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障害者に対する支援と障害者自立支援練習問題 国際生活機能分類ICF,脊髄損傷とは。延命治療と老老介護

障害者に対する支援と障害者自立支援制度
 練習問題・中級

*社会福祉士受験対策web講座

問題1 国際生活機能分類(ICF)に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい

1 2001年の国際生活機能分類(ICF)において、生活機能は「心身機能・身体構造」,「活動」,「参加」から構成され,背景として環境因子,個人因子の各要因の、相互作用モデルが採用された。
2 国際生活機能分類(ICF)における「活動」とは、日常生活動作だけでなく様々な生活行為である。
3 国際生活機能分類(ICF)で介護者は、背景のうちの「個人因子」に含まれる。
4 国際生活機能分類(ICF)の環境因子には、他の人々の社会的な態度による環境の持つ影響力が含まれる。
5 国際生活機能分類(ICF)の活用で、生活機能や疾病等の共通理解が進むと期待されている。

<関連ニュースクリップ>
和歌山県内の介護者 4分の1が75歳以上 72%が延命治療を望まない 老老介護と孤立
(紀伊民報 2014年04月28日更新)

引用「高齢者が高齢者を介護する「老老介護」状態が和歌山県内でも進行していることが、県が昨年6~9月に実施した「高齢者等生活意識調査」で浮き彫りとなった。65歳以上の要支援・要介護者に聞いた「主な介護者」の年齢は、約4分の1が75歳以上。65歳以上は約56%、65歳未満が約41%で、割合は10年ほど前とほぼ逆転した。
 要支援・要介護者の世帯状況を見ると、65歳以上の配偶者と2人暮らしが31・2%、単身も27・4%いるなど、約6割が高齢者だけの家庭となっている。
 要支援・要介護者の介護者側に聞いた「介護で困っていること」(複数回答)では「精神的な負担」が最多で44%。次に「身体的負担」は31・1%。「経済的な負担」は20・3%で、「ついつらくあたってしまう」20・3%、「介護を手伝ってくれる人がいない」も18・5%いた。
 高齢者が以前より社会的に孤立しやすい状況になっていることも分かった。「高齢者一般」を対象に、昼間は独居状態かと聞いたところ「ときどきある」と「常にそうである」を合わせると6割近くの57・9%になり、特に「常にそうである」は04年度の14・2%から21・4%に増えた。
 近所づきあいについては「お互いに訪問し合う人がいる」が04年度は50%だったのが、39・7%と減少。要支援・要介護者の外出については15・9%の人が「月に1~2回」、15・7%の人が「ほとんどない」と答えた。
 延命治療についての質問もあり「高齢者一般」の72%が延命治療を「望まない」と回答。「望む」は2・2%しかなかった。「最期を迎えたい場所」は自宅が48・5%と最多で、病院は9・4%、介護施設などは7・8%だった」。引用ここまで

当ブログ筆者の論文 最新
「福祉専門職への転職と実践を支えるアクティブ・ラーニング」 『研究紀要』第22巻第1号,2014年

同『研究紀要』』第22巻第1号 全頁 2014年 日本福祉教育専門学校


貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中

<ブログ記事 バックナンバー>
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*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部(通学)です
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初めての人のための 社会福祉士説明会
2014年6/12(木)18時から19時半
会場:日本福祉教育専門学校高田校舎
電話:0120-166-255

 児童福祉から病院まで、相談援助の専門職=社会福祉士の仕事の実際を当ブログ筆者(本校専任講師)が解説します。ご質問や相談も歓迎です
参加無料、一般公開

*解答と解説:国際障害分類、ICF(国際生活機能分類)、
肢体不自由 脳性麻痺 中途障害、脊髄損傷 自律神経機能障害、
現実見当識訓練(Reality Orientation:RO) 教室ROとは 下記をクリック




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<解答>
問題1 答 3
 3 誤り。ICFで介護者は、背景のうちの「環境因子」に含まれる。

<ポイント>
■国際障害分類

 WHO(世界保健機関)が提唱する国際的な障害分類。1980年に試案としてICIDHが提起され,92年に正式な国際分類となった。2001年,改訂版が承認され,ICF(国際生活機能分類)と改称された。
 ICIDHでは「機能障害→能力障害→社会的不利」という線形モデルが採用されていたが,ICFでは心身機能・身体構造,活動,参加,環境因子,個人因子の各要因の相互作用モデルが採用され,障害というマイナスの側面のみを記述するのではなく,健康一般を記述するものとなった。

*用語の定義
・健康との関連において
 心身機能(body functions)とは,身体系の生理的機能(心理的機能を含む)である。
 身体構造(body structures)とは,器官・肢体とその構成部分などの,身体の解剖学的部分である。
 機能障害(構造障害を含む)(impairments)とは,著しい変異や喪失などといった,心身機能または身体構造上の問題である。
 活動(activity)とは,課題や行為の個人による遂行のことである。
 参加(participation)とは,生活・人生場面(life situation)への関わりのことである。
 活動制限(activity limitations)とは,個人が活動を行うときに生じる難しさのことである。
 参加制約(participation restrictions)とは,個人が何らかの生活・人生場面に関わるときに経験する難しさのことである。
 環境因子(environmental factors)とは,人々が生活し,人生を送っている物的な環境や社会的環境,人々の社会的な態度による環境を構成する因子のことである。

・人の生活機能と障害は,健康状態(病気〈疾病〉,変調,傷害,ケガなど)と背景因子とのダイナミックな相互作用と考えられる。背景因子には個人因子と環境因子の2つがある。ICFは本分類の基本的構成要素である環境因子の包括的なリストを含んでいる。環境因子は生活機能と障害のあらゆる構成要素と相互に作用しあう。環境因子の基本的な構成概念とは,物的な環境や社会的環境,人々の社会的な態度による環境による,促進的あるいは阻害的な影響力である。

*脊髄損傷
 交通事故,高所からの転落,スポーツ事故などの外傷による脊椎の骨折や疾病により,脊髄に損傷を受けたために起こる障害である。頸髄での損傷では四肢麻痺,胸,腰,仙髄の損傷では下肢の対麻痺が生ずる。完全損傷の場合には,運動機能のみならず,損傷部位より下位の表在・深部感覚のすべてを脱失する。両下肢麻痺のために,移動に車いすを使用する場合が多い。また随伴する呼吸機能障害,感覚障害による褥瘡 (じょくそう) ,排尿・排便障害,自律神経機能障害などの症状に対する管理が,社会復帰において重要な鍵を握る。

*肢体不自由
 四肢または体幹のいずれかに障害のあるものの総称である。身体障害者福祉法では,上肢,下肢,脳原性障害(上肢機能,移動機能)に区分している。原因としては,①骨・関節系,②筋系,③末梢神経系,④中枢神経系などの疾患や外傷によることが多い。1996年の厚生省(当時)の身体障害者実態調査によると,肢体不自由が身体障害の56.3%と過半数を占めている。また,肢体不自由児は1991年の7万6200人から4万1400人へと減少したが,肢体不自由者は中途障害の増加,高齢化の増加によって増えている。肢体不自由児の原因疾患は脳性麻痺が多く,肢体不自由者の場合は,脳血管障害,ついで骨・関節疾患が多い。

*現実見当識訓練(Reality Orientation:RO)
 見当識障害を改善し,現実認識を高めることがねらいである。具体的には、名前や年齢,物の名前などの基本情報の反復学習を行う。
 そして、混乱や失敗に対しては,肯定的・受容的に対応する。また、教室ROでは,ゲームを取り入れるなど参加者の相互交流を図る。

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by yrx04167 | 2014-05-25 22:35 | Comments(0)