福祉介護職ストレスマネジメント、燃えつき 講義レジュメ 相談援助の目標設定、自尊感情の回復とは

<福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修・続き 当ブログ筆者の論文から>
(6) 協同による実践と新たな働き方
 第一に、福祉施設職員のストレス、燃えつきは総合的問題である。
 福祉職員の働き方、生き方の質が問われる側面もある。ストレスの緩和のためには、各自のメンタルヘルスのみならず、総合的な対応が求められる。自省しながらの実践によって成長し、かつ自らの生の拡充を図る。
 第二に、福祉施設の職員チームの人間関係は、ストレッサーとなり得るものであり、またストレスを緩和する要ともなる重要なものである。
 第三に、ストレスを皆無にすることは出来ないが、ストレスに対処し、復元、回復する力、レジリエンスを高めることは出来る。
 第四に、ストレスからの拠り所となるのは、職場の内外の「仲間」との相互支援のネットワークと、個別の支援である。
 実践知の共有や多様性を尊重する対話、実務とメンタル両方の相互支援の促進が課題である。

 これらの方法により、ストレスに対処し、実践を持続可能なものとしていく。現状においては、常にストレスからの悪影響を緩和する資源やストレス対処スキル、自己効用感等の、主にソフト領域を中心としたストレスからの防護と、実践からのストレスやマクロ要因、労働条件等による不安等がせめぎ合っていると言えよう。
 もちろん、労働条件等のハード領域の改善も福祉職員を支えることに直結するのであり、マクロレベルにおける対応を待望したい。福祉施設職員の置かれている現実から出発する議論の活性化が、必要不可欠であると思われる。その間に、ストレス・マネジメントを更に強化するものとして、本論の提案する対処策を施設や個々の職員が導入することが、職員の職場への定着と安定に繋がると考えられる。
 スローガンや理念ばかりではなく、割り切った単なる賃労働ではなく、慢性疲労を抱えた「でもしか介護」でもない。現場と共に新たな働き方、生き方を創造していきたい。


 下記の当ブログ筆者の論文から抜粋、次回に続く。
当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


お知らせ 当ブログ筆者の出張講義 福祉施設職員サポーティブ研修 無料
東京都の登録講師派遣事業<研修申込受付 平成27年9月23日まで>
「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修」講座番号31
内容 福祉施設職員のストレスへの対処や燃えつきの予防、心身の健康のセルフケアを支援する研修

「生活困窮者、生活保護受給者対象のグループワーク」講座番号84
内容 貧困・生保受給者対象のグループワークプログラムと留意点等を、講師(ブログ筆者)の実践や事例に基づき解説

「福祉施設職員の職業倫理と福祉マインド、ハラスメント予防」講座番号32
内容 福祉施設職員に求められるモラルや福祉マインドの基礎と、ハラスメントの予防を含めて解説。

「グループワークの基礎」講座番号33
内容 福祉施設におけるグループワークのプロセス、方法、プログラム等の基礎を解説。

 上記は当ブログ筆者が担当する研修の一部です。
この講座は、東京都福祉保健局の委託による、福祉・介護事業所対象の職場研修です。ブログ筆者等の派遣講師が出向きます。講師謝金・講師派遣 無料

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相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第18回講義レジュメ概要1
 当ブログ筆者(専任教員)が、社会福祉士養成科(夜間部)にて、2015年8月 に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>


8章2節 契約の方法と留意点
<契約のポイント>
*概要

・原則として、ソーシャルワークと関連サービスによる支援は、契約に基づいて提供される。
・契約とは、援助者とクライエントの間で、目標や支援の具体的な方法、期間、面接等のルールなどについてなされる取り決めである。
・支援において、契約を結ぶこと自体に意味を持たせる場合もある。
 事例によっては、援助者とクライエントの双方が、契約を守るということが重要な意味を持つ場合もある。信頼された経験-信頼関係、承認の機会-認められるということ等による自尊感情の回復である。
 つまり、クライエントが、他者から裏切られ、また自分が疑われた過去を越えて人は信じられるという基本的な信頼感と、虐待や屈辱から傷ついた誇りを回復する。人として生きることの全人的な回復が、ソーシャルワークの援助過程にとって大きな課題である。
 事例によっては、支援の枠組みを設定して、双方がそれを守るということが重要な意味を持つ場合もある。
 例えば、アルコールや薬物の依存症者の事例等。


*グループワークの契約とは-シュワルツ(Schwartz,W.)による

・(グループワークにおける)契約では,グループワーカーは、グループを作る目的・意義などについて、ワーカーとメンバーが合意形成する作業を援助する。
 つまり、何のためにこのグループが会合し,どのような約束のもとに活動を展開していくのか,などについて,ワーカーとメンバーの合意をつくる。

1 アセスメント段階までの共有 テキストP167
・(テキスト)契約とは、アセスメント段階から援助計画段階の間にあり、援助の目標に関する契約である。
・契約段階を経ることにより、ソーシャルワーカーとクライエントは協働で目標設定をし、達成のために計画を立案し、その進展や結果の評価が可能となる。
・ソーシャルワーカーは、クライエントの問題、状況への理解深め、問題等の共有化を図る。
 これによって、クライエントの動機づけ、クライエントへの尊重、自己決定の尊重を具体化する。
・共通理解のうえに、双方が問題解決のために協働することの合意がもたらされる。双方の理解の共有は、全過程で行われるべきだが、特にアセスメント終盤は重要である。
*恊働のソーシャルワークへ
 つまり、契約はパートナーシップによる問題解決を具現化する。参加型のソーシャルワークとも言えよう。
 問題解決の主体はクライエントである。自助努力の促進というクライエントの課題も含まれる。


・双方の見解が異なる場合、ソーシャルワーカーは更に情報を収集し、アセスメントのやり直しの必要が生じることもある。
・クライエント自身が直面を避ける問題に、気付きを促すことが課題となる場合もある。
 クライエントの自立と、自身の進むべき方向を自ら決める力を育む。


<補足>
・アセスメントの過程によって、クライエントの問題と取り巻く状況が明らかになり,次に進むべき道すじ・方向性も見えてくる。
・ソーシャルワーカーとクライエントとが共にアセスメントで見えてきた問題の本質を踏まえ,可能性や障害・問題についても話し合われる。これらを理解し,具体的な支援・取り組みを取り決めるのが「契約」である。

*援助契約の作業と留意点
具体的には、問題の明確化,目標の設定,援助方法にかかわる複数の選択肢,援助期間や提供される場所をクライエントと合意する作業が必要 略
・「契約」段階では,サービス利用者が現に直面している問題状況の明確化を図る働き掛けが含まれている。
・契約際しては,利用者のスティグマに留意しつつ,説明責任(アカウンタビリティ)に配慮し,説明と同意(インフォームド・コンセント)を遂行 略

2 目標設定の合意 テキストP168
*エンパワメントを徹底した目標の設定へ
 問題に取り組み解決する主体は、クライエントである。
 ソーシャルワークは、問題の解決にクライエント自身が主体的に取り組むことができるように側面から援助していく。
 クライエントの個別性を捉え、問題解決能力などその主体性を強めるために、専門的知識・方法・技術などを提供する。
 ソーシャルワーカーは、クライエントのニーズをクライエント自らが明確化できるように援助し、ニーズを充足するための計画が可能になるように目標の設定を支援することが求められる。


*新たな生き方への目標
 クライエントの生き方の転換、再出発が課題となる場合もある。自らを問い直し、生きることの新たな意味を見出すとも言える。
 その基盤には、多様な文化、多様な考えの尊重がある。相互の信頼、協力、共感、調和、対等な繋がり等が挙げられる。全人的、ホリスティックな視点、人間観が必要となる。 略
 人間中心の支援であることが、目標に集約される。


<補足:目標設定>
・アセスメントにおいて収集できた情報を基礎にして、利用者に最もふさわしい援助の目標設定を利用者とともに考え,立案する過程である。
 ここでは具体的な目標の設定が必要であり,多くの場合,当面の緊急を要するものから,中長期の展望のもとに設定すべき目標までを視野に入れて行われる必要 略
・援助者と利用者はいわゆるインフォームド・コンセント(説明と同意)を周到に行う 略

・取り組むべき問題が同意 ⇒ 問題解決の目標・到達点を設定する。
・目標は、到達されるべき結果の形態で設定される。
・目標と、目標を達成する方法や手段も区別すべきである。
 例:「~の状態になる」は目標であり、その為の「~サービスを利用する」は、目標を達成するための手段である。

<目標設定の留意点>
*特定化すること

・目標は漠然、曖昧、具体的でない表現は避ける。明確に特定される必要 略
・目標の特定化は、クライエントの課題を顕在化させ、取り組むべきことを明らかにする。

*検証可能であること-目標は、検証できる形で設定されることが望ましい。
・具体的、測定可能な目標の設定により、課題達成の評価が可能 略

*現実的であること
・クライエントの意欲や能力などと、インフォーマル・フォーマルな資源の活用により、達成可能なものでなければ 略
・クライエントの価値観や文化、適性や能力、関心に沿ったものを設定すべき 略

*時間的枠組みを設けること
・行動の具体化は時間の限定によって進められる。

<関連資料 バックナンバー>
貧困・低所得・生活保護 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記


貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中



ブログ閲覧中の皆様、卒業生、学生、福祉施設や機関の職員の皆様にお知らせ
ソーシャルワーク実践研究会 卒業生社会福祉士の実践報告 公開
関心をお持ちの方、どなたでも参加可能です。
日本福祉教育専門学校社会福祉士養成学科 主催
参加無料 参加申し込み不要、直接会場へ
2015年8月29日(土)14時半から16時半

福祉現場の語り 実践力


講義レジュメ ストレッサーのアセスメントとは 生活困窮者アルコール依存症者支援による援助者のストレス

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低所得者支援と生活保護練習問題 貧困の文化、履歴効果とは ひとり親世帯就職サポート事業、障害者就職率

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「2016社会福祉士国家試験過去問解説集 第25回─第27回全問完全解説」日本社会福祉士養成校協会編集 ISBN 978-4-8058-5161-6
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 450問を選択肢ごとに詳しく解説し、科目別ポイントを収載。第27回を含む過去3年分の国家試験全問題を掲載した問題集。過去2年分も最新の制度や数値にアップデートし、次回試験に完全対応。基本の理解、実力試し、傾向対策、総復習で着実に学習効果を発揮。 中央法規出版


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 日本福祉大学の社会福祉士受験対策講座
【社会福祉士養成校協会】全国統一模試+ポイント解説講座
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10月25日(日)東京会場
10月31日(土)岡山会場

お問い合わせは日本福祉大学名古屋オフィス 電話052-242-3069



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by yrx04167 | 2015-08-15 23:49 | Comments(0)