福祉介護職の職場ストレス、人間関係 研修 心理社会的アプローチ、心理社会療法 社会福祉士受験夏期講習

<福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修・続き 当ブログ筆者の論文から>
(4) 相互支援のファシリテーション
 繋がりによる支援は、福祉施設の実践における社会的心理的葛藤の心身への悪影響を緩和する。また、チームとしての仲間意識を持つことが起点となり、自身が職場に必要とされている存在であり、自らとその実践が仲間から承認されていることによって、自尊感情が強化される。
 チームとしての協同は、多様な職種であり、個性を持った人材が働く福祉・介護の領域では特に求められる。しかし、職員間の職種の違い等から、仲間として連帯することが困難な場合もある。それらの違いは、利用者支援にとって意味のあるものなのか問わなければならない。一つの見解に集約するのではなく、異なる意見に耳を傾け、多様性を認め合う対話は多職種チームの課題である。これらを引き出し、議論の深化を図るファシリテーションの働きが求められている。
 大きな視野で捉えるならば、チームの仲間として繋がり語り合い、支え合い、それぞれが何らかの弱さを持っているなかで、相互に補い合う方が、チームの全員の、何より利用者の利益となる。また、職員チームのグループ規範の見直し等も、必要に応じて、踏み切らなければならないこともあると思われる。
 語ることはストレスケアの要であり、自己を語り開示することによって、自己理解が深められる。仲間に対してどの程度、心を開いて語るのか、自己決定とプライバシーの保持、仲間との信頼関係が重要となる 。

 具体的には、援助者のストレスや痛みとなり得る体験と感情を、語り合い、分かち合う機会が必要である。孤立と自責から、周囲に語り、相互に受容することへの転換である。
 仲間へのサポートとして有効な働きかけの基本は、ストレス体験を無かったことにしないことである。そして、周囲からの受容と共感、また「あなたは悪くない」などの肯定と承認のメッセージによって、サポートが行なわれる。仲間に語り、適切に頼ることによって、心身のリラクゼーションを図ることにも繋がる。


 下記の当ブログ筆者の論文から抜粋、次回に続く。
当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


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「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修」講座番号31
内容 福祉施設職員のストレスへの対処や燃えつきの予防、心身の健康のセルフケアを支援する研修

「生活困窮者、生活保護受給者対象のグループワーク」講座番号84
内容 貧困・生保受給者対象のグループワークプログラムと留意点等を、講師(ブログ筆者)の実践や事例に基づき解説

「福祉施設職員の職業倫理と福祉マインド、ハラスメント予防」講座番号32
内容 福祉施設職員に求められるモラルや福祉マインドの基礎と、ハラスメントの予防を含めて解説。

「グループワークの基礎」講座番号33
内容 福祉施設におけるグループワークのプロセス、方法、プログラム等の基礎を解説。

 上記は当ブログ筆者が担当する研修の一部です。
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社会福祉士受験対策web夏期講習 相談援助の理論と方法編 第1回
<心理社会的アプローチ>
1 起源と基盤理論

・臨床ソーシャルワークとも呼称される。心理社会的アプローチは、ホリスによって提唱された。
・起源は、リッチモンドによるケースワーク理論にある。1917年『社会診断』・
その特徴は、クライエントと環境との間を意識的に調整し、その人物のパーソナリティの変容・発達を図ることにあった。
 その要は、クライエントの社会的状況とパーソナリティを捉える社会診断にある。

<受験対策ポイント>
 リッチモンド(Richmond,M.)は,人と社会環境との間を個別に意識的に調整することの重要性を指摘した。


・リッチモンドの理論はその後、診断主義ケースワークに部分的に引き継がれた-社会診断、治療という枠組み等、一部が。
・診断主義は、フロイトの精神分析理論から影響を受け、中核に位置付けられた。ハミルトンや、トールらが発展させた。その後、心理社会的アプローチとして発展、継承されている。

<受験対策ポイント>
・ハミルトン(Hamilton,G.)は,ケースワーク過程の中心を「ワーカー・クライエント関係を意識的にまた統制しつつ利用すること」とし,「変化と成長を遂げる能力があることの自覚を促すことにある」とした。
・ホリス(Hollis,F.)は『ケースワーク:心理社会療法』を刊行し,「状況の中にある人間」をケースワークの中心概念に位置づけた。ホリスはこの視点から,心理社会的アプローチを確立した。


2 心理社会的アプローチを理解するためのキーワード
*臨床ソーシャルワーク

 心理社会的状況下にある人間の行動や発達に着目し、クライエントの社会的機能の維持・向上を支援目標におく。

*精神分析理論
 19世紀末、フロイトにより創始された神経症の病因論と治療法に関する理論であり、人間の「自我」の構造を明示した理論体系である。 後述

*状況のなかの人間

 「人」と「状況」と両者の「相互作用」からなる三重の相互関連性によって成立する、重要視点である。

*暫定的目標
 すぐに取り組める具体的課題を含んだ特定される目標。

3 適用対象・適用課題
・支援を要するすべての人に適応可能なアプローチである。
 家族問題、精神医学的課題、医療的課題の解決に適応できる。
・一方、言語コミュニケーションが可能であることが前提となり、動機づけに乏しいクライエントへの適応は困難である。また、クライエントとワーカーとの関係性の重視により支援に時間がかかり、援助過程にクライエントが継続的に参加することが前提になる。

4 支援焦点
・援助関係におけるコミュニケーションを通じ、パーソナリティの変容を図り、状況側の機能を高める。人と状況相互の機能不全を改善し、課題の解決を図る。

5 支援展開

・「状況のなかの人間」を中心視点に、援助関係を確立し、両者の協働により、問題の解決を図り、人と状況相互の機能不全を減じることに目標がある。
・アセスメントは、クライエントの問題の原因、状態、また、「人」と「状況」の全体関連において、「誰が、何が問題の解決に向けて変化しやすいのか」に焦点があてられる。
・介入は、援助の初期段階から実際の介入が開始されていくことが強調される。
・アセスメント(診断)に基づく支援計画の策定が、実践の成否をにぎる。

<社会診断・区分とその手法>

・パールマンは、社会診断を次の3つに区分した。
*臨床診断
 精神分析(精神医学)や心理学など他の臨床科学によって,クライエントを精神疾患あるいは適応異常の性質によって分類し,評価すること。パーソナリティ・人格面の評価である。

*発生的(原因論的)診断
 問題発生の原因と、その後の経緯を明らかにする。

*力動的診断
 クライエントの問題状況のなかに相互的に作用している力を評価することで,クライエントの問題が,その生活状況のなかでもっている意味,その問題解決の手段を明らかにする。
あるいは,人-状況-問題 の複合した状態のなかで能動的に働いている諸要素についての診断であるということができる。
これが伝統的にいわれている心理社会的診断であり,パールマンはこの過程で,クライエントの機能する力=ワーカビリティを評価するといっている。

*介入時の技法(六つのカテゴリー)
①持続的支持

 傾聴、受容、はげまし、共感的理解など。
・上記に加えて、クライエントの不安や罪悪感への再保証
 例 略
・これらの技法の目標は、クライエントの不安を軽減し、問題解決への動機づけを促進して,専門的援助関係を樹立すること 略
ケースワーカーのコミュニケーションの技法 略

②直接的支持(指示)
 直接的働きかけとも言える。クライエントのとるべき行動に関しての、ワーカーからの意見や態度の表明など 略
 例 略
・目標は、社会生活機能の障害となっていることを除去する 略
・クライエント側の必要性にもとづいてこの手続きを用い,安易に依存を助長しないようにすることが求められる。

③浄化法
 クライエントの状況について探索し、事実を描写し、感情の解放を行なう。
 例 略
感情の言語化 略
・目標は、診断的な理解をうるとともに,感情表出による緊張の軽減をはかる 略
・自虐的な人,精神疾患など感情をかきたてたり,不安が高まる傾向のある人に対してはこの手続きの使用は一定の範囲内にとどめる 略

④人と状況の全体関連性についての反省的話し合い
 環境や他者との関係に関する思考・感情・認知への気づき。
 反省的話し合い 例 略
 略

⑤パターン力動的要因への反省的話し合い
 行動傾向、出来事への反応や行動を生み出す思考・感情のパターンを明確化。
・目標は、変化することへの動機づけを促しながら 略

⑥発達的要因への反省的話し合い

 原家族や幼少期の経験について考察する
・目標は、変化のために,幼少期の問題と現在の行動との間に因果関係のあることをクライエントに気づきを促す 略

<受験対策ポイント>
・ホリス(Hollis,F.)は,「受容」を「ワーカーがクライエントに対して積極的で理解のある態度を示し続けること」であり「行為についての意見の表明ではなくて,行為の実行者に対する変わらぬ善意(Continued good will)を示すこと」とした。

<用語、人名>
*ホリスの治療技法 略
*ハミルトンHamilton, Gordon  (1892-1967) 略
*精神分析学
*フロイトFreud, Sigmund (1856-1939)
*エディプス・コンプレックス
*自我
*イド(エス)
*超自我


<続く 社会福祉士国家試験受験対策web夏期講習>

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<関連資料 バックナンバー>
貧困・低所得・生活保護 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記


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ソーシャルワーク実践研究会 卒業生社会福祉士の実践報告 公開
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 日本福祉教育専門学校社会福祉士養成学科 主催
 参加無料 参加申し込み不要、直接会場へ
 日時 2015年8月29日(土)14時半から16時半

 ソーシャルワーク実践研究会は、子ども家庭福祉、地域福祉、貧困生活困窮者支援、高齢者や障害者福祉、スクールソーシャルワーク等、毎回さまざまなテーマで、本校社会福祉士養成学科の卒業生等の社会福祉士からの実践報告、現場レポートなどを行なっています。
 また、それぞれの実践の経験からの知識を共有するディスカッションを行い、卒業生と在校生、教員、福祉施設職員、一般の参加者との交流の場ともなっています。
 社会福祉士養成学科・養成科等の本校の学生や卒業生はもちろん、現場の福祉職員の方々や社会福祉に関心をお持ちの一般の皆様の参加も歓迎です。

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by yrx04167 | 2015-08-16 10:13 | Comments(0)