相談援助の理論と方法 第6回講義レジュメ1 アウトリーチ、多問題家族支援方法とは 5/21 社会福祉士養成科

相談援助の理論と方法 第6回講義レジュメ1 2012/5/21 5・6時限(16:30-19:40)
日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)にて 担当:当ブログ講師

5章 相談援助の展開過程Ⅰ
2節 ケース発見 
1 ケース発見 テキストP98

<テキストP98>
・各機関、施設により、ケース=クライエントを発見する手法は異なる。
・クライエントからのアクセスを待つ場合が多いが、それのみでは問題が生じる場合がある。
・クライエントからのアクセスが自発的か非自発的かの違いもある。

<補足
*社会福祉問題は,家庭,職場,学校,地域など生活のあらゆる場面で発生するものであるが,通常いきなり専門機関に援助を求めて来談することは少なく,大抵は自分自身の努力で解決を図ったり,周辺の人々の手助けを求めて解決の糸口やきっかけをつくって努力をする。
 しかし,事態が変化せず,むしろ悪化したりして,自助や互助では解決が不可能であることを本人や周辺の人々が認識したとき,「最後の砦」として専門的援助を求めて,次のステップを踏み出すことになる。

2 相談の動機づけによる分類 テキストP99
 必ずしも問題を体現している当事者である本人が,自主的・自発的に専門家や機関を訪れるとは限らない。
・問題の持ち込まれる状況には,利用者本人から相談の場合もあるが,家族や親戚からの相談,あるいは近隣や専門機開からの紹介,通告,送致の場合もある。
 それぞれに応じた援助関係の形成に努めるべきである。

<テキストP99>
*ボランタリー・自発的なクライエント
・問題を抱えた本人が自主的・自発的に専門家や専門機関を訪問するか,電話等で問い合わせをして問題解決の契機を自らつくり出す場合であり,動機や目的も明確で来談の意図もはっきりしている,いわゆる自発的クライエントである。
 反面、課題(例:機関への過大な期待、問題解決への焦り)もある。
・利用者のワーカビリィティ、問題解決への意欲・動機づけ(モチベーション)を吟味する。
これらは、利用者を援助活動に参加させる際の利用者理解の指針となる。

*インボランタリーなクライエント(非自発的・拒否的
・本人が問題をもちながらも,問題自体に関する自覚や明確な認識がないか,あっても相談することについて,抵抗感,戸惑いや不安,不信感や恐怖などがあって,自主的・自発的にしかるべき専門家や専門機関・施設などに出向くことに困難や反発を感じている,いわゆる非自発的クライエントである。
 この場合は通常,家族,教師,民生委員など関係者が同行して専門機関に来訪する。

・さらに,専門家や専門機関などにサービスを紹介されたり勧められても,拒否し,反発する、拒否的なクライエントもいる。
・拒否的な態度をとる利用者に対しては、無理に介入していくことは避けるべきであるが、援助者側の見守りや具体的援助の提供が必要な場合がある。
・援助への不信感や,攻撃的・拒否的な態度をとる利用者の場合には,よき理解者としての役割が求められる。

3 電話での相談 テキストP101
*電話相

 電話による総合的な相談。電話による情報提供を行うほか,心理的な援助を行う。福祉サービスの利用に抵抗がある,あるいは対面での相談に抵抗があるといった要援助者の福祉ニーズに対応するために電話相談を一次的な受付窓口とする。電話での会話から福祉ニーズの緊急度・深刻度を判断し,対面による相談あるいは適切な福祉サービスの利用へとつなげることによって福祉ニーズを解決することが必要とされている。

4 ソーシャルワーカーが発見する場合 テキストP101
・予防的な援助活動として,利用者の来訪、申請をただ待つばかりではなく,援助者が地域や家庭に出向くというアウトリーチの活動の重要性も広がっている。

◎相談に現れないケースには、アウトリーチと称される、クライエントの日常生活の場(自宅など)に出向き、必要な情報の提供やサービスにつなげる活動である。ソーシャルワーカーが積極的に地域に出ていくという側面が強調されている。

5 一般的な留意点 テキストP102
・不安の除去と、ラポール形成が援助開始時の重用な課題である。

<補足>
*接近困難クライエント

(後述)

*多問題家
 貧困・傷病・心身障害・問題行動など複数の問題群をかかえた家族をいう。
 今日では,ハイリスク家族と表現される場合もある。
(後述)

・近年では、専門職からの積極的なアプローチなくしては生活が成り立たない人たちの存在が指摘されている。

・利用者の家族は、多くの事例において、キーパーソンとなる。また利用者が医療機関で治療(手術等)を受ける場合の同意など、家族のみがなし得る役割がある。
・しかし、福祉職員のストレッサーのなかで、利用者の家族は主要なものの一つでもある。

*多問題家族の特
・問題は複数、かつ慢性化
・社会的孤立状況
・外部に対する強い不信感
・接近・援助が困難な状況

*多問題家族への接近・支援方法と専門職の役
・多問題家族では、家族が利用者本人にとって、不利益をもたらす場合があり、福祉専門職は利用者本人を擁護することも重要となる。
・併せて、家族関係の断絶を回避し、改善を図ることが求められる。

1 施設への過剰な要求としての表
・家族からの要求に対し、職員チームで「施設として対応可能な範囲」を決め、職員全員がそれに沿って対応する。範囲を超える要求は、過剰な要求として捉える。
・家族への早急な対応、働きかけを継続する。

2 利用者への過剰な期
・利用者の家族が、利用者の状態を理解できずに、不可能な自立支援、退所などを要求する、もしくは実行してしまう場合がある。
・福祉専門職として、その家族を把握し、家族が正しく理解できる方法を探る必要がある説明にあたる専門職(医師など)の選択、他機関との連携等。

3 利用者に対する無関
・複雑な家族関係、遠い家族で起こり得る問題である。
・福祉専門職からは、連絡・コミュニケーションを継続することが不可欠である。

*家族暦
・家族歴とは、現家族が構成されたのち,生活が形成される過程のことをいう。
 世代間連鎖 後述

<レジュメ2に続く>

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日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科

*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です

社会福祉士の資格と仕事説明会・相談会 5/24(木)18時から19時半 日本福祉教育専門学校社会福祉士養成学科・養成科 当ブログ講師(本校専任講師)担当


社会福祉士及び介護福祉士法


*レジュメ続き・用語解説は下記をクリック



*接近困難クライエント
 重篤な生活問題があり,周囲の通報や来所の促しがあるにもかかわらず,社会機関などへの援助は求めず,ワーカーなどの訪問に対しても拒否的,攻撃的であることから,問題解決が困難となる援助対象者のこと。多問題家族ケースで知られてきたが,近年では児童虐待への対応としても,アウトリーチやネットワークなどの新たな課題となっている。

*多問題家族
 貧困・傷病・心身障害・問題行動など複数の問題群をかかえた家族をいう。
このような家族においては,自らの問題解決能力が低く社会資源の活用が望まれるが,社会資源の活用にも一定の能力が必要とされるため,そのような状況から脱却することは容易ではない。多様な職能によるネットワーキングや当事者の自尊感情を低下させずに問題解決を行うための技術の開発が必要である。今日では,ハイリスク家族と表現される場合もある。

*家族暦
・家族歴とは、現家族が構成されたのち,生活が形成される過程のことをいう。過程のなかでは家族が遭遇した危機や家族の出産・死亡などの出来事なども踏まえ,家族生活への影響などを考察する。利用者の考え方,情緒や行動パターンの特性は世代を越えて連鎖的に繰り返されることが多い(世代間連鎖)。援助者にとって,利用者がどのような価値観や生活パターン,コミュニケーション・パターンを受け継いでいるのか理解を深めることを助ける。
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by yrx04167 | 2012-05-20 20:41 | Comments(0)