相談援助の理論と方法 第4回講義2 スクールソーシャルワーカーと子ども貧困、世代間連鎖とは。 困窮と学力

相談援助の理論と方法Ⅰ 第4回講義レジュメ概要2
 当ブログ筆者(本校専任講師)が、社会福祉士養成科(トワイライト、ナイト)にて、5月7日5・6時限に講義    
<レジュメ完全版は講義にて配布。詳細は講義にて解説>


*はじめに
・参考文献について。

 過去の精神医療における処遇・人権問題。しかし、貧困領域にとっては、功罪がある。
 支援の対象についての、知識と理解の必要性。例えば、社会学等の研究やジャーナリズムの成果を応用する-特に質的調査、参与観察。実践に応用することも一つの方向性であろう。

・事例

<第3回レジュメの補足>
・参考文献、レジデンシャル・ソーシャルワークの関連事項 テキストP21
*解説:施設症 institutionalism

 略 詳細は講義にて
 無感情,主導性の欠如,従順さなどの特有の退行現象や受け身的依存性を伴う状態。
 ゴッフマンは精神病院などに対する参与観察の結果から,閉鎖社会である収容施設を「全制的施設」(トータル・インスティテューション)とした。
 同義の用語には「ホスピタリズム」。 略

*解説:施設の社会化
 略

*コミュニティ・ソーシャルワーク 地域のソーシャルワーカー テキストP20
 コミュニティを基盤にして展開されるか,コミュニティを意識したソーシャルワークを指す。
コミュニティ・ソーシャルワークの考え方は,1982年にイギリスで公表されたバークレイ報告に源がある。 略

・コミュニティ内の福祉ニーズの多様化、福祉問題(孤独死や虐待等)の深刻化に対応するため、コーディネートやネットワーク、これらを推進するためのコミュニケーションが、ソーシャルワーカーに求められている。
 換言するならば、施設・機関等の拠点での個別援助のみのシステムから、ネットワーク型の総合的援助へのシフトが必要とされていると言えよう。

*学校(スクール)ソーシャルワーカー テキストP22
・子どもたちの生活の質を高めるために,学校、教育領域を基盤としてソーシャルワーク援助を実践する専門職。
 教育上の困難の社会的,家庭的,精神的原因を探り,環境との緊張や葛藤の緩和を図る。
 近年、学校を取り巻く環境は変化し、貧困・生活困窮、虐待・家族問題、薬物問題,不登校,いじめ・校内暴力などの問題が顕在化している。スクールソーシャルワーカーの機能は、これらの問題に対処し,学習環境を整え,援助することである。 略

*参考:スクールソーシャルワークの課題としての子どもの貧困問題
*子どもの貧困

 子ども時代の不平等、学力問題。

<子ども自身に現れる貧困・社会排除の様相>
・教育問題、不登校

 例:学力形成等の阻害
 学習環境の整備、学習支援の必要性

・健康問題―例:生活困窮による不健康な生活環境

・食生活・栄養問題-例:極端な偏食、不安定かつ孤食による家庭の食事。

・問題行動-犯罪被害リスク

・生活環境の問題

 例:多様な問題の世代間連鎖-親の離婚、複雑な家族関係、虐待リスクの増大。

・児童虐待-多問題家族。

・世代間連鎖

・青木(2003)は、北海道B市における、生活保護受給母子世帯及び非受給母子世帯の実態調査から、経済的困窮に加えて、虐待や暴力・DV等の家族問題、人間関係(例:恋愛)、アルコール依存症などの、問題の世代的再生産・連鎖について明らかにしている。それは、貧困や虐待等の諸問題が、社会的不平等によって、重層的に母子世帯に現れ、次世代に貧困と諸問題が連鎖しているという悪循環の構造である。
(青木 紀 編 2003『現代日本の「見えない」貧困──生活保護受給母子世帯の現実』)

・支援の方法としての学習支援

*補足:ソーシャルワークの四側面 テキストP20

・関心の単位-主要には個人、家族、地域社会
・方法-今日的にはメゾ領域が中心になりつつある。
・実践領域-コミュニティと、隣接領域との協働・連携が課題である。
・社会的問題-PSWとの重複領域として、貧困・公的扶助における、精神障害、アルコール・薬物等の依存症とその後遺症等の健康問題が挙げられる。
⇒依存症には専門的な治療等、継続した援助を必要とする-通院・診療の継続、抗酒剤の服用、
自助グループ参加 ⇒ 回復の可能性

<関連ニュースクリップ>
学力向上にも必要な「貧困対策」 、貧困等による学力格差、学校の役割に期待する声
THE PAGE 5月5日(月)9時0分配信

引用「貧困による学力格差で懸念される世代間連鎖
 生活保護世帯などを対象とした「就学援助」を受ける児童・生徒も、1995年度は6%に過ぎませんでしたが、12年度は15.6%に。1クラス40人のうち6人が受給している計算です。道中隆関西国際大学教授の調査(2008年)によると、生活保護世帯の4分の1が子ども時代にも生活保護を受けており、「貧困の連鎖」が懸念されています。家庭の状況が子どもの進学のみならず、学力も大きく左右することが分かってきているからです。
 文部科学省は先ごろ、2013年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の分析調査結果を発表しました。家庭所得と両親の学歴を加味した「社会経済的背景」(SES)という指標で比較すると、SESが高いほど学力が高くなることが明らかになりました。学力を上げるには家庭での勉強時間を長くするのが有効なのですが、それでも平均でSESの高い世帯の子どもにはかなわず「学習時間の効果は限定的と言わざるを得ない」のが現状です。一方で、SESの低い子どもを多く抱える学校でも学力の底上げに成功している学校があることが、調査から分かっています」。引用ここまで

<番組情報>
ドラマ サイレント・プア 第5回「30年の孤独」
 NHK総合 2014年5月6日(火) 午後10時から
 【再放送】NHK総合 2014年5月13日(火) 午前1時25分から(=12日月曜深夜)

・今回は、30年間の引きこもり男性のケース。


TBSラジオ「荻上チキ・Session‐22」
Main Session 5月6日火曜 22時40分頃から
 テーマ「狙われるホームレス。相次ぐ襲撃をどう防げばいいのか?」

 スタジオゲスト
「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」代表理事で、ノンフィクション作家の 北村年子さん
同代表理事で、野宿者ネットワーク代表の 生田武志さん

<AMラジオ(954kHz)以外にも、パソコンでも視聴可能(無料) 下記をクリック>
 ラジコ radiko.jp


コミュニティ・ソーシャルワーカーになるには CSWと貧困問題
 5/22(木)18時から19時半 会場:日本福祉教育専門学校高田校舎

 ドラマ『サイレント・プア』で話題の社会福祉協議会で働くコミュニティ・ソーシャルワーカー。地域の貧困等に向き合う社会福祉士の相談援助について、貧困問題に取り組み20年の当ブログ筆者(本校専任講師)が解説します。
参加無料、一般公開

貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中

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*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部(通学)です
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by yrx04167 | 2014-05-06 12:40 | Comments(0)