相談援助演習 第6回レジュメ<後半>5/23 ソーシャルワーク面接・コミュニケーションスキル・技法とは

相談援助演習 第6回講義レジュメ<後半> 2011/05/23 2・3・4時限
日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科2Bグループ

<面接・コミュニケーション技法②>
*質問の技
 質問は、面接において重要な技術である。

・開かれた質問(オープン・クエスチョン
 質問に答えることで、多くのことが語れる質問であり、関連した感情や考えの表現が可能である。
<補足>
・開かれた質問とは、「なに」「どんな」「どのように」などを使って,「……についてはいかがですか」「具体的にはどのようなことですか」「もう少しそのことについて話していただけますか」「どんなふうにお感じですか」のように問う方法である。
 開かれた質問は,クライエント自身が自分の言葉で表現することで,みずから問題や課題を探究して内容を明確化していくことを助けることができる。
<例>
 「今日はどのようなご相談でおいでになりましたか」と面接をスタートさせる。夫婦関係がうまくいかず,すく、喧嘩になると訴えるクライエントに対して「どんなふうなやりとりをされておられるのか,具体的に話していただけますか」と聞いたりする。

・閉ざされた質問(クローズド・クエスチョン
 「はい」「いいえ」等の一言で答える質問であり、事実の確認や状況に応じて用いる。
<補足>
 閉ざされた質問は,「お住まいはどちらですか」「もう市役所に行かれたのですか」などである。面接を進めるのに必要な重要な情報を得るときに用いる。
<例>
 「うちのお父さんが急に倒れて入院してしまって,もうどうしたらよいかわからないんです‥‥‥」と相談に来た場合に,「お父さんというのはご主人のことですか」と確認することは,状況を理解するために必要な情報であり,面接の初期に質問しておくべき事柄である。
・コミュニケーションに何らかの障害をもつ人の場合,開かれた質問では応答できない場合もあるため,閉ざされた質問を適宜使用する必要がある。

・開かれた質問と閉ざされた質問を適切に組み合わせて用いる。
 クライエントが話しやすいように使い分けることも重要である。
・援助者からの質問が多くなりすぎることは避ける。閉ざされた質問は、一方的な情報の「聞き取り」に陥りやすい。また、クライエントが自分で考えたり探索する機会を奪ってしまう。
<補足>
・一般的に「なぜ」「どうして」という質問は,非難されているような印象を与え,防衛的にさせてしまう危険があることから使用する際には注意を要する。
例:「なぜそのとき相談されなかったのですか」と聞くより,「相談するということについて,そのときほどんなふうに思っておられたのですか」と聞く方が,状況が表現されやすい。

<基本的面接・応答技法>
1 最小限度のはげまし……うなずき,相槌などで,相手の話しを促

・援助者が、クライエントにその話を傾聴し、受容していることを示す1つのしるしである。「真剣にあなたの話を聴いていますよ」という姿勢を伝えることである。また、クライエントに話し続けるよう促し、励ますためである。うなずき等、反応を示しながら聞くことで、傾聴しようとする援助者の意思が伝わり、相手も話しやすくなる。
これらにより、クライエントは安心感を得て、心理的に安定し、主訴や感情を語り、また自分自身を直視していけるようになる。

・非言語的な「最小限度のはげまし」とは、視線をあわせ、興味を持ち聴いていることを示すために上体をすこし前に傾けること、うなずく(首を縦に振る反応)等である。うなずきが相手の話の腰を折る危険性は少ない。
 一方、援助者が無表情、緊張し過ぎる、動きが大げさになり過ぎてはならない。

・言語的な「最小限度のはげまし」は、クライエントに共感を表現するものである。
  1.「なるほど」「そうですか」「ええ?」「そう?」「それで?」「それから?」
  2.1語または2語のくり返し。
  3.「もっとつづけて話してください」
  4.「うむむ……」「うーん」
  5.クライエントが話をした文章の最後の数語をそっくりくり返す。
・これらは、頻繁すぎるとわざとらしくなり、相手の話の腰を折ることにもなる。

・沈黙も有効に活用する。援助者の応答をはじめる前に、援助者が数秒間待つことを意味する。クライエントに話をつづけさせたり答えさせたりするための時間を与える。

<例>
 来談者:最近,何もやる気がしなくて、家から出るのも億劫で、何もかもがつまらないのです。
 援助者:ふん,ふん,それで?

2 繰り返し……相手の言葉の-部か全部を単純に反射する
・クライエントの表現したことを、繰り返すことである。同じ言葉通りに繰り返さなくても、その意味や語義を取り違えないようにして応答する。また機械的にならないように注意が必要である。
 クライエントの発言に対して、援助者の自然な応答となって伝わった時、最も効果的になる。頻繁すぎると話しの腰を折るので、うなずきや相槌の合間に、相手の話の節目だけを繰り返す方が、効果的である。
・「~なのですね」と、相手の言葉の一部を繰り返しながら聞くと、傾聴しようとする意思が伝わり易い。また、相手からのメッセージの確かな共有にも、繰り返しは役立つ。
・うなずき、相槌を打ち、繰り返したりしつつ、相手の話を一通り聞いた場合、最後に、相手の話を要約して返すと、確実にメッセージを共有できる。

<例1>
来談者:最近、何もする気が起きないんです。
援助者:何もする気が起きないのですね。
来談者:はい、そうなんですよ。

<例2>
来談者:学校に行こうとは思うんですけど、朝起きれないんです。
援助者:学校に行く気はあるのに、朝起きられないのですね。
来談者:夜なかなか寝つけなくって。だから朝が辛いんです。
援助者:夜、寝つけないから、朝が、起きられないのね。


3 感情の反射……相手の感情をそのまま反射する
・クライエントが言葉や非言語的表現で表した感情を、援助者がそのまま受け取って、言葉で返すことである。クライエントの言葉だけでなく、動作や表情などの非言語的表現を手がかりにして、その裏にある感情を受け止め、応答していくことが正確な感情の反射となる。耳で聴くだけでなく、「目で見る」「観察する」ことも非常に重要である。

<例1>
来談者:思い出すと、だんだん腹がたってくるんです。
援助者:腹がたってくるのね。

<例2>
来談者:うまく言えないけど、なんか心に穴があいている感じがして。
援助者:とても寂しい思いをしているのかしら。

4 感情の明確化……相手のクライエントの感情を明確にして示
・クライエントは、いつも自分の気持ちを順序だてて分かりやすく語ってくれるわけではなく、途切れながら、もつれた気持ちを話すことが多い。感情の明確化は、援助者が傾聴し、クライエントの語りから感情を表現している部分に着目し、その感情の部分を要約して返すことである。
・感情の明確化は、援助者の想像力を働かせる部分もあるが、クライエントの気持ちや感情を正確に明確化できた時に、クライエントは自分の気持ちを理解してくれたという実感を得て、援助者に信頼感を持ち、両者の信頼関係が深まることになる。
・この感情の明確化は、「感情の反射」と似ているが、異なる点がある。感情の反射は部分的でクライエントの表現した感情の1つか2つに応答するが、感情の明確化は、クライエントが語るいくつかの感情表現をまとめるものである。つまり、クライエントが意識しているが言葉にはうまく表現できないでいる感情を、クライエントに代わって感じとり、伝え返していくものである。このような応答は、とても受容的に感じるものであり、意欲と勇気をもたらす。

<例1>
来談者:病気で2回も留年をしているので、元々の同級生はもう卒業なんです。私はまだ1年生なのに。それに、今年の同級生たちは、私を何か避けているような気がして、学校に来ても一日中誰とも話をしないで、終わってしまう日もあって…。ここのカウンセリングルームだけでしか、私は話す揚がないんです。

援助者:留年して、元々の同級生たちと一緒に卒業できないのが寂しいんですね。それに学校の中に、話をする友だちがいなくて寂しいとも感じているのですね。

5 要約……相手の話を要約して反射する
 クライエントの話の中の重要部分を繰り返し、短縮し、具体化することが要約である。
 援助者は、要約を使って、その傾聴がどれほど正確であったかを、クライエントとにチェックすることができる。適切な要約はクライエントが自己理解を深めるのに役立つが、不適切な要約(歪曲)はクライエントの混乱を招いたり、信頼関係を損なうことにもなりかねないので注意しなければならない。
・援助者は、相手の話を、要点を押さえながら聞くことが必要である。また要約はできるだけ手短な方がよい。

<例>
来談者:若い頃は辛いことばかり続きました。でも今は,生活もとても楽で幸せです。
援助者:若い頃は辛かったけど,今は幸せなのですね。

6 言い換え……クライエントの言葉をワーカーの言葉で反射する
・面接にあたる援助者のもっとも基本的な仕事の1つは,正確にクライエントのいうことを聴くことである。正しく他の人のいうことを聴き・感じることは、あらゆる技法の根本である。〈いいかえ〉は,クライエントがいったことを正確にまたもとのクライエントに返す能力を援助者が示すことが要求される。効果的な<いいかえ>を行なうには,ときにはクライエントの気持を明確に把握するためにその人物になりきることが必要である
・クライエントのことばをさらに深く掘りさげる必要があるときには,いいかえは,発言した次のことばを促すはたらきももっている。また,クライエントが十分に話しつくしたときには,新しい話題への展開を促すこともある。同じ話を何度もくり返すときには,いいかえをすることにより他の話題へ移行させるのに役立つであろう。
・効果的ないいかえは次のように成り立つ。
 1.クライエントの名前および代名詞としての「君」「あなた」。いいかえを個人的に行なうことが,より効果的であることがはっきりと証明されている。
 2.クライエントのもっとも重要な語句。
 3.クライエントの言及したことばの本質をとらえて,濃縮し明確にした援助者の発言。

<例>
来談者:ぼくはジーンとトラブルを起こしちゃったんですよ。彼女はぼくの上司で,ある企画をすすめているんだけど、頭のいいふりをしやがって‥‥。僕のやることをいちいち指図するんですよ。まったく昨日はぼくがろくな仕事をしていないというんです。で,もしぼくがあらためないのなら,クビにするというんです。

援助者:ボブ,あなたは新しい監督とトラブルを起こして,彼女があなたをクビにするかもしれないことを気にしているのですね」


社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助演習 第5回レジュメ5/16 援助対象者の理解、援助関係・コミュニケーション 社会福祉士養成学科

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by yrx04167 | 2011-05-25 07:19 | Comments(0)