労働大臣から委嘱され,給与は支給されない。また児童福祉法による児童委員を兼ねている。

*市町村地域福祉計画
 法的には,2000年に改正された社会福祉法107条に規定されるように,地域福祉の推進に関する事項を一体的に定めるために市町村が策定する計画のことであり,①地域における福祉サービスの適切な利用の推進に関する事項,②地域における社会福祉を目的とする事業の健全な発達に関する事項,③地域福祉に関する活動への住民の参加の促進に関する事項をその内容とする(2003年4月施行)。


*障害受容
 障害のために変化した諸条件を,障害を受けた本人や周囲の人が心理的に受け入れること。障害はそれまでできたことができなくなるという側面を有しており,その結果,セルフイメージの変更を余儀なくされる。新たなセルフイメージ(=自分について抱いているイメージ)を獲得することが障害受容といえる。しかし障害受容は,障害をもった人だけの心理的問題ではない。家族や周囲の人,あるいは社会がその変化を受け入れることが重要である。

*中途障害
 一般的には先天性ないしは学齢期に発症・受傷した場合と区分して,青年期以降に受傷した場合に用いる言葉。肢体不自由では,青年期には,交通事故などによる脊髄損傷や外傷性脳損傷が多くみられる。中高年では脳血管障害が代表的である。中途で視覚障害になった場合には,失明以前の視覚的経験を活用できる点で,先天性あるいは早期に視覚障害になった人と異なる。聴覚障害の場合では,先天性あるいは早期に聴覚障害となった人が手話を主たるコミュニケーション手段とするのに対し,中途失聴者は補聴器の利用や筆談など音声や文字言語を主たるコミュニケーション手段としている。このように中途障害の場合は受傷前に獲得していた能力(社会的な経験も含め)を活用できるので,リハビリテーションの方法が異なる。また,受傷前と異なる能力や生活の変化を受け入れ,立ち直っていく過程(障害受容)が大きな課題となる。
by yrx04167 | 2011-04-07 07:05 | Comments(0)