相談援助の理論と方法 第20回講義レジュメ1 ケースマネジメント、ケアマネジメントの過程、プロセス解説、ケアプラン作成

相談援助の理論と方法 第20回講義レジュメ1 2011/09/02 6・7時限
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース) 担当:当ブログ筆者

<補足 前回の配布資料集 表「ケアマネジメントの過程」
*ほかの専門的援助と異なることは,合議の過程が含まれること=ケアマネジメントの特徴である。
◆ケアマネジメントの過
①申出または通報による支援の受付

②ケアマネジメントによる支援が適当かどうかを判断するための簡単な調査。

③ケアマネジメントによる支援が適当かどうかの決定

④支援に必要な情報の収集

⑤アセスメントの実施(Ⅰ)と支援計画(ケアプラン)の作成(Ⅰ)

*この段階の作業は,多くの場合は,最初に利用者に出会った機関の担当者が担う。
この担当者は後にケアマネジャーになることが多い。
*⑤-ⅰ(表)は情報をもとにして,利用者が抱えている解決しなければならない生活課題(ニーズ)を明らかにし,問題解決の重要度について優先順位をつけるとともに,ニーズの解決方法を担当者が一人で考える作業である。
*アセスメントでは、多面的,包括的に利用者の状況,ニーズ,問題,自己ケア能力などを把握する。

*⑤-ⅱは,⑤-ⅰの作業のなかから,支援方針と支援計画を明確化し,支援内容の緊急性に対応して優先順位をつける担当者一人の作業である。

⑥アセスメントの実施(Ⅱ)と支援計画(ケアプラン)の作成(Ⅱ)
*このプロセスのあることがケアマネジメントの特徴の一つ。
 一人の担当者が行ったアセスメントと支援計画の作成を、利用者とチームの構成員全員で検討し,必要があれば修正して,全員で支援の方針と計画を一致させる過程。

⑦支援の実
*⑥の過程での決定によって,サービスを提供することになった援助機関は,それぞれの機関に戻って,引き受けたサービスをどのように実施するかという具体的なサービス実施計画(個別支援計画)を作成。

⑧モニタリング
*利用者が利用するサービス提供の状況を観察すること。
・ケアマネジャーは,計画通りサービスが提供されているか,短期目標の達成状況はどうか,利用者や家族の新たな課題(ニーズ)は発生していないか,定期的に点検,確認する。
モニタリングにおいては,サービス利用者や家族からとサービス提供事業者や介護者からの双方から情報を収集する。サービス利用開始直後や状態変化が著しいときには,モニタリングもこまめに行わなければならない。

⑨評
*評価(evaluation)は,事前評価であるアセスメント(assessment)に対する事後評価のこと。
 利用者が利用しているサービスが利用者の生活安定に役立っているかどうか,ケアマネジメントは適切に実施されているかを評価する。ほか、ケアプランの目標達成の度合,援助効果,利用者の満足度などを見定める。
*評価の結果としてニーズにサービスが合致していないか,サービス提供方法等に問題のあることがわかれば,⑩-ⅰの再評価(リアセスメント)へと向かい,再び⑤,⑥,⑦,⑧と支援が繰り返される。

⑩評価の結
*事後評価の結果,ニーズが解消されていなければ,⑦-ⅱの支援が引き続き提供されるか,⑩-ⅰの再評価が行われ,新たな支援計画(⑥-ⅱと⑦-ⅱ)に基づいてサービスが提供される。
*事後評価の結果,ニーズが解消されており,当面サービス利用の必要がないとわかれば,終結に向かう。
 終結が妥当かどうかの判断に際しても,チームの構成員の参加を得て決定するのが原則である。
*要介護状態にある利用者などの生活支援は,一定の結果がでれば終結するというより,評価をもとに再アセスメントを行い,継続性をもって援助過程が繰り返されることで,変化する利用者の状況やQOL向上に貢献することになる。

<補足:脱施設化に関連して>
*施設

 施設環境で長期間生活することによってもたらされる,社会的ひきこもりや無感情,主導性の欠如,従順さ,非個人的なものに興味を失うなどの特有の退行現象や受け身的依存性を伴う状態。
(後述)

*トータル・インスティテューション
 全制的施設と訳される。
(後述)

<補足>
*ケースマネジメントに求められるスタンス

①利用者の擁護
 利用者に寄り添い,擁護しつづける態度をとることが,ケアマネジャーに最も要求される。

②自己決定の支援

③自立支援
 利用者が、フォーマル・インフォーマルの社会資源を、自ら活用できる能力,生活維持能力を高めるように支援の提供を継続する。

*解説:自立支
(後述)

*レジュメ2に続く


社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ1 ソーシャルワークとグループ 8/25 社会福祉士養成科夜間部
 集団(グループ)をどうとらえるか <概要:グループワーク>

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ2 グループワーク・相互作用・凝集性とは 社会福祉士養成科
 メンバー間の相互作用の理解  グループの治療教育的力
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ3 地域とソーシャルワークとは 社会福祉士養成科8/25
 「コミュニティ・ソーシャルワーク」
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ4 ケース・ケアマネジメントの定義 社会福祉士養成科夜間8/25
 ケース(ケア)マネジメントの基本


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
社会福祉士及び介護福祉士法



*用語解説は下記をクリック  施設症、トータル・インスティテューション、自立支援



*施設症
 刺激に乏しい施設環境で長期間生活することによってもたらされる,社会的ひきこもりや無感情,主導性の欠如,従順さ,非個人的なものに興味を失うなどの特有の退行現象や受け身的依存性を伴う状態。精神病院や強制収容所,刑務所などの閉鎖社会の病理として,第二次世界大戦前後から注目されるようになった。特に精神病院では,本来治療のために入院した施設で,感情平板化・自閉・意欲低下などの陰性症状の一部が作り出されることをバートン(Barton, R.)が指摘し,ウィング(Wing, J. K.)らが実証した。
 施設症の社会的発生機序に関連して,社会学者のゴッフマンは精神病院などに対する参与観察の結果から,閉鎖社会である収容施設を「全制的施設」(トータル・インスティテューション)とよんだ。そして,施設特有の人間関係と管理構造が,施設症の重要な生成因子であることを明らかにした。
 なお,同義の用語に「施設神経症」(institutional neurosis)や「ホスピタリズム」がある。このうちホスピタリズムは,元来,乳児院などの施設で養育された乳幼児が示す情緒不安定や発達遅滞等の悪影響を表す用語として用いられる。

*トータル・インスティテューション
 全制的施設と訳される。社会学者ゴッフマンによる概念。高い壁などによって社会から隔てられた閉鎖的・管理的な生活の場をさす。その特徴は,通常の社会生活では異なる場で行われる,睡眠,仕事,遊びの三つの行為が一つの権威に従って同じ場所で行われることである。監督者と被収容者といった明確な階層が存在し,被収容者は過去の役割を剥奪され,規律に従い,すべての活動を一緒にすることが強制される。その典型は,刑務所,精神病院,軍隊などである。

*解説:自立支援
・社会福祉における「自立」概念は,1981年の国際障害者年などを契機として,たんに,身辺自立や経済的自立だけをさすものではなく,自己決定に基づく「自律」(自分の行動を自分で決めること)をも含めた概念として変化してきた。そのため,社会福祉の援助のあり方も,援助される者の自己実現や自立(自律)を,本人の主体性を尊重しつつ,側面から援助するというかたちに変化してきた。これが自立支援である。言い換えれば,本人からみれば,自立に必要な社会的な援助の仕組を,自己の意思のもとに組み合わせて使える力量を身につけることであるともいえる。こうした考え方は,当初,障害者の地域生活支援から始まり広がっていったが,1990年代になって,高齢者介護・自立支援システム研究会などの検討を経て,介護保険や支援費制度におけるケアマネジメントなど,公的施策にも採用されるようになった。
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by yrx04167 | 2011-09-02 16:04 | Comments(0)