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相談援助の基盤と専門職 後期第4回講義レジュメ1 予防的及びリハビリテーション的モデルグループワークとは

相談援助の基盤と専門職 後期第4回講義レジュメ概要1
 日本福祉教育専門学校社会福祉士養成学科(昼間部1年制)にて当ブログ筆者(本校専任講師)が講義 

第3章 相談援助の形成過程Ⅰ・続き
<詳細は講義にて>
*はじめに:参考資料等
2 グループワークの形成 P65
*グループワークの発祥

 「グループワークの母」とも称されるG.コイルは、YWCAやセツルメントでの実践経験を、J.デューイの進歩主義教育学と結びつけて、グループワークを理論的に体系化した。
 G.コノプカのソーシャル・グループワークの定義とは、グループワークとはソーシャルワークの一つの方法であり、意図的なグループ経験を通じて、個人の社会的に機能する力を高め、また個人、集団、地域社会の問題により効果的に対処しうるよう、人々を援助するものである。

<解説>
・セツルメント運動、青少年団体運動、成人教育運動、公共のレクレーション運動 略
 ライシアム運動。19世紀前半、アメリカで始まった文化・教育運動。
 1923年、ウェスタン・リザーブ大学・大学院 略 詳細は講義にて。

*集団援助技術の定義をめぐる議論
・1935年の全米社会事業会議に、W.ニューステッターが集団援助技術の最初の定義を明らかにした。
 「グループワーク・集団援助技術とは自発的なグループ参加を通して、個人の成長と社会的適応を図る教育的過程である」。
 集団援助技術の帰属をめぐる議論 略

・集団援助技術は、理論的にはJ.デューイの進歩主義教育学や、1930年代の実証的グループ・ダイナミックスの影響を受けている。
 実証的グループ・ダイナミックスの代表的なものとして、人間関係的満足度を高めることが生産性の向上につながることを明らかにしたG.メイヨーらによる「ホーソン工場の実験」や、K.レヴィンらのリーダーシップの研究、J.モレノらのソシオメトリー等がある。
 グループ・ダイナミクスでは、集団内のコミュニケーションや凝集性、集団圧力などを主要な研究対象とする。 略 詳細は講義にて。

・レヴィンは実験に基づき、リーダーシップのタイプを専制型・放任型・民主型の3つに分類した。

 1939 コイルGrace Coyle 『グループワーク年鑑』
 「グループワークとは、任意につくられたグループで、余暇を利用して、グループリーダーの援助のもとに実践される一種の教育的過程であり、グループ経験を通して、個人の成長と発達をはかるとともに、社会的に望ましい目的のため、各成員がグループを利用することである」

 1948 トレッカーHarleigh B. Trecker 『ソーシャル・グループ・ワーク/原理と実際』
 「ソーシャル・グループ・ワークは、ひとつの方法であり、それによって社会事業団体内のグループに属する各人がプログラム活動におけるかれらの相互作用を指導するワーカーによって助けられ、かれらのニーズと能力に応じて、他の人びとと結びつき、成長の機会をもつ経験を与えられ、もって、個人、グループおよび地域社会の成長と発展をはかろうとするものである。ソーシャル・グループ・ワークにおいては、各人はワーカーに助けられて、各自の成長・変化、および発達のための主要な手段として、グループそのものを用いる。ワーカーはグループ全体のためと地域社会のために、指導のもとにあるグループの相互作用の結果である各人の成長とその社会性の向上をもたらすよう助けることに感心をもつ」

*治療分野におけるグループワーク
-コノプカのグループワークの定義―
<ポイント>

 1940年代から50年代は、治療グループワークが台頭し、障害児施設や一般・精神病院などで導入された。
 コノプカは、個人の社会生活上の問題解決を図るため、小集団が持つ治療的機能に着目した。

<解説>
*集団と個別化 略

*G.コノプカの集団援助技術(グループワーク)の定義 略

*「成長志向グループ」と「社会活動(ソーシャルアクション)志向グループ」

*用語解説:デューイ Dewey, John (1859-1952)

 問題解決型学習 略

*用語解説:グループ・ダイナミックス  略

*用語解説:インフォーマル・グループ
 1920年代のアメリカでメイヨー(Mayo, G. E.)らのホーソン工場実験のなかで,この小集団の存在と意義が知られるようになった。 略
 組織内には非公式(インフォーマル)組織が存在すること、非公式組織における仲間意識や集団内の規範が作業能率に影響を与えることをメイヨーは明らかにし、人間関係論を展開した。

*用語解説:ソシオメトリー sociometry
 モレノ(Moreno, J. L.)によって提唱された。ソシオメトリック・テストが用いられることが多く,ある集団の個々人の選択・排斥の度合(ソシオマトリックス),それらの選択・排斥関係の図示(ソシオグラム)などから,集団の構造を解明する。

*グループの凝集性
・グループのまとまりのこと。レヴィンが用い始めたグループ・ダイナミックスの主概念。略

*サブ・グループ(下位グループ) 略

*グループ規範

 集団内で共有される判断の枠組みや思考様式などを集団規範と呼ぶ。集団規範には、明文化されているものや、暗黙のうちに共有されているものもある。凝集性が高い集団ほど、集団規範が及ぼす影響は大きくなる。

*われわれ感情 略

*同調、グループ圧力 略

*用語解説:コノプカ(Konopka, Gisela.)

 略 収容施設入所者,非行少年,情緒障害児等に対するグループワークに取り組んだ。
[主著] Social Group Work : A Helping Process, 1963  (前田ケイ訳『ソーシャル・グループ・ワーク ―援助の過程』全国社会福祉協議会, 1967)、  『収容施設におけるグループワーク』(1954年)

○治療分野におけるグループワーク:補足
<ソーシャルワークと戦時体制>
・米国国内での協力と、兵士に対する治療的グループワークの実践。
 退役軍人病院における社会復帰を目指したグループワーク実践。

・1946年、グループワークがソーシャルワークの一方法であると公式に定義づけられる(先述)。同年、グループワーカーの専門職団体(AAGW=アメリカグループワーカー協会)が結成。

*用語解説:シュワルツ Schwartz, William (1916-82)
ワーカーの機能を「個人と社会が互いに手を差し伸べる過程を媒介すること」と明示した媒介機能は,グループワークのみならず,ソーシャルワーク全体に多大な影響を与えた。略

<補足>
*グループワークとは

・グループワークの援助媒体 略

*ロスマンとパペルのグループワークの3つのモデル
「社会的目標モデル」「治療モデル」「相互作用モデル」である。
*「治療モデル」は、現在では「予防的及びリハビリテーション的モデル」「組織モデル」とも呼ばれている。
*「相互作用モデル」は、方法論統合化の視点から,グループを媒介としながら個人と社会組織が互いの利益のために相互援助システムとして機能することを目的とする。

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2014社会福祉士国家試験過去問解説集 第23回―第25回全問完全解説 中央法規出版


*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です。日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255

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by yrx04167 | 2013-11-06 12:27 | Comments(0)