講義レジュメ グループワークの援助関係、虐待連鎖、薬物依存症の回復、治療共同体アミティとは 相談援助

相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第11回 講義レジュメ概要 前半
 当ブログ筆者(専任講師)が、社会福祉士養成学科にて、2015年6月24日に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>

3 家族療法での援助関係 テキストP91
 ソーシャルワークにおける相談援助で、家族に関連する問題の解決を目指すということ。
 家族関係の調整を図る面接のあり方-相談援助の実践に向けて。
 例えば、依存症の親をもつ子どもの精神的な問題への対応では,その家族関係を視野に入れて支援することが重要である。
・解説:家族システム理論 family systems theory

・家族システムアプローチでは,問題をめぐるシステムに働き掛けることで解決に向かうという前提に立ち,最も身近なシステムとしての家族に働き掛けを行う。
・家族システムアプローチは,症状や問題を持った人に対処する場合,家族成員は相互に関連しあっていて切り離しては理解できないという視点に立つ。したがって,家族は単に問題解決の協力者ではなく,問題を持っていないと思われる家族成員も含めて対象となる。

・戦略派家族療法では,「リフレーミング」,「逆説的介入(パラドックス技法)」などのアプローチを取る。ミルトン・エリクソン(Erickson,M.)の影響が随所に見られるアプローチである。
・構造派家族療法のアプローチでは,家族の構造に焦点を当てる。「境界」などの鍵概念を用い,「ジョイニング」などの技法を通して構造の再構築を促す。

・子ども虐待の現状と対策とは
 子ども虐待の現状とその対策について

 家族問題の事例 
 例えば、家族における男女の役割、妊娠や出産等のライフイベント等、親子でも生き方や価値観の違いがある。
 例えば、同性婚等のセクシャルマイノリティを巡って。
 ソーシャルワークにおいては、専門職として家族面接において、議論のなかでの意見交換を促進し、コミュニケーション、相互理解の媒介となる。
 虐待を経験した家族-関係の意味付けの痛み。もしくは、過去から目を背けて家族の秘密として封印されるか。

**家族のストレングス、ポジティブな家族支援のソーシャルワークへ
 家族の当たり前の生活が、かけがえがない価値、ゆたかさがある。安心、平穏、安定。
 仕事、家事等に追われていたり、日常に埋没していると、自分の身の回りにある価値のあるものが見えなくなる。
 やがて喪失のときが来て、はじめて気付くよりも、人生の途上で価値を見出し、大切に生きることを支援する働きかけが求められているのではないか。
 今の瞬間も、家族や周囲の人々と共に生きていること、その価値、孤独ではないことに気づけるならば、穏やかさを取り戻すことが出来る。明日、未来のことを心配しすぎず、今を家族と共に生きることへの転換でもある。


4 グループや地域での援助関係 テキストP92
 事例 グループワークに来れない理由
 「統制、コントロールするな」というメンバーの主張。

*グループワーク:メンバーの相互作用。
・グループワークにおける相互作用の理解-グループの治療教育的力
・グループワーク・集団援助技術とは、援助者が自然発生的あるいは意図的に形成されたグループの利用者の相互作用を活用し、その治療教育的力によってさまざまな目標の達成を目指す。
・グループの力は「両刃の剣」といわれる-メンバー間の関係、相互作用。
 グループに参加している一人ひとりの成長・発達をもたらし,個人的な欲求を充足させて人間性を豊かにしたり,社会的不適応症状や精神的・情緒的問題を解消するような建設的力が利用者に働く側面がある。
 一方では,同じグループでありながら成長・発達を阻害し,破壊的に働いて,その個人を心理的・精神的に傷つける力を発揮する側面もある。例えば、グループの内なる排除、当事者間の差別等。
・グループワークでは、利用者同士の相互作用のなかに,常にプラスの力、治療教育的力を最大限に生み出していく援助が必要である。
 グループに集う個々の利用者の全人的な成長と、グループとしての成長をもたらす新たな経験と、その場所を提供することが、グループワークの基本的な機能である。

・グループワークにおけるスケープゴート これらによってグループ内においてわれわれ感情が強くなるとしたら、支援の場としてのグループの根源的な価値が後退する。


○解説:ソシオメトリー:モレノ(Moreno, J. L.)によって提唱されたもの 略
 ソシオマトリックス、ソシオグラム 略

*地域:住民主体。
・地域住民、コミュニティのなかに入っていくコミュニティワークの実践のあり方。
 近年、郊外の団地への大学生のセツルメント的な地域活動も展開。大学等の取り組み。
 社会的起業とも言えよう。
・コミュニティエンパワメントの課題とは。
 住民主体のまちづくり-ワークショップ等の手法を用いて。

**コミュニティそのものという資源 コミュニティワークの課題
 コミュニティから受ける恩恵がある-繋がり、所属、役割、安定。もう独りではない。
 皆のまとまりである、1つのシステムを構成し、お互いにそこにいなくては成り立たない存在であると気付く。
 コミュニティそのものが資源であり、個々はその環境の中で生かされていることを自覚する。


5章相談援助の展開過程Ⅰ
1節 相談援助の展開過程の流れ
1 相談援助の展開過程 テキストP96

・援助過程とは、ソーシャルワークの援助が始まって何らかのかたちで終結するまでの時間経過のなかで進められる専門的展開過程である。 略

・機関・施設によっての違いもある。 略
 実践知の蓄積とは。

2 相談援助の展開過程の目的と対象 P96~
*国際ソーシャルワーカー連盟の「ソーシャルワークの定義」とは

・ソーシャルワークが、福利の増進、よりよい状態の強化を目指すうえで行なう援助
 社会の変革を進める-メゾ・マクロ
 人間関係における問題解決を図る-ミクロ
 人びとのエンパワメントと解放を促す-ミクロ・メゾ・マクロ 略

*ソーシャルワークの対象-拡大する 
・例えば,児童,障害者,高齢者,地域住民などのように一定の属性をもつ個人・集団として捉える場合、また一定の問題状況として捉える場合 略

*複合的な問題
・住宅,健康,所得と生活のあらゆる領域での不安定化,そしてコミュニティ,家族などの社会的つながりの弱体化・解体 略

3 相談援助のプロセス テキストP98
*援助の展開過程
 ケース発見→インテーク(受理面接)→アセスメント(事前評価)一プランニング(援助計画)→インターベンション(具体的サービスの提供,介入)→モニタリング(介入効果の分析・評価)→終結
・一回で完結する場合、緊急の場合等の例外がある。

*講義の参考文献案内 ソーシャルワーク実践の学びを深めるために
坂上 香 (編), アミティを学ぶ会 (編)『アミティ・「脱暴力」への挑戦―傷ついた自己とエモーショナル・リテラシ』2002年、日本評論社
<講義における解説>
 「アミティ」は、犯罪加害者等の社会復帰、回復を目的に1981年に米国にて開始された「治療共同体」、グループである。その活動の中心は、ミーティングにおける深い語り合いのなかで、参加者相互が影響しあい、受容しあうなかで犯罪や薬物依存症の解決への糸口を見つけていくことにある。過去に傷を背負い、それ故に他者を傷つけてしまった当事者の集う居場所、語ることが安全であるという信頼感があってこそ、次のようなカミングアウトが可能になる。
 アミティの根幹には、これらの暴力の加害者は、幼少時に何らかの虐待を受けた経験があるということ、加害者の被害者性というものがある。
 これらのプログラムはアミティ創始者の一人で、自らも刑務所で服役したナヤ・アービターによって開発された。
 その基盤にある「アリス・ミラーのパラダイム」とは、
・子どものときに傷つけられたが、そのことを誰にも知られていない。
・被害を受けたことに対して怒りをぶつけることができなかった。
・大人になってから、内にためた怒りを他人や自分自身に向けて吐き出してしまう等である。
 虐待の連鎖、人間社会の暴力性の根源とも言える。
 アミティに集う多くの加害男性は、子ども時代の性的虐待の被害者であり、被害体験が加害行為にとつながってしまった。
 また、「感情を、健全な方法で特定し、理解し表現する能力」であるエモーショナル・リテラシーの成長も、プログラムの中核である。
 加害者の被害者性、依存症から回復し、暴力と犯罪を克服していく全人的な成長の場は、人間は変わりうるという確信が宿っているからこそ実現の可能性と希望があるのだろう。
 全ての人間に回復の力がある。どのような逆境においても、人間らしく生きることを取り戻すことが出来る。


内容(「BOOK」データベースより)
引用「犯罪、虐待、DV、自傷、薬物依存…その根源は、私たち一人ひとりの中にある。過去の被害・加害体験に自ら向き合わせる「アミティ」の理論の実践から、エモーショナル・リテラシーを個人で、社会に育てよう」引用ここまで

<更に理解を深めるために>
映画「Lifersライファーズ 終身刑を超えて」


日刊 福祉施設 社会起業ニュース 関連情報クリップ
子育て支援・障がい者就労支援プロジェクト合同会社 障害者の自立支援 新事業開始 
2015/06/23 08:10 【静岡新聞】

 御殿場市の「子育て支援・障がい者就労支援プロジェクト合同会社」(内海隆治代表)は22日、障害者と有償ボランティアが企業の広告物の折り込みや戸別配布をする事業を始めた。同社は事業の売り上げを障害者の収入に還元するだけでなく、子育てや障害者の自立支援に向けた基金に充てる。
 広告物の折り込み作業は同市、小山町の行政や社会福祉法人などでつくる「北駿地区障がい者就労支援連絡協議会」に加盟する就労継続支援事業所の利用者らが行う。

 高齢者世帯の安否確認や登下校中の子どもの見守り活動なども行う。

ダウン症者のダンスエンターテインメントチーム「沖縄ラブジャンクス」初公演
2015/06/22 06:06 【沖縄タイムス】

引用「ダウン症の人たちでつくるエンターテインメントチーム「沖縄ラブジャンクス」の初公演が21日、那覇市内で開かれ、未就学児から30代までのメンバー35人が、ヒップホップなどのダンスで会場を沸かせた 略 」。引用ここまで

<関連資料 バックナンバー>
貧困・低所得・生活保護 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記



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「2016社会福祉士国家試験過去問解説集 第25回─第27回全問完全解説」日本社会福祉士養成校協会編集 ISBN 978-4-8058-5161-6
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貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中

当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月



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お問い合わせは日本福祉大学名古屋オフィス 電話052-242-3069



ソーシャルワークのグローバル定義 解説 2014年 社会開発、社会的結束、集団的責任とは 講義レジュメ

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7/8(水)7/15(水)16:30から18:00


*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部(通学)です

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当ブログ筆者の「学生のメンタルヘルス公開講座」のレポート
学生ピアサポート活動の留意点

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by yrx04167 | 2015-06-27 09:11 | Comments(0)