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社会福祉士 相談援助実習目標【社会福祉協議会 地域福祉実習】実習計画書・実習の動機等の書き方
・子ども食堂等の地域福祉活動のフィールドワークに取り組み、活動の担い手からの聞き取りを行う。子ども食堂やフードパントリーは、社会福祉協議会から、どのような助成を必要としているのか、実習を通じて考察する。

・地域においてフィールドワークに取り組み、その地域において社会的に孤立し支援を必要としている単身高齢者や、生活困窮者等の生活問題、ニーズを理解し、地域を基盤とした支援のあり方、地域共生社会への課題を考察する。

・高齢者給食等の場に参加し、単身高齢者などへの食の支援、心身の健康維持の実際を学び、課題を考えたい。
 高齢者給食の配達に同行し、在宅生活と食の支援の実際を、訪問によって理解を深める。単身高齢者の食生活の支援の課題を考察する。

・家族の介護や子育て中も孤立することなく、フォーマルなサポートや、家族とコミュニティの協力を受けているか。介護等の意欲を持続しているのか。

・地域住民が、社会福祉に関する情報を積極的に入手し、子育てや介護等を行い、必要に応じてフォーマル及びインフォーマルなサポートを受けているか。

・社会福祉協議会の各事業において実習に取り組み、事業の内容を理解するとともに、地域社会のなかで、担当職員が関係団体や機関と、どのように連絡調整し、協働を図りながら事業を実施しているのかを知る。
 また当事者をはじめ、ボランティアや地域住民の方々と積極的に交流し、住民の「生」の声を聞き、地域での課題やニーズをとらえ、事業の必要性や今後の方向性も学びたい。

・「地域福祉計画」「地域福祉活動計画」等を閲覧し、地域社会の福祉的課題に対する計画を把握し、それぞれの事業を理解する。行政の各種関係計画との関連を把握し、将来に向けての計画、役割等も把握する。

・市社会福祉協議会の概要について知る。これまでの時代の変遷とともに、どのように事業が運営され、展開し、現在に至ったのかを学びたい。

・地域福祉の推進役として、また公益性の高い非営利・民間の福祉団体として、どのような経営理念のもとで事業展開されているかを把握する。

・地域社会において、生活のしづらさを抱えた住民の、生活の継続性や豊かな社会関係など地域生活の質を高めることを目的とした活動を通して、住民、当事者、事業所、行政が協働して、共生の地域づくりを進めるための地域福祉のあり方を考察する。

・生活困窮者の早期把握や見守りのための地域ネットワークを構築し、包括的な支援策を用意するとともに、働く場や参加する場を広げる等の課題を考察する。

・地域社会において、住民のニーズに応えるために、保健・医療・福祉の各分野、職場、教育機関等の連携の現状と課題について理解を図る。
 加えてフォーマルな社会資源と、ボランテイアや近隣住民の福祉活動などのインフォーマルとの連携、コーディネートについて学ぶ。

・民生委員の会議・研修等への参加から、地域福祉における民生委員の今日的な役割と課題を考察する。民生委員の現状と課題を実習を通して考えたい。

・社会福祉協議会が取り組む、地域福祉活動のネットワーク構築の場に参加し、その技術、あり方を学ぶ。
 地域社会において必要な社会資源の開発、調査による課題の提起とコミュニティワークン等について理解を深める。

・ボランティアセンターにおいて、ボランティアや希望者の方々と積極的に関わり、ボランティアのきっかけ、問題意識、ニーズ等を理解し、ボランティアコーディネートのあり方や課題を考察する。

【実習の動機 実習先を選んだ理由 実習計画の概要】
 地域社会において住民がおかれている環境と、ニーズに応じた適切な支援を提供できているのか、社会福祉士等の地域福祉実践に関心がある。地域福祉活動の特性である柔軟性、迅速性、開拓性を、コミュニティの現場から学びたい。これらの活動を調整する専門職として社会福祉士が必要とされていると考えている。
 地域における関係機関の専門職、民生委員児童委員、ボランティア、NPO、当事者組織、町内会等の社会資源に関わる人々について理解を深める。
 高齢者の生きがい活動や、地域貢献等を目的としたNPO法人等非営利組織の活動の助成といった社会福祉協議会の役割について、「支える、支えられる」という一方的な 関係ではなく、「相互に支え合う」ネットワークの構築等の課題を、現場で考察する。
 また今日の社会福祉協議会が、非営利組織やインフォーマル支援を提供する住民の団体、ボランティアグループ、その他、地域の生活を支える多様な社会資源、人々との連携、協働において、どのような役割を担っているか、あるいは担うべきなのかを考察を深めたい。


社会福祉士 相談援助実習目標【障害者支援施設・事業所】実習計画書・実習の動機等の書き方
【障害者支援施設 実習目標・実習計画 社会福祉士】
・障害、ハンディキャップを持つ利用者の方々について、総合的に理解を深める。
 利用者一人ひとりの生活、個性、障害の特徴、家庭等の環境、施設利用に至るまでの生活の経緯等を理解する。
・利用者の理解を図る:利用者の方々と積極的にコミュニケーションをとり、障害と個性、生活についての理解を深める。またそれぞれの生活と、抱えている想い、希望について理解する。

・利用者の生活とその背景を理解する
 利用者の施設における生活、食事、作業や活動、レクリエーション、余暇などがどのように行われているかを理解し、その中で職員の方々がどのようにかかわっているかを学ぶ。実習生として参加しながら学ぶ。

・施設、事業所の一日の流れを理解し、共に過ごす。
 施設がどのような日課で流れているかを把握する。またそのなかで、利用者の方々の過ごし方と、職員の方々がどのような役割を果たしているのかを理解する。
 施設の機能について学ぶ。施設における社会福祉士の具体的な役割や職務の内容について学ぶ。

・自立支援の取り組みを現場から学ぶ。
 就労や自立といった社会参加に向けて、どのような取り組みがなされているかを学ぶ。
地域で暮らしている利用者の生活の様子について知る。また地域生活のうえでの困難について、具体的に知りたい。

・施設におけるグループワークについて学ぶ
 施設における活動の多くはグループに分かれて行われている。グループのもつ力を理解し、作業やレクリエーションのなかで、グループワークをどのように生かしているのかを学ぶ。

・施設における相談援助について学ぶ
 施設において、どのように利用者個々のニーズに対応しているのかを学ぶ。

・施設の年間・月間計画の作成、行事の計画立案から準備、実施等を現場で学ぶ。

・利用者の個別支援計画の作成のプロセス、面接等を学ぶ。

・施設職員の、利用者の家族とのかかわり、家族関係の調整、家族の支援のあり方を学ぶ。

・関係機関との会議、ケースカンファレンスの開催について学ぶ。

・ノーマライゼーションの理念が活きている実践を、障害者福祉の現場から学ぶ。

・利用者の方々と実習生として、自然な関わりを心がけたい。

【実習の動機 実習先を選んだ理由 実習計画の概要】
・ソーシャルワークにおける「自立」は、1981年の国際障害者年などをきっかけとして、身辺自立や経済的な自立だけをさすのではなく、自己決定による生活のあり方、自己実現を含めた理念として変化してきた。ソーシャルワークのあり方も、援助を受ける側の自己実現を、本人の主体性を尊重しながら、側面から支援するというかたちに変化してきた。この自立支援実践の実際と課題、あり方を実習を通して学びたい。

・社会福祉全体は、従来の身体的な介護を中心としたケアの考え方から、身体的なケアにとどまらず、当事者のもつ力と、地域のフォーマル・インフォーマルの社会資源を活用し、地域における自立生活と自己実現を目指した支援の考え方へとシフトしつつある。
 これは多様性を認め合い理解しあうコミュニティ、共生社会をつくるプロセスでもある。言い換えるなら、誰も排除しない社会への挑戦でもあるのだろう。
 利用者を全人的に理解し、その生きる力と勇気、ストレングスを大切に、また生活全般、生き方についても尊重することが、今日の障害者福祉に求められている。これらのことを現場から学びたい。

・障害者福祉分野の施設はいうまでもなく、利用者が生活の主体である。利用者の希望をもとに年間計画、日課や活動が組まれている。職員の業務内容を理解しながら、利用者の視点にたち、どのような生活を望んでいるのか、利用者の真のニーズについて、今回の実習を通して考えたい。

・大学(専門学校)の障害者福祉関連の講義を受け、障害を持つ方が地域で安心し、心身ともに健康な生活を送るうえで、どのようなニーズがあり、どのようなサポートが必要なのかを考えるようになった。また障害者福祉分野の社会福祉士の実践について関心をもち、自身も障害を持つ方の生活を支えていきたいと思うようになった。今回の実習先を希望した理由である。

社会福祉士 実習目標【障害者支援施設】実習計画書 書き方_f0206007_15200422.jpg

 筆者の「福祉施設職員のストレスケア研修」、「障害者支援事業所の新人職員等基礎研修」「施設職員の人間関係」等 福祉施設の職員研修【無料】登録講師派遣事業 東京都 
 ブログ筆者が東京都(運営は社会福祉協議会)から委託を受け、福祉施設・事業所等に出向き、もしくはオンラインで職員研修を行います。無料です。
 当ブログ筆者は、東京都福祉保健局の委託を受け、福祉施設職員をサポートするための研修を都内130ヵ所程の福祉施設で実施してきました。「福祉施設職員のストレスケア研修」を中心に、「施設職員の人間関係」「障害者支援事業所の新人職員等基礎研修」障害者就労支援のための面接スキル」「福祉施設職員の職業倫理、ハラスメント予防」、障害者福祉施設や生活困窮者対象のグループワーク等の研修を実施してきました。
 東京都「登録講師派遣事業」の制度は、都福祉保健局の委託により、研修講師(筆者)が都内の福祉事業所等に出向いて、職員研修を行います(東京都社会福祉協議会が運営)。
 筆者の約25年間の社会福祉実践(精神科デイケア、生活困窮者の相談、地域福祉活動)の経験や事例、研究を活かした研修を行っています。
 社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士養成に携わってきた教員としての知識も活かしています。

 【筆者の担当研修一覧
科目№  科目名  職員研修の内容
97
障害者就労支援のための面接スキル  就労移行支援事業所等の、就労や自立を支援するための面接、訪問等、利用者とのコミュニケーション、相談技術の基礎を解説します。電話相談にも応用可能です。
 面接の実際や事例も交えながら解説します。障害者の地域生活の支援や、社会的孤立と危機を防ぐための考え方等も学びます。
【 3.障 害 者 支 援  】

98
障害者支援事業所の新人職員等基礎研修  障害者福祉分野が初めての職員の方等を対象に、障害者支援の視点や考え方、職員の倫理、姿勢、コミュニケーション、職員のセルフケアなどの基礎を、事例も用いて解説します。
 障害者支援に関わる職員の資質向上もテーマに、障害者支援の基礎、マインド、理念等を共有し、職員の皆様と事業所を支える研修です。
【 3.障 害 者 支 援  】

238
福祉施設職員のストレスケア  事業所職員のメンタルヘルスや、燃えつき等にも関わる、職員のストレスケア。困難の原因と、ストレスのセルフケアの方法等を事例も用いて学びます。
 障害者支援や高齢者介護等の職務を続けていくために、ストレスマネジメント、感情労働の理解などにより、職員の皆様と職場をサポートする研修です。支援の質の向上を図ります。
【 7.人 材 育 成 ・ メンタルヘルス 】

240
課題解決の方法 スーパービジョンの基礎  福祉事業所における困難な課題と、その解決の方法としてのスーパービジョンの基礎を解説します。
 障害者・高齢者等福祉施設において、何が苦しく、難しいのか、困難の要因を考えます。また、課題解決の方法として、スーパービジョンの実施とその課題、職員間のピア・サポートのあり方等の研修です。
【 7.人 材 育 成 ・ メンタルヘルス 】

280
福祉施設職員の職業倫理、ハラスメント予防 事例から学ぶ  障害者支援員や高齢者介護職等の職業倫理を、事例やチェックリストなどを用いて解説します。障害者・高齢者・児童福祉施設等における虐待・ハラスメントの予防を図る研修です。
 福祉事業所の職員の理念、倫理、福祉マインド等の基礎を学び、資質向上を図ります。
【 8. リスクマネジメント ・ 虐 待 防 止 】

239
福祉施設職員の人間関係 事例から学ぶ  職員のストレスや、支援の質にも密接に関連する職場のコミュニケーション。その課題と改善に向けた取り組みの方法を、事例も用いて解説します。事業所内の人間関係の改善と、職員の離職予防を図る研修です。
 障害者や高齢者等施設の、職員間の人間関係のストレスとその対処を中心に、コミュニケーションの基礎を学びます。
【 7.人 材 育 成 ・ メンタルヘルス 】

342
面接の基礎 バイステック7原則から学ぶ援助関係の構築  相談や訪問における面接の基礎、利用者との人間関係の構築、良好なコミュニケーションの方法を「バイステックの7原則」を基盤に、事例も交えて学びます。
 障害者や高齢者、児童、生活困窮者等、利用者との援助関係の難しさに、バイステックの7原則はどのように応えているのか、関わりの姿勢、視点などを解説します。
【 10.マナー ・ コミュニケーション 】

380
生活保護・生活困窮者の面接・訪問スキル<ケースワークの基礎>  生活困窮者や生活保護受給者等を対象とした相談・訪問の技術の基礎と、支援の視点と姿勢を学びます。
 また、アルコール等の依存症を理解し、依存症者支援の方法などの基礎を、精神保健福祉の視点から解説します。自立支援・生活支援等を事例から考える研修です。
【  12. そ の 他 】

381
生活保護・生活困窮者対象のグループワーク実践  生活保護受給者、生活困窮者等を対象としたグループワークのプログラムと援助技術を、講師の20年間程の公的扶助グループワークの実践もふまえ解説します。
 また精神保健福祉の視点から、アルコール・薬物・ギャンブル依存症者の回復支援、コミュニティワークの課題等も学びます。
【  12. そ の 他 】

382
こども食堂のつくり方・続け方講座<福祉施設編>  福祉事業所が取り組む、子ども食堂・食料支援の始め方や、活動継続の方法等について解説します。
 障害者・高齢者・児童福祉施設等による、こども食堂や多世代食堂の取り組みが、各地で行われています。子ども食堂の立ち上げ方や、運営、コーディネート等を学びます。福祉施設の社会貢献、地域共生社会づくりを目指す研修です。
【  12. そ の 他 】

383
社会福祉士受験対策講座  社会福祉士国家試験受験対策の勉強の方法、重要項目を学びます。高い合格率を実現した、18年間の社会福祉士試験受験対策講座や、国家試験問題解説の蓄積を活かします。
【  12. そ の 他 】

99 福祉施設におけるグループワークの理論 基礎編
障害者支援事業所等におけるグループワークのプロセスや、プログラム立案と実例、その多様な形態などを、
事例も用いて学びます。
利用者の人間関係と生活の質の向上等を図るグループワーク。更なる拡充を目指して、集団支援技術の基礎を
解説します。社会福祉におけるグループワークの理論を中心に学びます。
【 3.障 害 者 支 援  】

申し込み締切日:2021年9月21日正午
事前に、新規団体登録が必要です。ご注意下さい。
詳細は、下記をご参照下さい。

お問い合わせ先
東京都福祉人材センター研修室
TEL:03(5800)3335




「子ども虐待は、長期的なケアが必要」世代間連鎖を断ち切るため、子どもの支援の重要性とは?
主な内容:子ども虐待を経験した人は、成人後もトラウマ・心的外傷、自己肯定感や自尊心の欠如といった問題を抱えている傾向がある。このため、児童福祉施設においては、子ども虐待へのケアが優先すべき課題であると言える。
 また、虐待の世代間連鎖も指摘されている。個別的な支援や、施設職員のメンタルケアが必要である。
 虐待被害者への長期的なケアを提供することで、世代間連鎖の予防を図る。

児童養護施設の子どものメンタルケアの拡充求め、提言を厚生労働大臣に提出
 児童養護施設の児童の内「虐待経験あり」は65.6%、厚生労働省調査
 虐待は、子どもの危機を脱する支援、安全の確保も重要であるが、虐待の後遺症、心的外傷等の長期的なケアも必要である。子どもの成長と成人後の心身の健康や、生活の安定、人間関係等に影響する=世代間連鎖を防ぐ。
【トラウマ、愛着関係の問題、不安、自己肯定感・自尊心の欠如等】
 つまり児童養護施設等、子ども支援の施設にとって、子ども虐待へのケアは優先すべき課題であると言えるだろう。
 福祉新聞 ニュースクリップ
 「厚生労働大臣に対し提言を提出
 施設職員対象のメンタルケア研修義務化等を含む。
 施設出身者調査、7割が虐待の後遺症の生きづらさを抱え、
 しかし施設等で精神的ケアの経験有は4割弱」
 虐待の連鎖とは、虐待を経験した子どもが親となった時に虐待をしてしまう。
 いろいろな条件が重なったときに起こりやすく、それらは、「経済的余裕がない」「身近に相談できる相手がいない」「育児不安」などを背景にしている。

 個別的な支援の重要性は「児童の権利に関する条約」にも規定されており、虐待等への個別ケアが求められている。
 また、虐待の子どもへの影響として、暴力の直接的なものとして死亡、頭蓋内出血・骨折・火傷などによる身体的障害が挙げられる。
<虐待され、さらに他者や家族からも守られなかった、保護してもらえなかった幼少期のトラウマを経験して生きる。
 経験した失望や問題に押しつぶされてしまった、そして無力感。他者から侵入されること>
 後遺症として、暴力の被害体験からトラウマ(心的外傷)を持ち、そこから派生する様々な精神症状(不安、情緒不安定)、栄養・感覚刺激の不足による発育の問題、安定した愛着関係を経験できないことによる対人関係障害(緊張、ひきこもり)、自尊心の欠如(低い自己評価)等、様々な内容、程度の影響がある。
 虐待の世代間連鎖 -傾向を指摘する文献もある
児童虐待とは
①身体的虐待(殴る,蹴る等、身体的暴力)
②心理的虐待(子どもの情緒的発達を阻害する無視や暴言)
③性的虐待,④ネグレクト(養育の放棄・怠慢)に分類されることが多い。
 なお、虐待を判断するに当たっての考え方として
「虐待の定義はあくまで子ども側の定義であり、親の意図とは無関係です。その子が嫌いだから、憎いから、意図的にするから、虐待と言うのではありません。親はいくら一生懸命であっても、その子をかわいいと思っていても、子ども側にとって有害な行為であれば虐待なのです。我々がその行為を親の意図で判断するのではなく、子どもにとって有害かどうかで判断するように視点を変えなければなりません」(小林美智子,1994)
 また、保護者の状況、生活環境等から総合的に判断するべきである。

厚生労働省の調査によると
【児童養護施設入所に至った理由「虐待」が45.2%】
 養護問題発生理由 社会的養護
 養護問題発生理由について、一般的に「虐待」とされる「放任・怠だ」「虐待・酷使」「棄児」「養育拒否」を合計すると、里親は全体の39.3%(前回37.4%)、児童養護施設は45.2%(前回37.9%)、
児童心理治療施設は39.6%(前回50.0%)、児童自立支援施設は19.4%(前回41.7%)、乳児院は32.6%(前回27.1%)、ファミリーホームは43.4%(前回38.4%)、自立援助ホームは45.5%(前回35.6%)となっている。

児童の被虐待経験の有無、虐待の種類 社会的養護
「虐待経験あり」の割合をみると、里親で38.4%(前回31.1%)、児童養護施設で65.6%(前回59.5%)、
児童心理治療施設で78.1%(前回71.2%)、児童自立支援施設で64.5%(前回58.5%)、乳児院で40.9%(前回35.5%)、母子生活支援施設で57.7%(前回50.1%)、ファミリーホーム53.0%(前回55.4%)、自立援助ホーム71.6%(前回65.7%)となっている。

児童養護施設とは
 児童福祉法に定められた児童福祉施設の一つである。
1997年の児童福祉法改正では、養護施設から児童養護施設と改称された。その機能もたんに養護するだけでなく、退所後の児童の自立を支援することが機能として付け加えられた。施設形態には大舎制、中舎制、小舎制、グループホームなどの形態がある。

心的外傷とは
 トラウマともいう。災害,事故,犯罪被害,暴力,虐待など,これまで築いてきたストレスへの対処能力を超える出来事に遭遇し,その反応として生じる心理的・感情的苦痛を伴う精神的な変調状態をいう。極度のストレス体験の後,心的外傷反応は一過性のものとなる場合が多いが,一部の人は慢性化し,心的外傷後ストレス障害(PTSD)として診断されることがある

精神科医療と、新型コロナウイルス感染拡大
精神疾患・精神障害者も、地域生活において、もしくは精神科医療の場・精神病院で、新型コロナウイルスの脅威に晒されている。
 しかし問題はそれだけではない、社会的入院などが「何も変わっていない」のか】
 「社会的入院」とは、積極的な医学的治療は要しないが、地域生活の支援、ケア等の受け皿がないために、入院が継続することである。
 筆者も精神医療・精神科リハビリテーションに従事する一人のソーシャルワーカーでもあり、実感している現実だ。

 精神疾患のコロナ陽性患者の都内の入院先である<都立松沢病院コロナ専門病棟>の1年間密着ドキュメント=精神医療とコロナ
「ETV特集 精神科病院×新型コロナ ドキュメント」
「精神疾患があるが故,一般の病院で受け入れ困難とされた人達
 患者の声『社会に殺される』
 番組前半は、昨年,報道された,武蔵野中央病院(精神病院)の、新型コロナクラスターと、その支援にあたる都立松沢病院コロナ病棟。
 上記は、精神疾患の方の、新型コロナ患者の<いのちの最後の砦>と言えるだろう。

【番組後半、コロナが明らかにした、精神医療の根本的な問題に、踏み込んでいく】
1.「精神科病院でのコロナ感染、クラスター発生は、報道されず隠されている」看護師の証言
匿名の精神病院で発生した、百名を超えるクラスター。都立松沢病院に搬送されてきたコロナ患者は、骨にまで達する重度の床ずれがあった。
不適切な隔離。劣悪な処遇=「大部屋に詰めて布団が敷かれ、ポータブルトイレは部屋の中央に置かれた。囲いも何もなく、音も全て聞こえる中で排泄するしかなかった病棟」
・「精神科特例」=精神科のみ医師、看護師が少なくても良い特例が、クラスター発生と、その後の対処の問題の要因とも言えるだろう。

2.精神疾患の長期入院<精神病院と入院患者の二極化>
・「30年間の入院」=匿名の精神病院にしか居場所がない。帰る場所はない。
親なき後、きょうだいが面倒をみる。しかし、きょうだいなき後は、どうなるのか?拠りどころが無いという現実。
都立松沢病院「医療レベルが高い病院と付き合うことが多かったが、<日本の精神病院の標準は、長期入院に、隔離、古い病棟ではないのか>
・しかし、精神病院にしか居場所がない患者も少なくないのが現状であり「必要悪なのか」と苦悶する松沢病院のソーシャルワーカー。
 社会的入院では片付けられない、病棟にしか生きる場所がない人々。

3.精神病院の塀が守っているものとは、何か?
・日本精神科病院協会会長は「社会秩序だよ。私たちは保安も担っている」明言した。
塀のなかに、社会が見たくないものを閉じ込めていると、都立松沢病院の元院長。
精神病院に精神疾患・精神障害者は排除されている。塀は社会が見たくないものを隠蔽している。
しかし、精神病院の内にも、閉鎖されていても社会があり文化がある。そこで生活している人々がいる、物語がある。ただの場所ではない】
 いのちは平等で、医療も平等な日本のはずだが、コロナは矛盾を増幅した。
「何かが起きたときに、ひずみは 必ず脆弱な人のところにいく」
 管理的で閉鎖的な精神病院への社会的入院から、退院を促進し、地域精神医療・地域生活支援に移行していった「はずだった」。
 しかし、精神医療の基幹は変わっていないのか?



「東京都中から精神疾患のあるコロナ陽性患者を受け入れている都立松沢病院のコロナ専門病棟。
次々とクラスターが発生し、精神疾患があるが故に一般の病院での受け入れが困難とされた人たちが運び込まれる。
ここにカメラを据えると、受け入れを拒む家族、ひっ迫する医療体制の中で葛藤する医療者たち、行き届かない行政の指導の実態が見えてきた。コロナがあぶり出した日本の精神医療、その実態の記録」