相談援助の基盤と専門職前期8回講義レジュメ1 ソーシャルワークとアドボカシー権利擁護とは 社会福祉士養成

相談援助の基盤と専門職 前期第8回講義レジュメ1
*社会福祉士養成学科にて講義 概要版2012年  1クラス6月4日4時限、2クラス6月6日4時限

5章3節 ソーシャルワーク実践と権利擁護・続き
2 深刻な人権侵害の顕在化 テキストP99から

*社会福祉サービスが提供される場での人権侵害、社会福祉サービスの内容や提供方法の問題

<テキストP99要旨
・福祉施設で、利用者の身体拘束、外出の制限等が顕在化した過去の事件に関して。

◎解説:利用者の権利保
 福祉サービスの利用者は,サービス請求権のほかに,虐待や拘束からの自由,プライバシーの権利などの処遇過程の権利,適正な手続でサービスを受ける権利やサービス決定過程への参加の権利,権利侵害があった場合の不服申立てや訴訟の権利を有しており,これらの権利は,福祉サービスの申請から提供までのすべての場面で保障される必要がある。同時に,措置制度から契約制度への移行に伴い,利用者の権利擁護が課題となってきている。

*家庭内、家族員や民間人による人権侵害
<テキストP99要旨

・家庭内で起きる人権侵害である。
 一人暮らし,寝たきり,認知症の高齢者が増加し,また障害者が地域において自立した生活を志向するなかで,高齢者・障害者に対する財産侵害,不公正な取引,経済的な搾取,高齢・障害を理由とする差別,虐待など権利侵害の事例が多く見受けられるようになっている。
 また,児童虐待やドメスティック・バイオレンスに関しても社会の関心は高まっている。

<補足
 近年,現実に生じている,高齢者・障害者・児童・女性に対する権利侵害の実態を明らかにしつつ,社会保障の権利ばかりでなく,財産権,身体的自由,精神的自由などの市民権利をも含む諸権利の擁護の問題について検討し,権利擁護のシステムを構築することが課題となっている。当然守られるべき法的利益さえ侵害されている当事者の立場を擁護し,侵害されるおそれのある当事者の生活を支える手立てを講じようとするのが,「権利擁護」である。

3 権利擁護の定義 テキストP100
<テキストP100要旨

・自らの権利,要求、主張を表現できずニーズを充足できない人々を弁護、代弁すること。

<補足:アドボカシー・権利擁護
・制度、サービス機関、機関責任者が利用者の要求を無視したり不利益を与えたりする場合に,適切なサービスが提供されるよう要求し,サービスの開発を促進するよう機関や地域に働きかける代弁的役割である。
・アドボカシーとは、差別と偏見、不自由な生活を強いられてきた人々の権利を擁護するために、援助者が代弁し、変革を進めることをいう。また代弁的横能は、個々の利用者が現に受けている直接の具体的な不正を正していく機能と、地域社会で利用者あるいは他のすべての人々に不利な影響を与えているような政策などを改革していく機能がある。

4 ソーシャルワークにおける権利擁護の種類 テキストP100
<テキストP100要旨

 アドボカシーとは,たんに利用者の意思の代弁をするだけではなく,自己決定を援助し,利用者の生活と権利を擁護する活動である。力のない人に力を与え,声にならない人に声を与える直接介入,エンパワーメント介入である。

・アドボカシーは,個人または家族に対して行われる活動であるケース・アドボカシーと,同じような問題に直面する特定の集団に対して行われるクラス・アドボカシー(class advocacy)に大別される。
・アドボカシーには、担い手による分類として、セルフ・アドボカシー、シチズン・アドボカシー、リーガル・アドボカシー等がある。

5 権利擁護を行うシステム テキストP101
<テキストP101要旨

 アドボカシーを担う人のことを、アドボケート advocateと呼ぶ。
 ソーシャルワーカーは,利用者を支持し,倫理的な原則に基づいて利用者の最善の利益に向けて目的的行動を行う。つまり,ソーシャルワーカーの知識と技術を使って,行政・制度や社会福祉機関,サービス供給主体に対して,利用者が最も適切で最良のサービスが受けられるよう柔軟な対応や変革を求めていく一連の行動である。

6 ソーシャルワーク実践としての権利擁護 テキストP102
<テキストP102要旨

 秋山の整理によれば、権利擁護の専門的機能として,利用者の側にたって,①発見,②調整,③介入,④対決,⑤変革があげられている。

*権利擁護活動のプロセス-テキストP102参

<補足>
◎解説:セルフ・アドボカシー

 当事者が権利を自ら主張するのがセルフ・アドボカシーである。
 後述

◎解説:ペイシェント(患者)アドボカシー
 後述

◎患者の権利 patient's rights
 後述

○解説:バリアフリー barrier free
 障害者の生活・行動の妨げとなる障壁(バリア)が除去された状態をいう。
 後述

○解説:ユニバーサルデザイン universal design
 すべての人が使いやすいように考慮してつくられた建物や製品,情報通信技術などのデザインのこと。
 後述

<レジュメ2に続く>

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の基盤と専門職 前期7回講義レジュメ3 権利擁護、生存権保障、措置と契約とは 社会福祉士養成学科

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の基盤と専門職 前期7回講義レジュメ2 ソーシャルワークと社会正義、人間の尊厳、利用者本位とは

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の基盤と専門職 前期7回講義レジュメ1 ソーシャルワーク価値、倫理綱領とは 社会福祉士養成学科


社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 低所得者に対する支援と生活保護制度 重要ポイントレジュメ総集編 社会福祉士精神保健福祉士受験対策共通


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科

*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
社会福祉士及び介護福祉士法


*レジュメ続き・用語解説は下記をクリック



<補足>
◎解説:セルフ・アドボカシー
 当事者が権利を自ら主張するのがセルフ・アドボカシーであり,障害者や高齢者が自分の力で主張できるように,その人がもともと有している力を引き出す「エンパワーメント」の支援が,権利擁護においては特に重要となってくる。さまざまなサービスを必要としても,「ありのままの自分でよいのだ」とまず自らを肯定し,次に権利を主張してよいのだ,という権利意識を回復するための支援が,セルフ・アドボカシーの実現につながっていくともいえよう。

◎解説:ペイシェント(患者)アドボカシー
「患者とともに患者権利の擁護のために闘うこと」とされる。
◎患者の権利 patient's rights とは、患者の人権保障と医療への主体的参加を実現するために必要とされる権利の総称。その表現や権利内容は,必ずしも統一されてはいないが,おおむね患者の自己決定権を主軸として,情報アクセス権(カルテ開示請求権等),同意権,治療拒否権,プライバシー権,苦情申立権などがあるとされる。もっぱら患者・医療従事者関係において主張されるが,それにとどまるものではなく,医療制度に関するもの(例えば,医療サービスアクセス権)などを含む。

○解説:バリアフリー barrier free
 障害者の生活・行動の妨げとなる障壁(バリア)が除去された状態をいい,物理的環境のほか,現代では社会制度や文化・情報などの分野においても同様に,完全なる社会参加のための重要な概念となっている。欧米諸国では,1960年代から建築的障壁を取り除いた設計思想としてバリアフリー・デザインが登場し,70年代にかけて規格や法律などで公共建築物や住宅について,一定の義務づけがなされるようになった。ただ,ここでいう建築的障壁はもっぱら,車いす利用を想定した場合に問題となる段差などにスポットがあたっていて,障害の状態によってはほとんど配慮されないということが起きている。障害は多様であり,したがって何がバリアとなるかも多様である。現在では,このような問題意識を含めて,誰にでも使いやすいという意味のユニバーサルデザインが提起されている。

○解説:ユニバーサルデザイン universal design
 すべての人が使いやすいように考慮してつくられた建物や製品,情報通信技術などのデザインのこと。1970年代に,自ら車いすを使用していたデザイナーのロナルド・メイス(Mace, R.)が提唱し,アメリカのノースカロライナ州立大学ユニバーサルデザイン研究所で活動しながら先駆的な取組みを進めた。ユニバーサルデザインの考え方は,すべての人は人生のある時点で何らかの障害をもつという発想に基づいている。つまり,利用する人の障害のあるなしを基準にするのではなく,一般的な建物や製品では年齢や能力の違いから使いにくさを感じる人が必ずおり,デザイン段階で工夫をすることで,できるだけ多くの人が簡単かつ柔軟に使うことのできる製品をつくるという考え方である。そのデザインが普遍的な製品のかたちとして市場に流通することで,市場の拡大による製品のコストダウンが望めるという利点もある。
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by yrx04167 | 2012-06-07 17:15 | Trackback | Comments(0)
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社会福祉士養成校教員の個人ブログ。福祉施設職員ストレスケア研修、福祉士試験の重要事項や練習問題を掲載。福祉用語の検索も可能。筆者の担当講義の記録、研修のお知らせ、貧困とソーシャルワーク実践、倫理を発信


by yrx04167

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筆者 関屋光泰 プロフィール

日本福祉教育専門学校 専任教員。 大学講師。
 社会福祉士、精神保健福祉士。
 福祉施設職員研修講師
(職員のストレスケア、倫理等の講座)
 本校社会福祉士養成学科(大卒者等対象の1年制通学課程
)や大学福祉系学部等で、講義を行なっています。

 ブログ筆者 関屋光泰 の担当講義は、
・相談援助の理論と方法
・相談援助の基盤と専門職
・相談援助実習指導

・社会調査の基礎 等。
・社会福祉士受験対策講義等も担当しています

認定社会福祉士研修 講師
ソーシャルワーク機能別科目群(障害者の地域生活支援)


大学ではソーシャルワーク演習等を担当(兼任講師)。
日本福祉大学等の社会福祉士試験受験対策講座の講師を担当。


福祉施設職員研修の講師を務めています(東京都による委託研修・講師派遣事業)。
福祉職員や介護職員のストレスケア等の研修プログラムを開発、実施しています


*専門分野 関屋光泰
<業績一覧はこちらをクリック>

 貧困領域のソーシャルワーク実践及び調査、
 生活困窮者、生活保護受給者のグループワーク、精神科デイケア
 ソーシャルワーク実践と直結した専門職教育、福祉専門職養成におけるアクティブ・ラーニング
 福祉・介護職員の燃えつき・ストレスケア・メンタルヘルス


 横浜市の簡易宿泊所(ドヤ)街・寿町の医療機関(精神科・心療内科・内科等)に1999年から勤務。現役の社会福祉士・精神保健福祉士として実践も続けています。
 また、ホームレス・日雇労働者・ドヤ住民等の困窮者への支援や調査は、1993年から22年間、続けています。

・1970年代生まれ、長野県出身。


当ブログ筆者の講演が試聴できます。
貧困問題と相談援助
講演の一部を公開
(2013年9月5日)


<動画:当ブログ筆者の講義風景 社会福祉士養成学科にて
公式チャンネル >


当ブログ筆者の論文
『福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発』
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号
37頁から55頁 平成27年4月
ISSN 0919-2034


当ブログ筆者の論文「生活保護受給者を対象としたグループワーク ドヤ街「寿町」における実践報告と考察」 概要と筆者による関連する論文一覧

筆者の論文
「福祉専門職への転職と実践を支えるアクティブ・ラーニング」 『研究紀要』第22巻第1号,2014年
ISSN 0919-2034


同『研究紀要』』第22巻第1号 全頁 2014年 日本福祉教育専門学校

『職業訓練生たち-1年目職員が感じた介護&ストレス』

「介護人材Q&A 2015年2月号」,産労総合研究所


*筆者の論文要約
『簡易宿泊所街における民間支援活動と支援者のあり方について』


当ブログ筆者が執筆 新刊
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編
ISBN 978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂
第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)


2017社会福祉士国家試験過去問解説集 第26回-第28回全問完全解説 日本社会福祉士養成校協会編集 中央法規出版
ISBN978-4-8058-5338-2

450問を選択肢ごとに詳しく解説、科目別ポイント。過去3年分の国家試験全問題を掲載。最新の制度や数値にアップデート。

「2016精神保健福祉士国家試験過去問解説集」
 ISBN 978-4-8058-5162-3 中央法規出版

第28回社会福祉士国家試験合格発表2016年 正答と合格基準 合格体験報告会 日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科合格率84.9%62人合格 一般養成施設ルート(通学)合格者数全国第1位。

社会福祉士 国家試験受験対策コース 当ブログ筆者の受験対策講義

お問い合わせ 日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255
日本福祉教育専門学校本校舎は高田馬場駅から徒歩1分
新宿区高田馬場2-16-3



当ブログ筆者の出張講義 福祉施設職員研修 無料>
東京都の登録講師派遣事業
「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修」講座番号85

内容 介護、福祉職員のストレスへの対処や燃えつきの予防、心身の健康のセルフケアを支援する研修

「生活困窮者、生活保護受給者対象のグループワーク」講座番号79
内容 貧困、生活保護受給者対象のグループワークプログラムと留意点等を、ブログ筆者の実践や事例に基づき解説

「障害者福祉施設におけるグループワークの基礎」講座番号52
内容 福祉施設におけるグループワークのプロセス、方法、プログラム等の援助技術の基礎を解説。

「福祉施設職員の職業倫理、ハラスメント予防」講座番号86
内容 福祉施設職員に求められるモラルや福祉マインドの基礎と、ハラスメントの予防を含めて解説。

 上記はブログ筆者 関屋光泰が担当する研修です。
この講座は、東京都福祉保健局の委託による、福祉・介護・保育事業所対象の職場研修です。ブログ筆者が講師として出向きます。
詳しくは下記をクリック
東京都社会福祉協議会登録講師派遣事業


ソーシャルワーク実践研究会 ご案内 無料
ソーシャルワーク実践研究会
2016年11月5日(土)
14:30から16:00
会場 日本福祉教育専門学校 高田校舎

社会福祉士養成学科卒業生等の実践報告。
今回のテーマ「地域を基盤としたソーシャルワーク実践 社会福祉士の役割の真価を問う」
毎回、医療福祉や障害者福祉、貧困等の実践報告を行っています。

ご予約不要でどなたでも参加いただけます!

リンク:医療法人 ことぶき共同診療所

国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所

*筆者宛てのメールはこちら*
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