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<当ブログ筆者の論文 1 >
関屋光泰「福祉施設職員のメンタルヘルスとリワークの支援」 2016年
日本福祉教育専門学校 研究紀要 55頁から73頁
ISSN 0919-2034

 抜粋
Ⅰ. 福祉施設職員のメンタルヘルス支援プログラム
1. 福祉施設職員ストレスケア研修の開発と実施

 筆者は、福祉施設の介護職や支援員等の職員を研修により支援するため、「福祉施設職員サポーティブ研修」として4テーマのプログラムを、東京都福祉保健局による「事業所に対する育成支援事業 登録講師派遣事業」における研修として立案し、講師として実施した。
 この事業は、筆者を含む登録講師、つまり都内の社会福祉士、介護福祉士及び精神保健福祉士養成施設の教員等を、小・中規模の福祉施設の要望に応じて派遣し、個々の施設の課題に合わせ、専門的・実践的な研修を行うものであり、東京都社会福祉協議会が東京都から委託を受けて実施している。
 筆者が開発し実施した4テーマの研修とは、次のものである。
 「福祉施設職員のストレスケア研修」とは、職員の実践ストレスへの対処や燃えつき・慢性疲労の予防、メンタルヘルスのセルフケアを支援するプログラムである。現場の職員のケアと成長の促進を図る一連の研修の中核である。
 「福祉施設職員の職業倫理 ハラスメント予防」は、職員に求められる倫理やマインドの基礎と、ハラスメントの予防を事例等も踏まえながら解説する研修である。倫理を教条的に講義するのではなく、各施設の現実に沿いながらも倫理を共有し実践することを目指していく。職員の価値の部分を担う、研修の根幹部分である。
 略
 これらの筆者による研修は、都内の高齢者福祉施設及び障害者福祉施設の41箇所で研修を実施した。これらの研修は、介護職員、生活支援員、相談員、看護師、保育士、ケアマネージャー、施設長等の管理職等の合計711名が受講した。

*福祉施設のリスクマネジメントと職員のストレスマネジメント 
 研修プログラムの目的は、介護職員や支援員等の福祉施設職員の質の高い実践の持続を支援し、より良い働き方、生き方の拡充を促進するためである。
 当然ではあるが、個々の職員のメンタルヘルスの不調、混乱は、支援の実践に影響する。福祉施設全体にとっても、職務上のストレス、慢性疲労・燃えつき等によって実践が困難になり、更に休職し復職出来ない職員を生じて、職員の人員不足を招くことは、支援の質の低下や事故に繋がる可能性に直結する。
 職員のメンタルヘルス支援策、施設としてのストレス・マネジメントは、リスク・マネジメントでもある。もし職員の心身の健康の維持と、実践と職員の生活の拡充を促進するならば、良い福祉施設、良いサービスという実を結ぶ。つまり、福祉施設においては、事業の根幹は人にある
 筆者の研修は、離職を防ぐメンタルヘルス対策のみならず、施設と職員の成長、サポーティブな職場づくりをも視野に入れ、開発した。東京都の研修事業として機会を得て、各施設において実施し、現場からのフィードバックを活かし、プログラムの更なる改善を図ってきた。

2.職員の「いきなり退職」-施設共通の痛み
 研修の反応として、多くの福祉施設において語られた共通の問題とは、職員の突然の退職であった。職員のメンタルヘルスが密接に関わる「いきなり退職」は、現場を去る側には逃避の罪悪感を、残される職員には自責を、組織には人材確保の困難をもたらす。当然ではあるが、「いきなり退職」はメンタルヘルスの問題のみならず、複合的な要因が顕れたものであり、多様な側面がある。
 略
 また研修においては、慢性疲労や、職務上の困難を抱える職員をどのように支えていくべきかという課題が挙げられた。特に、メンタルヘルス領域の要因があり、休職中の職員のリワークをどのように進めていくべきかという課題が目立った。


(2)福祉施設職員間の人間関係の問題
 本研修におけるフィードバックからも、施設職員の人間関係における困難が明らかになった。福祉施設における支援は、多様な職種の職員のチームケアによって提供されているのであるから、職員間の人間関係に障壁があるならば、利用者にも働く職員にも影響が大きいことは言うまでもない。
 なぜ、職員間の人間関係には困難が生じるのか。それは、職員個人や組織としての実践の成果の不可視性等の要因によって、自己効用感の減退、無力感等の実践の不全感、否認とも言える感情と、苛立ちなどを含む否定的な感情が、職員の人間関係のなかで噴出されることが一つの要因である。つまり、実践における根源的な問題や、日常的な困難に直面したときの感情を、職員の人間関係の葛藤へと置き換えている。
 ここでは、実践の現実的な問題を、職員間の陰口という形態ではなく、これら否定的な感情の気付きの促進を起点として、感情を整理し、根源的な問題も見出し、改善への取り組みも検討する必要がある。これらを建設的に表現し合い、職員チームとして分析するワークショップ等の形態で、後述する外部者、コンサルタントがチームを支える必要があると考えられる。

(3)コンサルテーションの必要性
 福祉施設職員にとって、セルフケアや職員チーム内外のサポートネットワークによって、実践に踏みとどまっている。しかし、先述の図2の痛みが耐え切れない程になるか、頼りにしていた先輩等、燃えつきのストッパーが配置転換などによって拠り所を失うことによって、危機を迎える。休職によって回復を図るか、職務の課題に無関心になり、諦めや無力感の殻に閉じこもる。
 略
 コンサルタントが支えることによって、現場の職員がより良い実践を望むなかで、各自の能力を引き出し、適材適所で活かす組織マネジメントの促進が求められている。

(4)共通の痛みを緩和する-感情労働
 一人の職員にとっての困難、痛みは、他の職員にとっても同様に困難を生じていると考えられる。何が今の実践のなかで最も困難でストレスを生じているのか、その共通点を見出し、具体的な対策を立案しなければならない。例えば、職員が自身の直面している困難と感情を表現できず沈黙を強いられている状況は、改善を働きかける。また、実践の中で自己の存在価値、意味を見出せない、もしくは自らの仕事や立場に対して過剰な防衛をしてしまう等の問題がある。
 略
 トップダウンでも外部からの注入でもなく、後述するキャンプファイアのかたちで、現場の経験から学び、思考し、不安に対処していく。
 職員に共通する困難として、福祉施設における実践が感情労働の側面を持つことが、一つの要因である。感情労働とは、自分の深層もしくは表層の感情をコントロールし、利用者に適応した態度と言葉、表情、振舞い、配慮等で対応することにより、報酬を得る労働のことである。
 ホックシールドによれば「この労働を行う人は、自分の感情を誘発したり抑圧したりしながら、相手のなかに適切な精神状態をつくり出すために、自分の外見を維持しなければならない。この種の労働は精神と感情の協調を要請し、ひいては、人格にとって深くかつ必須のものとして私たちが重んじている自己の源泉もしばしば使いこむ。例えば、利用者の態度や感情がどのようなものであっても、職員側は受容的な態度と対応、配慮をするための、自身の感情の統制である。
 しかし、職員も感情を持つ人間であり、自らの感情を統制し、時に操作、規制することには限界がある。加えて、職務の忙しさによって時間と精神的なゆとりが減少すると、感情労働の切り詰めや、わりきりが行わざるを得ない。「労働者は、自分がまったくコントロールできないような膨大な数の人々に対して深層演技をするように要求されると、守りの姿勢をとる。この状況で自尊の意識を守り抜く唯一の方策は、その仕事を『幻想作り』として定義し、仕事から自己を引き離し、軽く考え、真剣にならないようにすることである」。
 総じて、福祉施設職員を含む社会福祉、介護、看護等の対人援助領域全般が、感情労働としての側面も持つ。深層演技は、職員の情緒への負担、疲労の蓄積に繋がり、その限界から情緒が摩滅するならば、実践の質に影響が生じる。
 求められているのは、感情労働の疲労等を表現し合い、職員チームとして支え合うことである。

 略
 研修において出会うことが出来た援助者の方々は、他者の痛みに真摯に向き合い、専門職として寄り添いながら支援する上で、慢性的な心身の疲労感、痛みを抱えていることが多かった。福祉施設職員が、利用者のために献身的に実践を続けているのに、自らの心身の健康を維持できない、職員の痛みを支える人は誰もいないということでは、質の高い支援の継続が危ぶまれる。
 また、ワーク・ライフ・バランスを欠き、援助者が自らの家族問題や親密な人間関係における問題が生じることも、援助者自身のサポートネットワークを損ないかねない。援助者の過度の献身性、実践にだけのめり込むことは、脆弱性をもたらす場合もあると言えよう。利用者にとっても、福祉施設という組織にとっても、援助者とその実践の持続可能性が求められている。
 今、援助者を支援しその痛みを緩和するプログラムが切実に求められている。
 総じて、福祉施設職員の痛みに応え、現場の様々なニーズ、声を活かす研修と専門職教育が求められている。
また、研修のフィードバックから、リワーク支援プログラムの実施を現場が求めていると言えよう。
 <以上、論文からの抜粋>

参考文献の一部
 A.R. ホックシールド著,石川准,室伏亜希訳『管理される心─感情が商品になるとき』世界思想社,2000年
 ドナ C アギュララ著,小松源助,荒川義子訳『危機介入の理論と実際 医療・看護・福祉のために』川島書店,1997年
 アントン・オブホルツァー,ヴェガ・ザジェ・ロバーツ編,武井麻子監訳『組織のストレスとコンサルテーション 対人援助サービスと職場の無意識』金剛出版,2014年


<当ブログ筆者の論文 2 >
当ブログ筆者の論文 関屋光泰「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月
ISSN 0919-2034

*福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修の主旨
・福祉施設職員の職務ストレスに対するセルフケアの促進、その方法
・ストレッサーのチェック
・実践ストレスのセルフケアのプロセス
・ストレスから復元する力=レジリエンスを強める
・ストレッサーの自己分析 
・福祉の職場の総合的ストレス・マネジメント
・ストレス場面への対処。リラクゼーションの方法
・援助者のエモーショナル・リテラシーの向上 感情のコントロール
・福祉施設職員の実務上の対策、専門職としての成長へ
・職員のメンタルヘルス ストレングスと自己への語りかけ
・実践ストレスを成長に繋げていくために。語り合いの力
・チームリーダーによるサポーティブな職場のファシリテーション 等

当ブログ筆者執筆の新刊 1
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題 依存症と生活困窮(pp.171-178)
<概要>
 簡易宿泊所街「寿町」の精神科診療所におけるアルコール依存症と薬物依存症患者の支援の実践から、回復を図るグループワークや相談援助の課題等を考察した。
 生活保護を受給し簡易宿泊所に居住するアルコール・薬物依存症患者の回復の鍵を握るものとして、レジリアンスを挙げた。具体的には失敗を繰り返しても援助者と繋がり続け、危機を回避するための協働や、訪問やグループワーク等による社会的孤立を防ぎ、全人的な支援の持続が有効であると論じた。


関屋光泰(当ブログ筆者)の業績一覧 主要なもの>
(学術論文)
1.簡易宿泊所街における民間支援活動と支援者のあり方について
 単著
 平成21年3月 (修士論文 明治学院大学大学院 社会学研究科 社会福祉学専攻)

2.貧困・社会的排除とホームレス女性についての一考察 単著
 平成20年3月 『Socially』第16号 明治学院大学社会学・社会福祉学会

3.「日本型」社会福祉の源流をもとめて-小河滋次郎著「社会事業と方面委員制度」を読む- (査読付き)共著
 平成20年3月 『社会福祉学』第32号 明治学院大学大学院 社会学研究科社会福祉学専攻

4.簡易宿泊所街における民間支援活動と支援者のあり方について一横浜寿町における民間支援活動をめぐって- (査読付き)単著
 平成22年3月 『社会福祉学』第34号 明治学院大学大学院 社会学研究科社会福祉学専攻(pp.53-56)

5.簡易宿泊所街・横浜寿町地域における民間支援活動-歴史的経緯の概要-
 (査読付き)単著
 平成22年5月 『研究紀要』第18巻第1号 学校法人敬心学園 日本福祉教育専門学校 福祉文化研究所
 (pp.39-48) (ISSN 0919-2034)

6.簡易宿泊所街・寿町における、生活保護受給者等を対象とする精神科デイケア-開始段階の実践に関する考察 (査読付き)単著
 平成24年『研究紀要』第20巻第1号,学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所
 (pp.35-48) (ISSN 0919-2034)

7.生活保護受給者を対象としたグループワーク -ドヤ街「寿町」における実践報告と考察-
 (査読付き)単著
 平成25年4月 『研究紀要』第21巻第1号,日本福祉教育専門学校福祉文化研究所
 (pp.39-52)(ISSN 0919-2034)

8.福祉専門職への転職と実践を支えるアクティブ・ラーニング (査読付き)単著
 平成26年4月 『研究紀要』第22巻第1号,日本福祉教育専門学校福祉文化研究所
 (pp.17-36)(ISSN 0919-2034)

(以下は、実践報告等)
9.『名古屋<笹島>野宿者聞き取り報告書』 共著

第一章 第三節 「仕事のない日の過ごし方」
平成7年10月 笹島の現状を明らかにする会
(pp.62-65)

10.野宿者の人々と共に創る演劇 単著
平成11年12月『Shelter-less』 (通号4),現代企画室 
(pp.71-76) (ISBN 4-7738-9934-4)

11.書評:冨江直子著『救貧のなかの日本近代-生存の義務-』 (査読付き)単著
 平成20年3月 『研究所年報』38号 明治学院大学社会学部付属研究所 (pp.211-213)

12.職業訓練生たち-1年目職員が感じた介護&ストレス 単著
 平成27年2月『介護人材Q&A』2015年2月号,産労総合研究所(pp.40-43)

(その他)
「第27回社会福祉士国家試験対策 ステップアップ講座テキスト」 平成26年8月
 日本福祉大学 社会福祉総合研修センターの社会福祉士国家試験対策講座のテキスト、社会福祉士全19科目、全194頁を執筆。

当ブログ筆者執筆の新刊 2
2017社会福祉士国家試験過去問解説集 第26回-第28回全問完全解説 日本社会福祉士養成校協会編集 中央法規出版
ISBN978-4-8058-5338-2


当ブログ筆者執筆の新刊 3
2017精神保健福祉士国家試験過去問解説集
一般社団法人日本社会福祉士養成校協会、一般社団法人日本精神保健福祉士養成校協会=編集中央法規出版
ISBN978-4-8058-5339-9



当ブログ筆者が報告を行います お知らせ
全国社会福祉教育セミナー2016 会場 淑徳大学 「ソーシャルワーク教育の新たな発展をめざして」
分科会第4 『一般・短期養成施設や通信課程におけるソーシャルワーカー養成の現状と課題(仮)』2016年10月30日

コーディネーター: 空閑浩人(同志社大学)
発題者: 山本由紀(上智社会福祉専門学校)
     明星明美(日本福祉大学福祉経営学部 通信教育)
     関屋光泰 (日本福祉教育専門学校)
主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会


<ブログ記事 バックナンバー>
当ブログ記事バックナンバー 福祉施設職員研修


福祉施設職員のストレスケア、メンタルヘルス、感情労働とは 筆者のコメントが新聞に掲載されました
 2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国 「悩む職員の心のケア」(やまゆり園事件が残したもの:下)


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当ブログ筆者が報告を行います お知らせ
全国社会福祉教育セミナー2016 会場 淑徳大学 「ソーシャルワーク教育の新たな発展をめざして」
分科会第4 『一般・短期養成施設や通信課程におけるソーシャルワーカー養成の現状と課題(仮)』2016年10月30日
主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会



相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第15回講義レジュメ概要1
 当ブログ筆者(専任教員)が、社会福祉士養成科にて、2016/07/27 に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>


6章4節 予防的対応とサービス開発
<ポイント>

・ソーシャルワークは、個別援助からメゾ・マクロ実践へと取り組みを拡大していく。マクロ実践の成果を、ミクロレベル、つまり個別の利用者へと還元させる。
・具体的には、地域におけるネットワーク構築、ソーシャルアクション、社会資源の開発が挙げられる。地域社会のボランティア、協力者に対するコンサルテーションの提供もソーシャルワーカーに求められる役割である。

1 個別援助から地域支援へ テキストP149から
・ミクロ・レベル実践=個別援助の過程から、
 メゾ・レベル=機関の運営・地域福祉活動等、
 マクロ・レベル=制度の改善を図る政策提言やソーシャル・アクション等へと視野、実践の拡大が求められる。
・個別支援を踏まえて、複数のクライエントに共通するニーズを集約し、地域のニーズや社会資源の課題への視点の拡大が必要である。

*ポイントは、ミクロから、メゾ、マクロへの展開が、ソーシャルワークの特質、最重要な点である。
 クライエント個人や家族からコミュニティまで、生活のデザインを促進する実践とも言えよう。


<補足:社会資源の課題とその改善>
・どのような施設・機関であっても、社会資源・組織側の要因のために、クライエント・サービス利用者が,問題解決やニーズ充足を妨げられているようであれば、その要因を分析し,状況の変革・改善を求める働きかけを行なう必要がある。変革の役割とも言える。
 例えば、情報不足、対応の不適切さ、制度上の課題等によって,相談へのアクセスが困難な事例 略

・これらを実施するにあたっては,
①調査:問題の実態・事実に関するデータを収集
②計画:変革・改善のための計画の立案
③組織化:変革への話し合いワークショップ形式を取り入れる。
④活動:専門家としての使命・倫理などに基づき働きかける。更に調査を重ねる。

2 予防的対応とサービス開発の意義 テキストP150
・個別支援のみならず、ニーズの集約、サポート・システムの課題の発見、潜在的ニーズへの対応の必要性について働きかけ、サポート・システムの機能向上を図る役割もある。
・現行のサービスでは対応が困難なニーズに対して、地域においてネットワークを構築し、新たなサービスや予防活動の開発を進める。

3 地域におけるニーズ テキストP150
・コミュニティへの専門職の働きかけ、マイノリティの支援。
 事例 略
 コミュニティワーカーの目標、使命とは、コミュニティとその住民が、相互に尊重し合い、成長していくことである。

・地域におけるニーズの四分類

①現行の保健福祉サービスで対応可能なニーズ=ニーズの顕在化
 ニーズが集約化され、現状の地域ケアシステムにおいては顕在化している。
 よくある課題&資源がある課題=集約化

②現行の保健福祉サービスでは対応困難なニーズ=ニーズの点在化
 略
 現状では、社会資源がない、フォーマルサポートの欠乏、対応が無い。
 ボーダーライン、難病の事例。

③現行の保健福祉サービスでは対応困難なニーズ⇒現在は問題状況や課題は無いもの
 略
 専門職の予防防的視点、見守り・働きかけの継続と、困難が生じた場合の早期の対応が求められる。
 ニート等は、20年後のコミュニティにおいてどのような課題となるのか。

④地域としてのニーズ

 地域の状況、住民共通のニーズをとらえ、明確にしていく必要がある。ワークショップや住民懇談会などで住民の声を集約し、地域福祉活動に反映させていく。
 その他、地域の生活課題、「買い物難民」、地方における公共交通機関の縮小による高齢者の生活への影響。
・地域住民に共通するニーズの集約と、住民の声を地域福祉に反映させていく。
 住民とのワークショップは重要なものとなっていくだろう。

<補足>
*地域の福祉ニーズ解決機能

・ソーシャルワークには、地域に存在する福祉ニーズ、福祉事業運営や福祉活動の課題、などを解決する機能、社会資源の整備・開発の機能がある。
・地域における、どのような福祉ニーズ,運営課題を解決しようとするのかで,援助技術の方法・内容や援助のあり方は異なる。
 それぞれの地域の特性(例 人口動態,特に高齢化率や出生動向)、社会資源の整備状況や、連絡調整・ネットワークの状況なども、大きく関わる。
例:子どもに関連して、所謂「声掛け事案」。
 フォーマルなシステム:PTA、学校、町内会、市役所、警察
 インフォーマルなシステム:ママ友、隣近所
背景には、人口構成、交通、地域社会の関係性が関わる。

*ネットワーク構築(組織化)を支援する手法の例
 ①町内会・自治会などをはじめとする住民諸組織を支援して問題解決を図る。
 ②ボランティア活動等の、新たな組織づくりを支援する。
 他、役割を担ったボランティアとして、民生委員等
 ③個別の当事者あるいは保護者・家族の組織づくりそのものを支援する。
 セルフ・ヘルプグループ
 ④事業者の連携あるいは協働組織づくりによって問題解決を図る。

*自然な支援者
例:近隣関係、学校におけるピア・サポーター
 生活の場で、自然な関係のなかで支援を行なう。
 同じ住民、学生としてのつながりを基盤とする。
 お互いの話に耳を傾け、仲間として共感し、助け合い、共にコミュニティをつくっていく。


*これらの協力者、ボランティアに対して、ソーシャルワーカーは、コンサルテーションを提供することも必要である。
・地域社会におけるコンサルテーション技能とは、情報の提供と分析、アセスメント 略

*地域に対する働きかけに求められる専門職の資質や能力
①社会福祉の各領域にわたる専門知識と,保健・医療,関連分野の専門職と話のできる幅広い知識。
②幅広い人間関係を形成していけるコミュニケーション能力と、信頼関係を形成し,継続できる 略
例えば、「町内会」。実習において、地域福祉の現場としての町内会体験実習も、地域福祉型実習に組み入れるべきではないか。
③地域社会の問題や課題,新しい社会資源の開発への関心と熱意,積極的な姿勢,企画力,行動力 略
・これらを行なう福祉専門職は,専門的学習と経験の蓄積,上司(スーパーバイザー)による指導・訓練が必要である。 略

*マイノリティのコミュニティにおける人間関係重視の傾向に対して、どのように関係を構築していくのか。コミュニティと話し込み、入っていくという伝統的手法も、答えの一つかもしれない。


4 ニーズの集約 テキストP151
 ミクロ実践における複数のケースを通して明確になった、サポート・システムの課題の改善に取組むためには、地域のニーズ、課題として集約する必要がある。
 地域の関係機関の連絡会議等で、地域の関係者たちの共通課題やニーズを集約する。
潜在的ニーズをキャッチするための取組みも必要である。 略 ニーズ調査も必要である。
 住民の会合への参加、現状の把握、課題のボトムアップも重要である。

5 サービス開発・事業企画 テキストP152
 クライエントのニーズは多様であり、制度で対応困難なこともある。
 インフォーマル・サポートの活用や、社会資源の開発なども必要である。
 機関として対応可能ならば、事業化を図る。地域住民との協働によるサポートの展開も必要である。
 所属機関において、企画案を提示し、機関の事業として承認を得、実施する。また、関係する機関・人々に協力を要請するなど、具体的な準備、計画が必要となる。

⇒資源開発は、今後のソーシャルワーカーにとって、大きな役割となる。住民との協働で、相互扶助を活かしながら資源を創る。そのプロセス、組織のコーディネートの専門職としての役割が、求められる。


<補足 社会資源開発とマクロソーシャルワーク>
・利用者に対する社会資源・社会福祉援助システムが効果的に機能しなかったり,最初から資源・援助システムがなかった場合には,必要に応じて資源・援助システムを開発することが必要である。
・ソーシャルワーカーは、その実践において,特定の集団(例 DV被害者,精神障害者,ホームレスなど)のニーズを充足する施策が既存の制度にないこと,あるいは既存の施策ではニーズ充足が不十分なことを認識することが少なくない。
 新しい事業・プログラムの構築の必要性を認識したならば,地域の関係する組織・団体,あるいは議員,住民に,こうした問題への関心をもってもらい,積極的な関与を引き出すための組織づくりを行って,その組織を中心に新しい事業(プログラム)の創設を図っていく。

 地域レベルで創設された新たな社会資源・事業を,他の地域でも実施することや,国レベルで実施することを働きかけることも,マクロソーシャルワークの役割といえる。それは専門職団体の役割ともいえる。

・新たなニーズに対応して、組織化の課題への対応や資源開発に取り組むことが求められている。
 地域におけるソーシャルワークは、住民が持つ自立、自助、協働の理念に働きかけ、地域にある社会資源そのものの効果的な調整や創設、あるいは開発に力点をおくという性格を持つ。

*コミュニティとの協働の技術-コミュニティの力を引き出す
 新たな社会資源の開発において、住民の主体的な参加を引き出す為の、動機づけなど働きかけの力量が求められる 。


・社会資源の開発は、現状の社会資源・援助システムでは充足されていないニーズの把握・分析から開始される。
①日常的業務からのニーズ把握

・地域社会の福祉ニーズを把握するには、社会調査も重要であるが、日常的な業務を通じてニーズを把握することも重視される。
個別の相談事例から地域全体のニーズや問題を把握することも重要である。

②社会調査法によるニーズ把握
・必要に応じ、社会調査によるニーズ把握を実施する。

・なお、予備的なニーズ把握として、地域社会の福祉ニーズを把握するため、行政の資料等から情報を収集する。
・また、地域の専門職や当事者、関係者から、自由面接調査やグループインタビューを行なうことも有効である。
 加えて、専門職や地域の連絡会議等における問題の明確化、共有化も有効な手法である。
 環境、まちづくりが課題であるときは現地踏査も行なう。
・各地域の社会資源の整備状況は異なる。
・加えて、近隣の見守り、支え合いや傾聴ボランティアなど、インフォーマル資源も必要とされている。

・より良い援助を提供するために、地域の社会資源の不足が障壁となる場合もある。
 不足する資源を開発することも、ソーシャルワーカーの役割である。


*既存資源の再資源化
・既存資源の再資源化とは 略

*新たな社会資源の開発
①一つの機関・団体が単独でサービスを設立し、自ら運営する場合
②地域の機関や団体の共同で開発・運営を行う場合(運営は単独の場合もある)
・資源開発は従来から社会福祉協議会等が行ない、近年は多様な取り組みがみられる。

*不足する資源の発見

・資源開発は、地域の不足する資源の把握・分析から開始される(先述)。
 個別事例から把握される場合、地域のニーズ調査から明らかになる場合もある。

・個々のクライエントのニーズと資源との調整を図る中で、資源の不足によりニーズの充足が困難になる場合もある。
①ケースアドボカシー=個々の事例に関して、資源側との交渉等により解決を図る。
②コーズアドボカシー=同様の資源不足の状況に置かれている多数の当事者に対して、資源開発を行なう。

*社会資源開発の展開
・鈴木による、社会資源開発の展開
①自己の確立(変革)、コア(核)となる「ひと」の確立
②「組織」の確立(変革)、組織化
 組織のニーズへの対応、サービス内容や質の評価を活かし進化する仕組みが必要である。
③「地域」での福祉サービスを確立し、実践を地域化する
 「組織化」されたものを「地域化」する。地域に合わせたアレンジ、具体化。
④実践や社会資源の改善・開発を社会化する
・社会資源開発は、地域のネットワーク、協働作業から展開されていく。

<社会福祉士等国家試験問題の出題実績>
◎インターベンションでは,クライエントやその環境及びその両者への介入を行い,状況に応じて社会資源の開発などを行う。 第20回社会福祉士試験出題
◎(社会資源の活用・開発)社会資源充実のために精神障害者の意見に耳を傾ける。
第11回精神保健福祉士試験出題
*精神保健福祉領域における地域援助技術(コミュニティワーク)第8回精神保健福祉士試験出題
◎地域社会の偏見・差別というバリアの除去や軽減が含まれる。
◎精神障害者の地域生活を支え,希望を実現していく機会や資源の開発が含まれる。

ソーシャルワーク演習レジュメ 面接技術1 基本的態度 純粋性、構成要素、無際限性、沈黙とは 大学学部にて

ソーシャルワーク演習レジュメ マイクロカウンセリング、最小限度のはげまし、意味記憶とは 面接技術2

貧困問題と相談援助 当ブログ筆者の講演 音声記録の一部を公開中


第28回社会福祉士国家試験合格発表2016年 正答と合格基準 日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科 合格率84.9%62人合格 一般養成施設ルート(通学)合格者数全国第1位。

社会福祉士 国家試験受験対策コース 当ブログ筆者の受験対策講義

社会理論と社会システム 練習問題 初級
*社会福祉士・精神保健福祉士共通科目 基礎
<この4月から学習を開始した受講生向き練習問題 入門編>


問題 次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,正しいものを一つ選びなさい。
  人の一生には,年齢に対応した様々な節目や出来事がある。人間の出生から死に至る過程で設定される「 A 」ごとに,人生を分析する「 B 」という用語が1930年代から用いられるようになった。ところがその後,社会の変動が激しく, 人々が人生上の出来事を経験する年齢やパターンに斉一性がなくなってきた。ここから個々人の多様な人生を明らかにし,さらには,個人史を歴史的事件と関連させて分析するために「 C 」という考え方が1970年代に確立した。
    A         B       C
1 ライフサイクル --ライフステージ --ライフコース
2 ライフサイクル --ライフコース ---ライフステージ
3 ライフステージ --ライフサイクル --ライフコース
4 ライフステージ --ライフコース ---ライフサイクル
5 ライフコース ---ライフサイクル --ライフステージ

心理学理論と心理的支援(心理学)練習問題 初級
*社会福祉士・精神保健福祉士共通科目(基礎)
<この4月から学習を開始した受講生向き練習問題 入門編>


問題 次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,正しいものを一つ選びなさい。
 エリクソン(Erikson,E.)の生涯発達論によれば,若い成年期の発達課題は「親密さ対「 A 」」であり,成年期では「「 B 」対停滞」,円熟期(老年期)では「自我の統合対「 C 」」だという。成熟した大人になるためには,人は自我のすべての特質を十分に発達させなければならない。
<組み合わせ>
  A    B    C
1 不信---勤勉---孤独
2 不信---同一性--劣等感
3 劣等感--生殖性--絶望
4 孤独---勤勉---劣等感
5 孤独---生殖性--絶望

*解答・解説:ライフステージ、ライフコースとは 記事下方をクリック
*解答・解説:エリクソン 精神分析 フロイト派  発達課題 8段階 
アイデンティティの危機 モラトリアム 幼児期決定論、
発達段階 ピアジェとは 記事下方をクリック



当ブログ筆者執筆の新刊
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

当ブログ筆者執筆の新刊
2017社会福祉士国家試験過去問解説集 第26回-第28回全問完全解説 日本社会福祉士養成校協会編集 中央法規出版
ISBN978-4-8058-5338-2

 450問を選択肢ごとに詳しく解説、科目別ポイント。過去3年分の国家試験全問題を掲載。最新の制度や数値にアップデート。

<当ブログ筆者の論文>
当ブログ筆者の論文 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


<当ブログ筆者の論文 最新>
「福祉施設職員のメンタルヘルスとリワークの支援」
日本福祉教育専門学校 研究紀要 55頁から73頁



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福祉施設職員のメンタルヘルスの支援 職員のストレスマネジメントと施設のリスクマネジメント 当ブログ筆者の論文 要旨


<練習問題 解答と解説は下記をクリック>

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ソーシャルワーク演習(相談援助演習) レジュメ概要
 学部にて、大学3年生対象 当ブログ筆者の講義

<相談援助 面接技術2>
3.コミュニケーション 言語・非言語
 コミュニケーションとは、記号などを媒介して,意思や意味のある事柄を相互に伝え合い,理解しあうこと である。
 クライエントとの専門的な援助関係を深める為に、継続的なコミュニケーション、信頼関係を築くことが必要である

*コミュニケーションには以下のような特徴がある。
・「言語コミュニケーション」と「非言語コミュニケーション(=表情、視線、態度、うなずきなど)」。
・言語のコミュニケーションは、共感のもとに、感受性をめぐらしながら理解することに努める。

*観察の重要性 非言語(ノンバーバル)コミュニケーション
・観察は、面接において、クライエントが非言語的に発しているメッセージを読み解く技術である。
 観察について、フロレンス・ナイチンゲールは、「看護は、観察にはじまり、観察に終わる・・・生命を守り健康と安楽とを増進させるためにこそ、観察をするのである」と述べている『看護覚え書 』。


*非言語的コミュニケーション行動による援助技法の例-相互性
①共感性:肯定的な頭のうなずき,顔の表情、まなざし。
②尊敬:クライエントと時間を共有する,全身を傾けて向き合う。率直な配慮。
③思いやり:笑顔,接近、親しみやすさ 。
④純粋性:言葉と非言語行動の一致性(一貫性)。真実性。
⑤具体性:話の内容を図示したり,身体動作を用いて明確化する,明確かつ適度の音声。
⑥自己開示:冷静な表情で真剣に自己を語る姿勢。
⑦直面化:冷静な(自然な) 声の調子
⑧即時性:その場その瞬間に熱中する姿勢

・観察の能力を高めるためには、クライエントの顔の状態、呼吸のスピード、目の動き、まばたき、声のトーン・スピード、口元などを気をつける。
 クライエントの姿勢・動きなど。

*後光効果(hallo effect)
 視覚から得られる情報は,観察者の主観的評価が入りやすいため,過小評価,もしくは過大評価する可能性がある。自覚が必要である。
 つまり、外見上の好印象、もしくは警戒心をもたらす外見。見えることよりも、見えないものに価値をおく。

・クライエントのストレッサーを探る
 ストレッサーとは、ストレスを引き起こす因子となるもの。

・観察によって得られた情報を、全体的に、総合的に把握していく。問題の本質を把握するために、収集した情報を検討する 。
 全人的、生活の全体を捉える多面的な視野=援助者の視野の広さが求められる。
 具体的な関わりを行ないながら、観察は進められる-関与しながらの観察。


4 面接・コミュニケーション技法1
<アイビーのマイクロカウンセリング「かかわり行動」を参考>
1) 視線を合わせること-援助者の視線

・文化にあった視線の合わせ方をする。
 クライエントを凝視するのではなく,自然で暖かい視線が求められる。

*アイコンタクト
 日本人の場合,目のやり場や捨て場がある程度、用意された方が話しやすいことが多い 。
 初回面接時は、施設のパンフレット等があると、クライエントは目のやり場に苦慮せずに済む。

 座る位置も真正面より少し斜め横に位置する方が落ち着くことが多い。

2)身体言語に気を配る-援助者の姿勢
・自然体、オープンスタンス

 クライエントが安心して話ができるように,援助者は適度にリラックスし,少し前かがみになって関心を向けている姿勢を伝える。足や腕を組む等,知らないうちにでてしまう場合があるので注意が必要である。動作も相手への自然、率直な尊重が望ましい。

3)声の調子-言語による応答
・自然体で話す。分かり易く、ゆっくりと話す。

 クライエントの聴力については、確認を要する。必要に応じて、筆談等の手段も用いる。
・援助者が受容・理解・共感していることは、相手に伝える必要がある。
・クライエントの語りへの肯定的な応答が必要である。

4)言語的追跡
・暖かく豊かな調子で,クライエントの話の中から話題を進め,不用意にさえぎらず,傾聴する姿勢が基本である。
 援助者の側からは、話題を飛躍させてはならない。

・相手の話し方や状態、呼吸などに、援助者側が適応することも有効である。
 相手の話し方を合わせるとき、話し方のスピード、声の大小、音程の高低、リズムなどに注意する。

*参加型コミュニケーション、相互性
 平等―当事者はワーカーから学ぶが、ワーカーもまた当事者から学ぶ。相互性、対等な援助関係のあり方。
・クライエントが語ることを促進し、更に引き出し、妨げないことが最重要な課題である。
 クライエントの語り、そのことばを途中でさえぎって援助者の意見をのべたり,質問したりしないように気をつける。

・クライエントも援助者も双方が、互いを必要としている。面接とは出会い、つながりを創る場でもある。つながりの場を必要としている孤独な人々のために、ソーシャルワークは存在する。
 相談援助の場において、クライエントと援助者が共に、障壁を取り払い、受け容れあう新しい心、共生の力が必要である。

・世界の現実、日常に押しつぶされない心と、主体的に生きる力とも言えよう。
 自分の生き方を選ぶこと、どのようにしたいかの方向性がはっきりしないままでは、生活に根を下ろす生き方は、困難であるだろう。
 相談援助とは、クライエントの主体的な生き方を支え、自由な選択、本人が決定するプロセスを支える場、技術でもある。


・援助者側、機関の提供できることとできないことを明らかにし,できるかどうかわからないことを,簡単に約束しないようにする。

*最小限度のはげまし
・うなずき,相槌などで,相手の話しを促す。援助者がクライエントと共に存在し、肯定し、話を続けるべきであると促すこと。
・援助者が、クライエントにその話を傾聴し、受容している姿勢を示す1つのしるしである。また、クライエントに話し続けるよう促し、語ることを支え、励ますためである。
 うなずき等、反応を示しながら聞くことで、傾聴しようとする援助者の意思が伝わり、相手も話しやすくなる。
・非言語的な「最小限度のはげまし」とは、視線をあわせ、興味を持ち聴いていることを示すために上体をすこし前に傾けること、うなずく(首を縦に振る反応)等である。
 うなずきが相手の話の腰を折る危険性は少ない。
 援助者が無表情、緊張し過ぎる、動きが大げさになり過ぎてはならない。

・言語的な「最小限度のはげまし」は、クライエントに共感を表現するものである。
  1.「なるほど」「そうですか」「ええ?」「そう?」「それで?」「それから?」
  2.1語または2語のくり返し。
  3.「もっと続けて話してください」
  4.「うむむ……」「うーん」
  5.クライエントが話をした文章の最後の数語をそっくりくり返す。


・頻繁すぎるとわざとらしくなり、相手の話の腰を折ることにもなる。
・沈黙も有効に活用する。援助者の応答をはじめる前に、援助者が数秒間待つことを意味する。クライエントに話をつづけさせたり答えさせたりするための時間を与える。

<面接技術 次回に続く>


当ブログ筆者が報告を行います お知らせ
全国社会福祉教育セミナー2016
分科会第4 『一般・短期養成施設や通信課程におけるソーシャルワーカー養成の現状と課題(仮)』2016年10月30日
主催 日本社会福祉教育学校連盟 日本社会福祉士養成校協会 日本精神保健福祉士養成校協会


貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中

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第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

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ソーシャルワーク演習レジュメ 面接技術1 基本的態度 純粋性、構成要素、無際限性、沈黙とは 大学学部にて


第28回社会福祉士国家試験合格発表2016年 正答と合格基準 日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科 合格率84.9%62人合格 一般養成施設ルート(通学)合格者数全国第1位。

社会福祉士 国家試験受験対策コース 当ブログ筆者の受験対策講義

低所得者に対する支援と生活保護制度 練習問題 初級
*社会福祉士・精神保健福祉士共通科目 基礎
<この4月から学習を開始した受講生向き練習問題 入門編>


問題1 公的扶助制度の特徴に関する次の記述の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,適切なものを一つ選びなさい

  一般的に,公的扶助制度はセーフティネットとしての機能を持ち,最低限度の生活水準以下の状態に対して「 A 」にはたらく。また,我が国の生活保護法では,労働能力の有無や困窮の原因にかかわらず保護の対象とする「 B 」を採用しながら,「 C 」によってその要件を確認している。
   A     B           C
1 防貧的-- 一般扶助主義--資力調査(ミーンズ・テスト)
2 防貧的--制限扶助主義--所得調査(インカム・テスト)
3 救貧的--制限扶助主義--資力調査(ミーンズ・テスト)
4 救貧的-- 一般扶助主義--所得調査(インカム・テスト)
5 救貧的-- 一般扶助主義--資力調査(ミーンズ・テスト)

生活保護法

心理学理論と心理的支援(心理学)練習問題 初級
*社会福祉士・精神保健福祉士共通科目 基礎
<この4月から学習を開始した受講生向き練習問題入門編>


問題2 次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,適切なものを一つ選びなさい

  人間の記憶には性質の異なるいくつかの機能があることが知られている。例えば,電話帳から電話番号を覚えて電話をかけるような場合には「 A 」が用いられる。その容量には制限があり,記銘した情報を保持しておくためには「 B 」が必要であることが知られている。最近はその概念が拡張され,「 C 」のモデルが提案されている。
 <組み合わせ>
   A      B        C
1 短期記憶--リハーサル --作動記憶(作業記憶)
2 感覚記憶--アイコン ---作動記憶(作業記憶)
3 短期記憶--リハーサル --手続き記憶
4 短期記憶--アイコン ---手続き記憶
5 感覚記憶--リハーサル --作動記憶(作業記憶)

*解答・解説:ミーンズ・テスト、稼働能力、一般扶助主義、制限扶助主義、セーフティネット、選別主義的給付
普遍主義的給付、インカム・テスト、福祉ミックス、旧生活保護法とは 下記をクリック

*解答・解説:記銘,保持,想起、ワーキングメモリー、エピソード記憶、展望的記憶、
意味記憶、短期記憶とは 下記をクリック


More*解答・解説 稼働能力、一般扶助主義、制限扶助主義とは ⇒⇒⇒⇒⇒
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ソーシャルワーク演習 レジュメ概要
 学部にて、大学3年生対象 当ブログ筆者の講義

<相談援助 面接技術1>
*面接とは
 面接者とは、その役割と専門性を持った、平凡な人間のである。
 平凡だから限界がある-他者を分かり、感情を共有することにも限界がある。
 「ありのまま」の相互性-面接者も来談者も、人間であること。弱さや限界、強さも持っている。
 つまり、相談、面接の本質とは、人と人との出会いであり、小手先の技術ではない。


・面接の無際限性
 人とは基本的に捉え尽くせないもの、無限なもの、『分からない』もの、謎である。
 人間の分からなさ認めながら、分かろうとして接近するのも、面接の一つの側面である。
 人間にはその時々の感情があり、意味づけて生き、それぞれの生き方がある。


・専門職としての傾聴こそ、求められている役割の基本である。傾聴に集中する姿勢が求められている。
・全体像をみること、偏見を持たないこと。近づくこと。
・誰に対しても、親しみやすさを基本に接する。自然な対話のなかで、クライエントの人生とその困難を読み取る。

1.面接におけるクライエントの抵抗
 事例 クライエントの沈黙。
・多くをしゃべらない,無言を続ける。
・自分の問題を直視することへの抵抗。
 問題に向きあわない、逃避するクライエントも少なくない。


<クライエントの抵抗の要因>
・クライエントは、生活問題等のストレスから、敏感、傷つきやすい状態で、相談の場に来談する。
・問題を自力で解決出来ないことの、恥の感情、苛立ち。
・自分の感情を、援助者に表出することの抵抗感や、援助者に非難されるのではないかという怖れ 。
 援助者の、クライエントに対する事実や感情の探求に対する(クライエント側の)抵抗。
・信頼感の欠如が原因の一つとも言えよう。

<援助における諸問題の例>
○沈黙
 援助場面においては,沈黙が非言語的コミュニケーションとしてさまざまな意味をもつ 略 。
・「沈黙」は、その意味の理解と、適切な対処が求められる。
 沈黙は、援助への抵抗、ワーカーへの依存や安心感、否定的感情などにより現れる。
 また、何を話すか、話さないかの迷いや、どのように話すのかなどにも現れる。沈黙の時間にも意味がある場合があり、クライエントの自己理解が進む場合もある。
・迷いによる沈黙は、話したいこと等を考えつくまで待つ必要がある。
・抵抗や否定的感情、依存などは、共感的な語りかけが有効である。
 安心感によるものは、沈黙を尊重しつつ、次の話題に移るなどの配慮が必要である。
・「次の言葉を探して考えている」場合と、「聞かれた意味がわからない」「何を答えていいかわからない」などの場合の違いを受け止め,それに応じて,答えを待つ,もう少し具体的な問いかけをする,ワーカーの応答の不適切さを修正する等の対応が必要である。

2.面接の概要
 面接は,ソーシャルワークにとって援助の主要な道具であり,ソーシャルワーカーとクライエントの間に起こる相互作用をつくりあげている-相互に変化する。
 それぞれの面接には目的やゴールが必要である。
 略
 面接は言語技術のみでなく,ソーシャルワークの価値,知識,援助関係によって支えられている。

・クライエントの語りを、
 引き出す
 妨げない
 障壁をとり除く

*援助者の基本的態度 (ロジャーズ)
・無条件の積極的関心(肯定的配慮)
・共感的理解 笑うものと共に笑い、泣く者と共に泣く
・純粋性(真実性) 率直な感情の交流


*ソーシャルワーク面接における課題
・クライエントにとって優先すべき問題は何か、生活問題の明確化が必要となる。
 援助の対象となる課題を絞る。
 ソーシャルワークの組織、専門職個人の抱え込み 力量や範囲を超えたことは困難である。

・クライエント目線の捉え方
 児童福祉、子育て支援、家族問題に関しては、市民社会の「当たり前」が通用しないこともある。
 例えば、「・・・・・が出来て当たり前」は、当事者にとって出来ないこともある。当事者とその周囲が自力では出来ないから、支援を求めて相談に来ている。

・面接の準備とは、ケース記録や事前の情報を熟読し、可能な限り手がかりとなる情報を集め、それを基に話題を整理し、クライエントに接近する手法として活用する。
・クライエントの非言語の、特に顔色や視線(目)、口元、態度などに注意を払い、話のきっかけになる話題をひき出す。
 立ち上がり方は、非言語の情報の宝庫といえる。
・クライエントの緊張により,直接問題の焦点に入ることには抵抗が感じられるような場合、日常生活の話題などを語りあい,クライエントの気持をやわらげるよう心がける。
 しかし、なるべく早く,適当な頃合いを見て,核心にふれるようにする.
・ワーカー自身の気持をよく整理して,ワーカーの個人的感情や先入観が面接過程にもちこまれないよう注意する。
・面接の予約を,ワーカーの側から破ることは,絶対にしないよう気をつける。


<相談援助における面接の形態>
1 面接の構成要素

・面接はさまざまな構成要素をもち、面接の目的、面接の対象、面接の形態、面接の時間的・空間的条件などにより規定される。
 面接の構成要素のうち、重要なのは「面接者」であり、その生活歴、家族、人間関係、個性等が、面接に大きな影響を与える。
・面接の目的 略
・面接の対象は、クライエント本人、その家族、他の専門職、近隣・友人も対象となる。

*面接の時間的条件
・面接の時間的条件は、面接の時間と時間的制限の設定の有無により規定される。
 初回面接や急迫した場合など、より長い時間を必要とする場合もある。
 制度説明だけで終わる面接等は、短い時間で終わることもある。
・あらかじめ時間制限を設けて、面接を行なうことが原則である 。 略
・予約をして面接を行うことも有効であり、クライエントの面接に対する動機づけが強化される。またワーカーは、必要な準備(波長合わせ)ができる。
 波長合わせとは 略

・「愛情の贈り物」とは 略
・「激励」 クライエントの力や能力についての信頼感の表現 略

*面接の空間的条件=、面接を行なう場所に関する条件
 その条件として、秘密が守られ、雑音がなく、温度調整ができ、落ち着きのある雰囲気など面接に集中しやすい、人の出入りや電話により面接が中断されないなどである。リラックスして話ができるような環境に配慮する 。
・面接室は広さ、明るさ、色彩、家具の配置等に配慮が望まれる。
・地理的条件も考慮する。クライエントにとって遠すぎる場所、交通アクセスが極端に悪い、身体的精神的条件(移動に障害のあるクライエント)により来所が困難な場所などは避ける。
・来所面接が困難な場合は、訪問面接などを行なう(可能な場合)。

*構造化面接と非構造化面接
・何らかの筋道・過程に沿って、方法や回数、場所等を設定して行なう面接のことを「構造化面接」という。

・随時に対処する形の面接は「非構造化面接」という(面接の枠はある程度あるが )。
生活施設のレジデンシャルソーシャルワークにおいて、必要に応じて行なう面接などに多い。

*面接の形態
 個別面接(一対一 )
 合同面接:クライエント等の複数の人に一人のワーカーが面接する(家族合同面接等)
 並行面接:一ケースで、複数の人がそれぞれ個別面接を並行して行う(親子並行面接等)
 協同面接:一つの面接に複数のワーカーが参加する

2 生活場面面接
・クライエントの生活場面で行われる面接のことである。クライエントの居宅、生活施設の居室、病院のベッドサイド等で行われる。居宅訪問面接が多くを占める。
 従来から公的扶助ケースワークにおいて、居宅訪問面接は従来から重視されてきた 。
 利点は、クライエントの生活環境を観察できる、生活上のリスク(虐待等)の発見が可能 、通常は来所しない家族に会い、面接することができるなどである。クライエントの生活全般の情報を具体的に得ることが可能である。居宅での介護サービスを利用している場合など、クライエント本人と面接する機会が得にくい事例では、本人と接する機会となる。
・反面、時間設定がしにくい、ほかの家族がいることで秘密が守りにくい、面接内容が深まりにくい場合がある。援助者側の負担が大きい(留守、職員体制)などのデメリットもある。
・訪問時間はクライエントの生活に合わせ、落ち着いて面接ができる時間を設定する 。

・施設・医療機関における生活場面面接では、同室者などに話が聞こえてしまう難点があり、配慮を要する。また、離床が困難な場合には、その身体的状態等を考えて、クライエントに負担をかけないよう面接時間等を設定することが求められる。
 事例 生活場面面接
メリット:生活等の観察、構えのない面接
 モニタリングとして有効な手法
 転倒、生活の変化等、生活上のリスク発見についても敏感になることが求められる

インテーク面接、観察技法、非言語コミュニケーションとは 相談援助の理論と方法講義概要



アウトリーチ、拒否的クライエント、電話相談、予防的援助活動とは 相談援助の理論と方法 講義概要



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第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

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社会福祉士 国家試験受験対策コース 当ブログ筆者の受験対策講義
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相談援助の理論と方法 前期第11回講義レジュメ概要 2
 当ブログ筆者(本校専任講師、社会福祉士)が、社会福祉士養成科(トワイライト、ナイト)にて、2016年6月29日に講義予定            
<この記事は、ダイジェスト版と講義当日の補足。レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>


5章相談援助の展開過程Ⅰ
3節 受理面接・インテーク
1 インテーク段階の内容 テキストP107
*概要

・インテーク(受理面接)は,援助の過程ではクライエント(この段階では申請者)が、最初に援助機関と出会う局面である。
⇒インテーク=クライエントとの出会いの機会であり、来談理由がその中心となる 。
 クライエントにとって回復・解決への一歩の前進であり、孤立を脱し社会と繋がる等の、はじまりとなる。
 クライエントの自己評価の低さ-もう一人ではないという実感の獲得。

・クライエントの来談理由、その生活問題を、援助者は的確に把握し,最も適切な機関、支援へと振り分けるための判断する場面でもある。 (インテークは、社会福祉士国家試験に出題多数)

・ケースワーク・相談援助は、実質的にインテークによって開始される。
 インテークは,「取り入れること」あるいは「受理(面接)」と訳すことができる。
単なる事務的な受付と混同しないため,インテークという言葉が使用される。
・通常、インテークは,問題が持ち込まれた時点で,面接というかたちをとって行われる。

*インテークでは、次の三点が主に行われる。
①主訴の提示

 来談者(申請者)の主たる訴え=主訴に十分耳を傾け(傾聴 ),その要求(ニーズ)が何であるかをあますところなく表明することを促す。。
・インテークの場には、人生の危機・苦境で訪れる。
例えば、子どもや高齢者への虐待、ドメスティックバイオレンス等の暴力、犯罪被害。生活困窮、家族介護の困難、ハンディキャップによる問題。
 生活問題の背景にある複雑な家族関係(親子の長期分離歴)、離婚、望まない妊娠、多問題家族。
・主訴とそれに関わる感情の表現を促す-言葉で表現出来るもの、出来ないもの 。
事例 沈黙の面接-うなだれたまま一言も話さないクライエント
事例 「介護保険制度を教えて下さい」のような、表面的な会話で、本当の主訴を語らないクライエント。


②ソーシャルワークとサービスの説明
 援助者と所属する機関や施設が提供できるサービスの内容と機能を情報として明示し,申請者の要求と関連させて理解と納得がいくようにわかりやすく説明する。

(③契約)⇒注意 略
 講義にて解説

*準備段階
・事前に入手できるクライエントに関する情報を調べる。
・予備的な理解-波長合わせ

*面接の導入部分-観察とホリスティックな視点による配慮
<出迎えと観察>
・待合室やロビーへの「出迎え」と観察、面接の場面設定を行なう(機関によって違い有り)。
 出迎え時、観察の要点-座り方や態度、家族等同伴者、立ち上がり方など。
個室という圧力-当事者の秘密を打ち明けるプレッシャー。精神的負担。
⇒臨機応変な場面設定の必要性。
・面接室まで共に歩く効用-隣の位置 。
肩を並べて歩きながら話すこと

<配慮、理解する姿勢>
・面接の開始時、「お暑い(お寒い)ところを、よくおいでくださいましたね」「随分遠かったでしょう」など、来談者を気遣った挨拶の言葉で開始する。
・また、来談者の体調への気遣い、子ども連れならば、子どもへの配慮等も必要となる。
・これらは、個々の来談者(クライエント)の置かれている状況を観察し,適した方法、言葉で伝えることが大切である 。
面接全般において必要なスキルであるが、特にインテーク面接においては、その後の展開を円滑に進めるために不可欠と考えられる。

・援助者の支援にあたる姿勢が、支援に及ぼす影響が大きい-精神科医療でも明らかにされている。

*質問の組み立て
・インテーク面接の展開は、機関・施設として定められた質問項目があったとしても、来談者の状況や話の流れに沿って、質問の順番を組み立てる=機械的に順番通りに質問しない (仲村優一)。

・生活問題の現状と経緯、感情等を聴き取る-質問を活用する。
 開かれた質問と閉じた質問を状況に応じて組み合わせる。

*非言語(ノンバーバル)コミュニケーションの必要性(観察)
・ことばや文字を直接には用いないコミュニケーション形態で,身振り,姿勢,表情などの身体動作から,空間意識や接触行動,化粧や服装などにまで及ぶ。
 意図的,意識的な言語コミュニケーションとは対照的に無意図的,無意識的な色彩が濃いが,対人関係において相互の感情状態を判断したり,パーソナリティや社会的地位に関する情報を交換する積極的機能も果たす。
 言語コミュニケーションを円滑にし相互理解を深める補助手段としても重要である。
 他、ごまかし(にせ物)は,非言語的に露見する、非言語的コミュニケーションは,言語的コミュニケーションに比べその正当性が高い、非言語は,情緒表出の第一の手段である等の特性がある。

・面接における、関与しながらの観察という方法。
 非言語の観察、ホリスティック(包括的)な視点、俯瞰的な視点。

・援助者の専門的な非言語的表現は,重要である。
(欧米においては)握手したり,手を取ってオフィスに案内したり,子どもをなでたり,混乱し、感情の乱れている時に手を握ること等は,重要な非言語的共感の示し方である。ただし、クライエントの年齢、性別、文化への注意を要する。

*来談者の言葉の二面性

・時として利用者の言葉は、「表面的な(言語による)情報」と「裏側に潜む感情や価値観を含んだメッセージ」といったような、二つの面からできていることがある。裏側への気づきが必要である。特に高齢者の場合に、配慮を要する(例 SOSは発しづらい)。
・そのため、対人援助の場面では,援助者は利用者が言語で表出した感情や情報だけではなく,表情や身振り,視線,態度などの非言語(ノンバーバル)コミュニケーションにも注目して相互に信頼関係を結ぶ。
 さらに,傾聴や共感的理解といったコミュニケーション技術を活用して,利用者自身が課題を明確化し、自らの能力を最大限に活用して問題解決ができるよう働きかける。

・ワーカーは非言語的表現と言語的表現との食い違いを察知し,言葉と内容との二面性を理解しなければならない。
 例えば、クライエントが硬直しながらもほほ笑んだり,声高な調子で冷静さや気分を害していないことを主張する場合は,クライエントが自己の感情を理解し,処理しきれていないことを意味する。
・初期の面談の場合には,言葉と態度の食い違いを直接指摘したりせずに、言語的,非言語的表現を使って共感の気持ちを示す方がよい。しかし,後の面談では,食い違いについて話すことは,援助のために必要となる。

*インテークにおけるアカウンタビリティ

・インテーク時に、所属機関のサービスの内容、期待できる効果(その根拠)について、専門職は説明する責任がある。

◎解説:アカウンタビリティ  (第16回等 社会福祉士国家試験出題)
 サービスの内容,質,成果などについての説明責任をさす 略


アウトリーチ、拒否的クライエント、電話相談、予防的援助活動とは 相談援助の理論と方法 講義概要


<児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 練習問題・初級>
<社会福祉士国家試験専門科目 基礎>
<この4月から学習を開始した受講生向き練習問題 入門編>


問題1 次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,適切なものを一つ選びなさい

 昭和初期には,世界大恐慌,東北,北海道の大凶作の後を受けて多くの社会問題が発生した。親子心中だけでも,大正14年から昭和2年まで311件もあり,実子殺し,貰い子殺し,農村子女の身売り等の悲惨な状況の中で欠食児童は20万を超えていた。
 こういった状況に対処すべく,昭和4年「 A」 が制定され,生活扶助,……(中略)……助産等が実施され,貧児の施設収容も行われた。昭和8年には児童虐待防止法,「 B」 が制定され,幼少年の虐待防止を図るとともに,多年の懸案であった要教護児の早期発見に資することとなった。また母子心中,欠食児童の増加等にかんがみ,昭和12年には12歳未満の子を有する貧困母子家庭救済のために,「 C 」が生まれた。(厚生省児童家庭局編『児童福祉三十年の歩み(抜粋)』昭和53年)
   A     B       C
1 恤救規則--感化法----母子保護法
2 救護法---少年教護法--母子保護法
3 救護法---感化法----母子保護法
4 救護法---少年教護法--母子福祉法
5 恤救規則--少年教護法--母子福祉法

心理学理論と心理的支援(心理学)練習問題 初級
*社会福祉士・精神保健福祉士共通科目 基礎
今年4月から学習をはじめた受講生向き練習問題 入門編


問題2 知能検査に関する次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,正しいものを一つ選びなさい。

 ウェクスラー(Wechsler,D.)の知能検査は,知能の内容を言語性と「 A 」とに分け,それぞれを6つの下位尺度で構成し,測定するものである。また,児童用以外にも,「 B 」用のWPPSIや青年から高齢者までを対象とする「 C 」を開発するなど,適用範囲が広いこと,偏差値で表され,集団の中での位置が分かりやすいことなどが特徴として挙げられる。
   A    B      C
1 数理性--障害児---WISC-R
2 数理性--青年前期--WAIS-R
3 動作性--低年齢児--WAIS-R
4 動作性--青年前期--ITPA
5 芸術性--低年齢児--ITPA

*解答・解説:母子一体の原理、少年教護法、救護法、感化法、小河滋次郎、留岡幸助、感化院とは
知能検査、ウェクスラー式知能検査法、ビネー式とは 下記をクリック


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<当ブログ筆者の論文>
当ブログ筆者の論文 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


<当ブログ筆者の論文 最新>
「福祉施設職員のメンタルヘルスとリワークの支援」
日本福祉教育専門学校 研究紀要 55頁から73頁


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第28回社会福祉士国家試験合格発表2016年 正答と合格基準 日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科 合格率84.9%62人合格 一般養成施設ルート(通学)合格者数全国第1位。

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