相談援助の理論と方法 前期第17回講義レジュメ1 人・環境・交互作用、環境アセスメント 社会福祉士養成

相談援助の理論と方法 前期第17回講義レジュメ1 2011/08/04 6・7時限
日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)

3章 人と環境の交互作用
1 実践における人と環境 テキストP54
*補足:人・環境・交互作用の視

・何らかの問題を抱える人(クライエント)を、様々な環境(自然環境、社会環境、人間環境)と別々のものとして捉えるのではなく、一体的なシステムとして捉える視点である。
 今日的なソーシャルワークに必要不可欠な、支援のありかた・視点である。
・クライエントのみならず,取り巻く環境(家族,友人・知人,関係社会機関,地域など)からの影響、クライエントと環境との間にある相互関連性をも含めて包括的に理解することが求められる。
・人,環境のどちらに問題があるのかを問うのではなく,問題は生活空間における不適切な交互作用(transaction)にあると考え,人と環境の接触面(interface)に焦点をあてていく。
 ソーシャルワーカーの社会的目的は,人々の成長と発達を最大限にし,環境を改善する交互作用を生み出すように,人々の適応能力と環境の特性を結び合わせることとされる。
 そこでは,クライエントの適応能力を高めると同時に、環境を改善するという二つの実践の焦点があり,人も環境も等しく重要であって,この両者の互恵的適応関係のバランスがいかに獲得されるのかに最大の関心が払われる。したがって,ソーシャルワーカーが扱う対象は人と環境と、その交互作用である。

*システム論とソーシャルワーク -統合的ソーシャルワーク -
・ソーシャルワークが取り組むべきさまざまな分野,すなわち個人のパーソナリティを構成する諸要素(ミクロ)から社会システムや社会制度を構成する要素(マクロ)の相互関係までを視野に収めることのできる広範な視点を提供した。
 さらに,個人や集団の生活・福祉状況をそれ自身の閉鎖性の中のみではなく,社会や環境と相互関係を持つ開かれた状況の中で捉え,社会福祉の向上を促進させようとする視野を提供したのである。

<テキスト解説>
*人と環境の交互作

・ソーシャルワークは、対象を「人と環境」の交互作用(相互作用)の視点で把握し、援助する。
 全ての生命は、環境に取り囲まれ、環境と交互作用しながら生存を維持している。
 環境との交互作用を焦点とするところに、今日的なソーシャルワークの特色がある。

*リッチモンドの社会環
・リッチモンドは、ケースワークを「人間と社会環境との間を個別に、意識的に調整することを通してパーソナリティを発達させる過程」と定義した。
 「社会環境」という用語を用い、ケースワークは個人と社会環境に関する洞察を前提に、「個人の心理へはたらきかける直接的活動」と「社会環境を通じてはたらきかける間接的活動」に整理した。

*状況のなかの
・「人と環境」は、「人と状況」ともいわれる。
 ミルフォード会議では、ソーシャルケースワークの関心は「環境における個人の正常な社会生活を組み立てる能力(自己維持)」にあると述べつつ、「自己維持は常に所与の状況に関連している」とも述べている。
 人は常に「環境(状況)」のなかの人間としてとらえられる。

*人-環境の実
 これを提唱したケンプらによる、その意味
・ストレスに対処し、環境の課題に応え、環境資源を活用できるように、クライエントの能力を獲得したという感覚を向上させる
・ソーシャル・ネットワークの動員を強調し、環境における介入によって目標を達成する
・集合的な活動によって社会的なエンパワメントを向上させるために、個別の関心事を関連づける

・ケンプらの「環境」の分類
①知覚された環境
②自然的・人工的・物理的環境
⑨社会的・相互作用的環境
④制度的・組織的環境
⑤社会的・政治的・文化的環境

・環境の分類は、ジャーメインは、物理的環境と社会的環境の2分法を援用している。
・平山らの環境の要素
 ①社会心理的環境、②物理的環境、③家族関係、④社会環境(近所、友人関係など)

*ケンプらの環境アセスメント
①環境が人間のニーズをどの程度満たしているか
②環境に存在する長所と資源
③環境の障害物 
・この3側面が必ず調べられなければならない。

*ソーシャルワークにおける環境の二つのとらえ
1.対象者にとって客観的な環境、その分類というとらえ方である。
対象者(本人)が見出している環境と、第三者が見出している環境の二重性がある。
2.対象者の課題にとって有用な資源としての環境という捉え方である。これも上記の二重性がある。

*環境のミクロ的側面とマクロ的側
・ソーシャルワークにおいては、対象にとっての環境というミクロ的側面からの把握である。
・環境を経済学の視点に変換してとらえ直すと、社会福祉のマクロ的側面と接続する。
・宇沢の社会的共通資本という概念が参考となる。
*社会的共通資本の区
①自然資本(大気・河川・森林など)
②社会的インフラストラクチャー(社会資本:道路・港湾・電力・上下水道など)
③制度資本(司法制度・行政制度・医療制度・市場制度、社会保障・社会福祉制度)
・これらは、公共的存在であり、公共的管理運営が要求されるものである
・人は、これらの資本(環境)のなかで暮らしている。
・制度資本等が人々にとって機能的であるかを問うことは、社会福祉のマクロ的側面での分析・評価の課題でもある。

*解説:宇沢 弘文
近代経済学者(マクロ経済学)。

*講義レジュメ2に続く

*前回講義のレジュメ
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第16回講義レジュメ1 コミュニティ・エンパワメントとは 社会福祉士養成科
14章 相談援助のための交渉の技術
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第16回講義レジュメ2 エンパワメント・専門職の課題とは 社会福祉士養成科
1節 交渉の意義と目的
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第16回講義レジュメ3 ソーシャルワーク・多職種チームワーク 社会福祉士養成
2節 交渉の方法と留意点 1 交渉という技術
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第16回講義レジュメ4 交渉の方法、エンパワーメントとは 社会福祉士養成科
3 他機関との交渉


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
社会福祉士及び介護福祉士法

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by yrx04167 | 2011-08-06 10:42 | Comments(0)