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障害者に対する支援と障害者自立支援 事例問題等 障害が及ぼす心理的影響とは 社会福祉士・精神保健福祉士

障害者に対する支援と障害者自立支援制度
 事例問題等

<社会福祉士・精神保健福祉士国家試験受験対策web講座>
事例問題 盲ろう者支援に関する次の事例を読んで,問題98から問題100までについて答えなさい。*
〔事 例

 Gさん(女性,28歳)は,1歳2か月の時,両側性感音難聴と診断され,身体障害者手帳の交付を受けた。1歳6か月の時から補聴器を使用しており,小・中学校は地元の普通学校に在籍した。中学2年の時に,夜盲に気づき,眼科を受診したところ,網膜色素変性症と診断された。視覚障害が徐々に進行したため,地元の聾(ろう)学校高等部(当時)2年生のときに視覚障害の障害認定を受けた。卒業後,一般企業の経理を担当していたが,視力が更に低下し,経理伝票など,業務に必要な文書を長時間読むことが困難になったため,10年間勤務した後,先月退職し,自宅で家事手伝いをしている。Gさんは,今後の生活設計について相談するために福祉事務所を訪れた。
 障害の状況は,聴力(右115デシベル,左115デシベル),視力(右0.1,左0.1),中心視野10度以内で,身体障害者手帳の障害程度等級は1級である。コミュニケーションについては,表出は発語が中心であり,情報獲得は,口話(読話)と手話を併用している。手話は,聾学校高等部にいるときに友人から学んだ(問題98)。
 家族は,父,母,本人の3人で,父は65歳で,仕事はしていない。経済的には,父の老齢基礎年金と本人の障害基礎年金(1級)が家計収入であり,なんとか暮らしている状態である。都内に居住しており,近隣にスーパーマーケットや商店街,病院やボランティア・センターなどがある(問題99)。
 福祉事務所で相談した結果,Gさんは,地域で両親と生活したいと考えたが,盲ろう重複障害による様々な問題があり,地域で暮らしていけるか自信がない(問題100)。

問題98 福祉事務所の担当職員が,Gさんとのコミュニケーションをとる際の留意点についての次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。*

A 視力低下があるので,手話で話しかけるときは,できるだけ大きな動作にする。
B よく聞こえるように補聴器の近くでなるべく大きな声で話す。
C 話しかけるときは,口の動きが分かるように正面から話す。
D 確実に伝えるために,なるべく手のひらに指で文字を書くようにする。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×

問題99 Gさんに対する福祉事務所の当面の支援に関して,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 家計収入が不足しているので,本人の障害厚生年金を受給するための手続きをするために社会保険事務所に行くよう助言する。
B 視力を回復させることが一番大切であるので,角膜移植などの手術をするように病院の受診を助言する。
C Gさんが,調理や家事などの日常生活を問題なくできているかどうかを確認するために,それに対応できるリハビリテーションセンターに相談するよう助言する。
D Gさんが,安心して外出できるように盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業を行っている障害者団体を紹介する。

(組み合わせ)
  A  B  C  D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○

問題100 Gさんに対する今後の支援に関して,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。*

A 今後さらに視覚障害が進行することも考えられることから,心理的なサポートが必要である。
B スーパーマーケットや病院など地域の生活施設の安全な利用のために行動援護サービスを積極的に利用することが好ましい。
C コミュニケーションや移動の安全のために社会適応訓練を受けることが好ましい。
D 悪徳商法などの被害に遭わないように福祉サービス利用援助事業を活用することが必要である。

(組み合わせ)
  A  B  C  D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ×
<事例問題ここまで>


問題1 障害が及ぼす心理的影響に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい

A 視覚障害のある幼児が失明を自覚するのは,一般的には成長して集団の中に入り,周囲の自分に対する対応が違うことを意識したときだと言われている。
B 進行性の疾患にもとづく障害者の場合には,非進行性の疾患による者に比べて,障害の進行とともに情緒不安定などの心理的変化が生じるので,長期の心理的なサポートが必要になる。
C 中年で脳血管障害になった片麻痺の人は,抑うつ的になることがあるが,それを乗り越えていく人も少なくない。
D 高齢になって聞こえなくなった場合には,生活の経験もあり,読話や筆記,補聴器の使用などの代替のコミュニケーション手段が使えるので,困ることは少ない。
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ × 
2 ○ ○ × × 
3 ○ × ○ × 
4 × ○ ○ ○ 
5 × ○ × ○ 

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日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
社会福祉士及び介護福祉士法

入学予定・進路検討中の皆様へ
児童虐待の実態と課題【社会福祉士入門講座】
日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科の入学前講義
1/24(木)19時から21時 会場:高田校舎 参加無料


*解答・解説:難聴、補聴器、手話、視覚障害は
騒音性難聴,中毒性難聴,遺伝性難聴,心因性難聴とは 下記をクリック




<解答>
問題98  解答5

問題99  解答5

問題100  解答3

問題1 答1
 ○ ○ ○ × 

<解説>
難聴   hearing loss
 コミュニケーションにおいて問題となるような聴力損失であるが,言語を理解するのには十分な聴力がある場合をいう。聴覚経路のさまざまな部位の障害によって生じ,外耳および中耳が障害されている場合,伝音難聴という。内耳,聴神経,脳幹皮質が障害されている場合,感音難聴あるいは内耳性難聴という。また,原因によって,騒音性難聴,中毒性難聴,遺伝性難聴,あるいは心因性難聴などに分けられる。

*手話 sign language
 視覚を媒介とした聴覚・言語障害者のコミュニケーション手段の一つである。手話の語彙は,手の形,手の向き,手の位置,方向などの要素を組み合わせて成立しており,さらに顔の表情,身体表現,方向や受動態・能動態などを表すために効果的に空間を利用することによって,情報のやりとりを行う。

*補聴器 hearing aid
 難聴児・者の残存聴覚活用のために音を増幅して聞かせる携帯用の電気機器。聴覚保護のために,最大出力音圧の上限を調節できるようになっている。種類として,箱型,耳掛型,耳穴型等があるが,主流は耳掛型である。補聴器が有効な難聴は,平均聴力レベルが40dB以上の感音,混合および伝音難聴で,90dB以上の高度難聴では限界がある。最近はアナログに加え,コンピュータによる微細な聞こえの調整が可能なプログラマブル補聴器やデジタル補聴器も市販されている。

*聴覚障害 hearing impairment
 外界からの音波が電気信号に変換されず,神経インパルスが脳に伝達されない状態のため,聞こえの欠陥(聴力損失)を生み出す状態である。聴覚障害は,その聴力損失の程度によって,大きく「聾 (ろう) 」と「難聴」に分けられる。聾とは,聴力損失のレベル(聞こえの程度は聴力レベルという尺度で測り,dBがその単位である。聞こえる音の強さを測り,その最小値をその人の聴力の程度とする)が90dB以上の場合であり,音声言語を聞いて理解することが困難であり,コミュニケーションは主に視覚に頼る。先天的あるいは生後まもない時期に聴力損失が90dB以上になった児は,手話,手話通訳者,読字,書字,あるいは,他の視覚的手段を用い,また,後天的に聾の状態になった者(中途失聴者)は,上記手段に加えさらにさまざまな手段を用いて(例:字幕等),コミュニケーションを図る。一方,難聴は聴力損失レベルが25dB~90dBの範囲の場合であり,補聴器あるいは他の聴能機器を用いて残存聴力を活用し,さらには,読話,サイン言語等を用いて,コミュニケーションを図る。

*視覚障害 anomaly of visual perception
 視覚器, 視神経,視路,視覚中枢のどこかに病変や異常があるために日常生活や社会活動に制約を受けている状態をさす。法律上では,法律の目的によって学校教育法施行令や身体障害者福祉法などに規定されている。身体障害者福祉法で規定されている視覚障害は,障害が永続するもので,①両眼の視力がそれぞれ0.1以下のもの,②1眼の視力が0.02以下,他眼の視力が0.6以下のもの,③両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの,④両眼による視野の2分の1以上が欠けているものである。学校教育法施行令で規定されている視覚障害は,両眼の視力がおおむね0.3未満のものまたは視力以外の視機能障害が高度のもののうち,拡大鏡等の使用によっても,通常の文字,図形等の視覚による認識が不可能または著しく困難な程度のものである。


*社会福祉士・精神保健福祉士受験対策 共通科目
社会保障 受験対策重要ポイントレジュメ
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by yrx04167 | 2012-12-31 16:48 | Comments(0)