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相談援助の理論と方法 講義レジュメ ケースカンファレンス、意義、目的、運営、サービス担当者会議とは チーム、検討会議

相談援助の理論と方法 講義レジュメ
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)にて 担当:当ブログ筆者

10章1節 ケースカンファレンスの意義と目的
<テキスト解説>
1 ケースカンファレンスの意義 テキストP207

・日本においては、「ケース会議」「処遇検討会議」「事例研究会」などの意味で使用され、介護保険における「サービス担当者会議」等も近いものとして位置づけられている。

・ケースカンファレンスの利点は、助言者と報告者のみならず、対象にかかわるチームのメンバー等の、関係職員も交えて行なうことにある。

*多様な専門職種・支援者が集まることによる利点
①担当者だけで問題を抱え込むことを回

・会議により、自身の抱える対象事例の課題を、事例にかかわる専門職等と検討することにより、他の解決方法の示唆を得て、「問題に前向きに取り組むことができる(テキスト)」。
 担当者の力量を超えた問題の場合、専門外の課題の場合、有効な手法である。

②カンファレンス(チーム)における、全体での課題の共
・多くの専門職種がかかわる事例では、情報共有が不十分であると、支援が断片的なものになり、地域生活の継続的な支援を実現することは難しい。
 例:障害者支援-生活、余暇、医療-縦割りの援助は、当事者への悪影響と混乱をもたらす場合もある。
・関連する情報と課題の共有により、クライエントの生活を総合的に、継続的に支援するために重要である。

③支援ネットワークの構
・カンファレンスによって、多くの目(新しい視点、発想、価値観など)が一つの事例に着目することにより、その問題を受け止める網の目が細かくなり、「丁寧に拾い上げることが可能になる(テキスト)。

2 ケースカンファレンスの目的 テキストP208
*ケースカンファレンスの目的(要件)

①対象事例を捉えることにより、課題の実現を妨げる要因・原因を明らかにする。これは、解決に向けたポイントとなる。
②職員の教育・研修の機会ともなる。新しい視点、意見を得ること、力量を高める
③関係機関・専門職種との連携・協働関係を構築する。
④カンファレンスにより明らかにされた問題の本質や要因・原因から、地域の潜在的な福祉課題を発見し、地域のネットワーク構築と社会資源の創造に結びつける。
⑤クライエントの生活全体を支援する。

4節 ケースカンファレンスの運営と展開過程
1 カンファレンスの構成員と役割

・カンファレンスの構成員は、関係する機関・施設・事業所の専門職であり、コーディネーター、事例提供者、助言者などの役割によって進められる。参加者も課題について、所属組織が可能な対処等を考えながらの姿勢が求められる。
・コーディネーターの役割は、当日の司会・進行に加えて、事前準備(企画、連絡調整、会場の手配、資料の作成、出欠の確認など)を含む全体の運営である。
・事例提供者の役割は、対象事例の概要を資料として整理し、事前に参加予定メンバーに配布する。

*ケースカンファレンスのポイント
①事例提供者の事例整理と要点を絞った報告
②コーディネーター、助言者との事前打ち合わせ
③資料の選択と事前配布
④カンファレンス当日の運営方法
・事例提供者によっては、事例報告に際しての技術的指導も行なう必要がある。

・事前の打ち合わせでは、事例提供者が対象事例を取り上げた理由、検討課題等を確認する。

・カンファレンスの目的に応じた事例の選択も重要な要素である。その目的とは、
①困難事例や地域で新たな支援体制を築いていくことが課題となる事例。
②スーパービジョンが目的-職員の力量の向上のための課題を設定し、事例を決定する。

・参加者は、自らがケースを担当した場合の、解決の方法等を考察する。

・近年、クライエント・家族等、当事者参加のケースカンファレンスの実施が増えている。当事者の意向を尊重しつつ、理解と納得を得て検討する必要がある。クライエントの主体性を引き出す点においても、当事者参加のケースカンファレンスは有効と考えられる。

<続く

*講義レジュメ 下記をクリック
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日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
社会福祉士及び介護福祉士法


*用語解説 サービス担当者会議、ケースカンファレンス 等は下記をクリック



○概要:ケースカンファレンス case conference
・ケースカンファレンスは、同一機関内あるいは外部の関連機関をも含めて,クライエントの援助のあり方に関して話合いをするために開催される会議をさしていう。
・多くの場合,その主要目的はクライエントに対する援助方針をより適切にしていくことである。複数の専門職の意見交換により,クライエントに対する理解が深まり,援助計画の実施をよりスムーズにしていくのに役立つ。
また、クライエントの視点も含め,社会資源(本人の力,家族,地域社会など)を包括的な視野で捉えつつ,よりよい援助をするためにあらゆる職種の関係者がニーズの認識,目標,計画を共有することを目的に行われる。これにより他専門職との連携が図られ,チーム・アプローチが可能になる。また,クライエントの積極的参加が彼/彼女のワーカビリティを高め,援助過程を一貫してクライエントの自己決定に根ざしたものにすることができる。

例:在宅サービス利用者等に対して、よりよいサービスを提供するため,直接の担当者のほか,ソーシャルワーカー,ケアマネジャー(介護支援専門員),医師,看護師,保健師等,関係する多職種が記録や資料を共有し,多角的に意見を出し合い,適切なサービスの方針をたてる合同会議等。

・また,介護保険制度におけるケアプラン(居宅サービス計画)の策定にあたり,利用者やその家族と介護支援専門員に加え,関連する居宅サービス事業所の担当者等で開かれるサービス担当者会議もケースカンファレンスに含まれる。

○解説:サービス担当者会議
カンファレンス(会議)。介護保険制度においては,ケアプランの作成にあたって,介護支援専門員(ケアマネジャー)は,実際に福祉サービスを提供するサービス事業者,被保険者本人および家族等を集め,サービス担当者会議を開催しなければならないことになっている。福祉ニーズ情報を共有することによって,適切な福祉サービスを決定し,それぞれが担う役割と福祉サービスを提供する目的を明確化することができる。


*社会福祉士・精神保健福祉士受験対策
社会保障 受験対策重要ポイントレジュメ  各回をクリック
受験対策:社会保障 重要ポイント 1  社会保障の歴史、福祉国家

社会保障 重要ポイント 2  ナショナル・ミニマム論、社会的排除、インクルージョン

社会保障 重要ポイント3  社会保障の財政・機能・課題

社会保障 重要ポイント4  社会保障制度の国際比較

社会保障 重要ポイント5  年金制度の沿革と体系

社会保障 重要ポイント6  年金制度の現状と課題

社会保障 重要ポイント7  医療保険制度の沿革と体系

社会保障 重要ポイント8  医療保険制度の現状と課題

社会保障 重要ポイント9  介護保険制度の概要・制度の枠組み

社会保障 重要ポイント10  介護保険制度の概要・費用負担

社会保障 重要ポイント11  労災保険

社会保障 重要ポイント 12  雇用保険

社会保障 重要ポイント13 ―民間保険と社会保険

社会保障 重要ポイント14―社会保険の管理運営



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by yrx04167 | 2011-11-15 07:00 | Comments(0)