相談援助の理論と方法 第21回講義レジュメ5 グループワークの開始期、契約とは 利用者の対立

相談援助の理論と方法 第21回講義レジュメ5 2011/09/08 6・7時限
日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース) 担当:当ブログ筆者

3章1節 グループを活用した相談援助・続
*開始期 テキストP59
*援助の開始期とは、最初の集まりから、グループとして動き始めるまでの段階を指す。
*グループをすすめていくための条件や内容についても参加者の同意を得て、確認する(=「契約」)。

①グループの特徴
1)円滑な開始・接近と逃

*最初のグループでの集まりでは、メンバーはこれから始まるグループに対する希望や期待とともに不安と恐れ、疑問、緊張などの気持ちが混じり合っている。
 ほとんどのメンバーは接近したい気持ちと逃避したい気持ちがあるアンビバレントな状況にある。
*このようなグループでは、メンバーの興味・関心、注目、評価は、中心的存在である援助者に集まる。
 援助者がどんな人物であり、どんな役割を果たす人であるかの評価が定まった後に、周りにいるメンバーに関心や注目をし始めるといった独特の特徴がメンバーにあることを理解する必要がある。

2)メンバー同士の評価と対
*援助者による援助行動によってメンバーはグループに出席した互いの理由、事情、立場を知り、互いの共通点をみつけていく。
・これらによってメンバーは、グループへの警戒心も薄れ、グループのメンバーへの関心を強めていく。
 また、サブ・グループ(下位グループ)が形成されていく。
*開始期の終わり頃には、メンバー間の考え方・行動の仕方などの違いから、対立が起こったり、スケープゴートといわれるグループの犠牲者が出てくる場合がある。

②援助者の役割
1)メンバーを迎える

*開始期における援助者の役割とは、「個人」同士ができるだけ短時間のうちに互いを知り合えるような対人関係樹立の援助がある。
・グループの緊張した雰囲気を援助者の態度や行動で早く和らげ、ばらばらに集まっている「個人」をできるだけ早くつなぎ合わせるような援助をすることで、個人は不安や緊張を少しずつ取り除くことができ、安心して自由に発言や行動ができるようになる。
・許容的雰囲気。市民社会の規範との調整。
*メンバーの名前を前もって正しく覚え、部屋に入ってくるときには名前で対応する。

2)自己紹
*単に名前を知り合うという方法ではなく、どんな背景、関心をもつ人間か、共通点を知ることで、互いを理解するため、自己紹介は必要である。
*またメンバーが一言でも話すことで受け身的立場から参加者へと立場を変えることになり、他のメンバーにも注目し始めることから重要。
*このことから自己紹介の方法を工夫してみることが必要である。

3)援助者自身と施設・機関のことについて話
*援助者の態度、行動が「個人」や「グループ」に大きな影響力をもち、雰囲気づくりにも影響する。
*援助者自身による自己紹介と役割の明確化は、信頼関係を樹立することになる。援助者の受容的態度や共感と併せて重要である。
*援助者は「個人」に対して、平等、対等に接しなければならない。早く「個人」を結びつけて、「グループ」にするための援助をしていく。
*「個人」「グループ」との専門的援助関係の樹立をすることも援助者の役割である。
 施設・機関に対する期待や要求を持ち込んできていることから、このグループを主催する施設・機関の使命や目的など紹介することを忘れてはならない。

4)契約作業-グループの目標と契約(約束)の確認
①グループの課題(目標)
②開催の日時や回数、期間の予定、費用など活動の条件
③当面のプログラム活動
④利用者同士の役割分担、責任
⑤秘密保持などの利用者同士の約束
⑥援助者の役割

*グループの目標と契約を確認することから、「ここで自分は何をしようとしているのか」「自分はどんな参加の仕方をしたらよいか」を利用者自身は改めて確認する。
*契約とは、メンバー「個人」と施設・機関側との間に結ばれる約束で、双方が一致した条件と目標達成に向かって、それぞれの役割分担による責任を果たす約束をしていくことを指す。

5)プログラム計画への援
*援助者はグループの目標とメンバーの関心、能力に合ったプログラム活動をメンバーとともに考え、検討し、選択しながら立案していく。

6)グループ形成への援
*開始期においては、利用者は援助者の方向のみを見て話をする場合が多く、援助者と「個人」との応答になってしまいがちである。
 援助者としては、グループは援助者のものではなく、出席しているメンバーのためのグループであることを意識づける援助を意図的に行なうべきである。
 利用者の積極的な相互作用の促進を図る援助を開始する。

③援助者の援助技術 
1)グループ全体の動きを察知する技術
*個々のメンバーがグループにおいて果たす役割、グループ規範、同調、グループ圧力、グループ・ダイナミックスの知識、開放的グループや閉鎖的グループの特徴を理解し、幅広い角度からグループを観察する技術が援助者には必要である。

*また、開始期には不安感や緊張感をもちながら出席しているメンバーに安心感、居心地よく感じさせるような技術も必要である。

2)援助者のコミュニケーション技
*一人ひとりのメンバーを見回しながら話すことができる技術、わかりやすく簡潔に話し、質問ができ、答えることができる技術、自由に表現できる雰囲気づくりの技術が必要である。

3)グループの凝集性を促進させる技
*「私」「あなたたち」ではなく、「私たち」という表現を援助者は意識して用いていくことも必要である。
 これによって、「われわれ感情」をグループにもたらしていくことにつながる。

4)プログラム・メディアを用いる技
*開始期に重要な技術として、プログラム活動をすすめる際にプログラム素材を適切に用いる技術がある。
*開始期において、音楽の使用や、緊張状態を解きほぐすためのゲーム等を導入すると、グループの堅苦しい雰囲気が和らぎ、メンバー間の会話がはずんでくる(「アイスブレイキング」)。
*援助者はプログラム・メディアを常に集め、プログラムのどこで何分位使うか等研究が必要である。
*プログラム活動を準備期にある程度組み立てておきながら、実際には臨機応変にプログラム材料を活用していく。

*レジュメ6に続く

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by yrx04167 | 2011-09-12 20:46 | Comments(0)