相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ1 ソーシャルワークとグループ、グループワークの援助媒体とは

相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ 2011/08/25 6・7時限
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース) 担当:当ブログ筆者

1章2節 相談援助の対象をどうとらえるか・続き
5 集団(グループ)をどうとらえるか
<概要:グループワーク

・グループによる意図的なプログラム活動やグループの相互作用を活用して個人の成長をめざし,個人,集団,社会のさまざまな問題への効果的な対応を支援するもの。

・グループワークの援助媒体は,グループワーカーがグループの目的を達成するために用いる手段のことで,主に次の四つがあげられる。
①グループワーカーとメンバー間の専門的援助関係,
②メンバーの相互作用,
③プログラム活動,
④社会資源である。
・特にグループワークに特徴的な援助媒体は,メンバーの相互作用とプログラム活動である。グループワークでは,ワーカーとの援助関係とは異なる,グループ特有のメンバー同士の関係が互いを支え合うことに役立つ。
 一方,プログラム活動は,グループの目的にそって展開される活動で,メンバーの参加,相互作用の促進,グループ意識の高揚等さまざまな意義がある。

*グループのもつ意義 テキストP13
・人間は社会的存在,あるいは社会的動物である。
 人は「人間」として生まれるのではない。生後の社会生活環境における学習を通じて、「人間」としての諸性質や諸能力を身につけ「人間」につくり上げられていく。
・「人間」としての発達上、深く依存している社会とは、人間のグループ、集団である。
 家族、近隣、学校、友人、職場等グループ経験における学習を重ねて自らの発達を続けていく。
人は、グループでの他者との相互作用を通じて「人間」らしさを獲得していくのである。

○補足:社会化と再社会
*「社会化」とは、「人間らしく」発達していく過程である。発達やしつけ、青年期のアイデンティティ形成として現れる。
 ほかの人々やグループとの相互交渉を通じて,自分が生まれ出た社会のさまざまな行動様式や知識,文化等と接触しながら,その社会の要求するものを順次自分のなかに取り入れ,その社会にふさわしい人間になる過程である。

*また、一生の間に,これまで慣れ親しんできたものの考え方や行動様式を変え,新しい学習をし,自分にとり新しい行動様式を身につけなければならない場合がある。これを「再社会化」という。

*グループワーク=集団の力を活かした援助 テキストP13
・社会福祉施設・機関の利用者を対象に、人間関係調整や生活意欲向上などのために、日常生活の場面で集団援助活動が展開される。
 また、職員の日常業務のなかでのチームワークづくり,支援内容の向上のための話し合い過程などにもグループを活用した集団援助活動がある。
・社会生活への適応能力あるいは訓練を目的にした集団援助活動は、矯正・治療施設でも活用されている。
 病気の治療や社会復帰を目的とする病院,保健所,地域センターなどにおいて展開される当事者や家族への集団援助活動もある。
・在宅福祉サービスの促進を図るため,ボランティアの組織化や訓練のためにグループを意図的に活用する集団援助がある。

*グループワークの定義 
・グループワーク・集団援助技術は、グループ(人為的か自然発生的)を媒体として、援助者がグループの利用者同士の相互作用を意図的に活用していく援助実践である
・グループワークでは、利用者同士の相互作用のなかに、常にプラスの力、すなわち治療教育的力を最大限に生み出していく援助が必要である。

・グループ全体と個別の理解の必要性。

<補足:コノプカのグループワークの定義>
*G.コノプカの集団援助技術(グループワーク)の定

 「ソーシャル・グループワークとは、ソーシャルワークの一つの方法であり、意図的なグループ経験を通じて、個人の社会的に機能する力を高め、また個人・集団・地域社会の諸問題に、より効果的に対処しうるよう、人々を援助するものである。」
・コノプカの定義は、個人の社会生活上の問題解決を、小集団が持つ治療的機能に着目して1960年代に定められた。この定義は、その後の集団援助技術研究の基本となった。

*集団と個別
 コノプカは「集団の中における、あるいは集団を通しての個別化」を目標としたグループワークを実践し、理論化した。それは、グループ内の各個人の相違点を認識することと、多種多様なグループをそれぞれ独自のグループとして認識することの両方に分けられる。

・1940年代から50年代は、治療グループワークが台頭し、障害児施設や一般・精神病院などで導入された。

*「成長志向グループ」と「社会活動(ソーシャルアクション)志向グループ
 コノプカは、個人の「社会的に機能する力」=社会的対処能力(社会生活する力)の向上を第一に掲げ、そのような観点からグループを「成長志向グループ」と「社会活動(ソーシャルアクション)志向グループ」の二つに大別し、理論化した。
・「成長志向グループ」は、グループが持つ「治療的機能」が重視され、個人の可能性の発展、人間関係の改善、社会的に機能する力の向上などを目的としている。
・「社会活動志向グループ」は、社会問題に取り組む社会活動のための援助を目的とする。

・コノプカは、一つのグループがこれら二つの目的をもつこともあり、またすべてのグループをそのいずれかに変えてしまうような過ちを犯してはならないと示している。

*レジュメ2に続く


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■用語解説:コノプカ(Konopka,G.)
ユダヤ系でドイツ出身、アメリカに亡命後、著名なグループワーク研究者となった。
コノプカは小集団が持つ治療的機能に着目し、収容施設入所者、非行少年、情緒障害児に対する治療教育的グループワークを開拓して、グループワークの基本原理14項目を掲げた。著書は、 『収容施設におけるグループワーク』(1954年)、 『ソーシャルグループワーク/援助の過程』(1963年)
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by yrx04167 | 2011-08-28 09:27 | Comments(0)