職場のメンタルヘルスとリワーク支援とは 1 大学ソーシャルワーク演習概要

ソーシャルワーク演習 後期第2回 職場のメンタルヘルスとリワーク支援
 当ブログ筆者の、大学における演習 レジュメ概要1 10月18日
はじめに リワーク概要
(1)リワークとは

 ここでは、「うつ病リワーク研究会」による文献 を参考として、精神科医療機関等が、うつ病等により企業等を休職中の人々を対象に実施している「リワーク」について概要を述べていく。
 なお、福祉施設や民間企業等が実施している復職支援事業は、「リワーク支援」と呼ばれている。
 「リワーク」とは、うつ病・気分障害等、メンタルヘルスに関連する要因により休職中の職員を回復させ、職場復帰へと繋ぐ取り組みのことであり、そのために医療機関が提供するものを「リワークプログラム」と呼んでいる。精神科デイケアの枠組みで実施されている、グループによる精神科リハビリテーションである。

 リワークの目標とは、次のものが挙げられている。
一、気分障害等の病状を安定させ、心身の健康の回復を図る。
二、復職準備性を向上させ、職務への復帰を可能とする。
三、不調の再発と再び休職することを予防するため、セルフケア能力を向上させる。
これらを目標としながら,リワークプログラムを通じて、適応・対処する能力の向上していく。

(2)復職準備性-復職支援の要
 職務を担えるレベルの状態の回復の程度を、復職準備性と呼ぶ。
 メンタルヘルスの疾病が要因となった休職から、職場に復帰する場合、その時期が職場にとって重要な課題となる。復職の決断が容易ではないのは、心身の状態が回復したことと、職務が可能になることは、同義ではないからでもある。
 この復職準備性は、主治医の診断のみではなく、リワークのグループワークにおける行動、課題の達成度等も加えて多面的に、かつ慎重に判断することは、復職の成否の鍵を握っていると言えよう。

1 職場のメンタルヘルス
 具体的に職場のメンタルヘルスを推進するにあたっては、次の3つの対策の要素がある。
1次予防とは、職員のメンタルヘルスに関する問題の発生の予防に努めるというものである。
2次予防とは、メンタルヘルスの不調を抱える職員を早期に発見、対策を実施する。
3次予防とは、メンタルヘルスの要因から休職した職員の職場復帰(リワーク)に関する支援を実施するというものである。

2 復職支援の進め方
*その困難
・組織として、復職支援をどのように進めるべきか。
 管理職として行うべきこと、留意点は何か。
・休職中の職員を支えている管理職の方が燃えつきてしまわないか。
・リハビリ出勤の進め方、留意点は何か。
・復職後のメンタルヘルスの困難を抱える職員の力になりたいが、接し方が分からない。
・忙しいときの仕事の断り方が上手く出来なくて、ストレスを感じる。
燃えつきや抑うつの症状、不眠等のメンタルヘルスの困難が、自らと同僚にも思い当たる

*ポイント
・ストレスから復元する力であるレジリアンスの重要性。
・実践ストレスのセルフケアのプロセスの概要。
・ストレッサーの自己分析の方法。

(3)リワークプログラムのポイント
 次の4つが、既存のリワークプログラムにおける実施の要点である。
一、通勤と職務の時間帯を模倣して、定期的に通所する場を設ける。
二、ルールのもとで空間的、時間的な拘束を行う枠組みを提供する。
三、課題を課す作業プログラムにより、調整しながら心身への負荷を掛けていく。
四、不調と休職の再発予防を目指すセルフケアへ繋がる心理社会教育プログラムを実施する。
 これらによって、心身を枠組みに慣らしながら、本人の心身の状態に応じて作業によって負荷を掛け、セルフケアの向上を図っていく 。

また、リワークプログラムを実施している医療機関で実際に行われているプログラム内容を次に挙げる。
*リワークプログラムを持つ医療機関で実際に行われているプログラム内容
・プレゼンテーションやディペート
・参加者とスタッフを交えたミーティング
・ディブリーフィング(うつ病エピソードの振り返り作業)
・セルフケアやストレスマネジメントのための心理社会教育
・集団認知行動療法
社会生活技能訓練
・アサーショントレーニング
・サイコドラマ
・映画鑑賞

【プログラム内容】 参考例
オフィスワーク
自己分析
セルフケア
生活習慣講座
ストレッチ
卓球
スキルアップタイム
個別面談

<続く>


当ブログ筆者が全国社会福祉教育セミナーにて報告を行います お知らせ
第46回全国社会福祉教育セミナー2016 会場 淑徳大学 「ソーシャルワーク教育の新たな発展をめざして」
分科会第4 『一般・短期養成施設や通信課程におけるソーシャルワーカー養成の現状と課題(仮)』2016年10月30日

コーディネーター: 空閑浩人氏(同志社大学)
発題者: 山本由紀氏(上智社会福祉専門学校)
     明星明美氏(日本福祉大学福祉経営学部 通信教育)
     関屋光泰 (日本福祉教育専門学校)
主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会


全国社会福祉教育セミナー分科会第4 社会福祉士養成校におけるソーシャルワーク専門職養成1 当ブログ筆者

福祉施設職員のメンタルヘルスの支援 職員のストレスマネジメントと施設のリスクマネジメント論文 業績一覧

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第8章 地域における精神保健問題 依存症と生活困窮(pp.171-178)
<概要>
 簡易宿泊所街「寿町」の精神科診療所におけるアルコール依存症と薬物依存症患者の支援の実践から、回復を図るグループワークや相談援助の課題等を考察した。
 生活保護を受給し簡易宿泊所に居住するアルコール・薬物依存症患者の回復の鍵を握るものとして、レジリアンスを挙げた。具体的には失敗を繰り返しても援助者と繋がり続け、危機を回避するための協働や、訪問やグループワーク等による社会的孤立を防ぎ、全人的な支援の持続が有効であると論じた。


障害者に対する支援と障害者自立支援制度 練習問題
 第28回社会福祉士 精神保健福祉士国家試験受験対策 共通科目


問題1 特別支援教育に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

1 盲学校・聾(ろう)学校・養護学校において,一人一人の教育的ニーズに応じた特別支援教育を行う。
2 ほとんどの授業を通常の学級で受けながら,障害の状態等に応じた特別の指導の場(通級指導教室)で授業を受ける児童生徒数は,年々減少している。
3 特別支援学級を設けることができるのは,従来の特殊学級と同様に,小学校,中学校である。
4 1994年,スペインのサラマンカで開催された会議で,「特別ニーズ教育(Special Needs Education)」と「インテグレーション(Integration)」という新しい考え方が示された。
5 文部科学省の調査(平成14年)によれば,小・中学校の通常の学級に在籍する,学習障害(LD),注意欠陥多動性障害(ADHD),高機能自閉症等,特別な教育的支援を必要とする児童生徒数は,全体の6%程度である。

問題2 障害者基本法に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい

1 障害者基本法は「障害者の日」を定めている。
2 市町村障害者計画の策定は、努力義務である。
3 中央障害者施策推進協議会の委員は、厚生労働大臣が任命する。
4 障害者基本法は、障害を理由とした差別禁止の理念を明示している。
5 政府は、3年ごとに障害者施策の概況の報告書を国会に提出する義務がある。

*解答と解説
 注意欠陥多動性障害ADHD、学習障害、
 障害者基本法、障害者週間、障害者基本計画とは
 中央障害者施策推進協議会 地方障害者施策推進協議会  
 attention-deficit/hyperactivity disorder ; ADHD 混合型,不注意優勢型,多動性・衝動性優勢型
 反社会性人格障害とは 記事下方をクリック




解答
問題1 答5
平成20年度(第21回)社会福祉士国家試験

問題2 答4
1 × 誤り
 2003年公布の障害者基本法において12月9日を障害者の日とすることが法律上定められたが、2004年の同法改正により、「障害者週間」の法定化に伴い、条文から「障害者の日」の名称が削除された。

2 × 誤り
 平成16年の「障害者基本法」の改正により、市町村における障害者計画の策定が、平成19年4月から義務化された。

3 × 誤り
 任命は内閣総理大臣。

4 ○ 正しい
 障害者基本法の第3条の3において規定している。

5 × 誤り
 障害者基本法第11条「政府は、毎年、国会に、障害者のために講じた施策の概況に関する報告書を提出しなければならない」

問題3 答3

<解説>
障害者基本法 抜粋

(目的)
第一条  この法律は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本的理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もつて障害者の福祉を増進することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「障害者」とは、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。

(基本的理念)
第三条  すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する。
2  すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる。
3  何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。

(国及び地方公共団体の責務)
第四条  国及び地方公共団体は、障害者の権利の擁護及び障害者に対する差別の防止を図りつつ障害者の自立及び社会参加を支援すること等により、障害者の福祉を増進する責務を有する。

(国民の理解)
第五条  国及び地方公共団体は、国民が障害者について正しい理解を深めるよう必要な施策を講じなければならない。

(国民の責務)
第六条  国民は、社会連帯の理念に基づき、障害者の福祉の増進に協力するよう努めなければならない。
2  国民は、社会連帯の理念に基づき、障害者の人権が尊重され、障害者が差別されることなく、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加することができる社会の実現に寄与するよう努めなければならない。

(障害者週間)
第七条  国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めるため、障害者週間を設ける。
2  障害者週間は、十二月三日から十二月九日までの一週間とする。
3  国及び地方公共団体は、障害者週間の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。

(施策の基本方針)
第八条  障害者の福祉に関する施策は、障害者の年齢及び障害の状態に応じて、かつ、有機的連携の下に総合的に、策定され、及び実施されなければならない。
2  障害者の福祉に関する施策を講ずるに当たつては、障害者の自主性が十分に尊重され、かつ、障害者が、可能な限り、地域において自立した日常生活を営むことができるよう配慮されなければならない。

(障害者基本計画等)
第九条  政府は、障害者の福祉に関する施策及び障害の予防に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「障害者基本計画」という。)を策定しなければならない。
2  都道府県は、障害者基本計画を基本とするとともに、当該都道府県における障害者の状況等を踏まえ、当該都道府県における障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「都道府県障害者計画」という。)を策定しなければならない。
3  市町村は、障害者基本計画及び都道府県障害者計画を基本とするとともに、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二条第四項 の基本構想に即し、かつ、当該市町村における障害者の状況等を踏まえ、当該市町村における障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「市町村障害者計画」という。)を策定しなければならない。
4  内閣総理大臣は、関係行政機関の長に協議するとともに、中央障害者施策推進協議会の意見を聴いて、障害者基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
5  都道府県は、都道府県障害者計画を策定するに当たつては、地方障害者施策推進協議会の意見を聴かなければならない。
6  市町村は、市町村障害者計画を策定するに当たつては、地方障害者施策推進協議会を設置している場合にあつてはその意見を、その他の場合にあつては障害者その他の関係者の意見を聴かなければならない。
7  政府は、障害者基本計画を策定したときは、これを国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。
8  第二項又は第三項の規定により都道府県障害者計画又は市町村障害者計画が策定されたときは、都道府県知事又は市町村長は、これを当該都道府県の議会又は当該市町村の議会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。
9  第四項及び第七項の規定は障害者基本計画の変更について、第五項及び前項の規定は都道府県障害者計画の変更について、第六項及び前項の規定は市町村障害者計画の変更について準用する。


*解説:学習障害 learning disorder ; LD
 認知能力の発達の不均衡さに関連する障害の総称である。中枢神経機能の発達の遅れや障害によると推定されている。医学的には,①会話および言語,②学力(学習能力),③協調性の運動機能,等の各領域における特異的発達障害に相当する。教育の分野での学習障害は,このうちの主に学習能力の障害,すなわち知的な遅れがなく,他の機能に比して特異的に読字,算数,書字などが遅れたり落ち込んでいたりする障害をさす。

*注意欠陥/多動性障害 attention-deficit/hyperactivity disorder ; ADHD
 不注意あるいはまた,多動性・衝動性に関する症状が少なくとも6カ月以上続く状態で,それらの症状は7歳未満に存在し障害を引き起こしていることが診断基準として設けられており,児の園,学校および家庭といった二つ以上の状況において障害を呈する状態。症状に応じて,混合型,不注意優勢型,および多動性・衝動性優勢型の三つの病型に分けられる。有病率は,3%程度から16%にまで上るとする報告がある。児童期に注意欠陥/多動性障害と診断された子どもの一部が,思春期に入って行為障害となり,さらにその一部が成人後,反社会性人格障害に移行する場合もあると考えられている。

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by yrx04167 | 2016-10-21 08:35 | Comments(0)