要約:福祉専門職への転職と実践を支えるアクティブ・ラーニング<前半>当ブログ筆者の論文 抜粋

要約:福祉専門職への転職と実践を支えるアクティブ・ラーニング<前半>
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「福祉専門職への転職と実践を支えるアクティブ・ラーニング」 『研究紀要』第22巻第1号,2014年

同『研究紀要』』第22巻第1号 全頁 2014年 日本福祉教育専門学校


Ⅰ.はじめに-社会福祉領域への「転職」を目指す学生と社会福祉士養成校
 本稿は、「福祉専門職養成・転職支援・実践を繋ぐ教育」を提案する。また、学生とフィールド・実践を繋ぐ「相談援助実習指導」の授業を、このモデルによる授業の一例として挙げる。
 加えて、グループインタビュー等に基づき、介護職員の職業訓練と転職に関しても述べ、また社会福祉士との比較を試みる。
 これらの軸には、一方向の教育から参加型の学びの共同体を目指す「アクティブ・ラーニング」と、在学中に限られた教育から生涯持続する学びの総合的支援「エンロールメント・マネジメント」への転換が貫いている。
 つまり、研修やスーパービジョン、ネットワーキング等によって福祉専門職の燃えつきを予防し、実践を支え、成長の種を蒔くことである。

Ⅱ.アクティブ・ラーニングによる社会福祉士実習教育
1.「相談援助実習指導」の概要

 筆者が担当するこの科目の前半は、実習先の各領域とその実践の現状の解説や、事例を用いたアセスメントや支援計画立案の演習、面接のロールプレイ等を実施した。
 後期は、事例検討やグループディスカッションを中心に、学生のこれまでの生活歴や日常との地続きの問題としての、ソーシャルワークの今日的なテーマを考察した。学生からの反響が大きかったのは、ターミナル・緩和ケアや、薬物依存症、女性の貧困・DV問題 であり、次いで子どもの貧困 、養護問題・里親、孤立死・孤独死問題と予防で あった 。これらは、学生が転職する各領域で、直面するであろう問題でもある。
 これらに加えて、教員であり実践者でもある筆者の貧困・社会的排除領域の実践の事例、エピソード、実践の知識や所感を、フィールドとの連結を図るために組み込んだ 。主に、貧困に関連する精神疾患等の諸問題や、当事者の生と死、関係性、自尊感情、ライフスタイル、関わりが困難な事例など、グループワークや訪問におけるエピソードを授業に活用している 。
  筆者の現在の実践は、横浜市中区の簡易宿泊所街「寿町」の「ことぶき共同診療所」における精神科デイケアのグループワークである。利用者は簡易宿泊所に単身で住む生活保護受給者であり、アルコール依存症、薬物精神病(依存症、主に覚醒剤)、統合失調症等の多様な疾患・障害を持つ。
 現場における実践と教育との往復こそが、福祉専門職養成の要と考えている。

2.実習における学びとリアリティ・ショック
(1)現場、当事者との関わりから学ぶ-生きづらさへの理解と共感
(2)援助のあり方に関する気付き-人を支える職業の入口
(3)コミュニティとの媒介-住民との相互交流を目指して

一、ミクロ領域のリアリティ・ショック -貧困とアルコール依存症、虐待、多問題家族、
二、メゾ・マクロ領域のリアリティ・ショック-相談援助の制約、社会への適応
三、リアリティ・ショックによる成長

 リアリティ・ショックは、学生の従来の価値観、姿勢等を問い直し、揺るがすものである。つまり、新たな視点をもたらし、成長を促進する肯定的な側面もある。ショックを受けた現状とは、実践に参入する学生にとって、やがて自らも直面し、改善を図っていかなければならない課題でもある。

3.アクティブ・ラーニングによる実習教育-燃えつきを巡って
 本稿で報告する授業 は、当学科において筆者が担当している「相談援助実習指導」のクラスの学生19名を対象としたものである。テーマの「実習と福祉専門職の燃えつき」は、先述の実習のリアリティ・ショック等の学生の課題を踏まえて設定した。
 また、この授業は、アクティブ・ラーニングの手法を用いて実施した。アクティブ・ラーニングの概要を次に述べる。
一、教員による一方向的な講義形式の教育を改革する方向性を持つ。
ニ、学生の能動的な学習への参加を取り入れた教育、学習法である。
三、具体的には、学生の協働による課題の発見を重視した、問題解決型の学習である。
 授業において、手法としては、グループディスカッション、ディベート、学生による発表等が用いられる。また、クリッカーと称される、教員と学生間の双方向のコミュニケーションや、学生による授業評価のフィードバックの支援システムを用いる場合もある。
 総じて、アクティブ・ラーニングは、ディスカッション等の手法による教室内外の対話重視、参加型教育のあり方と言えよう。後述するが、これらの現場と繋がる主体的な学習と、生涯にわたる学びへの媒介としての教育 のあり方は、福祉専門職養成・転職支援においても重要なものである。
 当日の授業は、次のように計画を立案し、進行した。
一、講義「実習と福祉専門職の燃えつき」及び投げかけ。
二、グループによる事例検討とディスカッション「社会福祉士に転職後、燃えつきたA子」
三、各グループからの発表と教員からのコメント、総括 。
 
 筆者の貧困・公的扶助領域のグループワーク実践の詳細は、以下を参照のこと。
『生活保護受給者を対象としたグループワーク-ドヤ街「寿町」における実践報告と考察』,「研究紀要」第21巻1号 ,学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所,2013年
『簡易宿泊所街・寿町における、生活保護受給者等を対象とする精神科デイケア-開始段階の実践に関する考察』,「研究紀要」第20巻第1号,学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所,2012年

<続く>

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by yrx04167 | 2014-10-15 23:32 | Comments(0)