介入の方法、危機介入、社会的支援介入、セルフケアとは 相談援助の理論と方法講義レジュメ 第22回前半

相談援助の理論と方法Ⅰ 第22回講義レジュメ概要 前半
 当ブログ筆者(本校専任講師、社会福祉士)が、社会福祉士養成科トワイライト・ナイトにて、2014/09/25に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>


*はじめに-参考資料等
 福祉・介護職員のストレスに関して。専門職の「共感疲労」、感情のケア。
 事例。略
 援助専門職も、実践現場(職務)からのストレスが、自らの心身の負担になるときもある。
 タテマエ(理念等)のみの対応ではなく、専門職自身のカタルシスを図ることの必要性。
 例えば、職務の間にも、現場から心理的な距離を置くための職員間の会話の工夫等である。
 現場の裏側における、専門職の感情の表出、率直な表現が、ストレスから個々の職員を、施設・組織を守ることの基礎となる。職場の環境として、職員の休憩のためのスペースは、職員のストレスケアの場として、重要であると言えよう。
 これらは、専門職の感情のコントロールの維持につながる。
 援助専門職自身のストレスケアや研修等の学びの機会から、援助を必要とする多くの人びとに寄り添い、人を支える新たな実践の力を得る。
 福祉領域は、サービスの根幹は人にある-サービスの質の要である。
 つまり職員の心身の健康と自己実現、成長、チームワークこそ、現場の力の源泉と言えよう。 略

*困難の言語化によるストレスケア
 何らかの経験に意味を付与するためには、言語化する必要がある。つまり、ストレスが掛かる困難な状況を語ることによって、意味を見出すことが可能になる。
 例えば、最近の職務における困難な経験は、自らの成長のための試練である。 
 また、利用者の心身の痛みに関わる際、その気づきを言語化する能力が必要である。
 これらを共有化する能力も求められる。

・福祉専門職として期待される役割によって、拡張された自己とも捉えられる。
 それは、仕事のやりがい、専門職としての誇りにも繋がる。
 反面、対人援助の専門職特有のストレスに適切に対処することが求められる。
 この二つの側面を語ることが、専門職自らの拡充の起点となると考えられる。


10章2節 介入の方法と留意点・続き
<ポイント>
・介入は、アセスメントを経て立案された支援計画の実施である。
 直接的介入・活動と間接的介入・活動に分類ができる。
1 介入の方法 テキストP207
1) 計画に目標を明記し介入の方法(レパートリー)を選択

・短期目標(直ちに実行)、中期目標(例:3か月程)、長期目標(例:3か月以上)の実行の具体的方法を支援計画に明記する(テキスト)

2)介入の矛先の決定とその特性に適した方法の活用
・介入の矛先を把握し、その矛先の特性に応じて適切な方法を用いる。
 クライエントのライフサイクルに対応した介入の方法が求められる。

*介入の対象とは
1.クライエント自身
2.クライエントの基盤 生活基盤、家族等
3.社会資源
4.支援機関とネットワーク

*介入の目的とは
 利用者の全人的な成長と、自己実現。円滑な社会生活の支援、お互いに尊重し合い、対等な人間として誠実に向き合う人間関係の実現、生活問題の解決等。
 クライエントは、問題発生による環境の不安定化、顕在化した脆弱性によって、クライエントの不安は増大し、何かにすがろうとする思いは強くなるが-困窮する人を助けるかのように近づいてつけ込み、食い物にする個人やビジネスもある 事例 略-、拠り所が無い中で更なる不安と不信が蓄積され、翻弄される。介入は、苦境のなかにいるクライエントに、無条件の受容と尊重に基づいて寄り添い、拠り所をもたらす。それは人々の生命と権利、生活を守るための共生の取り組みである。


3)介入の矛先の拡大(個人から集団・コミュニティ)
・ライフ・イベントには、通常的出来事(卒業、就職、定年退職など)と、非通常的出来事(犯罪、災害など)がある。
・非通常的出来事の発生の場合、介入の矛先が個人から集団、広域社会などに拡大 略

・ミルン(D.L.Milne)は「社会的支援介入」=臨床的介入、近接的介入、遠隔的介入を提示 略
臨床的介入は「社会的支援と地域社会志向が個人治療をより効果的」にする。
近接的介入は、「分析のレベルは、学校、職場そして家族または友人」 略
遠隔的介入は「物質的社会的欠乏状態、健康教育そして環境デザイン」 略

<補足>
*解説:アイデンティティ identity

 自己同一性のこと。自己の斉一性,連続性と一貫性,帰属性の3基準から定義され,主体的実存感覚、自己意識の総体である。自己への肯定感や受容感,存在感,有能感などの実感から感覚的に自覚され、アイデンティティの確立は青年期の課題  略

*解説:モラトリアム moratorium
 エリクソンが心理学の領域で用いた概念である。つまり、若者が大人社会の課業や義務を免除され,さまざまな社会的役割を試行錯誤しながらアイデンティティ形成をしていく時期の特徴 略

2 直接的介入と間接的介入 テキストP208
*直接的介入

・ジョンソンらによる、直接的介入・活動の10のカテゴリー。
1)人間関係の発展、
 コミュニケーションからの孤立の解消と繋がりの構築を支援する。人と人を繋げる、媒介する支援である。
 繋がりの中の資源を見出す。
 クライエントに構え過ぎず、自然な人間関係をもたらす。


2)状況の中の人の理解、
 クライエント自身が、周囲の人間関係を理解し適応する-周囲の環境、関係を理解し適応する、適切に主張する。

3)計画の過程での活動

4)クライエントによる資源の活用
クライエントの資源にアクセスし、選択し、利用、話し合う能力を育成する。

5)エンパワメントやイネイブリング、
諦観と宿命感、学習された無力感からの、クライエントの解放である
クライエントが揺るがない自信を持つことの支援である。

6)危機状況での活動、

7)社会的機能の支援、

8)クライエントとアクティビティを活用、
活動-心身の活性化のための手助け、活動。趣味、生きがい活動。

9)クライエントとシステムとの媒介、
グループワークならば、集団の内外の媒介 ワーカーの機能を「個人と社会が互いに手を差し伸べる過程を媒介すること」と明示した
 摩擦や誤解、争いのあるところに、相互理解と調和、支え合う繋がりをもたらす働きである。
 クライエントとの関係の中に、またグループやコミュニティの人々の輪の中に調和、お互いの尊重、信頼、支え合いを生み出せるならば、連帯や相互扶助はそこから更に拡大し、成長していくだろう。


10)ソーシャルワークの臨床モデルを活用
各モデル・アプローチを選択し、用いる
*解説:イネーブラー enabler
 「助力者」とか「力を添える人」と訳されることがある。クライエント自身が問題を解決する能力をもつことができるよう働きかける援助者 略

*危機理論
 危機理論とは、火災で犠牲となった人々の関係者(遺族,親族,友人・知人)の悲嘆にまつわるリンデマン(Lindemann, E.)の研究に端を発し,後にキャプラン(Caplan, G.)らと共同で1940年代から60年代に構築された理論 略
 危機とは,対処困難な事態に突然直面した際に引き起こされる,身体的・心理的・社会的にホメオスタシス(恒常性)のバランスを崩した状態をいう。危機理論は,人が危機状態から脱する過程において一定の段階と法則が存在 略
 危機発生状況は,ライフサイクル上のさまざまな発達課題として,あるいは偶発的な出来事として脅威,喪失などの形で生じる。たとえば,進学,恋愛,就職,結婿,子どもの誕生,子どもの独立,転職,定年退職,転居,移住などの折には,人は新しい対処様式を必要とする。また,病気や事故,災害,戦争などによって,親しい人を失うこともありえる。 略

*危機介入法 crisis intervention
 危機介入法では,危機理論に基づいて,現時点での問題発生状況を理解し,危機に関係する事柄に集中的に取り組む。 略
 また,危機への対処にあたって,心の内面の検討だけではなく,クライエントを支える可能性のある周囲の関係者(家族や学校・職場の関係者など)や関係機関(医療幾閑・各種の相談機関・行政機関)などの資源のアセスメントと,その利用をはかり,必要があれは,家族面接や訪問面接などによって環境の調整を行なう。
 危機介入法では,限られた時間内での面接・援助で対処することになる。その間にタイミングよく介入する必要がある。面接回数(例: 略。

<補足:直接的介入・活動>
 直接的活動では、面接等により被援助者に直接働きかけ、被援助者が自身の状況に気づき、被援助者自身が環境との関係に適応をし、問題解決能力やセルフケア能力を高めていくことを支援する。
被援助者との信頼関係を基盤とし、受容や自己決定の尊重などいわゆるケースワークの原則に則した専門的援助関係による介入の展開 略

*セルフケア
 自分のことを自分で世話するという意味であり,保健・医療の分野においては,自らの健康問題に自ら対処する態度や行動をいう。健康の維持・増進,病気の早期発見,医療サービスの的確な利用,疾病の自己管理など  略

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by yrx04167 | 2014-10-04 23:52 | Comments(0)