相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ3 地域とソーシャルワーク、コミュニティワークとは

相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ2 2011/08/25 6・7時限
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース) 担当:当ブログ筆者

1章2節 相談援助の対象をどうとらえるか・続き テキストⅡ
6 地域をどうとらえるか テキストP17

・コミュニティ・ソーシャルワーク
 地域を基盤とした、相談援助と地域活動を総合的に展開するソーシャルワーク実践のこと。

*地域を重層的に理解する-その方法
 地域社会に関わるソーシャルワーカーは、フィールドとする地域の状況について、基礎的な地域診断の材料となる情報を把握する必要がある。
1)人口動
*人口構成の年次推移から、地域社会全体の動向を把握する。例えば、人口の増減の要因などを把握することは、将来の福祉ニーズを予測することにつながる。
*地域福祉活動の基礎となる人口動態・構成など地域社会の状況によって、問題発生やコミュニティワークとしての対処・援助の仕方が異なる。
*コミュニティ(小地域)別に人口動態を把握しておくことも必要である。

2)複合型社会としてのコミュニティ理
*現代においては、農業の割合は縮小し、先端技術やサービス産業中心の社会となった。また、地域社会全体が都市化し、複合型の社会へと構造変化した。
 地域社会の基礎的な理解の方法として、複合型社会としての接近が有効な場合が多い。

3)地域の歴史や文化とコミュニティ理
*地域社会の自然環境や産業・就業構造などの歴史的変遷をたどることが重要である。
 また、①自然環境の影響、②産業・就業構造、③政治的な特徴(住民意識)、④文化的な伝統(保存状態)、⑤地域社会の個性といったものから、コミュニティの変化を把握することが重要である。

◆用語解説:地域の個別
 地域援助技術の基本的性格は、それぞれの地域社会を個々にとらえ、独自性をもつ地域として理解することである。これを地域の個別化という。具体的にいえば、人口やその地域の環境、あるいは歴史的にも文化的・社会的にも二つとない存在として地域社会を理解することである。

*コミュニティワークに関わる住民による集団・組織の現状について、情報を把握し、地域福祉活動との関わりについて評価する必要がある。これらの組織が新たなニーズに対応出来ていない場合など、組織の改革や新たな組織づくりも必要となる。
*コミュニティワークは、地域社会に様々な住民の集団・組織がある程度存在することを前提に組み立てられている。それらが機能しているか否かの診断は重要となる。

○補足:コミュニティワーク・地域援助技
 地域援助技術は、これまでアメリカを中心に「コミュニティオーガニゼーション」とよばれてきたものであり、またイギリスを中心に「コミュニティワーク」として用いられている概念にほぼ相当するものである。要援護者やボランティアなどの地域住民に働きかける地域組織化活動や、社会福祉機関・団体に働きかけて福祉資源の連携・調査や開発を図る福祉組織化活動などの幅広い内容も含むものである。

*補足:地域を基盤とした社会福祉援助活動
1.原則① ニーズ即応の原

*地域援助技術において、目の前で困っている人々の、緊急に対応を必要とするニーズにまず即応・対処してから、理論的な整理や本来的なあり方を検討すること=ニーズ即応の原則が重要である。

2.原則② 地域主体の原
*地域援助技術において、問題に取り組み解決する主体は、住民でありその組織・団体などである。
 地域援助技術は、地域の福祉問題の解決に住民自身が主体的に取り組むことができるように側面から援助していく機能がある。さまざまな状況を考え、住民の問題解決能力などその主体性を強めるために、コミュニティワーカーとしての専門的知識・方法・技術などを提供するのである。
 ソーシャルワーカーは、近隣集団、あるいは住民のニーズを住民自ら明確化できるように援助し、ニーズを充足するための計画が可能になるよう集団を組織化していくことが求められる。
 このニーズ充足が必要性が高く、また住民による利用可能なサービス・資源の活用能力の育成からサービス・資源の組織と分配の根本的な変革までを生み出していくものである。

3.原則③ 組織化の原則 
*地域援助技術においては、あらゆる援助が組織的なものとしてすすめられなければならない。
 「地域の組織化」が地域住民やその組織・団体を主体とした組織化であるのに対して、「福祉の組織化」は、地域にある福祉施設、専門機関・団体などの制度的な福祉サービスの組織化をいう。
 地域の組織化と福祉の組織化のいずれも不可欠のものである。
 地域組織化とは、地域住民が地域福祉を自分たち自身の問題としてとらえ、地域での情報交換や学習活動を行い、地域の福祉問題を地域住民自身が主体となって参加し、解決していく福祉の実現にある。

4.原則④ 協働活動の原
*地域援助技術では、住民組織や関係機関・団体・施設が互いの個性や役割を尊重し合い、役割を分担して一緒に行動する。
 多様化・高度化する地域の福祉ニーズに応えるためには、地域に存在するさまざまな異なった種類の社会福祉施設・機関が互いに連携・協働し、各種福祉サービス間の連絡調整が行われて、より高度で実効性のある社会福祉援助が行われることが必要である。

5.原則⑤ 公私分担・公私協働の原則 
*地域援助技術において、「自助・共助・公助」の責任分担と協働する関係を形成することが重要である。

 地域福祉は、公=市町村などの地方自治体と、私=地域の住民や民間の社会福祉組織・施設とがともに主体となって行なわれるべきものである。

6.原則⑥ 社会資源活用の原則 
*地域援助技術は、地域の福祉問題の解決に向けて、保健・医療・社会福祉その他あらゆる制度や施策、サービス、人材・施設・資金・アイディア等、フォーマル、インフォーマルな社会資源を調整したり結び付けたりしながら、社会資源を最大限に活用しなければならない。

7.原則⑦ 資源開発の原則 
*新たなニーズに対応して、組織化の課題への対応や資源開発に取り組むことが求められている。
 地域援助技術は、住民が持つ自立、自助、協働の理念に働きかけ、地域にある社会資源そのものの効果的な調整や創設、あるいは開発に力点をおくという性格を持つ。

*レジュメ4に続く

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日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
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*用語解説は下記をクリック  住民ニーズ、住民主体の原則、公私役割分担 、福祉多元主義



*用語解説
■解説:住民ニーズ
 地域住民が保有しているニーズのこと。主としてコミュニティワークにおいて使われる用語であり,「住民主体の原則」のもとに展開される調査活動,公聴活動などの結果,住民から抽出され,課題として認識されたニーズということになる。しかし現実には,住民一人一人のニーズの総計でもないし,住民がもっているすべての種類のニーズを表すわけでもないので,住民ニーズとして明確化されないもの(潜在的なもの,あるいは少数のものなど)もあることを知っておく必要がある。

■解説:住民主体の原則
 1962年に制定された社会福祉協議会基本要項において,社会福祉協議会の活動原則として規定されたのが始まりである。ここでは,社会福祉協議会が地域住民のニーズに即した活動を進めること,それに必要な組織構成を充実することが主眼であった。その後,「住民主体の原則」は,住民が権利主体として主体形成することと,住民自治の観点から政策形成の主体者として位置づけられるという,地域福祉における生活主体原則として最も重視されている。

■解説:公私役割分担
 1951年社会福祉事業法の公私共存共栄の理念が実体化しないまま,公私協働論とともに打ち出されたのが,公私役割分担論である。高度経済成長の時代を経過し,都市化と家族機能の外部化が進むなかで,財政制約を前提すれば,すべてを公的責任で賄うには限界がある。そこで,公は基礎的なサービスに集中し,別に年金における確定拠出方式やサービス面でもNPOを含む民間団体や,共同作業所,グループホームなどの自立的・自主的活動,さらには自費による上乗せ・横出しも許容すべきものと論じられている。

■解説:福祉多元主義 welfare pluralism
 社会福祉サービスの供給主体を,公的部門という単一の部門に限定するのではなく,他の部門(民間非営利部門,民間営利部門,インフォーマル部門)もそれぞれの特徴を生かして,サービスの役割を分担していくのが望ましいとする考え方。供給主体の多元化を促進する考え方と言い換えてもよい。


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by yrx04167 | 2011-08-29 20:53 | Comments(0)