相談援助の理論と方法講義概要 生活場面面接、シーボーム報告とは 福祉行財政と福祉計画の要点

相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第22回講義レジュメ概要2
当ブログ筆者(本校専任教員、社会福祉士)が、社会福祉士養成学科にて、2016年9月21日に講義      
<この記事は、ダイジェスト版と講義当日の補足。レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>


12章1節 相談援助における面接の目的
1 面接の目的 テキストP251から
①援助に必要な情報を得る

・ケースワーク過程のインテーク及びアセスメント、モニタリング等における情報収集である。

②問題解決を図る共同作業
・介入(支援の実施)における、クライエント等への働きかけ。

③問題解決を図るアクション・システムの形成
・アクション・システムとは、目標の達成のために働きかけ・行動する人々のことである。

<補足>
* A.ピンカスとA.ミナハンは、1973年、ソーシャルワークを一つのシステムと捉え、システム理論に基づくソーシャルワーク実践では,ソーシャルワーカーは以下の四つのサブシステムの相互作用に関心をもたねばならないとしている。
①クライエント・システム
・個人,家族,グループ,組織など,ソーシャルワーカーが援助の対象とするシステムである。
 クライエント・システムとは、社会福祉サービスを既に利用しているか、サービスを必要としている、援助活動を通して問題解決に取り組もうとしている個人や家族などから構成されている小集団を指す。

②ワーカー・システム=チェンジ・エージェント・システム(ワーカーとその所属機関)
 ワーカー・システムとは、援助活動を担当するソーシャルワーカーとそのワーカーが所属する機関や施設とそれを構成している職員全体を指す。

③ターゲット・システム(目標達成のために変革しなければならない人や組織)
 ターゲット・システムとは、クライエントとワーカーが問題解決のために変革あるいは影響を与えていく標的とした人々や組織体を指す。
 標的は、クライエントが選択される場合や、クライエント以外のワーカーやワーカーが所属している機関や施設も含む人々や組織体が選択される場合もある。

④アクション・システム(目標達成のためにターゲットに働きかける人々)
 アクション・システムとは、変革に影響を与えていく実行活動に参加する人々や資源のすべてを指し、実行活動のチームワークを構成する人々をいう。

・アクションシステムは、相互作用に基づく。
 率直な双方向の関わり、真正面から向き合い、腹を割って語り合える関係、その場、時間を創ることが、ソーシャルワークとしてもとめられている

・援助者は必然的に四つのシステムと重層的に関係し、発展させていく。

・キューブラー・ロスによれば、苦境にあって痛みを分かち合い、逃げずに寄り添うこと、患者の言葉に耳を傾けることこそが、医療、精神科医療の専門性よりも真に必要なものである
 ソーシャルワーカーとは、苦境のなかにある人々に寄り添い、共にある専門職である。
 それが最も重要な対人援助の要であるともいえよう。


<補足>
 吉岡によれば、援助者が援助者という職業を選び、続けているのには、明確な理由、意味がある。
 吉岡自身も、子ども時代、親からの否定的な評価を受け、自らを不要な、無力な存在という感覚が自らに浸透した。承認されない自己という物語である。これらを、クライエントによって気付かされた。つまり、援助者という職業、職場、関係性のなかで、援助者自身のなかで新たな意味づけが行なわれる。
 総じて吉岡は、援助者が自分自身を語ることを強調している。
 吉岡隆 編著『援助職援助論 援助職が「私」を語るということ』明石書店, 2009年

・援助者には、家族問題や疾病、失業、生活困窮等の様々な困難を経て、援助者を志望し、繋がる仲間と自らが承認される職場を獲得した当事者性を持つ援助者も実践を続けている。

・援助者のセルフケアと、支え合う集まりの必要性。
 援助者自身も様々な側面を持っている。自らを見つめ、更に豊なものとしていく。


*概要・面接
・面接は,ソーシャルワークにとって支援の主要な道具であり,援助者とクライエントの間に起こる相互作用、働きかけをつくる基盤と言える。
・各回の面接には目的やゴールが必要である。
 面接の目的は,面接の段階,機関の機能,提供できるサービスの方法,クライエントのニーズや問題,解決されるべき問題の特質,などによって異なる。
・面接は言語技術のみでなく,ソーシャルワークの価値,知識,援助関係によって支えられている。

*面接を行なうソーシャルワーカーに必要なもの
・面接や観察のスキル
・援助者側の準備-事前の情報収集・整理、面接の環境整備、先入観を排する
・援助の基本姿勢-バイスティックやロジャーズによる。
・ソーシャルワークには、利用者との対等な目線や姿勢で接する関係が必要とされる。
 また、近年の医療・社会福祉関連分野では、インフォームド・コンセント、自己決定、ノーマライゼーションなど、援助者と利用者との平等、協働、信頼関係がより必要とされている。
 しかし、急迫、危機の場合など例外もある。

*参考:面接におけるクライエントの抵抗の現れ
 略 講義にて解説した。

・ただし、生活場面面接や、言語メッセージでは伝わらない障害をもつ人との関わりを含む
 疾病、言語障害、聴覚障害、重度の認知症、重度の知的障害や精神障害、外国人等

・適切な自己決定の支援が求められている 略

・生活場面面接という形態-クライエントの生活と内面への接近。
 略
・言語的メッセージのみではない関わりを築く場合-言語障害や聴覚障害、重度の認知症、知的障害や精神障害、日本語を母語としないクライエント等。非言語を含めたコミュニケーション技術が求められる。

*共生のコミュニティを求めて
・社会福祉、ソーシャルワークは抽象的な理想ではない。
 ソーシャルワークの働きによって繋がる人々が、相互に信頼、尊重を与えあい、相手を認めることが重要である。
 人々が互いに尊厳を与えあって、信頼の精神のもとで、そして相手が生きて、成長することができるコミュニティを求めていきたい。虚栄よりも見えない豊かさを深めていく。
 一人ひとりにそれぞれの居場所があり、コミュニティの皆がいのちの価値を認められるべきである。


・ヤングハズバンドは、1973年「ソーシャル・ワークの未来」(講演)において、シーボーム報告を高く評価している。シーボーム報告は、社会的介入の方法を考察している。
・社会的状況のアセスメントとサービス評価の機能、社会計画と社会開発に貢献するソーシャルワークの意義:「未来のソーシャル・サービス部局では、ソーシャル・ワーカーの基本的業務の1つは広範な社会的状況の評定、つまり、危機に直面している特定の階層が、危機的状況に放置されているのか、長期にわたる援助を必要としているのか、それに対応するコミュニティの資質などを評価することになるだろう」

・未来の専門性には、効果的な介入手法とターゲットとなる層に関する知識と技法が必要となる:「未来の専門性は、効果的なソーシャル・ワーク介入手法と、特定の階層や境遇に関連した多様な知識と技法、この両方が必要になると思う。この専門性とは社会科学と行動科学に関する知識の増加に補強され、ソーシャル・ワーカーの研究、記録、実践から示唆されながら自己の技法を発展させる諸条件の整備と相まって、サービスを提供する体験から派生してくる」

*解説:シーボーム報告 
Report of the Committee on Local Authority and Allied Personal Social Services
 略

講義概要 介入技術、社会的支援介入、モデリングとは 地域福祉の理論と方法 29回社会福祉士試験模擬問題

<社会福祉士受験対策講座 要点チェック:福祉行財政と福祉計画>
都道府県障害福祉計画
次世代育成支援行動計画
 一般事業主行動計画
認知症施策推進5カ年計画「オレンジプラン」
「新障害者プラン」
地方分権一括法(地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律)
社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律
重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について
「新エンゼルプラン」
ゴールドプラン21・今後5か年間の高齢者保健福祉施策の方向
社会福祉構造改革分科会「社会福祉基礎構造改革について( 中間まとめ)」
障害者プラン・ノーマライゼーション7か年戦略
エンゼルプラン・今後の子育て支援のための施策の基本的方向について
児童育成計画
新・高齢者保健福祉推進十か年戦略・新ゴールドプラン
老人福祉法等の一部を改正する法律(社会福祉関係八法改正)
老人福祉計画
高齢者保健福祉推進十か年戦略・ゴールドプラン



当ブログ筆者が全国社会福祉教育セミナーにて報告を行います お知らせ
第46回全国社会福祉教育セミナー2016 会場 淑徳大学 「ソーシャルワーク教育の新たな発展をめざして」
分科会第4 『一般・短期養成施設や通信課程におけるソーシャルワーカー養成の現状と課題(仮)』2016年10月30日

コーディネーター: 空閑浩人(同志社大学)
発題者: 山本由紀(上智社会福祉専門学校)
     明星明美(日本福祉大学福祉経営学部 通信教育)
     関屋光泰 (日本福祉教育専門学校)
主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会



<当ブログ筆者の説明会 無料講座 要予約>
 子どもを救う社会福祉士 児童虐待、子どもの貧困とソーシャルワーク
2016年9/26(月) 18:00から19:00
社会福祉士養成学科、社会福祉士養成科説明会
担当 関屋光泰
日本福祉教育専門学校 高田校舎

 社会福祉士は様々な領域で実践しています。今回の説明会では、子どもの貧困や虐待をテーマに、社会福祉士養成学科 学科長の当ブログ筆者が、お話しします。
 子どもを支援する社会福祉士の役割や仕事内容を社会福祉士の実務20年の筆者が分かりやすく説明します。
 児童福祉に関心をお持ちの方、社会福祉士やスクールソーシャルワーカーのことを知りたい方、ご参加ください。質問や相談も歓迎です。

当ブログ筆者執筆の新刊
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題 依存症と生活困窮(pp.171-178)
<概要>
 簡易宿泊所街「寿町」の精神科診療所におけるアルコール依存症と薬物依存症患者の支援の実践から、回復を図るグループワークや相談援助の課題等を考察した。
 生活保護を受給し簡易宿泊所に居住するアルコール・薬物依存症患者の回復の鍵を握るものとして、レジリアンスを挙げた。具体的には失敗を繰り返しても援助者と繋がり続け、危機を回避するための協働や、訪問やグループワーク等による社会的孤立を防ぎ、全人的な支援の持続が有効であると論じた。

<当ブログ筆者の論文>
当ブログ筆者の論文 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月
ISSN 0919-2034

 東京都による福祉施設職員の実践を支援する研修プログラムとして、開発し、実施を継続している。
 福祉施設職員のストレスケア、燃えつき予防を支援するために、この研修プログラムを開発した。職員のメンタルヘルスの不調等の課題は、実践に影響し、施設にとって支援の質の低下に繋がる。職員のストレス・マネジメントは、施設のリスク・マネジメントでもある。この研修は、離職を防ぐメンタルヘルス対策のみならず、サポーティブな職場づくり、質の高い実践の持続をも視野に入れ、開発した。各施設において実施し、現場からのフィードバックを活かし、プログラムの更なる改善を図った。

貧困問題と相談援助 当ブログ筆者の講演 音声記録の一部を公開中


<社会福祉士養成学科、社会福祉士養成科等、日本福祉教育専門学校卒業生の皆様にお知らせ>
日本福祉教育専門学校同窓会のご案内 9月24日(土)14時 当日参加歓迎<2016年3月卒業生は無料>
 日本福祉教育専門学校の各学科専任教員や退職教員、非常勤講師、職員も参加します。

 参加できる卒業生(全学科、全年度)の皆様は、ぜひ同窓会会場ににお越しください。当ブログ筆者も後半から合流します(予定)。
 当日の飛び入り参加もお待ちしております。遅れて参加しても大丈夫です。
 お子様と一緒に参加しても大丈夫です。小学生以下の会費は無料です。

 日本福祉教育専門学校 第21回同窓会
 日時 平成28年9月24日(土)
 14:00~16:00 懇親パーティー
 場所 ハイアットリージェンシー東京
 東京都新宿区西新宿2-7-2

 
 会費 1,000円
 (2016年3月卒業生は無料でご招待)
 同窓会事務局 TEL:03-3982-2511 FAX:03-3982-5133 MAIL:dosokai@nippku.ac.jp

[PR]
by yrx04167 | 2016-09-19 10:32 | Comments(0)