相談援助の理論と方法 前期第14回講義レジュメ2 ソーシャルワーク面接技法、マイクロカウンセリングとは

相談援助の理論と方法 前期第14回講義レジュメ2 2011/07/14 5・6時限
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)

12章3節 面接において用いる技術とコミュニケーション
*基本的応答技法(面接技術)
*面接の導入部分=挨

・面接の開始時、「お暑い(お寒い)ところを、よくおいでくださいましたね」「随分遠かったでしょう」など、クライエントを気遣った、挨拶で開始する。
・クライエントの体調への気遣い、クライエントが子ども連れならば、子どもへの配慮等も必要である。
・これらは、個々のクライエントの置かれている状況を観察し,適した方法で伝えることが大切である。

1 (マイクロカウンセリングの「かかわり行動」を参考)
1) 視線の位置(視線を合わせる)-援助者の視

・文化にあった視線の合わせ方をする。
クライエントを凝視するのではなく,自然で暖かい視線が求められる。
 日本人の場合,目のやり場や捨て場がある程度用意された方が話し易いことが多い。
そのために座る位置も真正面より少し斜め横に位置する方が落ち着くことが多い。
また初回面接時は、施設のパンフレット等があると、クライエントは目のやり場に苦慮せずに済む。

2)身体言語(に気を配る)-援助者の姿
 クライエントが安心して話ができるように,援助者は適度にリラックスし,少し前かがみになって関心を向けている姿勢を伝える。椅子の背にもたれかかる,足や腕を組む等,知らないうちに癖がでてしまう場合があるので注意が必要である。動作もごく自然でやさしい感じが望ましい。

3)声の質(声の調子)-援助者の
・自然体で話す。分かり易く、ゆっくりと話す。
クライエントの聴力については、確認を要する。必要に応じて、筆談等の手段も用いる。
・援助者が受容・理解・共感していることは、相手に伝える必要がある。
・クライエントの語りへの肯定的な応答が必要である。

4)言語的追
・暖かく豊かな調子で,クライエントの話の中から話題を進め,不用意にさえぎらず,傾聴する姿勢が基本である。
・援助者の側からは決して話題を飛躍させてはならない。

2 最小限度のはげまし……うなずき,相槌などで,相手の話しを促
・援助者が、クライエントにその話を傾聴し、受容している姿勢を示す1つのしるしである。また、クライエントに話し続けるよう促し、励ますためである。うなずき等、反応を示しながら聞くことで、傾聴しようとする援助者の意思が伝わり、相手も話しやすくなる。
・非言語的な「最小限度のはげまし」とは、視線をあわせ、興味を持ち聴いていることを示すために上体をすこし前に傾けること、うなずく(首を縦に振る反応)等である。うなずきが相手の話の腰を折る危険性は少ない。
 一方、援助者が無表情、緊張し過ぎる、動きが大げさになり過ぎてはならない。

・言語的な「最小限度のはげまし」は、クライエントに共感を表現するものである。
  1.「なるほど」「そうですか」「ええ?」「そう?」「それで?」「それから?」
  2.1語または2語のくり返し。
  3.「もっとつづけて話してください」
  4.「うむむ……」「うーん」
  5.クライエントが話をした文章の最後の数語をそっくりくり返す。
・これらは、頻繁すぎるとわざとらしくなり、相手の話の腰を折ることにもなる。

・沈黙も有効に活用する。援助者の応答をはじめる前に、援助者が数秒間待つことを意味する。クライエントに話をつづけさせたり答えさせたりするための時間を与える。

<例>
 来談者:最近,何もやる気がしなくて、家から出るのも億劫で、何もかもがつまらないのです。
 援助者:ふん,ふん,それで?

3 繰り返し(単純な反射)……相手の言葉の-部か全部を単純に反射する
・クライエントの表現したことを、繰り返すことである。クライエントの話の中のポイントを、できるかぎりクライエントの使った言葉をつなげて応答する。また機械的にならないように注意が必要である。
 頻繁すぎると話しの腰を折るので、うなずきや相槌の合間に、相手の話の節目だけを繰り返す方が、効果的である。
・「~なのですね」と、相手の言葉の一部を繰り返しながら聞くと、傾聴しようとする意思が伝わり易い。また、相手からのメッセージの確かな共有にも、繰り返しは役立つ。
・うなずき、相槌を打ち、繰り返したりしつつ、相手の話を一通り聞いた場合、最後に、相手の話を要約して返すと、確実にメッセージを共有できる。

<例1>
来談者:最近、何もする気が起きないんです。
援助者:何もする気が起きないのですね。
来談者:はい、そうなんですよ。
<例2>
来談者:学校に行こうとは思うんですけど、朝起きれないんです。
援助者:学校に行く気はあるのに、朝起きられないのですね。
来談者:夜なかなか寝つけなくって。だから朝が辛いんです。
援助者:夜、寝つけないから、朝が、起きられないのね。

4 感情の反射……相手の感情をそのまま反射する
・クライエントが言葉や非言語的表現で表した感情を、援助者がそのまま受け取って、言葉で返すことである。クライエントの言葉だけでなく、動作や表情などの非言語的表現を手がかりにして、その裏にある感情を受け止め、応答していくことが正確な感情の反射となる。耳で聴くだけでなく、「目で見る」「観察する」ことも非常に重要である。

<例1>
来談者:思い出すと、だんだん腹がたってくるんです。
援助者:腹がたってくるのね。
<例2>
来談者:うまく言えないけど、なんか心に穴があいている感じがして。
援助者:とても寂しい思いをしているのかしら。

5 感情の明確化……相手のクライエントの感情を明確にして示
・感情の明確化は、援助者が傾聴し、クライエントの語りから感情を表現している部分に着目し、その感情の部分を要約して返すことである。
・感情の明確化は、援助者の想像力を働かせる部分もあるが、クライエントの気持ちや感情を正確に明確化できた時に、クライエントは自分の気持ちを理解してくれたという実感を得て、援助者に信頼感を持ち、両者の信頼関係が深まることになる。
・この感情の明確化は、「感情の反射」と似ているが、異なる点がある。感情の反射は部分的でクライエントの表現した感情の1つか2つに応答するが、感情の明確化は、クライエントが語るいくつかの感情表現をまとめるものである。つまり、クライエントが意識しているが言葉にはうまく表現できないでいる感情を、クライエントに代わって感じとり、伝え返していくものである。このような応答は、とても受容的に感じるものであり、意欲と勇気をもたらす。

<例1>
来談者:病気で2回も留年をしているので、元々の同級生はもう卒業なんです。私はまだ1年生なのに。それに、今年の同級生たちは、私を何か避けているような気がして、学校に来ても一日中誰とも話をしないで、終わってしまう日もあって…。ここのカウンセリングルームだけでしか、私は話す揚がないんです。
援助者:留年して、元々の同級生たちと一緒に卒業できないのが寂しいんですね。それに学校の中に、話をする友だちがいなくて寂しいとも感じているのですね。

6 要約……相手の話を要約して反射する
 クライエントの話の中の重要部分を繰り返し、短縮し、具体化することが要約である。
 適切な要約はクライエントが自己理解を深めるのに役立つが、不適切な要約(歪曲)はクライエントの混乱を招いたり、信頼関係を損なうことにもなりかねないので注意しなければならない。
・援助者は、相手の話を、要点を押さえながら聞くことが必要である。また要約はできるだけ手短な方がよい。

<例>
来談者:若い頃は辛いことばかり続きました。でも今は,生活もとても楽で幸せです。
援助者:若い頃は辛かったけど,今は幸せなのですね。

7 言い換え……クライエントの言葉をワーカーの言葉で反射する
・〈いいかえ〉は,クライエントがいったことを正確にまたもとのクライエントに返す能力を援助者が示すことが要求される。効果的な<いいかえ>を行なうには,ときにはクライエントの気持を明確に把握するためにその人物になりきることが必要である
・クライエントのことばをさらに深く掘りさげる必要があるときには,いいかえは,発言した次のことばを促すはたらきももっている。また,クライエントが十分に話しつくしたときには,新しい話題への展開を促すこともある。同じ話を何度もくり返すときには,いいかえをすることにより他の話題へ移行させるのに役立つであろう。
・効果的ないいかえは次のように成り立つ。
 1.クライエントの名前および代名詞としての「君」「あなた」。いいかえを個人的に行なうことが,より効果的であることがはっきりと証明されている。
 2.クライエントのもっとも重要な語句。
 3.クライエントの言及したことばの本質をとらえて,濃縮し明確にした援助者の発言。

<例>
来談者:ぼくはジーンとトラブルを起こしちゃったんですよ。彼女はぼくの上司で,ある企画をすすめているんだけど、頭のいいふりをしやがって‥‥。僕のやることをいちいち指図するんですよ。まったく昨日はぼくがろくな仕事をしていないというんです。で,もしぼくがあらためないのなら,クビにするというんです。
援助者:ボブ,あなたは新しい監督とトラブルを起こして,彼女があなたをクビにするかもしれないことを気にしているのですね」
<例>
CL:もうずい分休んじゃったから、皆から取り残されていくような気がして。
SW:あせっているのかな?
CL:でも、―方で、どうにでもなれって思ってしまうんです。
SW:私にはイライラしているように感じられるんだけど。
CL:そりゃ大学に行きたいけど、もうだめでしょうね。
SW:もうあきらめたって感じ?
CL:僕はもうおちこぼれたんだ。ひとりで生活する力もないし、人間失格なんです。
SW:絶望的な気持ちと言い換えていいのかな?

・「直面」は、感情や課題、意見の相違などを開示し、対処の方法をともに探る。クライエントが自らの課題を理解するための援助である。

*応答技
 応答技法について、ジョンソンは、「ワーカーの応答のなかに、クライエントが行ったことや話したことを組み込んでいく技術である」。「ワーカーはどのような内容や感情表現が示されても、これを受け取り、焦点づけし、導き、方向性を示す」ことで「望ましい結果に向けて進展できるようにする」ことができると述べている。


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by yrx04167 | 2011-07-15 17:13 | Comments(0)