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相談援助の理論と方法第15回講義レジュメ4 ソーシャルワーク面接・基本的応答技法とは 7/30社会福祉士養成

相談援助の理論と方法 第15回講義レジュメ4 概要 2012/7/30 5・6時限(16:30-19:40)
日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)にて 担当:当ブログ講師

相談援助の理論と方法第15回講義レジュメ3 相談援助の基本的面接技法・技術とは 7/30 社会福祉士養成科 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記
<レジュメ3からの続き>
*基本的応答技法(面接技術)・続き
2 最小限度のはげまし……うなずき,相槌などで,相手の話しを促す<説明済

・援助者が、クライエントにその話を傾聴し、受容している姿勢を示す1つのしるしである。また、クライエントに話し続けるよう促し、励ますためである。うなずき等、反応を示しながら聞くことで、傾聴しようとする援助者の意思が伝わり、相手も話しやすくなる。
・非言語的な「最小限度のはげまし」とは、視線をあわせ、興味を持ち聴いていることを示すために上体をすこし前に傾けること、うなずく(首を縦に振る反応)等である。うなずきが相手の話の腰を折る危険性は少ない。
 一方、援助者が無表情、緊張し過ぎる、動きが大げさになり過ぎてはならない。

・言語的な「最小限度のはげまし」は、クライエントに共感を表現するものである。
  1.「なるほど」「そうですか」「ええ?」「そう?」「それで?」「それから?」
  2.1語または2語のくり返し。
  3.「もっとつづけて話してください」
  4.「うむむ……」「うーん」
  5.クライエントが話をした文章の最後の数語をそっくりくり返す。
・これらは、頻繁すぎるとわざとらしくなり、相手の話の腰を折ることにもなる。

・沈黙も有効に活用する。援助者の応答をはじめる前に、援助者が数秒間待つことを意味する。クライエントに話をつづけさせたり答えさせたりするための時間を与える。

<テキストP257要旨+補足 基本的応答技法>
3.繰り返し(単純な反射)……相手の言葉の-部か全部を単純に反射する

・クライエントの表現したことを、繰り返すことである⇒クライエントの話の中のポイント。
・「~なのですね」と、相手の言葉の一部を繰り返しながら聞くと、傾聴しようとする意思が伝わり易い。また、相手からのメッセージの確かな共有にも、繰り返しは役立つ。
・うなずき、相槌を打ち、繰り返したりしつつ、相手の話を一通り聞いた場合、最後に、相手の話を要約して返すと、確実にメッセージを共有できる。
・頻繁すぎると話しの腰を折るので、うなずきや相槌の合間に、相手の話の節目だけを繰り返す方が、効果的である。また、機械的にならないように注意が必要である。

<例1>
来談者:最近、もう本当に、何もする気が起きないんです。
援助者:何もする気が起きないのですね。
来談者:はい、そうなんですよ。
<例2>
来談者:学校に行こうとは思うんですけど、なかなか朝起きれないんです。
援助者:学校に行く気はあるのに、朝起きられないのですね。
来談者:夜なかなか寝つけなくって。だから朝がとても辛いんです。
援助者:夜、寝つけないから、朝が、起きられないのね。

4.感情の反射……相手の感情をそのまま反射する
・クライエントが言葉や非言語的表現で表した感情を、援助者がそのまま受け取って、言葉で返すことである。クライエントの言葉だけでなく、動作や表情などの非言語的表現を手がかりにして、その裏にある感情を受け止め、応答していくことが正確な感情の反射となる。耳で聴くだけでなく、「目で見る」「観察する」ことも非常に重要である。

<例1>
来談者:あのことを思い出すと、だんだんむかむかしてくるんです。
援助者:腹立たしいのね。
<例2>
来談者:うまく言えないけど、なんか心に穴があいている感じがして、辛いんです。
援助者:とても寂しい思いをしているのかしら。

5.感情の明確化……相手のクライエントの感情を明確にして示す
・感情の明確化は、援助者が傾聴し、クライエントの語りから感情を表現している部分に着目し、その感情の部分を要約して返すことである。
・感情の明確化は、援助者の想像力を働かせる部分もあるが、クライエントの気持ちや感情を正確に明確化できた時に、クライエントは自分の気持ちを理解してくれたという実感を得て、援助者に信頼感を持ち、両者の信頼関係が深まることになる。
・この感情の明確化は、「感情の反射」と似ているが、異なる点がある。感情の反射は部分的でクライエントの表現した感情の1つか2つに応答するが、感情の明確化は、クライエントが語るいくつかの感情表現をまとめるものである。つまり、クライエントが意識しているが言葉にはうまく表現できないでいる感情を、クライエントに代わって感じとり、伝え返していくものである。このような応答は、とても受容的に感じるものであり、意欲と勇気をもたらす。

<例>
来談者:病気で2回も留年をしているので、元々の同級生はみんな、もう卒業なんです。私はまだ1年生なのに。それに、今年の同級生たちは、私を何か避けているような気がして、学校に来ても一日中誰とも話をしないで、終わってしまう日もあって…。ここのカウンセリングルームだけでしか、私は話す揚がないんです。
援助者:留年して、元々の同級生たちと一緒に卒業できないのが寂しいんですね。それに学校の中に、話をする友だちがいなくて寂しいとも感じているのですね。

6.要約……相手の話を要約して反射する
 クライエントの話の中の重要部分を繰り返し、短縮し、具体化することが要約である。
 適切な要約はクライエントが自己理解を深めるのに役立つが、不適切な要約(歪曲)はクライエントの混乱を招いたり、信頼関係を損なうことにもなりかねないので注意しなければならない。
・援助者は、相手の話を、要点を押さえながら聞くことが必要である。また要約はできるだけ手短な方がよい。

<例>
来談者:若い頃は、いろいろ辛いことばかりが続きました。でも今は,生活もとても楽で、幸せなんです。
援助者:若い頃は辛かったけど,今は幸せなのですね。

7.言い換え……クライエントの言葉をワーカーの言葉で反射する
・〈いいかえ〉は,クライエントがいったことを正確にまたもとのクライエントに返す能力を援助者が示すことが要求される。効果的な<いいかえ>を行なうには,ときにはクライエントの気持を明確に把握するためにその人物になりきることが必要である
・クライエントのことばをさらに深く掘りさげる必要があるときには,いいかえは,発言した次のことばを促すはたらきももっている。また,クライエントが十分に話しつくしたときには,新しい話題への展開を促すこともある。同じ話を何度もくり返すときには,いいかえをすることにより他の話題へ移行させるのに役立つであろう。
・効果的ないいかえは次のように成り立つ。
 1.クライエントの名前および代名詞としての「君」「あなた」。いいかえを個人的に行なうことが,より効果的であることがはっきりと証明されている。
 2.クライエントのもっとも重要な語句。
 3.クライエントの言及したことばの本質をとらえて,濃縮し明確にした援助者の発言。

<例>
来談者:ぼくはジーンとトラブルを起こしちゃったんですよ。彼女はぼくの上司で,ある企画をすすめているんだけど、頭のいいふりをしやがって‥‥。僕のやることをいちいち指図するんですよ。まったく昨日はぼくがろくな仕事をしていないというんです。で,もしぼくがあらためないのなら,クビにするというんです。
援助者:ボブ,あなたは新しい監督とトラブルを起こして,彼女があなたをクビにするかもしれないことを気にしているのですね」
<例>
CL:もうずい分休んじゃったから、皆から取り残されていくような気がして。
SW:あせっているのかな?
CL:でも、―方で、どうにでもなれって思ってしまうんです。
SW:私にはイライラしているように感じられるんだけど。
CL:そりゃ大学に行きたいけど、もうだめでしょうね。
SW:もうあきらめたって感じ?
CL:僕はもうおちこぼれたんだ。ひとりで生活する力もないし、人間失格なんです。
SW:絶望的な気持ちと言い換えていいのかな?

・「直面」は、感情や課題、意見の相違などを開示し、対処の方法をともに探る。クライエントが自らの課題を理解するための援助である。

<レジュメ5に続く>

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*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
社会福祉士及び介護福祉士法

<社会福祉士 相談援助の実際 説明会・相談会>8/9(木)18時から19時半 日本福祉教育専門学校・高田馬場
 担当:当ブログ講師(本校専任講師、社会福祉士) お知らせ:進路検討中の皆様

by yrx04167 | 2012-07-30 12:55 | Comments(0)