相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ2 グループワーク、相互作用、集団凝集性とは

相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ2 2011/08/25 6・7時限
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース) 担当:当ブログ筆者

1章2節 相談援助の対象をどうとらえるか
5 集団(グループ)をどうとらえるか・続き
<テキスト解説>
*グループの成立要

 ①対面的な関係にあること(face-to-face)
 ②利用者間に相互作用が行われていること
 ③利用者相互の間に個人的な印象や知覚を有すること

*グループの目的を理解する
*補足 グループがもつ有効

①不安を減少し,情緒的に安定
②改善への希望と問題解決に立ちむかう勇気
③自分の行動のモデル
④自己表現できる活動
⑤喜びと自信
⑥問題の再編成
⑦現実生活のリハーサル
⑧生活圏の拡大が生活の質を向上させる
⑨社会資源の情報

*グループ参加におけるメンバーの要件を理解する
・グルーピング=グループメンバーを構成すること。
<補足>
(1).利用者の構成要

・参加メンバーの性別,年齢,学歴,結婚歴,職歴,身体的・精神的特徴,社会経済的状況などを指す。
・要素を限定した同質グループ,又は異質要素をもったグループがある。

(2)参加メンバーの募集,選
・施設であれば,①利用者全員を対象,又は希望者のみ,②意図的に参加メンバーを選択するか,などを決定。

(3)グループの人数とリーダーシップのあり
・何人のメンバーで始めるかについては,メンバーの構成要素で異なってくる。
・深刻な問題を扱うグループの場合には,2人の援助者がいるほうがよいとされる。
・普通,理想的なグループの人数としては5人から15人ぐらい。

*グループの構造を理解する
*開放的グループ(開かれた、オープン

・グループが続いている間,新しいメンバーの入会や参加がいつでも可能,1回だけ,あるいは一定の期間は出席し,グループを去っていくことも自由。
・いつもメンバーが自由に出入りし,入れ替わっている。
・毎回新しい考えや信念,価値観が得られる,新しい情報が入るというメリット。
・メンバーの出入りがあることはグループ自体の成長に大きな影響を与え,そのつどオリエンテーションが必要になるなどのデメリット。
・援助者が中心的位置にいてグループを導いていく役割を果たす場面が多い。

*閉鎖的グループ(閉じた、クローズド
・メンバーは同時に入会し,グループが行われている期間は,新しいメンバーの入会や出席は不可能。
・初めから終わりまで同じメンバーで形成。
・グループの成長が段階的に進み,凝集性の高まりやメンバーの結束,協力なども生じて,相互援助が可能となるメリット。
・援助者の役割もグループの発達に応じて変化。
・しかし、メンバーの欠席や途中でやめていくこともあり,少人数のグループになってしまうこともある。
・考えや意見も限定され柔軟性がなくなるというデメリットが出てくる場合もある。

・それぞれのグループのメリットやデメリットを考慮し,グループの目的に応じた使い方を考える必要がある。

<補足>
*グループ援助の回数や期

・じっくりと時間をかけながら無期限に実施していくグループ,短期間のうちに集中して実施したほうがよいグループ。
・グループ援助の目標によっては,一定の回数や期間を設定しておく。
・参加する個人に「時間的制限」の感覚をもたせると,限られた時間のなかで達成目標に向かって努力する。
・援助者側も目標を「時間的制限」のなかで立てることになり,終わった段階でグループ援助の効果を評価できる。

*グループの凝集
・グループのまとまりのこと。レヴィンが用い始めたグループ・ダイナミックスの主概念。グループ内にメンバーを引きとめるように作用する総合的力のこと。「凝集性が高い」はまとまりのよさを意味する。

*サブ・グループ(下位グループ
・一つのグループ内部に分化してできたグループを包括的(上位)なグループとの関係でサブ・グループ(下位グループ)という。上位グループと比べて、人間関係もより緊密となり、独自の行動様式を発達させる。

*グループの規範を理解する
・グループ規

・グループのある事態への対応はその規範に基づいて行われる。メンバーが独自にそれを了解し、把握し、処理することを可能にする共通の判断枠組みとなるもの。成立した規範はメンバーの行動を規制していく。

・利用者がそれぞれの役割をもつ。利用者の力,性格,行動力などによって,各人がそれぞれにふさわしい役割(分化)をもち,それらが相互に関係づけられることによって所属意識を高め,グループとしてのまとまり(統合)をもつことになる。

*グループの発達を理解する
・われわれ感

・グループのメンバーがもつ仲間意識や一体感のこと。グループとしてのまとまりを生み出すものとして役立つ。具体的にはメンバーがグループ内で共有する意識や感情のこと。

*グループの発達の段階(例) 
・第一段階は,「互いの確認と援助者への依存」という特徴がみられる時期である。
 利用者相互の親密さ、サブ(下位)グループの形成がはじまる。
・第二段階では,「相互関係の対立と修正」という特徴がみられる。
 相互作用の活発化、グループ規範の形成の進展、リーダーや孤立者の出現、サブグループ間の摩擦などがみられる。
・第三段階になると,「グループのまとまりと信頼関係の確立」が特徴である。
 「われわれ感情」の強まり、役割分担、相互の心理的関係の深まり、相互援助などの動きなどがみられる。
・第四段階では,「グループとしての機能的な役割」に特徴がみられる。
 個々の利用者の課題への十分な洞察と行動変容、運命共同体的な相互援助などがみられる。 
・それぞれの段階において,次の段階を考えながら介入など働きかける必要がある。

*グループ外のほかの集団との関係を理解する

*メンバー間の相互作用の理解-グループの治療教育的
・グループワーク・集団援助技術とは、援助者が自然発生的あるいは意図的に形成されたグループの利用者の相互作用を活用し、その治療教育的力によってさまざまな目標の達成を目指す。
・グループの力は「両刃の剣」といわれる。
 グループに参加している一人ひとりの成長・発達をもたらし,個人的な欲求を充足させて人間性を豊かにしたり,社会的不適応症状や精神的・情緒的問題を解消するような建設的力が利用者に働く側面がある。
 一方では,同じグループでありながら成長・発達を阻害し,破壊的に働いて,その個人を心理的・精神的に傷つける力を発揮する側面もある。
・集団援助技術では、利用者同士の相互作用のなかに,常にプラスの力、治療教育的力を最大限に生み出していく援助が必要である。

*用語解説:グループ・ダイナミックス
 集団の基本的な性質,集団と個人,集団と集団,またはもっと大きな組織と集団との関係についての法則を実証的な方法によって明らかにしようとする社会科学の一分野。集団力学と訳されて使われることも多い。

*同調、グループ圧
・同調とは、あるメンバーの行動、態度、判断を、そのグループやほかのメンバーが期待する方向に変化させること。変化させるように働く影響力をグループ圧力という。また、その結果変化した行動を同調行動という。

*レジュメ3に続く

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ1 ソーシャルワークとグループ 8/25 社会福祉士養成科夜間部
 集団(グループ)をどうとらえるか <概要:グループワーク>


社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第18回講義レジュメ1 システム論とソーシャルワークとは 社会福祉士養成科
 システムの作動とサイバネティックス
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第18回講義レジュメ2 システム論によるソーシャルワーク 社会福祉士養成科
 システム理論による一つのソーシャルワーク論
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第18回講義レジュメ3 ソーシャルワークの概念と定義とは 社会福祉士養成科
 事例:地域包括支援センターにおけるソーシャルワーク
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 第18回講義レジュメ4 クライエント・家族のシステムとは 社会福祉士養成科夜間部
 相談援助の対象理解の視点 社会福祉援助活動の変遷

日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
社会福祉士及び介護福祉士法

[PR]
by yrx04167 | 2011-08-28 16:15 | Comments(0)