相談援助の理論と方法 第13回講義レジュメ5 児童虐待への対応、援助とは 概要 2 社会福祉士養成科

相談援助の理論と方法 第13回講義レジュメ5 概要 2012/7/9 5・6時限(16:30-19:40)
日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)にて 担当:当ブログ講師

<児童虐待の概要 後半>
 レジュメ4からの続き
*保護者の攻撃性

・子どもを虐待している保護者には、わが子を支配・攻撃することにより、自尊感情を得て、自己存在を確認している場合がある。子どもを支配・攻撃することにより継続的に安定した自己実現を図ることは困難であり、すぐに、本来の劣等感や自己不全感、不安、憎悪等が表出してくる。そのため再び虐待して自己確認をしようとする悪循環に陥ってしまう。虐待を繰り返し、しかも、
その虐待は過去のものよりも激しいものとなっていきがちである。
・また、虐待が生じている家族では、一見落ち着いているように見えても、ストレスが加わると一気に、あるいは爆発的に虐待行為が激しさを増すことが少なくない。

*虐待事例への援助の特質
・保護者の意に反する介入の必要性-子どもの生命や健全な成長・発達、権利を守るため
・虐待をする保護者のリスク―子どもにとって安心できる大人ではない。
*援助に際しての留意事項
 個々の子ども虐待は極めて多様であるだけでなく、福祉、保健、医療、教育、司法など多岐にわたる問題を抱え、かつその背景やメカニズムも複雑である。個々の問題に応じた複合的対処をしなければならない。

(1)迅速な対応
 児童虐待防止法では、「児童の安全の確認、児童相談所への送致又は一時保護を行う者は、速やかにこれを行うよう努めなければならない」(児童虐待防止法第8条第3項)と規定された。

(2)組織的な対応

(3)機関連携による援助-多様な複合的問題を抱える家族に対して

(4)子どもの安全確保の優先

(5)家族の構造的問題としての把握

 子ども虐待が生じる家族は、保護者の性格、経済、就労、夫婦関係、住居、近隣関係、医療的課題、子どもの特性等々、実に多様な問題が複合、連鎖的に作用し、構造的背景を伴っているという理解が大切である。したがって、単なる一時的な助言や注意、あるいは経過観察だけでは改善が望みにくいということを常に意識しておかなければならない。放置すれば循環的に事態が悪化・膠着化するのが通常であり、積極的介入型の援助を展開していくことが重要との認識が必要である。また、家族全体としての問題やメカニズムの把握の視点と、トータルな家族に対する援助が必要不可欠である。

(6)保護者への援助-虐待を行った者に対する対応も今後重要となる分野である。

(7)基本としてのカウンセリングマインド
保護者も往々にして虐待の被害者であったり、様々な困難に直面している者であることが多い。

(8)権限の行使

<対応の留意点>

・保護者が、関係機関の支援や働きかけを拒否することはハイリスク要因として捉えることが必要である。

・虐待する保護者の外傷に対する一見合理的な説明、反省や「もう虐待はしない」ということばにも注意が必要である。

・乳幼児等への虐待は、受傷の程度に関わらず、保護者が攻撃性・暴力性をコントロールできない危険な状況にあると判断すべきである。乳幼児自体の脆弱性、「子どもが泣き止まない」ことが保護者の暴力を喚起する要因となる場合が少なくないからである。なかでも、顔面や頭部に傷や傷跡がある場合には、より危険であると言える。暴力的な揺さぶりにより硬膜下血腫、網膜出血、背部の肋骨骨折を引き起こす「揺さぶられっ子症候群(Shaken Baby Syndrome:SBS)」は 2 歳未満の子どもに生じ、深刻な結果を引き起こすことが知られている。

*虐待する保護者のタイプと対応を踏まえる
①育児ストレスが高いタイプで、相談意欲のある保護者には受容的なアプローチ

・自ら不安を訴え相談したり、問題解決のニーズを感じている保護者には、多くの場合、受容し、共感し、傾聴することにより、保護者を支えていくことが求められる。虐待の程度が軽度である場合には、あえて虐待の告知をせずに、保護者の主訴へ対応するかたちで対応した方がよいこともある。その場合でも、虐待を保護者自身の問題として解決していくためには、時期をみて虐待であることに気づかせることが大切である。

②攻撃的で周囲の支援を受け入れないタイプの保護者には介入的なアプローチ
・虐待の事実について矮小化や否認するなど虐待認識に歪みを持っていたり、関係機関の支援を拒否したりして、状況の改善が見込まれない保護者の場合には、児童相談所は保護者と対峙し、子どもの保護や状況の改善について毅然として向かい合う姿勢をとる必要がある。児童相談所は保護者の行為が虐待に当たることを明確に告げ、保護者の無理押しを許さず、子どもの安全を守るためには積極的に介入し、必要であれば法的対応も辞さないという姿勢を、妥協のない行動で知らせる必要がある。そして、保護者が自らの行動を変えようとせざるを得ないというときに、支援者がいたわりやねぎらいの言葉をかけることで、保護者に支援を受け入れる姿勢が芽生えてくることも、決して少なくないと言われている。

<児童虐待の対応については、今後、詳細を解説する予定>

<講義レジュメ>
相談援助の理論と方法 第13回講義レジュメ4 児童虐待の子どもへの影響、リスク要因とは 1 社会福祉士養成 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記

相談援助の理論と方法 第13回講義レジュメ3 効果測定、独立変数、従属変数とは 7/9 社会福祉士養成科 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記

相談援助の理論と方法 第13回講義レジュメ2 モニタリングの手続き、手法とは 概要 7/9 社会福祉士養成科 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記

相談援助の理論と方法 第13回講義レジュメ1 モニタリング 経過観察とは 概要 7/9 社会福祉士養成科 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 社会福祉士 実習の目標(例) 相談援助実習指導レジュメ 前期第6回 社会福祉士養成学科にて



*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
社会福祉士及び介護福祉士法

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by yrx04167 | 2012-07-13 12:44 | Comments(0)