インテーク面接、観察技法、非言語コミュニケーションとは 相談援助の理論と方法講義概要

相談援助の理論と方法 前期第11回講義レジュメ概要 2
 当ブログ筆者(本校専任講師、社会福祉士)が、社会福祉士養成科(トワイライト、ナイト)にて、2016年6月29日に講義予定            
<この記事は、ダイジェスト版と講義当日の補足。レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>


5章相談援助の展開過程Ⅰ
3節 受理面接・インテーク
1 インテーク段階の内容 テキストP107
*概要

・インテーク(受理面接)は,援助の過程ではクライエント(この段階では申請者)が、最初に援助機関と出会う局面である。
⇒インテーク=クライエントとの出会いの機会であり、来談理由がその中心となる 。
 クライエントにとって回復・解決への一歩の前進であり、孤立を脱し社会と繋がる等の、はじまりとなる。
 クライエントの自己評価の低さ-もう一人ではないという実感の獲得。

・クライエントの来談理由、その生活問題を、援助者は的確に把握し,最も適切な機関、支援へと振り分けるための判断する場面でもある。 (インテークは、社会福祉士国家試験に出題多数)

・ケースワーク・相談援助は、実質的にインテークによって開始される。
 インテークは,「取り入れること」あるいは「受理(面接)」と訳すことができる。
単なる事務的な受付と混同しないため,インテークという言葉が使用される。
・通常、インテークは,問題が持ち込まれた時点で,面接というかたちをとって行われる。

*インテークでは、次の三点が主に行われる。
①主訴の提示

 来談者(申請者)の主たる訴え=主訴に十分耳を傾け(傾聴 ),その要求(ニーズ)が何であるかをあますところなく表明することを促す。。
・インテークの場には、人生の危機・苦境で訪れる。
例えば、子どもや高齢者への虐待、ドメスティックバイオレンス等の暴力、犯罪被害。生活困窮、家族介護の困難、ハンディキャップによる問題。
 生活問題の背景にある複雑な家族関係(親子の長期分離歴)、離婚、望まない妊娠、多問題家族。
・主訴とそれに関わる感情の表現を促す-言葉で表現出来るもの、出来ないもの 。
事例 沈黙の面接-うなだれたまま一言も話さないクライエント
事例 「介護保険制度を教えて下さい」のような、表面的な会話で、本当の主訴を語らないクライエント。


②ソーシャルワークとサービスの説明
 援助者と所属する機関や施設が提供できるサービスの内容と機能を情報として明示し,申請者の要求と関連させて理解と納得がいくようにわかりやすく説明する。

(③契約)⇒注意 略
 講義にて解説

*準備段階
・事前に入手できるクライエントに関する情報を調べる。
・予備的な理解-波長合わせ

*面接の導入部分-観察とホリスティックな視点による配慮
<出迎えと観察>
・待合室やロビーへの「出迎え」と観察、面接の場面設定を行なう(機関によって違い有り)。
 出迎え時、観察の要点-座り方や態度、家族等同伴者、立ち上がり方など。
個室という圧力-当事者の秘密を打ち明けるプレッシャー。精神的負担。
⇒臨機応変な場面設定の必要性。
・面接室まで共に歩く効用-隣の位置 。
肩を並べて歩きながら話すこと

<配慮、理解する姿勢>
・面接の開始時、「お暑い(お寒い)ところを、よくおいでくださいましたね」「随分遠かったでしょう」など、来談者を気遣った挨拶の言葉で開始する。
・また、来談者の体調への気遣い、子ども連れならば、子どもへの配慮等も必要となる。
・これらは、個々の来談者(クライエント)の置かれている状況を観察し,適した方法、言葉で伝えることが大切である 。
面接全般において必要なスキルであるが、特にインテーク面接においては、その後の展開を円滑に進めるために不可欠と考えられる。

・援助者の支援にあたる姿勢が、支援に及ぼす影響が大きい-精神科医療でも明らかにされている。

*質問の組み立て
・インテーク面接の展開は、機関・施設として定められた質問項目があったとしても、来談者の状況や話の流れに沿って、質問の順番を組み立てる=機械的に順番通りに質問しない (仲村優一)。

・生活問題の現状と経緯、感情等を聴き取る-質問を活用する。
 開かれた質問と閉じた質問を状況に応じて組み合わせる。

*非言語(ノンバーバル)コミュニケーションの必要性(観察)
・ことばや文字を直接には用いないコミュニケーション形態で,身振り,姿勢,表情などの身体動作から,空間意識や接触行動,化粧や服装などにまで及ぶ。
 意図的,意識的な言語コミュニケーションとは対照的に無意図的,無意識的な色彩が濃いが,対人関係において相互の感情状態を判断したり,パーソナリティや社会的地位に関する情報を交換する積極的機能も果たす。
 言語コミュニケーションを円滑にし相互理解を深める補助手段としても重要である。
 他、ごまかし(にせ物)は,非言語的に露見する、非言語的コミュニケーションは,言語的コミュニケーションに比べその正当性が高い、非言語は,情緒表出の第一の手段である等の特性がある。

・面接における、関与しながらの観察という方法。
 非言語の観察、ホリスティック(包括的)な視点、俯瞰的な視点。

・援助者の専門的な非言語的表現は,重要である。
(欧米においては)握手したり,手を取ってオフィスに案内したり,子どもをなでたり,混乱し、感情の乱れている時に手を握ること等は,重要な非言語的共感の示し方である。ただし、クライエントの年齢、性別、文化への注意を要する。

*来談者の言葉の二面性

・時として利用者の言葉は、「表面的な(言語による)情報」と「裏側に潜む感情や価値観を含んだメッセージ」といったような、二つの面からできていることがある。裏側への気づきが必要である。特に高齢者の場合に、配慮を要する(例 SOSは発しづらい)。
・そのため、対人援助の場面では,援助者は利用者が言語で表出した感情や情報だけではなく,表情や身振り,視線,態度などの非言語(ノンバーバル)コミュニケーションにも注目して相互に信頼関係を結ぶ。
 さらに,傾聴や共感的理解といったコミュニケーション技術を活用して,利用者自身が課題を明確化し、自らの能力を最大限に活用して問題解決ができるよう働きかける。

・ワーカーは非言語的表現と言語的表現との食い違いを察知し,言葉と内容との二面性を理解しなければならない。
 例えば、クライエントが硬直しながらもほほ笑んだり,声高な調子で冷静さや気分を害していないことを主張する場合は,クライエントが自己の感情を理解し,処理しきれていないことを意味する。
・初期の面談の場合には,言葉と態度の食い違いを直接指摘したりせずに、言語的,非言語的表現を使って共感の気持ちを示す方がよい。しかし,後の面談では,食い違いについて話すことは,援助のために必要となる。

*インテークにおけるアカウンタビリティ

・インテーク時に、所属機関のサービスの内容、期待できる効果(その根拠)について、専門職は説明する責任がある。

◎解説:アカウンタビリティ  (第16回等 社会福祉士国家試験出題)
 サービスの内容,質,成果などについての説明責任をさす 略


アウトリーチ、拒否的クライエント、電話相談、予防的援助活動とは 相談援助の理論と方法 講義概要


<児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 練習問題・初級>
<社会福祉士国家試験専門科目 基礎>
<この4月から学習を開始した受講生向き練習問題 入門編>


問題1 次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,適切なものを一つ選びなさい

 昭和初期には,世界大恐慌,東北,北海道の大凶作の後を受けて多くの社会問題が発生した。親子心中だけでも,大正14年から昭和2年まで311件もあり,実子殺し,貰い子殺し,農村子女の身売り等の悲惨な状況の中で欠食児童は20万を超えていた。
 こういった状況に対処すべく,昭和4年「 A」 が制定され,生活扶助,……(中略)……助産等が実施され,貧児の施設収容も行われた。昭和8年には児童虐待防止法,「 B」 が制定され,幼少年の虐待防止を図るとともに,多年の懸案であった要教護児の早期発見に資することとなった。また母子心中,欠食児童の増加等にかんがみ,昭和12年には12歳未満の子を有する貧困母子家庭救済のために,「 C 」が生まれた。(厚生省児童家庭局編『児童福祉三十年の歩み(抜粋)』昭和53年)
   A     B       C
1 恤救規則--感化法----母子保護法
2 救護法---少年教護法--母子保護法
3 救護法---感化法----母子保護法
4 救護法---少年教護法--母子福祉法
5 恤救規則--少年教護法--母子福祉法

心理学理論と心理的支援(心理学)練習問題 初級
*社会福祉士・精神保健福祉士共通科目 基礎
今年4月から学習をはじめた受講生向き練習問題 入門編


問題2 知能検査に関する次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,正しいものを一つ選びなさい。

 ウェクスラー(Wechsler,D.)の知能検査は,知能の内容を言語性と「 A 」とに分け,それぞれを6つの下位尺度で構成し,測定するものである。また,児童用以外にも,「 B 」用のWPPSIや青年から高齢者までを対象とする「 C 」を開発するなど,適用範囲が広いこと,偏差値で表され,集団の中での位置が分かりやすいことなどが特徴として挙げられる。
   A    B      C
1 数理性--障害児---WISC-R
2 数理性--青年前期--WAIS-R
3 動作性--低年齢児--WAIS-R
4 動作性--青年前期--ITPA
5 芸術性--低年齢児--ITPA

*解答・解説:母子一体の原理、少年教護法、救護法、感化法、小河滋次郎、留岡幸助、感化院とは
知能検査、ウェクスラー式知能検査法、ビネー式とは 下記をクリック


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貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中

<当ブログ筆者の論文>
当ブログ筆者の論文 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


<当ブログ筆者の論文 最新>
「福祉施設職員のメンタルヘルスとリワークの支援」
日本福祉教育専門学校 研究紀要 55頁から73頁


<ブログ記事 バックナンバー>
当ブログ記事バックナンバー 福祉施設職員研修



第28回社会福祉士国家試験合格発表2016年 正答と合格基準 日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科 合格率84.9%62人合格 一般養成施設ルート(通学)合格者数全国第1位。

社会福祉士 国家試験受験対策コース 当ブログ筆者の受験対策講義

*解答・解説は下記をクリック



問題1 答2
 救護法---少年教護法--母子保護法

*解説
・母子一体の原理
 児童養育における母親の役割の重要性に対する信念に基づいて,母と子の福祉は一体として保障されるべきであるとする母子福祉の規範。日本では,1920年前後からこの原理に基づく児童保護政策の必要性が議論され,37年にはこれを基本理念に掲げる母子保護法が制定された。戦後も児童福祉・母子福祉政策の理念として使用されたが,これに対しては,児童と女性それぞれの個人としての人格尊重の立場からの批判が提起されてきた。

・少年教護法
 懲戒的性格の強い感化法に代わる法律として,1933年に成立した(昭和8年法律55号)。14歳未満の少年に対する教育的保護や少年鑑別機関の設置,少年教護委員の設置,感化院を少年教護院と改称し小学校令に準拠した教育を行うこと等が規定された。これにより,福祉的な本法と,犯罪少年を主な対象とする刑事的性格の強い旧少年法との二本立ての体制となった。本法は児童福祉法の制定(1947年)により廃止された。

・救護法
 第一次世界大戦後の不況,金融恐慌を背景に,従来の「人民相互ノ情誼」を前提とした恤救 (じゅっきゅう) 規則にかわって,制定された法律(昭和4年法律39号,1932年7月施行)。1946年(旧)生活保護法が制定されるまで,わが国の一般救貧法として機能した。対象者は,65歳以上の老衰者,13歳以下の幼者,障害者など。救済内容は,生活扶助,医療扶助,助産扶助,生業扶助。実施機関は,市町村。居宅保護を原則とし,収容保護,委託保護を容認。

・感化法
 小河滋次郎,留岡幸助らの努力により,1900年に制定された非行少年の教育保護を目的とした法律(明治33年法律37号)。不良少年,犯罪少年,親による懲罰として懲戒場に入れられる少年などの処遇機関として,感化院の設置を定めている。しかし,感化院が全道府県に設置されたのは,1915年のことであった。1933年に少年教護法に改正され,1947年,児童福祉法に吸収された。


問題2 答3
 動作性--低年齢児--WAIS-R

*解説
・知能検査
 人間の知的能力を測定する心理検査。個別式検査と集団式検査に大別され,ビネー式とウェクスラー式が個別式検査の代表格として広く利用されている。ほかに,幼児向けや痴呆性老人向けなど対象を限定したものや,認知能力など特定の知的能力を測定するために開発されたもの(K-ABC,ITPAなど)もある。一方,集団式検査では,アメリカで開発されたA式,B式以外に,学校の能力検査や職業進路指導用にさまざまなものが開発されている。

・ウェクスラー式知能検査法
 ウェクスラー(Wechsler, D.)によって考案された,ビネー式検査法と並ぶ代表的な個別知能検査法。言語性検査と動作性検査(非言語性課題)の二つの下位検査に分けられており,全検査IQ以外に,言語性IQ,動作性IQを求められるだけでなく,より詳細な知能の診断にも応用できる。偏差IQを採用し,同一年齢集団の平均値からのずれで知能水準を表す。日本版はWPPSI(就学前),WISC-Ⅲ(5~16歳),WAIS-R(16歳~成人)の3種がある。

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by yrx04167 | 2016-07-03 14:13 | Comments(0)