コノプカのグループワーク14原則、シュワルツの媒介機能とは 相談援助の基盤 講義レジュメ エーデル改革

相談援助の基盤と専門職 後期第5回講義レジュメ概要 1
 当ブログ筆者(本校専任講師、社会福祉士)が、社会福祉士養成学科にて、2015/10/26に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>


 コノプカのグループワーク14原則は、グループ内外の葛藤をグループと参加者個人の成長に活かす。人間と集団を築くことを促進するところに要点がある。
 また、グループワーカーは、自己の個性も専門性も、援助の道具として用いられる。援助者は集団のなかで利用者と時間と場を共有し、率直に語り合い、行動をともにするなかで、全人的な交流のなかで必要な援助をグループと個人に提供するために存在する。

 コノプカは、グループワークに関して、次のように述べている(コノプカ『収容施設のグループワーク』より)
・人間にとっての集団の功罪とは何か。グループワークに求められる専門性とは。
・グループワークが参加者にもたらす所属感、孤独の緩和。
・グループにおける多様性の尊重。人間関係、葛藤解決の機会を、成長の場として提供する。
・施設サービスとグループワークの一体的提供の必要性。集団生活の問題解決に活かすグループワーク。

<コノプカによるグループワークの14原則>
1.グループ内での個別化
 各個人の独自性、相違点を認識し,それにしたがって行動すること
2.グループの個別化
 多種多様のグループをそれぞれ独自のグループとして認識し,それにしたがって行動すること
各グループはそれぞれの特徴をもっている。
3.メンバーの受容
 各個人をその個人独特の長所・短所とともに純粋に受け入れること
4.ワーカーとメンバーの援助関係の構築
グループワーカーとグループメンバーとの間に意図的な援助関係を樹立すること
5.メンバー間の協力関係の促進
 グループメンバーの間によい協力関係ができるように奨励し,その実現に力をかすこと
6.グループ過程の変更
 グループ過程に必要な変更を加えること
7.参加の原則
 メンバーが各自の能力の段階に応じて参加するよう励まし,またその能力をさらに高めることができるよう援助すること
8.問題解決過程へのメンバー自身の取り組み
 メンバーが問題解決の過程に参加することができるように援助すること
9.葛藤解決の原則
 メンバーが葛藤解決のためのよりよい方法を経験するように援助すること
メンバー自身の、またグループ内での葛藤に対して,メンバーが自分たちで解決できる方法を見出せるように導くこと。
10.経験の原則
 人間関係をもつことにおいて,また、ものごとを成就することにおいて,多くの新しい経験を与えること
11.制限の原則
 制限を,各個人およびグループ全体の状況に対する診断的評価に基づいて,巧みに用いてゆく。
・利用者が自分や他人の生命を脅かしたり、関係を破壊する行動をとったりすることがないよう保護。
12.プログラムの活用
 各メンバー,グループ目的および社会的目標の診断的評価に基づいてそれぞれの状況にふさわしいプログラムを意図的に用いていくこと
13.継続的評価
 個人およびグループ過程について継続して評価を行うこと
14.グループワーカーの自己活用
 グループワーカーは暖かく,人間的に,しかも訓練によってえた方法にしたがって自己を活用してゆくこと

<参考:トレッカーのグループワークの原則(1972)>
・ソーシャルワークの価値に立脚 
・人間のニードへの対応   
・文化的な場の理解   
・計画的グループ形成    
・特定の目的を持つこと      
・意図的なワーカー=グループ関係
・絶えざる個別化      
・グループの相互作用の重視
・グループの民主的な自己決定
・必要に応じたグループの組織化
・グループの発達にそったプログラム経験
・施設・資源の活用
・絶えざる評価

*シュワルツの平行過程の原則  
・グループワーカーの課題とメンバーの課題とは違っており、その両者の課題は区別されなければならないという、シュワルツが提唱したものである。
・ワーカーはワーカーの仕事をもち、クライエントはクライエントの仕事をもつこと、そしてこの二つの仕事の過程は相互依存的ではあっても同じではなく、この分業を乱すとグループの機能が弱体化するばかりでなく、ワーカーとメンバーとの関わりを操作的にし、双方に不満を残すことがある。

*シュワルツSchwartz, William (1916-82)
 グループワーク理論モデルの「相互作用モデル」を構築。グループワーカーの機能を「個人と社会が互いに手を差し伸べる過程を媒介すること」とした媒介機能は,ソーシャルワーク全体に多大な影響を与えた。「波長合わせ」等も提唱した。

・総じてグループワークの中心は、援助者と参加者との全人的な、率直な関わり、人間的な交流にある。
 困難、孤独感、虚しさ、罪悪感を抱え、生きづらさの只中にある人々と、集える場を共有できること、語りを紡ぐ機会に立ち会えることは、援助者という職業の特権である。
その関わり、集いのなかで、援助者である自分自身の内面を気付かされる。自分と向き合う場でもある。
 グループにおいて、援助者の個性の多様性、自分らしさも活かされる。
 人間は、孤独、孤立してしまうのではないかという恐れを払拭することは出来ない。だからこそ、他者と繋がる機会であるグループワークが、今日、求められている。
 グループにおいて、社会、人々、他者と繋がっているという感覚を与えられる。グループワークの集いは、そのなかにに属するメンバー全ての弱さもストレングスも、包み込む居場所である。
 そこにコミュニティにおける相互サポートを創りだす場への可能性も含まれている。



第28回社会福祉士国家試験受験対策 専門科目
高齢者に対する支援と介護保険制度 練習問題

問題2 高齢者福祉の国際動向に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい

1 スウェーデンでは,1990年代に,高齢者に対する保健・医療・福祉サービスをコミューンに一元化する「エーデル改革」を実施した。
2 イギリスでは,1990年代に,地域の民間事業者が利用者に対してケアマネジメントを行う「コミュニティケア改革」を実施した。
3 ドイツでは,1990年代に,介護保険制度を導入し,高齢者施設の利用者の自己負担を1割とすることなどにより利用者負担を軽減した。
4 アメリカでは,唯一の公的医療保険としてメディケアがあり,医療の範疇(ちゅう)に入らない介護サービスについても,すべて給付の対象としている。
5 韓国では,ドイツや日本の介護保険を参考に独自の介護保険制度の検討を進め,2008年7月から実施している。

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エーデル改革、スウェーデン、高齢者ケア改革
社会的入院 ナーシング・ホームとは 
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日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


「貧困問題と相談援助」 当ブログ筆者の講演 音声記録の一部を公開中

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会場 日本福祉教育専門学校 高田校舎

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問題2 解答5
 平成20年度(第21回)社会福祉士国家試験問題

<解説>
*エーデル改革
 1992年にスウェーデンで行われた高齢者ケアに関する改革。社会的入院の減少などをめざして,それまで県が所管していたナーシング・ホームなどの長期療養型ケアの権限を市に移管し,在宅ケアと統合して提供できる体制を整備した。「エーデル」とは,スウェーデン語で「高尚な」「優しい」を意味し,この検討を行った高齢化問題審議会(エルドレ・デリガション)の呼び名をもじってつけられた。

*メディケア/メディケイド
 アメリカ合衆国で1965年に制度化された公的医療保障制度。メディケアは高齢者を対象とし(その後人工透析を必要とする者なども対象に加えられた),メディケイドは低所得者などを対象とする。メディケアは連邦政府が,メディケイドは一部連邦政府の財政的補助を受けて州政府が運用している。医療機関が支払を受けるためには,政府との契約により,審査を受けることや,患者の入院の際に臓器提供の意思の有無を確認することなどが義務づけられている。
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by yrx04167 | 2015-10-24 14:31 | Comments(0)