相談援助の理論と方法 前期第11回講義レジュメ2 ソーシャルワーク介入の方法、直接的介入、間接的介入とは 共依存

相談援助の理論と方法 前期第11回講義レジュメ<2> 2011/06/23 5・6時限
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)

10章 相談援助のための介入の技術
2節 介入の方法と留意点
<ポイント

・介入の方法は、アセスメントを経て立案された支援計画の実施である。
直接的介入・活動と間接的介入・活動に分類ができる。
1 介入の方法 テキストP207
<解説
1) 計画に目標を明記し介入の方法(レパートリー)を選
・短期目標(直ちに実行)、中期目標(3か月程)、長期目標(3か月以上)の実行の具体的方法を支援計画に明記する。

2)介入の矛先の決定とその特性に適した方法の活
・介入の矛先を把握し、その矛先の特性に応じて適切な方法を用いる。
ライフサイクルに対応した方法が求められる。

3)介入の矛先の拡大(個人から集団・コミュニティ
・ライフ・イベントには、通常的出来事(卒業、就職、定年退職など)と、非通常的出来事(犯罪、災害など)がある。
・非通常的出来事の発生の場合、介入の矛先が個人から集団、広域社会などに拡大することもあり、適した方法の選択が必要である。

・ミルン(D.L.Milne)は「社会的支援介入」=臨床的介入、近接的介入、遠隔的介入を提示した。臨床的介入は「社会的支援と地域社会志向が個人治療をより効果的」にする。近接的介入は、「分析のレベルは、学校、職場そして家族または友人」である。遠隔的介入は「物質的社会的欠乏状態、健康教育そして環境デザイン」。

2 直接的介入と間接的介入 テキストP208
*直接的介

・ジョンソンらによる、直接的介入・活動の10のカテゴリー。
1)人間関係の発展、
2)状況の中の人の理解、
3)計画の過程での活動、
4)クライエントによる資源の活用、
5)エンパワメントやイネイブリング、
6)危機状況での活動、
7)社会的機能の支援、
8)クライエントとアクティビティを活用、
9)クライエントとシステムとの媒介、
10)ソーシャルワークの臨床モデルを活用

*補足:直接的介入・活
 直接的活動では、面接等により被援助者に直接働きかけ、被援助者が自身の状況に気づき、被援助者自身が環境との関係に適応をし、問題解決能力やセルフケア能力を高めていくことを支援する。
被援助者との信頼関係を基盤とし、受容や自己決定の尊重などいわゆるケースワークの原則に則した専門的援助関係による介入の展開が求められる。

*間接的介
・ジョンソンらの間接的介入の六つのアプローチ・活動
 1)環境の変化をめざす、
2)影響力のある人を関与させる、
3)サービスの調整、
 4)プログラムの計画、展開、
5)組織を変化させる、
6)コーズアドボカシー

*補足:間接的介入・活
 被援助者の環境に問題がある場合や、被援助者をとりまく社会システムが十分に機能していない(資源不足やシステム間の不適合など)場合に、その環境や社会に働きかけ生活改善を図るものである。この活動は、社会資源活用の促進(調整および仲介)、社会資源の開発、社会資源の組織化、地域の組織化、社会福祉計画への関与、アドボカシーと権利擁護、ケアマネジメントなど幅広いものとなる。

・重要なことは、直接と間接の活動を共用しながら、効果的な介入を実施することである。

*アドボカシー
・アドボカシーは、個別のクライエント対象のケースアドボカシーと、特定の階層の人々を対象とするコーズアドボカシーがある。
・間接的介入は、ソーシャルワーカーは、政治的過程へのはたらきかけをも行なう。
・これらは、リッチモンドの「改革の小売り的方法と改革の卸売り的方法」と重複する(1905)。
・ジョンソンらの、ソーシャルワーカーの政治的はたらきかけの七つの方法を提示した。
1)問題の調査、政策決定者への提示
2)公聴会での証言
3)ロビー活動。立法化のプロセスに立ち会い、投票への影響力を行使
4)政策の地域における影響について、議員に提示する(サービス提供者との連合)
5)クライエントに影響を与える政策に関する情報の、地方自治体との共有
6)社会的問題に共感をもつ候補者を選挙で支援
7)政策決定者に事実や態度を知らせるキャンペーン(手紙の送付)

<補足>
*介入の具体

・被援助者の感情、認知を変化させる(パーソナリティの適応、コーピングの強化)
・行動上の問題解決の援助を図る(自己決定、自助能力の尊重と支援)
・個人と環境との調和・調整を図る
・家族、当事者間の関係の構築、強化(例:セルフヘルプグループ)
・地域生活を支援するサービスの利用促進(状況に応じて環境移動も:例えば施設利用)
・資源と被援助者とのコーディネート(マネジメント)
・インフォーマル・サポートシステムの強化(例:ボランティアグループやコミュニティの組織化、ネットワーク構築)
・フォーマル・サポートシステムの強化(例:施設・機関等のネットワーク構築)
・施設・組織と地域社会との関係の強化・調整
・施設や地域の環境の改善(例:職員の訓練、物理的バリアフリー)
・新たな社会資源の開発
・被援助者の社会資源利用の自己選択・決定の支援
・権利擁護とソーシャルアクション

<レジュメ3に続く

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第8回講義レジュメ前半6/2 資源開発・ソーシャルアクション 社会福祉士養成科
6章4節 予防的対応とサービス開発
1 個別援助から地域支援へ テキストP143から
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第8回講義レジュメ後半6/2 アウトリーチとは 社会福祉士養成科
1 アウトリーチの必要性 テキストP151


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
社会福祉士及び介護福祉士法


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<用語解説>
*一般システム理論 general systems theory
 1968年,生物学者バータランフィ (Bertalanffy, L. v.) によって発表され,有機体の全体性を包括的に説明した理論として位置づけられている。この理論は,ニュートン力学など,それまで主流だった還元主義に基づく近代科学に対して,有機体の構成要素を分断せず,構成要素間の関係性に注目した点に特色がある。具体的には,①有機体の各構成要素間の相互作用・相互制御に基づく全体性の存在,②開放システムによる外的諸条件との相互作用,③構成要素間あるいは外的条件との間で生じるフィードバック・メカニズムとシステム維持機能 (ホメオスタシス),といった三つの基本概念から有機体システムの特徴を説明している。生物学にとどまらず,物理学,心理学,あるいは社会科学で扱われるいかなるシステムにも適用できる一般的特性を示しており,多くの分野でシステム分析のために活用されている。社会福祉分野では,1980年代以降,エコロジカルな視点に基づく方法論の統合化が行われた際,「人と状況の全体性」を捉える理論的枠組として重要な役割を果たした。

*アイデンティティ identity
 自己同一性。エリクソンが理論化した精神分析的自我心理学の基本概念。自己の斉一性,連続性と一貫性,帰属性の3基準から定義される,主体的実存感覚あるいは自己意識の総体。「自分は自分,これでよし」という自己への肯定感や受容感,存在感,有能感などの実感から感覚的に自覚される。アイデンティティの確立は青年期の課題で,これに失敗するとアイデンティティ拡散が起こり,病理的な現象を引き起こすことがある。

*モラトリアム moratorium
 本来,経済的な債務支払の猶予・猶予期間を意味する用語を,エリクソンが心理学の領域で用いた概念。若者が大人社会の課業や義務を免除され,さまざまな社会的役割を試行錯誤しながらアイデンティティ形成をしていく時期の特徴を表す。青年期のモラトリアムは近代産業社会の産物であり,中産階級の高学歴の若者のみが受けられる特権であったが,高等教育の大衆化によって,その社会層の幅は広がった。しかしその自由な時期が阻まれる場合,質的なモラトリアムが得られないことから,青年のアイデンティティ拡散の徴候が現れるといわれる。

*共依存
 他者の世話をすることで他者をコントロールし,それによって自らの安定を図っている状態。アルコール依存症の夫をもつ妻に典型的にみられるように,妻は一見夫に振り回され支配されているようにみえるが,じつは夫にあてにされ世話をすることで夫を支配しており,そのことが夫の変化を阻む要因になっている。1970年代後半にアメリカのアルコール臨床の専門家たちによって概念化され,その後,人間関係一般に拡大されて用いられるようになった。
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by yrx04167 | 2011-06-23 20:58 | Comments(0)