相談援助の理論と方法 第5回講義レジュメ<後編>受理面接・インテークとは 5/12 社会福祉士養成科

相談援助の理論と方法 前期第5回 レジュメ<後半>2011/05/12 
日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)
5章 相談援助の展開過程Ⅰ・続き
3節 受理面接・インテーク
1 インテーク段階の内容 テキストP103
*概要

・インテーク(受理面接)は,援助の過程ではクライエント(この段階では申請者)が、最初に援助機関と出会う局面である。
 また、クライエントの問題を、援助者は的確に把握し,その人にとって最も適切な機関を判断する場面でもある。

・ケースワーク・相談援助は、実質的にインテークによって開始される。
 インテークは,「取り入れること」あるいは「受理」と訳すことができる。
単なる事務的な受付と混同しないため,インテークという言葉が使用される。
・通常、インテークは,問題が持ち込まれた時点で,面接というかたちをとって行われる。

*インテークでは、次の三点が行われる。
①主訴の提示
 申請者の主たる訴え(主訴)に十分耳を傾け(傾聴),その要求(ニーズ)が何であるかをあますところなく表明してもらい,的確に把握する。

②ソーシャルワークとサービスの説明
 援助者と所属する機関や施設が提供できるサービスの内容と機能を情報として明示し,申請者の要求と関連させて理解と納得がいくようにわかりやすく説明する。

(③契約)
 申請者の要求と、施設・機関の提供できる機能とが適合するか否かを検討しつつ,申請者による選択と、解決に向けた協同の確認を行なう。

2 二つ(二重)の不安 テキストP104
・社会福祉機関や施設に相談を持ち込む人は,二重の不安を抱いている。
 直面する問題からもたらされる不安と,いま直面している問題について,相談を持ち込もうとしている機関や施設の職員が対応してくれるかどうかの不安である。

・援助者はインテーク段階で利用者の話を「傾聴」し,この二重の不安を緩和するという援助を開始する。

*対応時の留意点
・援助者が利用者の不安を和らげようとするあまり,安易に問題解決を請け負ってしまうことのないようにすべきである。
・インテーク段階での安易な励ましや請け負いは,過度の依存や,問題解決がうまくいかないときの援助者あるいは所属する機関や施設に対する利用者の不信につながる可能性がある。

3 ラポールの形成、傾聴、個別化 テキストP105
・信頼関係とパートナーシップを築くための過程 
受容、傾聴、共感 → 
不安軽減、問題整理、主訴の明確化、支援見通し →信頼関係とパートナーシップの形成

・信頼関係形成のために、援助者は利用者が表出するニーズや情動を受け止め,理解できていることを利用者に的確に伝える必要がある。
・開かれた質問と閉じた質問を状況に応じて組み合わせることが大切である。
 また、面接を行ないながら、相手を観察することも重要となる。

・ソーシャルワークにおけるインテークの特徴は,この段階から援助の一部が開始されていることにある。医療が診断を下すまで治療を開始しないこととは異なる
・インテークは、慎重な対応のうえにも緊張と不安が和らぐような雰囲気のなかで面接が行われる必要がある。

4 かかわり技法 テキストP105
・アイビー『マイクロカウンセリング』
 励まし、言い換え、感情・意味の反映・要約など、かかわり技法。
・うなずき、繰り返しなども有効である。

5 スクリーニング テキストP106
・援助要求の確認作業では,その援助が当該の機関や施設では提供できないことが明らかになる場合もある。この場合,相談を持ち込まれた機関や施設が,利用者にほかの機関や施設を紹介したり,その相談を適切な機関に送致する。
・申請者は資源にたどり着いたという状況であり不安感も強いのであるから、つなぎすぎるということはない。

6 緊急度の検討 テキストP106
・クライエントの問題の、緊急度の検討が必要不可欠である。
・急迫した問題や、利用者がパニック状態になっている場合、インテークも必要最小限にとどめ、援助者の判断で必要な援助を行ない、状況が安定した段階で、改めてインテークから個別援助の過程を開始すべきである。
 状況が安定した後に、利用者自身が今後のことを考えていけるよう援助することも重要である。

◆役割とサービス内容の明確化
・インテークでは,問題解決における援助者の役割と援助者が属する機関や施設が提供するサービスについて,利用者に説明する。
 これは,社会福祉制度のもとに保障された利用者の権利を明らかにするとともに,過度の依存や不信を回避するためにも必要な作業である。

◆援助担当者との引継ぎ
・福祉事務所における生活保護申請窓口や,一部の児童相談所,民間の相談機関にはインテーク専門のワーカーが配置されているが,インテークが終わった段階で援助担当者に引き継がれることになる。
・インテークを担当したワーカーは,担当者の変更を利用者に伝え,継続して援助を利用するうえでの動機づけを行う。
 また,インテークワーカーは援助担当者にインテークで得られた情報を提供し,アセスメント以降の課題についても伝達する。

・インテークにおける情報収集の留意事項は、必要事項を自然な流れで聞き,傾聴に集中する,情報は本人だけでなく,家族や関係者からも聞くことも必要な場合がある,個人情報保護、守秘義務について注意する,などである。

<インテーク・補足
・インテークはたいていの場合1回であるが,ケースによってはその問題の全貌の把握に2~3回またはそれ以上の面接を要する場合もある。
 しかし,第1回面接後、一応の問題の把握がなされなければならない。その理解した結果の判断が,面接を重ねるにつれて変えられてもさしつかえない。  
傾聴し,申請者が自分の当面している問題に対してどう考えているか,どうしたいか,またワーカーの提供しようとする援助に対してどう感じているかなどについて知る必要がある。
場合によっては申請者はワーカーが何をする人か,なぜ面接しているのか知らない場合もある。主訴に対してワーカーは、どんな援助ができるか,またどんな役割をもっているかよく説明し,知らせる必要がある。経済的問題への援助とか,他施設への紹介というような具体的問題に対するサービスは,比較的容易に理解されやすい。

*インテーク担当
・的確なインテークには、相当の経験と技術を要する。
役割分担を決める場合(例 病院の各病棟担当のように分ける)
担当日を決める(例 曜日)

*申請者を紹介される場合
・ケースはどこから紹介されてもさしつかえない(他の医療・福祉施設などから)。
紹介する側との事前の連絡は可能なかぎり行なわれるべきである。
 事前が不可能であれば、面接直後に行なわれなければならない。
・事前の連絡では、紹介理由の説明、状況、面接の意図につき確認する。
・確認すべき情報の内容は次の例が挙げられる。
 1)診断名(紹介側が医療機関の場合。予後の見通し,治療方針,後遺症の有無や程度。本人がどれだけのことを自分の症状につき知っているか、治療に協力的か)
障害、身体的・心理的状況等。
 2)現在の申請者の状態(面接が可能な状態か等)
ソーシャルワーカーのところまで利用者が自分で来られるか。
訪問が望ましいか(可能な場合)・
 3)施設の利用予定(病院ならば入院予定。退院および退院計画)
 4)注意事項。その他,気づいたこと。
 5)利用者の家族について(把握している場合)
 6)サービスの利用の有無
・これらが十分には把握されていないこともある。
紹介が他の施設・機関からきた場合は,あらかじめ,できるだけその施設から申請者おび家族に関する情報を得る。

<初回面接の注意点
・初回面接中に記録をとるのはあまり好ましくない。はじめて会う人とよいラポート  をつくるためには,記録するという動作のないほうがやりやすい場合もある。自分のことが何か調査・研究されていると感じる場合には嫌がる人もある。
・生年月日,住所,同胞の数や年齢などの記憶しにくいしかも重要な事項は,ノートしてさしつかえないし,メモをとることはかえって相手にワーカーが自分のことを一生懸命,記憶しようとする誠意と感じられる場合もある。
 「こうして,私が書くこと気になりますか?」とたずねてみることが望ましい。そして,非常に気にするようであったら,なるべくとらない。
・公平で忍耐づよい傾聴を行なうこと,b)よい相互理解をうちたてること,C)さらに彼の洞察と協力をうるための資源のヒントを得ようと努力すること,d)申請者の努力できる範囲内で自己援助(自分で自分のことをすること)と自己に対する自信をつけさせること,を述べている。そして面接は、けっして急いでなされてはいけないこと,はっきりとした目的をもたせること。
・面接の最後の5分から10分は,ワーカーが援助をできるだけしたい意欲を伝え,次の面接の準備を行なう。


4節 問題把握からニーズ確定まで テキストP108
・情報収集はインテークから開始され,アセスメントの前後の段階,援助計画へと継続され,情報は追加されていく。

1 このプロセスについて
・インテークにおける主訴が、ニーズとして確定される段階。
・実践では、アセスメントと一体的に実施されることが多い。

2 主訴とニーズ
・クライエントから聞き取った「主訴」のままでは、多くの場合、サービスを開始することが困難である。

・主訴のなかでのクライエントの希望と要求と、解決すべき問題とが異なる場合もある。

・クライエントの漠然とした希望・要求が検討を経て、ソーシャルワーク援助のニーズ・必要性として確定する段階とも言える。

3 問題把握
・クライエントが抱える問題について、人と環境、その交互作用、接点に着目して、情報を収集する。ソーシャルワークの援助の対象となる問題を把握する。

4 ニーズ確定
・専門的援助の必要性・ニーズに関する検討は、次の3つの側面から検討する。
①ソーシャルワークの価値
 支援の志向性、問題の原因の探求に関わる。
②他者のニーズとの関係
 他者の生活、権利との関わり。
③ソーシャルワーカーの権限や能力

・理由を探ることの必要性。

・他者のニーズ・権利・生活との関連。

・ソーシャルワーカーの責任・権限。


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*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
 社会福祉士養成科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの夜間部(2コース)です

社会福祉士及び介護福祉士法


*続き・用語解説は下記をクリック



◎解説:傾聴
 ソーシャルワークの面接技法の一つである。クライエントの最大の関心事にしっかりと焦点を当て,その言語的・非言語的メッセージを理解する。たんに黙って耳を傾けるのではなく,積極的関心を示す態度や表情で,適切な相槌や質問を用いて,クライエントが十分考えや感情を表現できるように促す。特に,クライエントとワーカーの関係が確立されていない援助の初期段階では,こうしたワーカーの聴く姿勢がクライエントとの良好な関係の基礎となる。

◎解説:カタルシス catharsis
 もとはギリシャ悲劇の観衆の心の浄化を説明する,アリストテレス(Aristotle)による語であるが,今日では一般に,心的内容が浄化または除去されることをさす。抑圧された怒りや悲しみなどの情動を言語や行動により発散して攻撃エネルギーを放出させ,心の緊張を解消させて自己洞察に導く治療技法をカタルシス法という。

◎解説:閉ざされた質問 close-ended question
 調査者があらかじめ提示した二つまたはそれ以上の回答選択肢のなかから,回答者に当てはまるものを選ばせる質問方法。

◎解説:開かれた質問 open-ended question ; free-answer question
 質問したい主題またはテーマだけが示されている,まったく構成されていない(unstructured)質問方法。

◎主訴 chief complaint
 来談者・クライエント自身の言葉で訴えられる,クライエントが主観的に最も自覚している問題や症状のことを「主訴」という。主訴は,必ずしもクライエントのおかれている状況を的確に反映しているとは限らないため,援助者・担当ワーカーは、クライエントの主訴を傾聴するとともに,客観的データ等とも併せて総合的に検討し,主訴の背後にある問題の本質を的確に捉えるよう努めなければならない。
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by yrx04167 | 2011-05-13 17:37 | Comments(0)