講義レジュメ ストレッサーのアセスメントとは 生活困窮者アルコール依存症者支援による援助者のストレス

相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第13回講義レジュメ概要 前半
 当ブログ筆者(専任講師)が、社会福祉士養成学科にて、2015/07/08 に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>

6節 事前評価・アセスメントから支援標的・目標設定まで テキストP122~
1 アセスメント結果 テキストP122
・得られた情報を、全体的に、総合的に把握する。
 問題の本質を把握するために、収集した情報を活用し、多方面から検討する局面である。
 換言すると、より大きな視点で全体を見渡すこと、的確な理解が求められている。

*全人的、生活の全体を捉える多面的な視野、ストレッサー・アセスメント
 ソーシャルワーク思考、視野の広さが求められる-多面的な視点
 学際的な視点とも言えよう。
 ストレッサーのアセスメント

 解決すべき問題が何なのか
 ストレッサー(経験等)のアセスメントでもある
 ストレッサーとは、ストレスを引き起こす因子



2 支援目標・支援標的の設定 テキストP124
・短期的(当面の)目標と長期的目標を設定する。
・クライエントとの協働を目指す。エンパワメントを志向する。
 アセスメント(事前評価)では,利用者の強さ(strengths),潜在能力等、プラスの側面を積極的に評価することも重要。略
 問題や病理にすべてを収斂していくような情報収集ではない。 略

*ホリスティック視点 
 何が強み、誰にとっての強みなのか
 ストレングスとは、上手さ,豊かさ,強さ,たくましさ,資源、能力、活力、知恵、信念、確信、望み、成長、可能性、自然治癒力
 具体的な行動を行ないながら、エンパワメントは促進される
・アセスメントにも、ソーシャルワークの価値が関わる。支援の指向性を決める
 何を目指す援助なのか。その本質こそが問われる。
 例えば、「健康」とは単に病気ではないことではない。健康とは生き方にも深く関わる。
 「健康」という状態は身体だけでなく、精神的な側面や社会的な側面、より本質の側面とも関係がある。健康とは、一つであると言えよう。
 そして、予防が最善の治療である。

・情報に関して。
 収集された情報は、氷山の一角、もしくはキルトであって、それらをつなぎ合わせて、全体としての把握を目指す


<補足>
・解決すべき問題は,当初、利用者が持ち込んできた問題とは異なる場合がある(例:不登校)。
 対応する現象は同じだとしても,それを引き起こす原因となっている問題は利用者の理解とは異なったところにある場合などが,その例に当たる。

*目標設定
 ここでは具体的な目標の設定が必要であり,多くの場合,当面の緊急を要するものから,中長期の展望のもとに設定すべき目標までを視野に入れて行われる。
・援助者と利用者はいわゆるインフォームド・コンセント(説明と同意)を周到に行っておく必要がある。

*アセスメントの留意点
 利用者自身を含め社会資源の活用の可能性、キーパーソンはいるのか、物的・人的状況、その関係を把握する 略

・援助者には、(必要に応じ)情報を収集し、整理、分析する能力が求められる。利用者に関する情報はもちろんのこと、抱える問題は何なのか、利用者とその環境とのかかわりから問題の発生の要因を探り、生活全体に関する理解を進めなければならない 略


<生活困窮者、アルコール依存症者支援による援助者側のストレス  当ブログ筆者の論文から>
 貧困と生活困窮者支援、ホームレス自立支援、生活保護の領域も、支援のあり方、成果を巡る矛盾や、また小規模の民間組織ゆえの課題が多く、援助者へのストレスも目立つ。これらのストレッサーに囲まれ、筆者も20年間ほどのこの領域の実践において、燃えつきの様な状態を経験したこともある。
 この領域の特徴の一つは、ストレスの要因は、貧困の当事者のみならず、関係者や組織、マクロにもわたって多元的であることが挙げられる。

 生活困窮者支援における援助者のストレス要因を筆者の実践等のなかから抽出した。
 (1) 支援の成果の不可視性-支援の意味の喪失
 その特徴の一つは、支援の成果が見えないことである。
 例えば、アルコールや覚醒剤依存症の当事者は、断酒、断薬を継続することには困難が伴う。支援を続けていても、本人の人間性とは無関係に、援助者側を裏切り、再飲酒(スリップ)を繰り返す場合もある。
 また、就労し生活保護からの自立を実現する人も少ないと言えよう。ホームレスから自立支援事業を経て、就労と地域生活への移行を実現したものの、アパートの家賃を滞納し路上に逆戻りする事例は数知れない。
 支援やそれに伴う援助者側の思いと、その結果のギャップとも言えよう。
 このように、貧困領域、社会的排除の領域においては、回復や自立、成功等の前進よりも、疾病の悪化や障害の重度化、再入院、失敗等が目立ち、やがて孤立死に至ることの方が主流であると言っても過言ではないであろう。
 支援の成果が見えなければ、何のための支援なのか、自分が実践したいと思っていた支援なのか、自身とその実践の意味を見出すことは困難である。望ましい変化が見えず、停滞と後退しか感じられないなかでは、実践の意味の喪失と、援助者自身の自己肯定感、自己効用感の低下を招く。援助者としての理念や使命感と、現実とのギャップである。また、事業の成果が見えないなかでは、組織としても方針を決定することにも困難がある。

 下記の当ブログ筆者の論文から抜粋、次回に続く。

当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


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お問い合せは 日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255

*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部(通学)です

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by yrx04167 | 2015-07-14 00:49 | Comments(0)