相談援助の理論と方法 第5回講義レジュメ3 ソーシャルワーカー自己覚知 自己理解の方法とは 社会福祉士養成

相談援助の理論と方法 第5回講義レジュメ3 2012/5/14 5・6時限(16:30-19:40)
日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)にて 担当:当ブログ講師

<続き>
4章4節 援助関係の質と自己覚知
1 関係とは テキストP82

・「関係」とは、人々の情動的相互作用である。
・コミュニケーションを媒介し、ラポールの形成に繋がる。
・よい関係の構築は、面接の相互作用の効果を強める。

2 権威的ソーシャルワーカー ―パターナリズム P82
・M.リッチモンドは、問題解決のための環境の改善、援助者と被援助者の対等な関係を強調した-『社会診断』。
・コノプカは、グループワークにおける、援助者の治療・促進の役割を強調した。
 ⇒解説参照
・権威的関係とパターナリズム。

*パターナリズム
(後述 用語解説)

◎解説:精神分析
 S. フロイトによって創始された心理学の体系的な理論の総体をいう。
(後述 用語解説)

○意識とは:思考・感覚・感情・意志などを含む広く精神的・心的なものの総体。特に対象を認識する心の働き。自他の在り方自身を察知する明瞭で反省的な心の状態。また、その作用・内容など。
○無意識とは:通常は意識されていない心の領域・過程。夢・瞑想・精神分析などによって顕在化(意識化)される。

◎解説:コノプカ Konopka, Gisela (1910- )
 1950~60年代,グループワークの発展に大きな役割を果たした治療的グループワークの代表論者であり。
[主著] Konopka, G., Social Group Work : A Helping Process, Prentice-Hall, 1963 (前田ケイ訳『ソーシァル・グループ・ワーク――援助の過程』全国社会福祉協議会, 1967).
(後述 用語解説)

◎解説:治療的グループワーク therapeutic group work
 (後述 用語解説)

○解説:医学モデル
(後述 用語解説)

○解説:診断主義ケースワーク 
(後述 用語解説)

3 均等性と公平性 P83
・個別化を図りつつ、地域におけるサービスの、平等なアクセス・利用を保障する。
 サービスの公正な配分とも換言できる。

4 信頼関係・ラポール P84
◎信頼関係はラポール、ラポートともいわれる。援助者と利用者の間につくりあげられる相互信頼,相互理解に基づく心が通じ合った調和のとれた関係を意味し,これが援助関係の基本となる。ラポールを形成するためには,利用者の話に耳を傾け,非審判的な態度で共感的に接していく必要がある。
・専門的な援助関係は、権威的な、従属的な関係ではなく、パートナーとしての関係である。

5ソーシャルワーカーに求められる自己覚知 P84
*アタッチメント理論の適

・アタッチメントとは、特定の人物に対する心理的な結びつきをさす。多くの場合、乳児が母親との接近を求める行動に現れるような、母子間の結びつきをいう。愛着ともいう。

◎解説:退行 regression
 S. フロイトが用いた精神分析の用語で,現在の状態から以前の状態へ,あるいは未発達な状態へ逆戻りすることをいう。
(後述 用語解説)

*関係の利用 精神分析理論の適用 P85

◎解説:転移transference

(後述 用語解説)

◎解説:逆転移 counter transference
(後述 用語解説)

<補足>
1.自己覚知・自己理解と他者理

・自己覚知とは、自己の言語,感情及び行動の特性・メカニズムを,自己が多面的に理解することである。

*自己覚知・自己理解とは
・自己覚知とは、援助者が,他者と自分をも含めた状況(援助関係やその時々に起こっている事柄)を的確に理解し,とらわれなく対象者に相対できるように,ありのままの自己に気づき受容することをさす。
それは肯定的であれ否定的であれ自らの価値観,偏見,先入観,行動や反応パターン,パーソナリティなどのより深い自覚である。

*なぜ、自己覚知が強調されるの
・ソーシャルワーク・相談援助において、最重要な資源は専門職自身である。
・ソーシャルワーク・相談援助は、他者(助けを必要としている当事者)への働きかけであると同時に、自己への働きかけである。
 その作業は、自己の欠点の洗い出しや反省ではない。ストレングス視点で行ないたい。

○解説:ストレングス視
 (後述 用語解説)

2 他者理解と自己理
・他者を援助するに当たっては,適切な他者理解が必要である。
 他者理解を得るためには,適切な自己理解が必要である。
・人は誰でも主観をとおして感じ,そのフィルターを通して意味づけする。
 例えば、先入観等である。
・人はそれぞれ各自の経験によって自分なりの基本的傾向や基本的前提をもっている。
他者への理解、関わりは、援助者側の個別的要因が関係していると言えよう。

・他者への関わり・援助に、自己理解は深く関連していると言える。

*補足:自己覚知の必要
・ソーシャルワーク専門職が自己とは異なった価値観を持った利用者を理解し、受容するためには"自己覚知=自己の価値観と向き合い、自己を知ること"の過程が必要不可欠である。
社会福祉専門職が,専門職としての自分やその価値観について,明確に認識すること=自己覚知は重要である。
 第一に,利用者の価値観と援助者の価値観は区別しなければいけないからである。異なる価値観を持った利用者を批判、排除してはならない。
 第二に,稀に利用者の誤った価値観(反社会的、自傷他害の恐れ)を問題にしなければならない時もある。この時に援助者が明確な価値基準を堅持していなければ援助ができない。
 第三に,価値の葛藤が生じたときでも、何が優先されるべきか、価値基準を明白にしていれば混乱を避けることができるからである。

*共
 ソーシャルワークの援助関係の前提として,援助者がクライエントの立場に自分を重ね合わせながら,クライエントの思考,感情,体験を援助者の認識の枠組のなかに取り込んでいくことをいう。共感とは,感情レベルでクライエントの反応を理解することだけでなく,クライエントの生活を具体的,全体的に理解し,状況内存在としてのクライエントを納得していくという,プロセスでもある。

3 自己理解の方
・援助者の、自らの理解、自己の把握が常に必要である。

*自己覚知の方法 (添付資料
・社会福祉援助技術演習 (社会福祉専門職ライブラリー―社会福祉士編)
尾崎 新  誠信書房 (1992/07)
「自分との向き合い方」103頁~

*自分自身に気付いたらメモを取るという方法。
①「客観的理解」という無理

②「欠点を修正する」という無理

<具体的な方法>
①自分で取り組む

②ケースを通して自己覚知

③相談援助演習等

④ワークショップ

*自己覚知を深める方法としては,スーパービジョンなどが代表的である。
実践事例を中心としてその過程において現れた自己について検討する。
また,つねに援助過程を振り返り吟味することも役にたつ。
 また、ワークショップ、グループ体験等も有効である。

*スーパービジョン
 社会福祉サービス機関では,新人や中堅専門職等の技術の向上,労働環境の向上,管理・運営,効果的な実践,機関内の人間関係機能の向上をめざして監督・指導が行われる。これをスーパービジョンとよぶ。スーパービジョンには,①教育,②管理・運営,および,③表現と支持の機能が含まれる。
 これらの機能を実施する人をスーパーバイザー(supervisor),スーパービジョンを受ける側をスーパーバイジー(supervisee)とよぶ。
 スーパービジョンはその目的,機能に応じて,機関内または機関外の経験保持者がその任にあたる。

<レジュメ4に続く>

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*パターナリズム
 パターナリズムは父権主義と訳される。人間関係を権利と義務の関係としてではなく,恩顧と保護の関係で捉える考え方。親子関係あるいは父子関係になぞらえて,国家や医者は,子どもや病人などに対して,相手方の最善の利益のために干渉することができると説くもの。
 例えば、患者は医療の内容についてわからないので,どのような医療を行うかは医療従事者にすべて任せるべき,という考え方。長年,医療ではパターナリズムが支配的な考え方であったが,消費者主権の考え方の高まり等を背景として,最近では患者が医療の内容を決定するという考え方が広まりつつあり,パターナリズムに対して否定的な意見が目立つ。

◎解説:精神分析 psychoanalysis [E] ; Psychoanalyse [G]
 S. フロイトによって創始された心理学の体系的な理論の総体をいう。フロイトは1922年刊行の百科辞典のなかで,①解明方法,②治療方法,③この方法によって得られた心理学的科学,と定義している。①は夢や錯誤行為,神経症の症状などの無意識的意味を探る心理学的な解明方法,②はこれらの方法を用いて行う心理療法,③はこれらの精神分析学的な解明方法と心理療法によって得られる経験的な素材に基づいて創り上げられた体系的な心理学理論の三つの意味をもっている,とされている。また,精神分析とは「抑圧された心的なものを意識化すること」とフロイトは定義したうえで,精神分析の「分析」とは,化学者が合成物を分析して,その構成要素を見つけだすのと同じように,合成物としての患者の症状を分析して,症状を構成する衝動を見つけだし,その衝動について患者自身が意識化できるようにするための働きかけであると述べている。

◎解説:コノプカ Konopka, Gisela (1910- )
 ユダヤ系ドイツ人で,アメリカへ亡命後帰化した。1950~60年代,グループワークの発展に大きな役割を果たした治療的グループワークの代表論者であり,収容施設入所者,非行少年,情緒障害児等に対するグループワークに取り組んだ。個人の社会生活上の問題解決を小集団がもつ治療的機能に着目したグループワークの定義や,実践指針となる14のグループワーク原則が有名である。[主著] Konopka, G., Social Group Work : A Helping Process, Prentice-Hall, 1963 (前田ケイ訳『ソーシァル・グループ・ワーク――援助の過程』全国社会福祉協議会, 1967).

◎解説:治療的グループワーク therapeutic group work
 第二次世界大戦において,身体的,精神的に傷ついた将兵やその家族の援助にレクリエーション活動が用いられ,治療やリハビリテーションを目的としたグループワークが行われるようになったことが布石となり,1940年代から治療的グループワークとして発展した。グループワーカーの積極的介入と個人の変化に影響力をもつ小集団の力動性により,治療の手段かつ治療の環境として人為的小集団が効果的であるとして,重要視された。

○解説:医学モデル
 西洋近代医学の基本的な枠組であり,クライエントの抱えている困難の原因を個人に帰着させ,その原因を正常からの逸脱,異常,病理として捉え,それを正常に回復させることにより問題の解決を図るという方法をとる。社会福祉の領域にも影響を与えた。現在では,医学モデルに対して,環境や状況のなかで人を捉えていく生活モデル,生態学的モデルが強調されるようになっている。

○解説:診断主義ケースワーク diagnostic casework
 1920年代,特にS. フロイトの精神分析の影響を受けて発展したケースワークの一体系。リッチモンドの『社会診断』(1917)の出版を機に,診断主義ケースワークは急速に広まった。当初,診断主義ケースワークは,個人の深層心理の「診断」と「治療」にその重点をおくあまり,人間の社会的側面を軽視してきた経緯をもつ。ところが,精神分析が自我心理学へと発展するにつれ,診断主義ケースワークも社会的存在としての人間観を手に入れ,「心理」「社会」の両観点を統合するに至る。診断主義ケースワークは,その後「心理社会的アプローチ」ともよばれ,欧米ではこの呼称の方がもはや一般的である。

◎解説:退行 regression
 S. フロイトが用いた精神分析の用語で,現在の状態から以前の状態へ,あるいは未発達な状態へ逆戻りすることをいう。発達途上にみられる「赤ちゃんがえり」が代表的な例である。退行には,心的装置や構造における部分が変化する「局在論的退行」と,以前の心的装置や構造が再度現れる「時間的退行」,原始的な様式が現れる「形式的退行」の3側面がある。さらに,精神分析療法の過程で現れる「治療的退行」は,治療力動との関わりにおいて生起するもので,自我の治療経過の基準になる。

◎解説:転移transference
 精神分析の治療過程において,クライエントの幼児期の心的外傷体験に由来する両親などに対する情緒反応が,現在の治療者に向けられること。精神分析では,この転移に治療的,意図的に関わることによって,クライエントの神経症症状の原因となっている無意識に抑圧された葛藤を解放していくことが治療の焦点となる。

◎解説:逆転移 counter transference
 精神分析の治療過程で,クライエントの転移感情に影響されて,治療者のコンプレックス(無意識の葛藤)が引き起こされ,治療の展開に治療者自身の心理的抵抗が生まれることをいう。対抗転移ともいわれる。精神分析では,この治療者側の治療抵抗をさらに治療者自身が吟味し,洞察することによって,クライエントの理解を深めることが期待されている。

○解説:ストレングス視点
 アメリカのソーシャルワーク実践理論において,1980年代以降提唱されている視点。それまで支配的であった病理・欠陥視点を批判する立場をとる。ストレングスとは,人が上手だと思うもの,生得的な才能,獲得した能力,スキルなど,潜在的能力のようなものを意味する。ストレングス視点とは,上手さ,豊かさ,強さ,たくましさ,資源などのストレングスに焦点を当てることを強調する視点であり,視座である。


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by yrx04167 | 2012-05-19 20:33 | Trackback | Comments(0)
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