相談援助の理論第4回講義レジュメ前半 ソーシャルワーク面接 実践知、権限の委任とは 自立援助ホーム開設

相談援助の理論と方法Ⅰ 第4回講義レジュメ概要 前半
 当ブログ筆者(本校専任教員)が、社会福祉士養成科(夜間部1年通学課程)にて、4月29日(水)に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>


1章3節 ソーシャルワークを構成する要素
・面接の一つの役割は、人間を総合的に理解することにある。つまり、その人を分かるための作業である。
 面接者とは、その役割と技術を持った平凡な人である。面接者も、自身が完全な人間ではないことを自覚する必要がある。クライエントという1人の人間と対等に、そして全人的に向き合っているていることを忘れてはならない。
 多くの場合、来談者の相談内容のなかに、人間関係、周囲への適応、コミュニケーションの課題が含まれる。
 面接者、援助者を目指す人々は、自分自身が関係性に何を求めてきたのか、求めているのかを自らに問いかけ、整理することも一つの課題である。

・ストレングス実践 事例 略
 クライエント、利用者が本来、持っている力、強さ、長所、潜在能力を援助者が見出し、本人が自覚できるように、ポジティブな視点への転換、リフレーミング等を行う。クライエントが、自身のストレングスに注目、自覚し、それを活かすようにすることを促進する。ストレングスを知るだけではなく、それを日常生活に活かすよう努めることが必要である。 略

 
*ソーシャルワークの知識 テキストP13
 社会福祉、ソーシャルワークに必要な知識-ジョンソンによる整理。
・社会科学等の基礎的な知識-状況の分析と変化の促進のため、関連領域の知識を活用する。
・人間(発達、身体機能・精神心理・社会環境等)、人の相互作用の知識。
・支援での相互関係・コミュニケーション、支援過程、介入の方策・アプローチ等。
・特定のグループ、特定の状況で支援する専門分化した知識
・考察する能力

*面接等の関わりは、クライエントと援助者間の相互作用である。
 援助者とクライエントは双方向に影響、内面の変化を与え合う。
相互作用、双方向の関係の中で、相互に理解を深め、認め合い変化し、成長する。

*面接における相互作用のプロセス 言語、非言語
・クライエントへの意図的な感情表現の促進の働きかけ。
・クライエントの側の、カタルシス
 援助者は、共感する。場合によっては、共感疲労。

・ソーシャルワーカーは、面接という専門的なコミュニケーション手段を用いて,クライエントの援助にあたる。その人間関係形成に 必要な知識やスキルを習得しておくことも不可欠である
 援助の対象についての知識の必要性-社会学等の研究を応用する
 特に質的調査、フィールドワークの成果を、実践に応用することも一つの方向性であろう。
・マイノリティとの相互理解、アドボカシー、ソーシャル・インクルージョンの促進。


・ミクロ的知識=人間・援助対象の心理・行動・社会的背景等の知識-援助対象(高齢・障害・児童・貧困・女性・外国人等)の特徴
・メゾ的知識=実践現場の地域・機関・施設等の知識、実践領域の法律・制度・政策・理論等の知識
・マクロ的知識=社会福祉の歴史・医学・法学・社会学・心理学・介護・リハビリテーション等の知識

*実践知の必要性
・経験知等とも言われる。実践の経験等から得た知識である。実践の現場で培われ、体得された知識である。
 他の知識と併せて、活用することが望ましい。

*ソーシャルワークの方法・技能 テキストP15
 傾聴と理解、問題の構造化、専門的援助関係、信頼関係、専門職としての役割と機能等々の技能が必要とされている。

*ミクロ・メゾ・マクロソーシャルワーク=今日的な援助・介入対象・技術・方法の分類

・ミクロ領域の実践には,個人のもつ生活問題や精神保健問題への支援,家族(小集団)等への介入や支援などが含まれる。 略 個人面接,家族面接,エンパワーメントなどが含まれる。

・メゾ領域の実践は,(集団にかかわるもの)、(地域社会) 略
 メゾ領域で用いられる介入技術・実践方法には,(地域住民の組織化の支援,コミュニティ・地域福祉活動の形成,地域計画の立案),社会福祉機関の管理・運営などが含まれる。
 ソーシャルワーク固有の事情ではないが、メゾ領域における、組織のマネジメント、ネットワーク構築、これらを実現するコミュニケーション、対話・プレゼンテーション等のスキルが今日、特に求められていると言えよう。

・マクロ領域には,(地域社会とその実践)、自治体の調査,計画立案,実施と評価,国の政策立案,実施,評価,社会サービスの管理・運営などが含まれる。

*ソーシャルワークの技能  テキスト参照
 略
③個人、集団、地域との実践活動 ⇒ テキストP16 表参照
 ソーシャルワーカーとは、成長する専門職である
・コミュニケーションの媒介

*ソーシャルワークへの権限の委任(テキストP15参照)
・ソーシャルワークへの「権限の委任」とは、ソーシャルワークに対して社会全体からその存在について承認を得ていくことである。
 社会全般、人々からの広範な承認と支持を獲得することの重要性

・委託・承認をするのは、
国や地方自治体
雇用者団体や個々の雇用機関・団体
職能団体や養成団体
利用者

*解説:ストレングス視点 strengths perspective
上手さ,豊かさ,強さ,たくましさ,資源、潜在能力など 略
社会の中で見えないこと、本人も自覚していないこともある-援助者が見出し、本人が否定的に捉えているならば、リフレーミングを行う。
精神障害者や知的障害者、その他の人々にも、弱さのなかに強さがある、障害を含めた才能、個性がある。

*解説:パターナリズム paternalism
 略
 困難、危険を回避する、保護ではなく、立ち向かって生きる勇気を支えること、寄り添うことが求められる。
 それぞれの生きるうえでの課題、生きづらさに向き合うことを勇気づける。
 失敗を怖れないことを伝え、励まし続ける。失敗することは終わりではないが、挑戦することをやめたら終わってしまう。
 怖れを抱き続けることは、人生を怖れに支配される、人生が怖れに満ちたものになってしまう。
 生き抜く力、自らを癒す力を持っていることを信じることを支える。


<続く>

相談援助の理論と方法 練習問題・初級
<この4月から学習を開始した受講生向き 練習問題入門編>
*社会福祉士専門科目


問題 ソーシャルワークに関する次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,正しいものを一つ選びなさい
 ソーシャルワーク実践において,デイサービス事業やショートステイ事業などに代表されるような専門機関・組織や専門職が提供する「 A 」サポート(サービス)と,家族や近隣者,そしてボランティアに代表される「 B 」サポートがある。また、意図的に各種サポートを活用しながら、複数のニーズを持つ利用者を支援する方法の一つとして「 C 」がある。
    A        B        C
1 インフォーマル--フォーマル----社会活動
2 フォーマル----インフォーマル--ケアマネジメント
3 オフィシャル---フォーマル----社会活動
4 フォーマル----インフォーマル--スーパービジョン
5 インフォーマル--フォーマル----ケアマネジメント

日刊 社会福祉ニュース 関連情報クリップ
自立援助ホーム開所  10代後半の子どもの自立をサポート
2015/04/29 【大分合同新聞】

引用「さまざまな事情を抱え家庭内で生活できない子どもたちを支えようと、県内の弁護士や福祉関係者らでつくるNPO法人「おおいた子ども支援ネット」が、大分市に自立援助ホーム「みらい」をつくった。行政の手が行き届きにくい10代後半の子どもを受け入れ、日常生活や就労をサポートする。自立援助ホームは県内で2カ所目だが、もう1カ所は休止中のため、稼働しているのはみらいだけ。今月から16~18歳の3人が入居している。
 みらいは、子どもの権利擁護に携わる弁護士などが2013年から準備を進めてきた。男子が対象で、定員は6人。児童福祉や教員の経験があるスタッフ6人に加え、近くの大分大学の学生ボランティア、地域の人たちも運営に協力している。現在、入居中の3人は、みらいを拠点に高校や仕事に通い、自立を目指しているという。
<メモ>
 複雑な家庭環境など困難に直面する子どもたちをめぐっては、児童相談所が一時保護したり、児相から委託を受けた児童福祉施設が受け入れるなどしている。ただ、児童福祉法は児童を「18歳未満」と定めており、18歳になれば原則、施設を出なければならない。仕事になじめず生活の場を失う子、家庭での引き取りが難しく行き場をなくす子もいる。こうした行政の手が届きにくく、支援の隙間に落ち込みやすい10代後半の子どもたちをケアするため、2004年に東京で全国初の子どもシェルターができた。以降、各地でシェルターや自立援助ホームが増えている」。引用ここまで

認知症サポーター養成講座 若手警察官が寸劇で認知症の特徴や接し方を学ぶ
2015/04/29 12:05  共同通信

引用「認知症サポーター養成講座が23日、佐賀署であった。高齢化が進行して認知症患者の所在不明も社会問題になる中、若手警察官を中心に約100人が症状や接し方などを学んだ。
 佐賀市高齢福祉課の職員が講師を務めた。認知症の中には、万引したり交通ルールを守れなかったりするなど社会性を失う特徴もあることを説明。日常生活を想定した寸劇を披露しながら「話を取り繕うので、ちょっとした会話では認知症かどうか判断できないケースも多い」と指摘した。
 財布を置いた場所を忘れて「盗まれた」と言ってきた場合の周囲の対応を紹介しながら、「相手のプライドを傷つけないようにすることも重要」と強調した。同署は事件や事故の現場で認知症の高齢者と接する機会も多いことから初めて講座を開いた」。引用ここまで

<関連資料 バックナンバー>
貧困・低所得・生活保護 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記


社会福祉士 相談援助入門講座2 医療ソーシャルワーカー相談室、心理社会的問題とは 引きこもり出張相談

社会福祉士 相談講座第15回 アスペルガー症候群、大人のADHDとは ニートのコミュニケーション能力と就労

社会福祉士相談講座第18回 認知症ケア、レビー小体型認知症とは 高次脳機能障害相談センター、就労訓練

社会福祉士相談援助講座第19回 高齢者虐待の危機介入、対応 事例とは 児童養護施設 奨学金新設 返済不要

相談援助の理論第3回講義レジュメ 貧困とMSW、倫理的ジレンマとは 生活困窮相談支援員研修、社会的起業支援


<ブログ閲覧中の皆様、進路選択中の皆様>
説明会 社会福祉士の仕事(貧困 生活困窮者支援の職場編)
5/14(木)18時から19時半
会場 日本福祉教育専門学校 高田校舎
一般公開 無料

 社会福祉士の仕事等の説明会。貧困、生活困窮等の福祉問題も対象とする社会福祉士の相談援助について、 貧困問題に20年間、取り組み続けている当ブログ筆者(本校社会福祉士養成学科 専任教員)が、詳しくお話します。ご質問、ご相談も歓迎です。会場は高田校舎です。

*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部(通学)です
 日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255


貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中

日本福祉教育専門学校 公式チャンネル - YouTube

福祉施設職員 ストレスケア サポーティブ研修、生活困窮者グループワーク講座 当ブログ筆者の研修 講師派遣
当ブログ筆者が講師を務める、福祉施設職員を支援する研修プログラムです。東京都の「事業所に対する育成支援事業 登録講師派遣事業」の一つとして実施しています。講師謝金・講師派遣 無料。研修申込受付締切は2015年5月20日


*解答・解説:ケアマネジメント、ソーシャルサポート・ネットワーク、インフォーマルケアとは 下記をクリック



答2 フォーマル----インフォーマル--ケアマネジメント

*解説:インフォーマル・ケア
 個人を取り巻く家族,親戚,友人,近隣,ボランティア等が制度に基づかずに行うケアの総称。フォーマル・セクターが行うケアの対概念。インフォーマル・サポートともよばれる。個別的なケアが求められるなか,画一的となりやすいフォーマル・ケアに対して,柔軟かつ温かみのあるサービスとして期待されているが,専門性や安定性に課題が残る。専門職はケアを必要とする個々人の生活を包括的に理解し,両者を必要に応じて組み合わせたケアが求められている。

*解説:ソーシャルサポート・ネットワーク
 クライエントが有するさまざまな関係網の全体を意味する社会ネットワークと,そのネットワークを介して交換されるソーシャルサポートを総称した概念。

*解説:ケアマネジメント
 複数のニーズをもった利用者およびその家族を中心としたサービス提供のアプローチであり,地域に散在し,連携・調整機能を基本的にもたない縦割り的な社会資源を,ネットワーク化することによりケアの統合と継続性を達成する方法である。また,社会資源として,行政機関などによるフォーマルなサービスだけでなく,家族,親戚,友人,同僚,近隣,ボランティアなどのインフォーマルな資源も積極的に取り入れる。
 ケアマネジメントは、アメリカにおいて,1960年代に起こった精神障害者や知的障害者の脱施設化運動に端を発し,施設ケアから在宅・地域ケアへ生活支援サービスの提供の場が移行するなかで,地域で暮らすために必要なサービスを統合し,継続的な援助を行うための手法として,1970年代なかばにケースマネジメントとして確立された。

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by yrx04167 | 2015-04-30 18:26 | Comments(0)