ソーシャルワーク予防的アプローチ、社会資源開発、コミュニティワークショップとは 相談援助の理論と方法

当ブログ筆者が報告を行います お知らせ
全国社会福祉教育セミナー2016 会場 淑徳大学 「ソーシャルワーク教育の新たな発展をめざして」
分科会第4 『一般・短期養成施設や通信課程におけるソーシャルワーカー養成の現状と課題(仮)』2016年10月30日
主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会



相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第15回講義レジュメ概要1
 当ブログ筆者(専任教員)が、社会福祉士養成科にて、2016/07/27 に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>


6章4節 予防的対応とサービス開発
<ポイント>

・ソーシャルワークは、個別援助からメゾ・マクロ実践へと取り組みを拡大していく。マクロ実践の成果を、ミクロレベル、つまり個別の利用者へと還元させる。
・具体的には、地域におけるネットワーク構築、ソーシャルアクション、社会資源の開発が挙げられる。地域社会のボランティア、協力者に対するコンサルテーションの提供もソーシャルワーカーに求められる役割である。

1 個別援助から地域支援へ テキストP149から
・ミクロ・レベル実践=個別援助の過程から、
 メゾ・レベル=機関の運営・地域福祉活動等、
 マクロ・レベル=制度の改善を図る政策提言やソーシャル・アクション等へと視野、実践の拡大が求められる。
・個別支援を踏まえて、複数のクライエントに共通するニーズを集約し、地域のニーズや社会資源の課題への視点の拡大が必要である。

*ポイントは、ミクロから、メゾ、マクロへの展開が、ソーシャルワークの特質、最重要な点である。
 クライエント個人や家族からコミュニティまで、生活のデザインを促進する実践とも言えよう。


<補足:社会資源の課題とその改善>
・どのような施設・機関であっても、社会資源・組織側の要因のために、クライエント・サービス利用者が,問題解決やニーズ充足を妨げられているようであれば、その要因を分析し,状況の変革・改善を求める働きかけを行なう必要がある。変革の役割とも言える。
 例えば、情報不足、対応の不適切さ、制度上の課題等によって,相談へのアクセスが困難な事例 略

・これらを実施するにあたっては,
①調査:問題の実態・事実に関するデータを収集
②計画:変革・改善のための計画の立案
③組織化:変革への話し合いワークショップ形式を取り入れる。
④活動:専門家としての使命・倫理などに基づき働きかける。更に調査を重ねる。

2 予防的対応とサービス開発の意義 テキストP150
・個別支援のみならず、ニーズの集約、サポート・システムの課題の発見、潜在的ニーズへの対応の必要性について働きかけ、サポート・システムの機能向上を図る役割もある。
・現行のサービスでは対応が困難なニーズに対して、地域においてネットワークを構築し、新たなサービスや予防活動の開発を進める。

3 地域におけるニーズ テキストP150
・コミュニティへの専門職の働きかけ、マイノリティの支援。
 事例 略
 コミュニティワーカーの目標、使命とは、コミュニティとその住民が、相互に尊重し合い、成長していくことである。

・地域におけるニーズの四分類

①現行の保健福祉サービスで対応可能なニーズ=ニーズの顕在化
 ニーズが集約化され、現状の地域ケアシステムにおいては顕在化している。
 よくある課題&資源がある課題=集約化

②現行の保健福祉サービスでは対応困難なニーズ=ニーズの点在化
 略
 現状では、社会資源がない、フォーマルサポートの欠乏、対応が無い。
 ボーダーライン、難病の事例。

③現行の保健福祉サービスでは対応困難なニーズ⇒現在は問題状況や課題は無いもの
 略
 専門職の予防防的視点、見守り・働きかけの継続と、困難が生じた場合の早期の対応が求められる。
 ニート等は、20年後のコミュニティにおいてどのような課題となるのか。

④地域としてのニーズ

 地域の状況、住民共通のニーズをとらえ、明確にしていく必要がある。ワークショップや住民懇談会などで住民の声を集約し、地域福祉活動に反映させていく。
 その他、地域の生活課題、「買い物難民」、地方における公共交通機関の縮小による高齢者の生活への影響。
・地域住民に共通するニーズの集約と、住民の声を地域福祉に反映させていく。
 住民とのワークショップは重要なものとなっていくだろう。

<補足>
*地域の福祉ニーズ解決機能

・ソーシャルワークには、地域に存在する福祉ニーズ、福祉事業運営や福祉活動の課題、などを解決する機能、社会資源の整備・開発の機能がある。
・地域における、どのような福祉ニーズ,運営課題を解決しようとするのかで,援助技術の方法・内容や援助のあり方は異なる。
 それぞれの地域の特性(例 人口動態,特に高齢化率や出生動向)、社会資源の整備状況や、連絡調整・ネットワークの状況なども、大きく関わる。
例:子どもに関連して、所謂「声掛け事案」。
 フォーマルなシステム:PTA、学校、町内会、市役所、警察
 インフォーマルなシステム:ママ友、隣近所
背景には、人口構成、交通、地域社会の関係性が関わる。

*ネットワーク構築(組織化)を支援する手法の例
 ①町内会・自治会などをはじめとする住民諸組織を支援して問題解決を図る。
 ②ボランティア活動等の、新たな組織づくりを支援する。
 他、役割を担ったボランティアとして、民生委員等
 ③個別の当事者あるいは保護者・家族の組織づくりそのものを支援する。
 セルフ・ヘルプグループ
 ④事業者の連携あるいは協働組織づくりによって問題解決を図る。

*自然な支援者
例:近隣関係、学校におけるピア・サポーター
 生活の場で、自然な関係のなかで支援を行なう。
 同じ住民、学生としてのつながりを基盤とする。
 お互いの話に耳を傾け、仲間として共感し、助け合い、共にコミュニティをつくっていく。


*これらの協力者、ボランティアに対して、ソーシャルワーカーは、コンサルテーションを提供することも必要である。
・地域社会におけるコンサルテーション技能とは、情報の提供と分析、アセスメント 略

*地域に対する働きかけに求められる専門職の資質や能力
①社会福祉の各領域にわたる専門知識と,保健・医療,関連分野の専門職と話のできる幅広い知識。
②幅広い人間関係を形成していけるコミュニケーション能力と、信頼関係を形成し,継続できる 略
例えば、「町内会」。実習において、地域福祉の現場としての町内会体験実習も、地域福祉型実習に組み入れるべきではないか。
③地域社会の問題や課題,新しい社会資源の開発への関心と熱意,積極的な姿勢,企画力,行動力 略
・これらを行なう福祉専門職は,専門的学習と経験の蓄積,上司(スーパーバイザー)による指導・訓練が必要である。 略

*マイノリティのコミュニティにおける人間関係重視の傾向に対して、どのように関係を構築していくのか。コミュニティと話し込み、入っていくという伝統的手法も、答えの一つかもしれない。


4 ニーズの集約 テキストP151
 ミクロ実践における複数のケースを通して明確になった、サポート・システムの課題の改善に取組むためには、地域のニーズ、課題として集約する必要がある。
 地域の関係機関の連絡会議等で、地域の関係者たちの共通課題やニーズを集約する。
潜在的ニーズをキャッチするための取組みも必要である。 略 ニーズ調査も必要である。
 住民の会合への参加、現状の把握、課題のボトムアップも重要である。

5 サービス開発・事業企画 テキストP152
 クライエントのニーズは多様であり、制度で対応困難なこともある。
 インフォーマル・サポートの活用や、社会資源の開発なども必要である。
 機関として対応可能ならば、事業化を図る。地域住民との協働によるサポートの展開も必要である。
 所属機関において、企画案を提示し、機関の事業として承認を得、実施する。また、関係する機関・人々に協力を要請するなど、具体的な準備、計画が必要となる。

⇒資源開発は、今後のソーシャルワーカーにとって、大きな役割となる。住民との協働で、相互扶助を活かしながら資源を創る。そのプロセス、組織のコーディネートの専門職としての役割が、求められる。


<補足 社会資源開発とマクロソーシャルワーク>
・利用者に対する社会資源・社会福祉援助システムが効果的に機能しなかったり,最初から資源・援助システムがなかった場合には,必要に応じて資源・援助システムを開発することが必要である。
・ソーシャルワーカーは、その実践において,特定の集団(例 DV被害者,精神障害者,ホームレスなど)のニーズを充足する施策が既存の制度にないこと,あるいは既存の施策ではニーズ充足が不十分なことを認識することが少なくない。
 新しい事業・プログラムの構築の必要性を認識したならば,地域の関係する組織・団体,あるいは議員,住民に,こうした問題への関心をもってもらい,積極的な関与を引き出すための組織づくりを行って,その組織を中心に新しい事業(プログラム)の創設を図っていく。

 地域レベルで創設された新たな社会資源・事業を,他の地域でも実施することや,国レベルで実施することを働きかけることも,マクロソーシャルワークの役割といえる。それは専門職団体の役割ともいえる。

・新たなニーズに対応して、組織化の課題への対応や資源開発に取り組むことが求められている。
 地域におけるソーシャルワークは、住民が持つ自立、自助、協働の理念に働きかけ、地域にある社会資源そのものの効果的な調整や創設、あるいは開発に力点をおくという性格を持つ。

*コミュニティとの協働の技術-コミュニティの力を引き出す
 新たな社会資源の開発において、住民の主体的な参加を引き出す為の、動機づけなど働きかけの力量が求められる 。


・社会資源の開発は、現状の社会資源・援助システムでは充足されていないニーズの把握・分析から開始される。
①日常的業務からのニーズ把握

・地域社会の福祉ニーズを把握するには、社会調査も重要であるが、日常的な業務を通じてニーズを把握することも重視される。
個別の相談事例から地域全体のニーズや問題を把握することも重要である。

②社会調査法によるニーズ把握
・必要に応じ、社会調査によるニーズ把握を実施する。

・なお、予備的なニーズ把握として、地域社会の福祉ニーズを把握するため、行政の資料等から情報を収集する。
・また、地域の専門職や当事者、関係者から、自由面接調査やグループインタビューを行なうことも有効である。
 加えて、専門職や地域の連絡会議等における問題の明確化、共有化も有効な手法である。
 環境、まちづくりが課題であるときは現地踏査も行なう。
・各地域の社会資源の整備状況は異なる。
・加えて、近隣の見守り、支え合いや傾聴ボランティアなど、インフォーマル資源も必要とされている。

・より良い援助を提供するために、地域の社会資源の不足が障壁となる場合もある。
 不足する資源を開発することも、ソーシャルワーカーの役割である。


*既存資源の再資源化
・既存資源の再資源化とは 略

*新たな社会資源の開発
①一つの機関・団体が単独でサービスを設立し、自ら運営する場合
②地域の機関や団体の共同で開発・運営を行う場合(運営は単独の場合もある)
・資源開発は従来から社会福祉協議会等が行ない、近年は多様な取り組みがみられる。

*不足する資源の発見

・資源開発は、地域の不足する資源の把握・分析から開始される(先述)。
 個別事例から把握される場合、地域のニーズ調査から明らかになる場合もある。

・個々のクライエントのニーズと資源との調整を図る中で、資源の不足によりニーズの充足が困難になる場合もある。
①ケースアドボカシー=個々の事例に関して、資源側との交渉等により解決を図る。
②コーズアドボカシー=同様の資源不足の状況に置かれている多数の当事者に対して、資源開発を行なう。

*社会資源開発の展開
・鈴木による、社会資源開発の展開
①自己の確立(変革)、コア(核)となる「ひと」の確立
②「組織」の確立(変革)、組織化
 組織のニーズへの対応、サービス内容や質の評価を活かし進化する仕組みが必要である。
③「地域」での福祉サービスを確立し、実践を地域化する
 「組織化」されたものを「地域化」する。地域に合わせたアレンジ、具体化。
④実践や社会資源の改善・開発を社会化する
・社会資源開発は、地域のネットワーク、協働作業から展開されていく。

<社会福祉士等国家試験問題の出題実績>
◎インターベンションでは,クライエントやその環境及びその両者への介入を行い,状況に応じて社会資源の開発などを行う。 第20回社会福祉士試験出題
◎(社会資源の活用・開発)社会資源充実のために精神障害者の意見に耳を傾ける。
第11回精神保健福祉士試験出題
*精神保健福祉領域における地域援助技術(コミュニティワーク)第8回精神保健福祉士試験出題
◎地域社会の偏見・差別というバリアの除去や軽減が含まれる。
◎精神障害者の地域生活を支え,希望を実現していく機会や資源の開発が含まれる。

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貧困問題と相談援助 当ブログ筆者の講演 音声記録の一部を公開中


第28回社会福祉士国家試験合格発表2016年 正答と合格基準 日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科 合格率84.9%62人合格 一般養成施設ルート(通学)合格者数全国第1位。

社会福祉士 国家試験受験対策コース 当ブログ筆者の受験対策講義

社会理論と社会システム 練習問題 初級
*社会福祉士・精神保健福祉士共通科目 基礎
<この4月から学習を開始した受講生向き練習問題 入門編>


問題 次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,正しいものを一つ選びなさい。
  人の一生には,年齢に対応した様々な節目や出来事がある。人間の出生から死に至る過程で設定される「 A 」ごとに,人生を分析する「 B 」という用語が1930年代から用いられるようになった。ところがその後,社会の変動が激しく, 人々が人生上の出来事を経験する年齢やパターンに斉一性がなくなってきた。ここから個々人の多様な人生を明らかにし,さらには,個人史を歴史的事件と関連させて分析するために「 C 」という考え方が1970年代に確立した。
    A         B       C
1 ライフサイクル --ライフステージ --ライフコース
2 ライフサイクル --ライフコース ---ライフステージ
3 ライフステージ --ライフサイクル --ライフコース
4 ライフステージ --ライフコース ---ライフサイクル
5 ライフコース ---ライフサイクル --ライフステージ

心理学理論と心理的支援(心理学)練習問題 初級
*社会福祉士・精神保健福祉士共通科目(基礎)
<この4月から学習を開始した受講生向き練習問題 入門編>


問題 次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,正しいものを一つ選びなさい。
 エリクソン(Erikson,E.)の生涯発達論によれば,若い成年期の発達課題は「親密さ対「 A 」」であり,成年期では「「 B 」対停滞」,円熟期(老年期)では「自我の統合対「 C 」」だという。成熟した大人になるためには,人は自我のすべての特質を十分に発達させなければならない。
<組み合わせ>
  A    B    C
1 不信---勤勉---孤独
2 不信---同一性--劣等感
3 劣等感--生殖性--絶望
4 孤独---勤勉---劣等感
5 孤独---生殖性--絶望

*解答・解説:ライフステージ、ライフコースとは 記事下方をクリック
*解答・解説:エリクソン 精神分析 フロイト派  発達課題 8段階 
アイデンティティの危機 モラトリアム 幼児期決定論、
発達段階 ピアジェとは 記事下方をクリック



当ブログ筆者執筆の新刊
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

当ブログ筆者執筆の新刊
2017社会福祉士国家試験過去問解説集 第26回-第28回全問完全解説 日本社会福祉士養成校協会編集 中央法規出版
ISBN978-4-8058-5338-2

 450問を選択肢ごとに詳しく解説、科目別ポイント。過去3年分の国家試験全問題を掲載。最新の制度や数値にアップデート。

<当ブログ筆者の論文>
当ブログ筆者の論文 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


<当ブログ筆者の論文 最新>
「福祉施設職員のメンタルヘルスとリワークの支援」
日本福祉教育専門学校 研究紀要 55頁から73頁



<ブログ記事 バックナンバー>
当ブログ記事バックナンバー 福祉施設職員研修

福祉施設職員のメンタルヘルスの支援 職員のストレスマネジメントと施設のリスクマネジメント 当ブログ筆者の論文 要旨


<練習問題 解答と解説は下記をクリック>



社会理論と社会システム 練習問題
答3
 ライフステージ--ライフサイクル--ライフコース


<解説>
*ライフステージlife stage
 個人の一生の発達過程にみられる諸段階。人間の発達には生物的・生理的側面,心理的側面とともに社会的側面があり,これらの相互作用を重視しつつも,とりわけ社会的側面の発達段階に焦点が当てられる。具体的には,個人の地位・役割の大きな変化と段階移行に着目して段階設定がなされることが多い。

*ライフサイクルlife cycle
 生命体の一生にみられる規則的な変化のパターンをいう。人間のライフサイクルにおいては,出生から死に至るまでの生命現象とともに,学校への入学や卒業,就職,結婚などの生活現象にみられる節目やその変化パターンが重要な意味をもつ。近年では,人々の価値意識やライフスタイルの多様化とともに,ライフサイクル概念が前提とする平均的・標準的パターンを設定することには無理があるとの批判もなされるようになった。

*ライフコースlife course
 社会的存在としての個人の生涯にわたる加齢過程をいう。ライフコース研究では,個人の地位・役割のありようと時間的経過のなかでのその変遷,そしてこれに変化をもたらすような社会的・個人的出来事が関心の焦点となる。ライフコース研究が登場した背景には,非歴史的なライフサイクル研究の限界を超え,個人の生活史と社会の歴史のダイナミックな相互影響関係を捉えようという研究意図があった。


心理学理論と心理的支援(心理学)練習問題 解答
5 孤独---生殖性--絶望


解説
*エリクソン Erikson, Erik Homburger (1902-94)
 ドイツ生まれで,ウィーン精神分析協会で学んだフロイト派に属する精神分析学者。ナチスの迫害を逃れて渡米。精神分析理論を下敷きとしつつも,幼児期決定論にとらわれず,生涯を通じて自我が発達していくものと捉え,おのおのの時期ごとの発達課題を8段階図式として提案した。青年期をアイデンティティの危機とその乗り越えの再編期と捉え,そこでのモラトリアムの重要性を指摘するなど,自我論研究に社会や歴史との関連を盛り込み,大きな足跡を残した。[主著] Childhood and Society, 1950 ; Identity and the Life Cycle, 1959.
Erikson, E. H., Childhood and Society, 1950, 2nd ed., 1963 (仁科弥生訳『幼児期と社会』1,2, みすず書房, 1977,80).
Erikson, E. H., Identity and the Life Cycle, 1959 (小此木啓吾訳編『自我同一性』誠信書房, 1973).

*発達段階developmental stage
 人間がどのようなプロセスで成長・発達をとげていくかという命題に対して,ある能力が獲得されると飛躍的な変化や構造的な変容がみられ,ある一定の時期にその特徴が示されるという考え方。発達は連続的な坂道を上るようなプロセスをとるという連続説に対して,階段を上るようなプロセスをとるものとされる。さまざまな基準によって,年齢がいくつかの区分に区切られるが,ピアジェやエリクソンのものが有名である。
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by yrx04167 | 2016-07-24 17:17 | Comments(0)