相談援助の理論と方法 第20回講義レジュメ2 ケースマネジメントアセスメント、シュナイダーのケアプラン作成の基本原則とは

相談援助の理論と方法 第20回講義レジュメ2 2011/08/25 6・7時限
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース) 担当:当ブログ筆者

2章3節 ケースマネジメントにおけるアセスメントの特徴
<ポイント:ケースマネジメントにおけるアセスメント

 収集した情報をもとにして,利用者が抱えている解決しなければならない生活課題(ニーズ)を明らかにし,問題解決の重要度について優先順位をつけるとともに,ニーズの解決方法を検討する作業である。
 アセスメントでは、多面的,包括的に利用者の状況,ニーズ,問題,自己ケア能力などを把握する。

<テキスト解説>
1 アセスメントの意味と目的 テキストP33

・アセスメントは「事前評価」等と訳され、クライエントの問題、状況を明らかにする作業である。  
 クライエントと支援する側が「協働」で実施することが求められる。

*ケースマネジメントにおけるアセスメントの特徴(マクスリー
・ニーズを基礎にしている
・クライエントのニーズを包括的・全体的にとらえる
・クライエントのニーズを学際的にとらえる
・クライエントが参加する
・進行する過程としてとらえる
・システマティックにニーズをとらえる
・書式化された文書を作る

2 アセスメントの方法 テキストP34
・アセスメントにおける情報の収集方法は、クライエント・家族に加え、他の専門職からも情報を得ることがある。
・ケースマネジャーが、クライエントの行動や態度から気付く主観的な情報もアセスメント情報の一部である。
・自らの意思を十分に表現できないクライエントの場合には、家族からの情報のみならず、可能な限りクライエント本人からも情報を得つつ、ケースマネジャーの主観的なアセスメント情報も活用する。
・アセスメント用紙(例:介護保険)を用いて得られる情報が、アセスメント情報のすべてではない。

*クライエント・アセスメント情報の三分
・身体機能的状態:健康状態、ADL
・精神心理的状態:意欲や満足度
・社会環境的状態:家族関係や、近隣との関係、住環境等が情報になる。

・全ての情報が一括で収集されることは稀である。限られた時間のなかで得られた情報を基にして問題状況を把握し、ケアプランが作成される。
 その後、新たな情報を得て、ケアプランに追加や修正を図るのが実際の対応である。

3 集めた情報からの生活課題のとらえ方 テキストP35
・収集したアセスメント情報から、クライエント本人の生活上の課題(生活ニーズ)を導き出すことが必要である。この作業においても、クライエントとの協働が求められる。
・クライエントの、身体機能的状況・精神心理的状況・社会環境的状況の相互連関性のなかで、生活ニーズが生じる。
 テキストP35図「アセスメント項目からの生活ニーズの導き出し方」参照。
・テキストP36事例参照。
 身体機能、精神心理、社会環境の状況の関連と、これらから狭義・広義の生活ニーズを導き出す。

・ケースマネジャーとクライエントの協働作業により、生活の困難・問題=生活ニーズを探し出し、合意を形成することが重要である。

・アセスメントにおいて、クライエントのストレングスの情報を収集し活用することが重要である。
 本人の能力、意欲、嗜好等が活用された、プランの作成が求められる。
・ストレングスには、クライエントの内的資源だけではなく、社会資源も含まれる。
 社会環境的状況を把握し、インフォーマルな資源も活用しつつ、より質の高い生活の確保を図る。
・アセスメントにおいて、ストレングスの把握は、本人の能力の活用や、意欲の向上、嗜好の満足に繋がる生活ニーズ把握を導き、適切なプランの作成につながる。
 また、パートナーシップの確立、クライエント参加によるアセスメントやケアプラン作成が可能となる。

4 アセスメントでの原則 テキストP37
・アセスメントは、ケースマネジャーとクライエントが協働で行い、問題状況を把握し、生活ニーズを抽出する作業である。
 情報収集においても、クライエントからの了解を得ること、クライエントの参加等が重要である。
・ストレングスの把握は、本人の能力や意欲が活用され、セルフケアも可能となり、クライエントの動機づけを高める支援や、インフォーマル・サポートを活用した支援も促進することができる。
・これらの対応、ストレングスの人間観でクライエントに接することは、クライエントに対する尊厳の表れでもある。

4節 ケアプランの作成・実施の特徴
<ポイント

・カンファレンス(担当者会議)による、支援計画(ケアプラン)の合議、プランの完成というプロセスのあることがケアマネジメントの特徴の一つである。
 マネージャーが行なったアセスメントと支援計画の作成を、利用者とチームの構成員全員で検討し,必要があれば修正して,全員で支援の方針と計画を一致させる過程である。

1 ケアプランの意義 テキストP39
・ケースマネジメントにおいて最も重要な要素は、ケアプランを作成し、そのプランに沿った支援を実施することである。
 ケースマネジメントの特徴は、計画的に支援することにある。ケアプランが、在宅生活を計画的に支援する土台となる。
・作成されたケアプランの実施にあたって、クライエントとケースマネジャーの間でケアプラン内容について契約し、クライエントから了解を得る。

2 ケアプランの作成
*ケアプラン作成の二つの要

・第一は、ケース目標の設定。
・第二は、ケアプランの作成。
・ケース目標の設定は、クライエントがどのような生活をしていくのか・いきたいのかについて目標を設定する。
 クライエントの潜在的能力の発揮や、本人の希望や意欲の活用、生活の質の向上、自立促進、残存機能を活かし社会参加を促すことを基本的な視点として設定する。
 ケースマネジャーが側面的支援者として、クライエントや家族の希望を踏まえたうえで設定する。両者で話し合う必要がある。
 ケース目標は、クライエントやケースマネジャー、サービス事業者がチームアプローチを展開していく共通目標である。
 ケース目標は、マネジメントの過程において、プラン作成の一部であり、アセスメントの後に設定するとされている。しかし、アセスメントの前に目標の設定が行われる場合もあり、プラン作成後に目標が再度組み立て直されることもある。
・モニタリングにおいては、ケアプランの変更のみではなく、ケース目標の修正が生じる場合もある。一度決定したケース目標は、将来にわたって固定された目標ではない。

・ケアプランは、クライエントの生活課題(生活ニーズ)に基づいて作成されるものである。

・ケースマネジメントはニーズ優先アプローチであるべきである。サービス優先アプローチであってはならない。ニーズ優先アプローチは、生活ニーズに基づき必要なサービスを的確に提供することができる。生活ニーズに基づき、目標が示され、具体的なサービスや支援の内容を決定する。

*ケアプラン作成の基本原則(シュナイダー
○ケアプランは、前段階で実施されたクライエントの包括的な機能的アセスメント結果に基づく
 アセスメント結果とケアプランには連続性が求められる。

○ケアプランには、クライエントないしは家族成員などの代理人がその作成過程に参加する
 参加により、クライエント本位のケアプラン作成が可能となる。
 プラン作成にクライエント・家族の参加が無いと、プランに対する不満が生じる場合がある。

○ケアプランは、前もって決められたケース目標に向けられる
 ケース目標とケアプランは一体のものである。

○ケアプランは、永続的なものではなく、特定期間の計画である
○ケアプランには、フォーマルなサービスとインフォーマルなサポートの両方が含まれる
 インフォーマル・サポートは柔軟でミニマムを超えた支援が可能である

○ケアプランは、クライエントないしは家族の負担額を意識して作成される
 ケースマネジャーは、支払える自己負担額について、本人や家族からの同意を得ることが不可欠である。

○ケアプランの内容は、定型化された計画用紙に文書化される
 文書化によって、どのサービスがどの生活ニーズに対処するために実施されるか、自己負担額等もクライエント・家族に明らかにされる。

*ケアプラン作成の具体的なプロセス
①生活ニーズを明らかにする

②援助目標を明らかにする
 長期間の目標と、短期間の目標に分けて支援を展開していくことも可能である。
 援助目標は、第一には実現可能なものでなければならず、可視的で数値的な基準でもって具体的な目標を定めることが望ましい。

③支援となる社会資源を明確にする
 生活ニーズや援助目標との合致を図って、サービスを提供する組織等を明らかにする。
・インフォーマル・サポートも活用内容に含める。
・フォーマル・サービスは、サービス事業者の選択において、クライエントのニーズに最もふさわしい事業者を選択することが求められる。

④頻度や時間数を明記する
 1週間あるいは1か月等を単位として、頻度や時間数を明記する。

⑤クライエントの自己負担額を算定する
 自己負担額との関係で、クライエントの意向により、サービス内容を修正する部分も有り得る。

・これらの段階を経て、ケアプランが作成される。
 最終的にケアプランの内容について、クライエントが承諾することにより、ケアプランの実施を開始する。

3 ケアプランの実施 テキストP44
 ケースマネジャーはプラン実施前に、プランに提示されたサービス事業者や、インフォーマル・サポートの人々の参加により、カンファレンス(介護保険制度においては「サービス担当者会議」)を開催し、本人や家族を交えて、ケアプランの実施について合意を得る。
 これにより、事業者やインフォーマル・サポートに対して、クライエントや家族の意向を示すことや、サービス実施の微調整もできる。時にはプランがその場で修正されることもある。

・プラン実施にあたって、フォーマル・サービスを提供する事業者等には法的に守秘義務が課せられるが、インフォーマルの人たちには法的には守秘義務は課せられていない。守秘について了解を得ておくことが重要である。

・個々の事業者は、ケース目標やケアプラン、カンファレンスの結果を事業所にもち帰り、事業者の個別援助計画書の作成に入る。

・クライエントによっては、至急にサービスを必要としている場合もある。そうしたケースに対しては、まずはサービスを提供し、その後でケアプランを整えていくことになる。

○補足:フォローアップ=モニタリング
 利用者が利用しているサービス提供の状況の経過を観察すること。
(後述)

○概要:ケアプラン
・ケアマネジメントにおける「ケアプラン」とは,援助対象者に必要なサービスを総合的・一体的にパッケージとして示していくものである。
(後述)

*レジュメ3に続く

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ1 ソーシャルワークとグループ 8/25 社会福祉士養成科夜間部
 集団(グループ)をどうとらえるか <概要:グループワーク>

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ2 グループワーク・相互作用・凝集性とは 社会福祉士養成科
 メンバー間の相互作用の理解  グループの治療教育的力
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ3 地域とソーシャルワークとは 社会福祉士養成科8/25
 「コミュニティ・ソーシャルワーク」
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 第19回講義レジュメ4 ケース・ケアマネジメントの定義 社会福祉士養成科夜間8/25
 ケース(ケア)マネジメントの基本


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
社会福祉士及び介護福祉士法



*用語解説は下記をクリック  フォローアップ・モニタリング、ケアプラン



○補足:フォローアップ=モニタリング
 利用者が利用しているサービス提供の状況の経過を観察すること。
・ケアマネジャーは,計画通りサービスが提供されているか,短期目標の達成状況はどうか,利用者や家族の新たな課題(ニーズ)は発生していないか,定期的に点検,確認する。
モニタリングにおいては,サービス利用者や家族からとサービス提供事業者や介護者からの双方から情報を収集する。
サービス利用開始直後や状態変化が著しいときには,モニタリングもこまめに行わなければならない。

○概要:ケアプラン
・ケアマネジメントにおける「ケアプラン」とは,援助対象者に必要なサービスを総合的・一体的にパッケージとして示していくものである。
ケアプランは,ケアチームを構成する関係者が一緒になって,ケアの基本方針を共有しながら進めていくために不可欠である。
・パッケージとは、在宅サービスおよびインフォーマルな支援の総体をケアと捉えて,利用者の個別性に合わせて適切なサービスや支援を一揃いのパッケージとして組み合わせること。利用者には生活上のニーズが複数あり,それを充足する社会資源は地域に散在しているため,
問題を単独のニーズとして捉えて対応する方法では,提供者ごとに散発的に行われるサービスになりやすい。ケアマネジメントでは,在宅ケアの効果と効率を高めるため,パッケージ化したサービスを計画的に提供する。
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by yrx04167 | 2011-09-02 20:40 | Comments(0)