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こども食堂全国調査の中間報告会、パネルディスカッション 立教大学池袋キャンパス 貧困を考える授業、学校は貧困を教えてくれない

 高校生の質問「貧困を教えてください、学校では教えてくれない」。
<筆者のコメント 貧困だけではなく子育て支援、コミュニティの居場所の必要性>
 子ども食堂に関連する集いにて、関心を持って参加した高校生からの質問である。
 高校生は「貧困を学校では教えてくれない。生活が大変そうな生徒、メンタルも追い詰められている生徒もクラスにいるのに、教師は向き合うことから逃げているようだ」と率直に語った。
 これまで社会福祉分野は、学校でも地域でも「福祉教育」に取り組んできた。従来は、ハンディキャップを持つ人や高齢者への理解を深め、地域福祉の担い手を育てるために行われてきた。
 生活困窮家庭が顕在化しつつある今日、貧困問題、生活困窮家庭とその支援制度等も「福祉教育」の主要テーマの一つに位置づけていくべきだろう。
 当然ではあるが、単なる学習のためではなく、支えあいを生み出し、地域共生社会に進んでいくためである。
 ホームレス支援の領域では、学校におけるホームレスをテーマとする授業づくり、実施の先駆的な取り組みがある。
 学校も社会のなかにある。「貧困」とは何かを考える授業が求められている。貧困を緩和させるものは何か-フォーマル(制度)、インフォーマル(繋がり等)。
 
 子ども食堂、「貧困の再発見」
 子どもの貧困は、「再発見」された、言い換えると顕在化していると言える。
 「貧困の再発見」とは、全体としては経済的に発展した社会のなかで、調査や提言、ジャーナリズム等によって貧困問題が存在し続けていることが顕在化し、貧困問題が再び社会問題化することである。
 子どもの貧困に関心を持ち、「子ども食堂」「誰でも食堂」「子どもの居場所」学習支援等のかたちの支援活動が拡大している。
 しかし、関心を持っていない人々、不十分な理解、誤解も生じているのではないだろうか。
 子どもの貧困は、現在のみならず「貧困の世代間連鎖」も生じる場合がある。
 しかも、経済的困窮のみならず、心身の健康問題、家族問題等も連鎖を指摘する調査結果もある。

 共生のコミュニティへ 子育て等の共助活動
 地域社会において、サポートを必要としている人々は、当然ではあるが、経済的困窮世帯だけではない。
 子育ての困難、心身の健康問題、家族問題等を抱えながら、社会的に孤立し、誰にも相談できない。
 一人ではない、痛みも食事も共に過ごす時間を分かち合える居場所が必要とされているのだろう。
 そのような支え合う居場所、共生のコミュニティの一つのかたちが、「子ども食堂」ではないだろうか。

2017年12月26日(火)13:00〜16:00
場所:立教大学池袋キャンパス マキムホールMB01教室
主催:「広がれ、こども食堂の輪!」全国ツアー実行委員会
共催:立教大学コミュニティ福祉学部

オープニング〔13:00~〕
主催者あいさつ
各省庁より来賓ごあいさつを予定

第1部〔13:30~14:10〕
各地実行委員会へのアンケート調査結果から見えた課題・ニーズについて
農林水産省「子供食堂の運営に関する実態調査」中間結果報告

第2部〔14:20~16:00〕
各地のネットワーク事例 (千葉・栃木・滋賀・高知)
子どもの未来を地域みんなで応援するために

「広がれ、こども⾷堂の輪!」全国ツアー実⾏委員会
後援
内閣府
厚⽣労働省
⽂部科学省
⼦どもの貧困対策推進議員連盟
全国社会福祉協議会
全国⺠⽣員児童委員連合会
⼀般社団法⼈共同通信社

当ブログ筆者のメモ:「広がれ、こども食堂の輪!全国ツアー中間報告会」と交流・情報交換
・小諸市等、長野県内の子ども食堂について
 長野県内の子ども食堂のネットワークが広がっている。県内に50ヶ所位が活動中か。
 子ども食堂が地域密着であることのメリット(アクセシビリティ等)、デメリット(「貧困家庭」というイメージ)。
 活動としての支援対象の課題。
 行政との連携、個別支援の課題。

・鹿児島県の子ども食堂について
 「食育」としての子ども食堂活動。大人も含めて、必要な場合もあるー生活に追われてしまい、「食」が置き去りになってしまう。
 食の安全、栄養を伝える機会でもある。

・金沢市の子ども食堂について
 北陸の子ども食堂ネットワークの充実。
 生活等の相談活動も併せて実施しているNPO。

・高知県の子ども食堂
 学校が会場で、民生委員・児童委員が実施というスタイルも。
 企業として、毎日朝食を提供している子ども食堂も。
 高知県の支援と、開設の目標。

・栃木県の子ども食堂 後のレポートを参照
 イベントのみではなく、研修や情報交換会を継続している。

・東京都の子ども食堂について
 大学のゼミとして、地域と連携した「カフェ」活動。
 多様な動機の学生が参加。
 コミュニティ・デザインとしての子ども食堂。

・全国
 企業としての子ども食堂ネットワークへの支援。企業の社会貢献として。当ブログ筆者のメモここまで

 資料等を提供頂きました、各地の子ども食堂の方々、御礼申し上げます。
 交流を通して、またパネルディスカッション等で経験と知識を共有して下さった皆様、有り難うございました。
 
当日レポート:「広がれ、こども食堂の輪!全国ツアー中間報告会」@立教大学
引用「東北から九州まで、総勢約150名の方にご参加いただきました!
(全国ツアー実行委員会の)全国調査の中間報告では、実行委員の中塚さん・平野さんが35都道府県での全国ツアー実施状況の報告と、各県実行委員会に対するアンケートまとめを報告。
 全国ツアーを終えて、各地で団体どうしの情報交換ネットワークが動き始めていることや、
行政とのかかわりが進みつつあること、学校との連携や衛生面の環境整備、
来てほしい子どもへのアプローチなどに課題があることが見えてきました。

 また、農林水産省が行うこども食堂実態調査(回答数:274団体)の結果速報値がこの日初めて発表され、
運営費の確保・スタッフの負担の大きさに主要課題があること、
地域連携があることによって、食材の安定確保や運営費の確保に対して負担が減ることが明らかになりました。

 第2部パネルディスカッションは実行委員の室田さんを進行役に、栃木・千葉・滋賀・高知からゲストをお招きし、こども食堂に対するサポートがどのように進んでいるのか、事例報告をいただきました。
 栃木:こども食堂サポートセンター・とちぎを通した相談窓口の設置、情報交換会の開催
 千葉:第2弾となる催事「こども応援のわ!」を1/27  に開催
 平成30年1月27日(土)、船橋市中央公民館にて「広がれ、こども応援の輪~つくろう!ちばこども応援ネットワーク~」
 
滋賀:滋賀の縁創造実践センターを通した3年間の開設運営費支援、新基金の設立
 高知:県)高知家子ども食堂登録制度・助成支援の運営、県社協)運営開設準備講座・スキルアップ研修の実施」引用ここまで
 


関屋光泰『職業訓練生たち-1年目職員が感じた介護&ストレス』
「介護人材Q&A 2015年2月号 介護職員「こころの健康管理」その施策と工夫」,産労総合研究所

ブログ筆者の論文 要約
 離職、職業訓練(求職者支援制度)を経て、介護施設へ就職をした元訓練生の介護職員対象のグループインタビュー、ヒアリング等から、彼ら彼女らの介護現場における離職等につながり得るストレス要因について考察したものである。



by yrx04167 | 2017-12-24 12:21 | Comments(0)