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講義レジュメ 家族による人権侵害、虐待からの回復、自尊感情、コミュニティエンパワメントとは 相談援助

相談援助の基盤と専門職 前期第11回講義レジュメの概要 前半 
 当ブログ筆者(専任講師)が、社会福祉士養成学科にて、2015/06/22   

<受験対策 被虐待児童の心理 社会福祉士国家試験出題実績>
◎被虐待児は,虐待を受けるのは自分が悪いからだ,自分に原因があるからだと考えがちである。このように,虐待が子どもの思考や認知に影響を与え,その結果,罪悪感が強くなり,自己評価も低くなってしまうことがある。 
◎被虐待児は,虐待を受け続けることで,大人の顔色をうかがい,年齢にふさわしくない大人びた言動を見せることがある。特に,大人の期待を満たすように行動したり,大人の気持ちや行為に敏感になったりすることがある。 

◎権利擁護者(advocate)の役割として,クライエントが資源やサービスを利用する権利を擁護し,さらには,個々のクライエントやクライエント集団に不利益をもたらすプログラムや政策を変えていくことを支援する。

・権利擁護の意義と範囲とは 

*家庭内における人権侵害、虐待からはじまる生活困窮 <テキストP110>
・家庭内でも人権侵害は起こり得る-子どもや高齢者への虐待等の家庭内での暴力や、モラルハラスメント等である。
 子ども家庭福祉の現場から-「貧困と虐待は二人三脚」、多問題家族事例の相談が目立つ。
・また、ドメスティックバイオレンスDVや、離婚後も続く追跡が、女性の貧困や生活の不安定化の大きな要因となっている。
 暴力による離婚が、シングルマザーの生活困窮への入口となっている。
 児童虐待やドメスティック・バイオレンスに関しても社会の関心は高まっている。


*虐待、心身を侵害された子どもに責任は無い-心身と自尊感情が傷ついた子ども。
 自分に自信が持てない-自尊感情の問題により、生きづらさを抱えている。
 生きている価値、居場所がなく、孤独感を感じる。
 生きること、人と関わることに臆病になり、不器用になる。

・家庭は他に代えがたい家族がいる場であるが、ある意味「牢獄」にもなり得る-抑圧、屈辱の場にもなる。
 虐待-家庭内で常に緊張している、安心できないホーム。
 回復の旅は続く。自らの新たな物語を紡いでいく。

・多問題家族=経済的困窮+虐待・暴力・孤立等の家族・人間関係の問題+メンタルヘルス(依存症、精神疾患等)の、問題の重複、関連する傾向がある。


2 深刻な人権侵害の顕在化 テキストP110から
 人権侵害は、家庭や施設の日常に潜んでいるとも言えよう。過去の山奥の施設や病院だけの問題ではなく、発生する可能性はどこにでもあり、福祉専門や市民は他人事にしてはならない。
 つまり、人権侵害は、様々な場所で起きてしまうリスクがある。専門職にも市民も誰でも持っている。
 例えば、行政機関、厚生労働省、企業、市民、研究機関にも虐待リスクが内包されている。

*社会福祉サービスが提供される場での人権侵害、社会福祉サービスの内容や提供方法の問題
・迅速な対応と救済、予防を進めていく必要がある 略。
 虐待やハラスメント予防は、組織としての、リスクマネジメント、倫理マネジメントでもある。

例:報徳会宇都宮病院事件 略

・精神科病院として、山谷や寿町の、アルコール依存症等の患者の入院治療を行なっていた側面もある。

・スタンフォード監獄実験とは 略
・「ルシファー効果」とは 略

・援助に、当事者から隠れた意図があってはいけない

◎解説:利用者の権利保障

・権利擁護のシステムを構築することが課題となっている
 今日的には、インフォームド・コンセントが、社会福祉、医療にとって大きな倫理的な課題である。 略
 
<補足:その他の権利侵害>
・世論、市民による侵害
 「バッシング」による、漏救のリスクの増大。新たな差別、社会的排除。
 隣接する階層が対立する傾向がある。
 インターネット上の権利侵害をどうするか。社会福祉にとっての課題である。
 顔の見える交流の場をつくること-地域福祉の課題。
 社会制度への依存を許さず、自立を強いる世論。自己責任論。
 「承認」を得られない人々。
 
・普通からの乖離-「比べる必要はない」

*解説:漏救
 給付へのスティグマ感
 各種捕捉率調査の結果では,多くの漏救者が存在するとされる。

*解説:濫救
 不正受給がその代表例。

*薬害、公害等による侵害
・薬害 略
・サリドマイド事件(第3回、7回、12回社会福祉士国家試験出題有) 略

・スモン(第3回、7回社会福祉士国家試験出題有) 略

・HIV訴訟(HIV:4、8、14、15、17、18、20回社会福祉士国家試験出題)
・公害病
 「公害」とは,「企業の安全性を軽視・無視した利潤追求による事業活動の推進と,国(自治体)のこれへの追随によって,公衆(工場周辺住民や,特定商品使用者)に健康被害や生活被害を及ぼす社会的災害」と定義できる(庄司光・宮本憲一『日本の公害』1975)。
熊本・新潟の水俣病,イタイイタイ病,四日市喘息のいわゆる四大公害病はもとより,森永ひ素ミルク中毒,カネミ・ライスオイル中毒(カネミ油症)などの食品被害や,サリドマイド,キノホルム,薬害エイズ等の薬害等も公害病といえる。
・水俣病(第3、7、18回社会福祉士国家試験出題有)

<社会福祉士等の国家試験における出題実績>

◎HIVは血液や体液を媒介として感染する。 第15回社会福祉士国家試験 次も。
◎HIVに感染してから,平均10年でAIDS(後天性免疫不全症候群)を発症する。
◎循環型社会の形成に向け,我が国では容器包装廃棄物の3R活動,すなわち,排出抑制(Reduce),再使用(Reuse),再生利用(Recycle)の推進が提唱されている。第21回社会福祉士国家試験

講義の練習問題 キーワード 抜粋
エンパワメント
パワーレスな状態
スティグマの対象となり、否定的な評価を受けてパワーが欠如した状態の人々
ADL
QOL
権利擁護(advocate)
コミュニティ・エンパワメント

社会福祉士及び介護福祉士法
「信用失墜行為の禁止」や「秘密保持(守秘)義務」


日刊 福祉施設 社会起業ニュース 関連情報クリップ
精神障害者の美術展 作品45点展示「心の美術展」 感性豊かな絵画や陶器が並ぶ
2015/06/17 19:27 【山陽新聞】

引用「心の病がある人らの作品を集めた「心の美術展」(岡山県精神保健福祉協会主催)が、岡山市の山陽新聞社さん太ギャラリーで開かれている。
 県内の精神科病院や福祉施設の利用者約40人が、治療の一環や趣味で制作した絵画、陶器など計45点を出品。患者と向き合う主治医の真剣な表情を繊細なタッチで描いた鉛筆画や、赤、金、銀など色とりどりの紙を貼ってこいのぼりを表現したちぎり絵、茶色の焼き目模様が味わい深い皿や花器などが並ぶ。
 同展は、精神障害者の作品を見てもらうことで、理解を深めてもらおうと2年に1回開かれており、12回目」。引用ここまで

【貧困】3畳4万円の格安シェアハウス管理人が告白「月1回はトラブルが起こる」
DMMニュース 2015年6月21日 16時50分 (2015年6月21日 17時11分 更新)

引用「住居費を安く抑える手段として、すっかり定着した感のあるシェアハウス。
 「普段は皆仲良くやっていますが、月に1回は何らかのトラブルが発生しますね」と語るのは、山手線沿線でシェアハウスの管理人をする藤本孝さん(仮名)だ。自身もシェアハウスに住んで2年が経つという藤本さんが、その実態を語る。
 「家賃は4万円で、広さは3畳ほど。シャワーは100円を入れると20分間使用できます。共同スペースにはキッチンやテレビが完備しており、住人達の交流の場となっています。色々な方と出会います。一流大学出身の方からニートの方まで幅広いです」引用ここまで

地域包括支援センターが認知症ジュニアサポーター養成講座 伊賀の小学校で講座 認知症お年寄りの接し方知って 
2015/06/21 00:00 【中日新聞】

引用「伊賀市依那古(いなこ)小学校で二十日、市地域包括支援センターの保健師らが認知症を題材にした寸劇を演じ、六年生十八人が、こうしたお年寄りにどう接したらいいのかを考えた。高齢化社会を迎え「六十五歳以上の七人に一人が認知症にかかっている」といわれる中、市が子ども向けに始めた「認知症ジュニアサポーター養成講座」の初回。来年三月末までに小学五年生~中学一年生を対象に十校ほどで講座を開きたいという。
 「道に迷い、部屋用のスリッパをはいて公園を歩いているおばあさんがいたら、どうする」。ランドセルを背負った小学生役の二人が無視して通り過ぎたり、やさしく声を掛けたり。おばあさん役が居間で「どこへ行くの」と、何度も孫に聞き返す劇も演じ、児童たちは真剣な表情で見入った。
 講師は、センターの保健師や社会福祉士ら八人。
 講座では、保健師らが「いま何時かや、どこにいるかが分からなくなる」といった認知症の人の症状も説明。しかし「『うれしい』『悲しい』『孫を大切にしたい』という心は生きている」と話した。
 児童たちは「私たちができること」について話し合って発表。「やさしく対応する」「大人の人を呼ぶ」「交番に連れて行ってあげる」などと述べた。
 市内では大人向けの認知症サポーター養成講座が開かれ、これまで三千六百人余が受講している。子ども向け講座も続け、センターの横尾智子所長(54)は「子どもたちに理解を深めてもらい、お年寄りにやさしく接することが、自然にできるようにしたい」と意気込む」。引用ここまで

<関連資料 バックナンバー>
貧困・低所得・生活保護 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記



新刊 当ブログ筆者が試験問題解説を執筆 
「2016社会福祉士国家試験過去問解説集 第25回─第27回全問完全解説」日本社会福祉士養成校協会編集 ISBN 978-4-8058-5161-6
 中央法規出版 2015年5月10日発行

 450問を選択肢ごとに詳しく解説し、科目別ポイントを収載。第27回を含む過去3年分の国家試験全問題を掲載した問題集。過去2年分も最新の制度や数値にアップデートし、次回試験に完全対応。基本の理解、実力試し、傾向対策、総復習で着実に学習効果を発揮。 中央法規出版


貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中

当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月



ブログ閲覧中の社会福祉士国家試験受験生の皆様へ
<当ブログ筆者の社会福祉士 国家試験対策講座 模擬試験+ポイント解説>
 日本福祉大学の社会福祉士受験対策講座
【社会福祉士養成校協会】全国統一模試+ポイント解説講座
講座は、東京会場と岡山会場をブログ筆者が担当
10月25日(日)東京会場
10月31日(土)岡山会場

お問い合わせは日本福祉大学名古屋オフィス 電話052-242-3069



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当ブログ筆者の授業見学会 6月 相談援助の基盤と専門職 社会福祉士養成学科の授業見学を開催
日時 6/29(月)13:00~14:30 要予約 
社会福祉士養成学科 当ブログ筆者のリアル授業見学会 予約はこちら
 お問い合せは 電話:0120-166-255


*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部(通学)です

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当ブログ筆者の「学生のメンタルヘルス公開講座」のレポート
学生ピアサポート活動の留意点



by yrx04167 | 2015-06-23 19:00 | Comments(0)