相談援助の理論と方法 前期第13回講義レジュメ4 ソーシャルワーク面接の留意点とは 仲村優一

相談援助の理論と方法 前期第13回講義レジュメ4 2011/07/07 5・6時限
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)

12章2節 相談援助における面接の展開
3 面接の展開・続き
<個々(各回)の面接の展開

・クライエントに対して、援助過程の開始から終結に至るまでに、面接が繰り返される。
 各回の面接は、それぞれに目的や目標、展開のあり方が異なり、ワーカーはこれらを意識する必要がある。
・これらの目的や目標の例として、情報収集、情報提供等が挙げられる。
 一回の面接に複数の目的や目標が設定されることも多い。
 目的や目標は、援助の段階、ニーズ、状況、機関の特性等によって異なる。

*面接の準
・ワーカーは、事前に面接の準備を行なう必要がある。
 インテーク等では、事前に把握できる情報からクライエントを予備的に理解し、面接の内容と進め方について方向性を持ち、展開について予想する必要がある。
 しかし、事前の情報は限りがあるため柔軟に対応する。

・継続的な面接の場合の準備は、ワーカーは前回までのケース記録等を確認し、援助の目的、過程での位置付けを捉え、各回の面接の目的、目標を確認し、その内容を検討する。

・面接の内容や進め方、質問事項について構成を一程度、考えておく(面接計画)。
・面接時に、クライエントが新たな問題・ニーズを提示した場合や、予期せぬ展開になった場合は、ワーカーは面接の構成等を柔軟に変更する必要がある。

*導
・インテーク等の初回面接を開始する際は、ワーカーはクライエントに挨拶し、自己紹介を行なう。
 ワーカーは、援助に取り組む態度を示し、クライエントをリラックスさせるよう努める。
 クライエントは、不安感や緊張感を抱くことが多く、ワーカーはこれらに対処しつつ、スムーズに援助の過程へと導入することが求められる。

・非自発的なクライエントの場合、不安や福祉サービス・機関に対する反感について共感的に話し合い、援助の目的等について分かり易く説明し、クライエントの面接への積極的な参加を支えることが必要となる。

・ソーシャルワーカーの役割、特に審判者ではなく、問題解決の側面支援を担うこと等を説明する。 
 面接では生活に関連して何を話しても良いこと、守秘義務のこと、問題解決の主体はクライエントであること、機関が対処できない場合は適切な機関や施設に紹介できること等を説明する。これらは、援助過程の中で、繰り返し説明する必要がある。

・2回目以降の面接は、前回の面接内容の確認や、前回の面接以降の出来事などを質問し、今回の面接内容等を提示してクライエントの合意を得ること等から面接を始めることが多い。

<補足 留意点 仲村優一による>
*準備段階および初めの段

・ケース記銀を読むなどして,できるだけ手がかりを集め、話題を整理してクライエントへの近接の手段に活用する。
・クライエントの顔色や感度などに気をつけて,話のきっかけになる話題をひき出す。
・クライエントの緊張により,直接問題の焦点に入ることには抵抗が感じられるような場合、日常生活の話題などを語りあい,クライエントの気持をやわらげるよう心がける。しかし、なるべく早く,適当な頃合いを見て,核心にふれるようにすべきである.
・ワーカー自身の気持をよく整理して,ワーカーの個人的感情や先入観が面接過程にもちこまれないよう注意する。
・面接の予約を,ワーカーの側から破ることは,絶対にしないよう気をつける。

*展開
・導入を経た後は、面接の焦点は、取り組むべき作業に移る。
 クライエントのニーズや問題を理解し、解決の取組みの方法の模索、クライエントの動機づけを高める、エンパワメントへの取組みなどである。
 扱われる内容は、援助計画に沿ったものである。
 計画の遂行を妨げている事柄への対処や、場合によっては、計画の見直しや継続の検討を行う。

・留意点として、クライエントの感情に焦点を当て、ペースを尊重し、状況を見極めながら進めていくことである。
・クライエントが主体であり、ワーカーは側面から援助するといったことを、双方が意識し、実行することが重要である。

<補足 留意点 仲村優一による>
*展開過

・クライエントの態度,反応のしかた,表情などにも気をつけ,クライエントの感情にそって反応していくように心がける。
・クライエントに関心を集中して話しあうこと。原則として、電話や来訪で中断することがないよう注意しなければならない。面接の中断は,クライエントに,「ひとなみでない感情」を与える。
・クライエントのことばを途中でさえぎってワーカーの意見をのべたり,質問したりしないように気をつける。
・ワーカーの責任においてできることとできないことをはっきりわけ,できるかどうかわからないことを,簡単に約束したりしないようにする。
・ケースワーク過程が進展しラポール関係ができてくると,クライエントがワーカーに対して,個人的ないし社交的質問をしかけてくることがある.そのようなとき,ワーカーはそれにまきこまれて,自分の意見を長々とのべたりしないように気をつける。率直で簡単な返事をして,その質問をそのまま返すほうが,クライエントがそのことについて話す道を開くことになって効果的な場合が少なくない.
・クライエントに感情的な反発をおこさせるような、批判的質問や発言を避ける。
・答を予期して行なう誘導尋問,詮索的質問,難解な質問,問題に直接関係がないと思わせるような質問を避ける。
・クライエントの私事や秘密に関わることがらで,あまり話したがらないようなことに,くいさがるような追及のしかたをしないこと。それが本題につながる重要なことだと考えられる場合は,少し間をおいて別の榛会にとりあげるのも,ひとつの方法である。
・ワーカーからは話題を急に変えない。
・面接時間が比較的長くなるような場合は,ときどき話の要点を整理し確認すること.
・感情的に不安定なクライエントの面接では,面接中にメモをとらず面接をすすめ,面接終了
 後なるべく早く,記録する。
・ワ一カーの側から沈黙を破ることをせず,静かに受容の態度で見守ることが原則である。
・ワーカーの言葉づかいは,都会と農村,下町と山の手など,その地域の性格に応じて,おのずから色合いの相違はあるかもしれないが,クライエントに対する尊敬と敬意の気持,クライエントを理解しようとする気持から発する表現であることが大切である。専門用語の使用は避ける。

*終
・予定された面接時間の終了が近くなるか、面接の目的が達成された場合には、面接の終了に向けての準備を始める。
 今回の面接で話し合ったことをまとめ、確認する。
 また、次回面接の内容、目標、予定を確認し、簡単な計画を立てる。
(初回面接は、今後の面接の大まかな計画について話し合い、契約を行なう場合がある)
 今回の残された課題について確認し、緊急性のあること以外は、次回に取り上げることを確認し、終了する。
 加えて、ワーカーが次回までに準備する情報等、次回までの双方の作業、課題などについて話し合う。
・最後の面接や、一度限りの面接の場合は、その後に問題が生じた際には、援助が再度可能であることを伝える。

・面接の終了後は、速やかに記録を作成する。
 内容の記録や、次回面接に関する取決め・合意、次回までの作業・課題について記録する。次回面接の前には、記録を確認し、準備を行なうことが必要である。

<補足 留意点 仲村優一による>
*面接の終

・クライエントが疲れたりしないうちに,適当な潮時を見はからって終結へと導くよう配慮する。
・クライエントに,自分で自分の問題を処理しようという気持が見えた時や,明るい話題が出て,それが一段落ついた時などは終結へと導くよい横会である。
・面接の開始時,あらかじめ時間を限定をして、約束の時間が近づいたら終結へと導くようにするのも,ひとつの方法である。特に,話がとりとめなくなりやすいクライエントのばあいには,この方法が効果的である。
・そのワーカーと面接してよかったという気持を相手に感じさせるような終わり方をするように心がける。過大な期待を抱かせるような元気づけではなく、ワーカーの責任においてできることを率直にのべ、さしあたりとるべき行動について勇気づけをする。
・ひとつの面接においても、ケースワーク過程全体についてもいえることであるが、最初からいつ終結したらよいかという問題を意識的に考えながら、その過程を進めるべきである。

<補足
*奥田いさよは基本的技能と専門的技能の2種類の技能をあげている。

◆基本的技
(1)概念を把握し,援助実践活動につなげていく技能
 ①認知技能
 ②統合技能
(2)対人関係に関わる技能
 ①関係技能
 ②コミュニケーション技能
 ③観察技能
(3)専門従事者としての自己形成のための技能
 ①専門職的自己開発技能
 ②共感技能

◆専門的技
(1)専門的介入を行うために必要な技能
 ①面接技能
 ②契約技能
 ③情報収集技能
 ④相互作用技能
 ⑤問題解決技能
 ⑥援助システム操作技能
(2)調査や評価を実施する技能
 ①アセスメント技能
 ②評価や効果測定の技能

◆観察法の習
*しばしば利用者の真の情報発信は,その人の態度,表情,話し方,語調,姿勢,物腰など非言語(non-Verbal)的なもののほうが,言語化(verbalization)によって表現される内容よりも内面や実情をよく表現していることがある。
*観察が単独で実施されることはきわめてまれであり,ほとんどの場合,面接と並行してあるいは面接とともに行われるものである。
 しかもこの場合,直接あるいは間接のサービス提供の際や具体的な援助活動や実践が行われている場面で実施されることがほとんどである。その意味で援助場面が利用者の観察場面でもあり,利用者に具体的に関わりながら行われる,いわゆる「関与しながらの観察(参与観察)」が主流であるといえる。
*観察の場合,「後光効果(hallo effect)」に注意しなければならない。つまり視覚から得られる所見は,観察者の主観的評価が入りやすいため,現象面に現れた事象を過小評価したり,逆に過大評価したりする可能性があることを予め自覚しておかなくてはならない。


<前回の講義レジュメ>
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第12回講義レジュメ<前半>6/30 モニタリングとは 社会福祉士養成科
11章1節 経過観察(モニタリング) テキストP218
1 相談援助のプロセスとモニタリング・再アセスメント・効果測定・評価 テキストP218

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第12回講義レジュメ・後半6/30 再アセスメント、効果測定 社会福祉士養成科
11章2節 再アセスメント 1 再アセスメントの手順と援助の方向 テキストP229


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
社会福祉士及び介護福祉士法
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by yrx04167 | 2011-07-10 10:02 | Comments(0)