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ボランティア・市民活動論 第1回 レジュメ概要1
<今回のテーマ ボランティアの概要-ボランティアとは何か>

 当ブログ筆者の担当講義
・コミュニティカフェ活動に関して。地域の多世代交流を広げる。
 子ども食堂、子どもを支援するのであるから「子どもサポーティブ食堂」、繋がりを創り支援等との媒介である「ソーシャル食堂」とも言えるだろう。
 コミュニティに開かれた空間を創るー居場所、交流の拠点づくり。

*ユニバーサルデザインの居場所とピアサポート
 近隣の助け合い、繋がりの再生を目指す。
 誰もが集えるユニバーサルデザインの居場所を地域社会のなかで増やしていく。
 子どもも大人もピアサポートによる助け合い、対等な学び合いの場、接点とも言えるだろう。


・社会福祉士・ソーシャルワーカー等、福祉専門職の今日的な役割としてのボランティア活動のコーディネート、マネジメント等の支援、協働の必要性がある。
 社会福祉士等の専門職として、コミュニティの共助活動を促進する。
 つまり、地域の住民参加型の福祉活動、相互扶助としての地域活動のファシリテーターとしての役割が、社会福祉士等に求められている。換言すれば、今日の地域を基盤とするソーシャルワーカーは共助活動、共生のコミュニティを創る専門職である。

1.はじめに
 生活困窮・貧困問題とボランティア活動の経緯。
 子どもと家族の生活困窮が顕在化した今日、再びセツルメント的な地域福祉実践が求められている。


*ボランティア volunteer とは
 ラテン語のvoluntariusという「自由意志」を意味することばが語源である。
 ボランティアは,個人の意志や責任において活動を行う自由な市民という意味でもある。

2.「ボランティア」のイメージ
 キーワードとしての相互性。
 ボランティアの側も自らを問い直す。自分の“当たり前”や思い込みが覆される経験。
 ボランティア活動への参加による自己理解の深化。
 一方的な援助ではなく、お互いの生活、生き方、生命を護り合い、尊重し合う取り組み。
 生き方の違いを超えて、共に生き抜いてきた経緯を称え合う。

3.ボランティアの体験 事例
 ⇒スライドを使用
 生活困窮者対象の医療相談ボランティア活動のコーディネーターとしての実践から。
・思い込みや押しつけの支援ではなく、人間的な関わりが求められている。 
・相談を待つのでなく、当事者のいるところに出向いていくという姿勢 
・関わる全ての人、出来事から学ぶ 
・活動の中心は会議や事務所でなく、現場にある 
・理念や熱意が無い活動は虚しい
 しかし、ボランティアの熱意が先行して、当事者にプログラムを押し付け、ニーズに対応していない活動は避けたい。
 調査の実施等により、当事者のニーズを考慮して、住民の真のニーズに応える支援プログラムを実行したい。

・エンカウンター=フィールド、当事者、自分自身、仲間、知識等との出会いの機会。

4.ボランティアの特性、理念
・「ボランティアは,一般的には,自発的な意志に基づき他人や社会に貢献すること」。

 ボランティア活動の中長期的な振興方策について(意見具申)
 平成5年7月 中央社会福祉審議会 地域福祉専門分科会

*基本的な性格(の今日的な課題)
①「自発性(自由意志性)

 ボランティア活動とは、自分の意志が尊重され,自己の決定によって行う活動である。
 その活動は,他者に操作されない自由なものであり,ボランティア本人が自らの意志で主体的に企画・推進するべきものである。
 これを草地賢一(前・PHD協会総主事)は,「言われなくてもするが,言われても(自分が納得しなければ)しない」と表現した。
 自発性とは・他人から命令や指示を受けたり,強制されたりせず,主体的に,つまり自分の意思にもとづき,ボランティアにかかわること。
 自らを束縛するものから解き放たれ、自由な自己表現を、ボランティア活動は促進する。

②「無給性(無償性)」
 ボランティア活動とは、金銭的利益を目的としたり、労働としての対価を求めたりしない非営利の活動である。
 無償性とは,ボランティアを行ったことの代償を期待しないということ。ボランティアの労力に対し,その村価としての金銭や物品,さらには地位や名誉などの見返りを求めない。

③「公益性(公共性)」
 その成果が広く人々や社会に利益をもたらすこと。
 ⇒「皆のために」-「皆」とは誰か。
 対象的な「ゲーテッド・コミュニティ」、壁は何を防ぎ、何を護ろうとするのか。
 隣人とは誰か。コミュニティの「フリーライダー」とは。

④「創造性(先駆性)」
 ボランティア活動の特性として、新しい分野や問題に対してより積極的に取り組み,提言し新たなシステム、社会を開発していくこと。
 オルタナティブな市民活動、アクションでもある。

*ボランタリズム
 ボランティア活動の精神である自由意志,自発性,無償性,先駆性,連帯性などを表す際に使われることばである。
 ボランタリズムの実践がボランティア活動であり,それを行う人がボランティアということになる。

*福祉性
 どのような活動領域のボランティア活動も、関わる全ての人の生を支える、生命の尊重という基本姿勢。

*貧困、生活困窮の今日的な特徴
・今日の生活問題の特徴とは、ニーズの多様化と新たな生活問題の出現、問題の重複(例:家族問題+貧困+精神疾患+問題行動+社会的孤立)が挙げられる。社会的孤立、多問題家族等。
・社会的孤立は、各地域、社会福祉の各分野共通の課題である。
 孤独感とは、誰にも相談できない、誰にも分かってもらえないという痛み。
 支えになる人、頼れる人はいるのか。拠りどころはあるのか。誰に相談出来るか、頼れるか、支えられているか。
 人間は独りでは生きていけない。周囲と繋がって生きている-人間の社会性。他者との繋がり、関わり、支え合いを希求する想いを抱いている。

 ボランティアへの参加・協力を求めることにより、意識の変革を図り、将来の活動に向けての動機づけを実施
・こうした活動により、その地域における生活上の課題を自ら発見するよう支援する。

 繋がりを結ぶのもボランティアの働きの一つである
 社会の人々は、マイノリティに対して無関心、誤解が生じることもあるが、ボランティア活動は関わる人々の想いを一つにする。
 ボランティア活動は、当事者の権利擁護の取り組みでもある。

 社会福祉のシステムは、結果として、サービスの利用者を市民社会の主流の規範、習慣に統合している側面もある。自身のライフスタイルやプライバシーと引き換えに、給付を受けているとも言えるだろう。

*ボランティア=生活者、ボランティアの当事者性
 自分たちの生活は、自分たちで護るという、生活者としての当事者性が、ボランティア活動には含まれる。

地域の実情に応じたボランティア活動を行うことにより、支援を必要とする人々が地域社会で自立し、安定した生活を営めるよう支援する。

 繋がりが希薄になりつつある社会において、高齢者、障害者等、誰もが参加できる共同性、ソーシャルインクルージョンの理念を取り入れ、繋がりの拡大を図る。


当ブログ筆者の論文
当ブログ筆者の論文 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月



関連ニュース
こども食堂で地域交流 無料で食事提供 折り紙・バルーン作り 杉並・妙法寺
2017/04/05 07:04 【産業経済新聞】
 杉並区堀ノ内の妙法寺で4日、子供たちに無料で食事を提供し、折り紙やバルーン作りを楽しむ催し「みょうほうじ 子ども食堂」が開かれた。寺で開催する子供食堂は珍しく、初めて開催した同寺の総務部長、望月隆行(りゅうこう)さん(44)は「いろいろな形で地域の親子さんたちが交流できる場を目指したい」と話している。
 子供食堂は、一人親や共働き家庭、経済的な理由で満足な食事を取れない子供を救うため、子供1人で来ても食事を提供できるよう始まった社会運動。食材は寄付でまかない、調理は地域のボランティアなどが手掛ける。
 「みょうほうじ 子ども食堂」は、妙法寺近くのボランティアからなる妙法寺子ども食堂実行委員会と、地域奉仕に力を入れる一般社団法人「東京キワニスクラブ」が主催、この日は300人以上の親子連れが訪れた。
 学士会館精養軒(千代田区)から提供されたビーフカレーが振る舞われ、茶道体験も行われた。
 育児休職明けで、ならし保育中の女性会社員(41)は、「子供が小さく大声で泣くため、レストランには行きにくい。ほかのお母さんや子供と伸び伸びと食事や遊びが楽しめる機会は非常にありがたい」と強調した。会場には折り紙やアートバルーン作りのコーナーも設けられた」引用ここまで

クラウドファンディング readyfor
アフリカにルーツを持つ子どもたちへ、キャンプで自信と誇りを!
アフ リカンキッズクラブ(AKC)



<福祉専門職 就職関連情報>
平成29年度第1回 福祉業界合同採用試験
東京都社会福祉協議会 東京都福祉人材センター 本事業は、東京都から受託して実施

引用「都内の福祉施設がネットワークを組んで、合同採用試験を実施します。この試験に合格してネットワークパスポートを取得すると、複数の施設との面接試験が可能になります。
 ネットワークに参加している施設は、一定の労働条件を満たしている施設なので、安心して就活ができます。また、3年後にはネットワーク内の施設への出向や転籍によるキャリアアップを応援します。
<平成29年度第1回福祉業界合同採用試験 エントリー期間を6月15日(木)17時までに延長しました>

1度の試験合格で複数施設に応募可能
1度の試験(小論文、適性検査)に合格するだけで、複数の施設や事業所と面接が出来るネットワークパスポートを取得できます。

ネットワークに参加できる法人・施設は、一定の条件を満たしている施設です。
・給与は、東社協が平成29年1月に定めた「平成29年度版東社協参考給料表」を適用した水準に概ね準拠していること
②福祉サービス第三者評価事業や利用者に対する調査等を適切に受審しています。
③労働基準法等の各種法令を遵守するとともに、コンプライアンスを重視しています」引用ここまで



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子ども食堂、居場所づくりの情報 子どもの生活困窮関連ニュース

「子ども食堂」支援基金創設 開設経費10万円以内補助等 高知県
2017/04/04 17:41 【高知新聞】から紹介

引用「子ども食堂は、ひとり親や共働きといった家庭の子どもらに、地域住民らが低額または無料で食事を提供する取り組み。高知県によると、3月末現在で高知県内に7市町20カ所(期間限定も含む)が開設されている。
 運営費や食材の確保などの課題もあり、高知県は賛同者から寄付を募る「高知県子ども食堂支援基金」を3月下旬に創設。匿名の寄付100万円と高知県予算1千万円を原資にし、月1回以上開催▼参加する子どもを家庭環境などで限定しない▼食品衛生法の順守―など一定要件を満たした団体を対象に、高知県に登録した上で開設経費10万円以内、運営経費1回6500円以内を補助する。
こども食堂かもだ実行委員会(筒井美由紀代表)が4月4日、高知市鴨部2丁目で「春休みクッキング教室」を初めて開き、小中学生9人と地域住民が調理を通じて交流を深めた。
(略)
 こども食堂かもだ実行委員会が4月4日、「春休みクッキング教室」を初めて開き、小中学生9人と地域住民が調理を通じて交流を深めた。
 「こども食堂かもだ」は鴨田地区に住む元教諭や元調理師ら女性が中心になり、1月から毎月第3日曜日に「コープかもべ」2階で開催。毎回、子どもから高齢者まで100人以上が訪れている。
 教室は「食に関心を持ってもらい、料理の楽しさや喜びを知ってもらおう」と企画。小学2年から中学1年の9人が参加した。子ども1人ずつに地域の人が寄り添い、米のとぎ方や包丁を使う際の左手の添え方などを優しく手ほどき。
 筒井代表(67)は「普段の食堂は用意で慌ただしいが、一緒に料理をしながらたくさん話せた」。子どもたちとの距離が近くなったことを喜んでいた」引用ここまで

参考 内閣府HP
国及び地方公共団体による「子供の居場所づくり」を支援する施策調べについて

引用「地域における子供の貧困対策の推進に当たって、子ども食堂のような、家でも学校でもなく自分の居場所と思えるような場所を提供する支援が重要視されている。
 そうした居場所づくりに活用できる施策の情報を一覧化することで、地方公共団体や現場で活動する NPO 団体等による居場所づくりの取組に資するため、各府省庁、各地方公共団体による「子供の居場所」を設置・運営すること等に対する支援について、実施状況を調査した。
 「居場所づくり」は家でも学校でもない、子供の貧困対策になりうる居場所の提供を想定。
(略)
・国が実施する「子供の居場所づくり」への支援施策について
 主に「子ども食堂」を開設する場合に活用できる施策の例
 A)地域子供の未来応援交付金(内閣府)

…子ども食堂を含め、地域の資源を活かした子供の貧困対策を支援
 D)子どもの生活・学習支援事業(厚生労働省)
…基本的な生活習慣の習得支援、学習支援と併せて食事の提供等を行うことが可能な居場所づくりを支援
 主に「学習支援」を実施する場合に活用できる施策の例
A)地域子供の未来応援交付金(内閣府)

…学習支援を含め、地域の資源を活かした子供の貧困対策を支援
B)地域未来塾(文部科学省)
…学習が遅れがちな中学生、高校生が主な対象
C)生活保護世帯を含む生活困窮世帯の子供への学習支援(厚生労働省)
…生活困窮世帯の子供が主な対象(地方公共団体が対象の範囲を設定)
D)子どもの生活・学習支援事業(厚生労働省)
…ひとり親家庭の子供が主な対象

・地方公共団体が独自に実施する「子供の居場所づくり」への支援施策について
どのような支援を行っているかは地方公共団体によって様々であり、例えば、代表的な支援のあり方として、以下のようなものがある。
A)居場所の立ち上げを補助するもの(例:群馬県)
B)食材費、印刷費など運営費を補助するもの(例:福岡県福岡市)
C)「子ども食堂」に特化して支援するもの(例:兵庫県明石市)
D)居場所づくりを行う団体に無償で公有財産を使わせるもの(例:長野県原村)
E)地方公共団体が、民間団体等に居場所づくりの運営を委託し、実施するもの
(例:千葉県千葉市)」引用ここまで


<ブログ筆者のメモ つぶやき>
*こども食堂、居場所への補助、助成情報
 子ども食堂、子ども等の居場所づくり地域活動への助成は、上記の国や地方自治体によるものの他、財団による支援や、コープ、フードバンク等の民間組織などによる食材提供が確認できる。

*地域共助としてのこども食堂、地域共生社会 
 子ども食堂・居場所の活動は、コミュニティで子どもを育てる共助、地域共生の取り組みとして重要である。だからこそ、経済的な助成、食材提供、広報や調理等の役割分担できる協力者などを活用し、持続した取り組みとするためのコーディネートが必要であるのは明らかである。このブログも情報提供と交流の役割が果たしていきたい。

*食で繋ぐ総合的子育て支援
 子ども食堂が担う生活支援、子育て支援の働きは、生活の質の向上やさまざまなニーズを満たすために、食事の提供を繋がりのきっかけとして、教育・学習の支援、人間関係づくり、生活問題(福祉、健康、子育て、生活環境改善など)への取り組みへの媒介が支援の要諦と言えるだろう。
 換言すれば、子ども食堂からはじまる子育て支援の多世代共生のまちづくりである。

*ソーシャル食堂、子どもサポーティブ食堂
 子ども食堂を巡る議論のなかでそのネーミングがある。
 今後、しっかりと提案したいが筆者は、例えば下記のようなものを提案したい。
 「ソーシャル食堂」 コミュニティカフェという先行事例にならい、繋がりの構築、支援との架け橋、地域への視点等を含意して。「交流食堂」の方がストレートかもしれない。
 「共同食堂」 みんなの食堂、多世代交流の食堂の意味。
 「共助食堂」 先行する「おたがいさま食堂」「たすけあい食堂」にヒント。
 子どもの必要に応じて、社会的な支援を行う「子どもサポーティブ食堂」であることも考え、コミュニティへの働きかけ、社会的自立等も考えるならば、「ソーシャル食堂」がフィットするのかもしれない

*繋がりの再構築、エンパワーメントによる支援
 不安、喪失のなかで孤独・孤立から、食卓を囲み、食事と生命、知恵を分かち合う繋がりを創ること。共にいて、寛容に受け容れ合うこと、痛みや喜びも分かち合う関わりこそ、生き方の豊かさに不可欠とも言えるのではないか。
 それは、心理的、社会的な障壁をなくしていく交流の場からはじまる。対等な、相互に尊重する人間対人間の暖かな交流こそ最重要な事柄だと言えるだろう。
 子どもは、家族やコミュニティの人間尊重、愛情、共生の中で成長し、心からの人間的な交流のなかで生きる。人間支援とは、全存在を受容し、謙虚に関わり、対象者自身が立ち上がるのを助けることである。

*社会的孤立を越えた共生のコミュニティづくり
 支援の場、居場所、コミュニティづくりの核心とは、その場、コミュニティそのものが目的なのではなく、その場に集う一人一人の人間が重要だということである。
 その場はプロセスであって、ゴールではない。全ての人の成長のための過程、接点、媒介の場とも言えるだろう。



食料困窮 子育て世帯2割 北海道調査結果 受診断念は17%経験
2017/04/06 07:00 【北海道新聞】から紹介

引用「北海道は5日、北大と共同で行った子どもの貧困に関する全道実態調査の集計結果を発表した。過去1年間に経済的理由で家族が必要とする食料を買えなかった経験があると答えた世帯が20・5%に上るなど、子育て世帯の厳しい経済状況が浮き彫りになった」引用ここまで

参考HP 北海道 子どもの貧困対策について
参考 北海道子どもの貧困対策推進計画 より
引用「子どもの貧困の課題
 本道においては、生活保護世帯が年々増加傾向にあり、また、ひとり親家庭の母子世帯、父子世帯ともに低所得者層が多く、親の就業率や子どもの保育所や幼稚園への就園率が全国に比べ低位で推移している状況などから、子どもの貧困の一層の拡大が懸念されます。

〇 本道においては、全国に比べ、生活保護世帯や、収入の低いひとり親家庭の子どもの割合が高く、経済的に厳しい状況にある家庭が多い状況にあります。
 このため、生活保護世帯やひとり親家庭の親の就業に向けた支援や経済的な支援などを充実して、収入の増加と安定を図るほか、保育所への優先入所など、ひとり親家庭の親が働きやすい環境づくりを進める必要があります。
〇 生活保護世帯の子どもや児童養護施設の子どもの大学等への進学率は、全道平均と比較するといずれも低く、大変厳しい状況にあります。
このため、就学援助制度の普及に加え、学習支援ボランティアの派遣など、教育支援の充実を図るとともに、高校を卒業し施設を退所した子どもたちの社会的自立に向けた支援に重点を置いた対策を着実に推進していく必要があります。
 こうした現状把握や分析結果から、本道は子どもの貧困の状況が、全国の中でも大変
厳しい地域の一つであると考えられる」引用ここまで


<参考イベント>
子どもの貧困対策センター 公益財団法人あすのばHPから
【法成立4周年・あすのば設立2周年のつどい】6/17(土)開催

(以下、引用)
2009年、初めて「子どもの貧困率」が発表され、「子どもの貧困対策法をつくろう」と当事者の学生たちが声をあげてから7年半。
2013年6月19日、悲願の「子どもの貧困対策法」がすべての国会議員の賛成で成立。まもなく4年に!
2015年6月19日、子どもの貧困対策センター「あすのば」が誕生。まもなく2年を迎えます!
 今回のつどいでは、NHKで子どもの貧困などの取材をしてきた鎌田靖さんの記念講演。
 そして、高校生・大学生らの座談会などのプログラムです。
日時 2017年6月17日(土)10時~13時
会場 国立オリンピック記念青少年総合センター 国際交流棟 国際会議室
主催 公益財団法人 あすのば

プログラム(予定)
記念講演「貧困問題と子どもたち」鎌田靖さん(ジャーナリスト)
高校生と大学生らの座談会「私たちの困りごと」
子どもの貧困対策法成立からの4年間をふりかえって
あすのば設立から2年間のあゆみ
子ども支援-高校生・大学生らからの提言
「あすのば3か年中期ビジョン」発表 など
参加費 1,000円(学生・子ども・当事者の保護者 無料)」引用ここまで

子どもの貧困対策の推進に関する法律
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<参考 情報提供>
子どもの貧困にむきあう  公開研究会
一般公開・無料・申し込み不要・先着順
2017年3月12日(日) 13時00分~17時45分(開場12:30)

13:00~14:40 第1部 映画上映会「さとにきたらええやん」
15:00~16:30 第2部 講演会 講師 荘保共子氏
 映画の主人公の一人、荘保さんご自身に「こどもの里」での取り組みと、中学校区を拠点にした学校教員との連携の取り組みについて、語っていただきます。
(会場:慶應義塾大学三田キャンパス北館ホール)
慶應義塾大学教職課程センター 公開研究会 研究交流・懇親会

映画「さとにきたらええやん」 以下、公式HPから引用
「大阪市西成区釜ヶ崎。“日雇い労働者の街”と呼ばれてきたこの地で38年にわたり取り組みを続ける「こどもの里」。
 “さと”と呼ばれるこの場所は、障がいの有無や国籍の違いに関わらず、0歳からおおむね20歳までの子どもが無料で利用することができます。学校帰りに遊びに来る子、一時的に宿泊する子、様々な事情から親元を離れている子、そして親や大人たちも休息できる場として、それぞれの家庭の事情に寄り添いながら、地域の貴重な集い場として在り続けてきました。
 本作では「こどもの里」を舞台に、時に悩み、立ち止まりながらも全力で生きる子どもたちと、彼らに全力で向き合う職員や大人たちに密着。子どもたちの繊細な心の揺れ動きを丹念に見つめ、子どもも大人も抱える「しんどさ」と、関わり向き合いながらともに立ち向かう姿を追いました。

 1977年、釜ヶ崎のこどもたちに健全で自由な遊び場を提供したいとの思いから、こどもたちの遊び場(ミニ児童館)「子どもの広場」としてスタート。
 1980年に現在の場所で「こどもの里」を開設以降、放課後の子どもたちの居場所としてだけでなく、生活の不安定さに揺れる子どもたちや親たちのサポートをし続けている。家庭環境によって行き場のない子どもたちのニーズも高まり、緊急一時保護の場、生活の場の提供も。
 2013年、大阪市の「子どもの家事業」を廃止を受けて存続が危ぶまれたが、「特定非営利活動法人(NPO法人)こどもの里」を設立し、現在も変わらず、こどもが安心して遊べる場の提供と生活相談を中心に、常にこどもの立場に立ち、こどもの権利を守り、こどものニーズに応じる、をモットーに活動を続けている」引用ここまで




<参考>
権利擁護セミナー
「精神障害がある人の権利擁護―病院・地域での支援を考える」

日時:2017年3月25日(土)PM1:30~4:30
会場:兵庫県私学会館(JR・阪神元町駅 東出口北側 徒歩5分)
 078(331)6623 (http://www.hyogo-shigaku.or.jp)

講演 PM1:30~2:50
 原昌平さん(読売新聞大阪本社編集委員・精神保健福祉士) 
鼎談 PM3:00~4:30
 岩尾俊一郎さん(岩尾クリニック院長・精神科医師)
 北村拓也さん(すずらん法律事務所・弁護士)
 原昌平さん(上記)
受講対象者:精神保健福祉士、施設職員、社会福祉士、保健師、臨床心理士、
当事者、家族、法律家など
参加費:無料
主催:NPO法人権利擁護・神戸心の相談センター
申し込み:NPO法人権利擁護・神戸心の相談センターへFAX・E-mailで。
FAX:078-754-7326 E-mail: officeあっとkobe-cocoro.org
(氏名、職種、所属、所属の住所、電話番号、E-mailアドレス、
その他質問事項を記載してください)


社会福祉協議会における社会福祉士の仕事、その実際
2017年3/12(日)13:30~16:00
会場 日本福祉教育専門学校 本校舎

 社会福祉士養成学科(通学1年)と社会福祉士養成科(夜間通学1年)の学科説明、社会福祉士の資格と仕事の概要を解説します。
<お問い合わせ先 会場> 
 学校法人敬心学園 日本福祉教育専門学校
 電話:0120-166-255



貧困と社会福祉士の実践 公的扶助ソーシャルワークとは 当ブログ筆者の公開講座

貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中
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ブログ閲覧中の皆様へお知らせ 2016年2月25日18時半 会場は高田馬場 公開講座 参加無料 
「貧困問題とソーシャルワーク実践」
 当ブログ筆者の社会福祉入門講座(一般公開)

 平成28年2月25日(木)18:30から20:00
 会場:日本福祉教育専門学校 高田校舎 電話:0120-166-255
当ブログ筆者が担当


*貧困、生活困窮と社会福祉士の実践 医療ソーシャルワーカーやスクールソーシャルワーカー
 今回は、貧困問題と社会福祉士による支援の実際、子どもの貧困、世代間連鎖、アルコールや薬物依存症等のメンタルヘルス、医療ソーシャルワークの課題等を解説します。また、貧困を緩和するソーシャルインクルージョンなどの社会福祉の理念もお話しします。
 これらのテーマを、貧困問題に20年間ほど取り組み続けてきた当ブログ筆者(専任教員)が、はじめての方にも分かりやすく解説します。

 生活困窮者自立支援制度による自立相談支援事業や困窮世帯の子どもの学習支援等、新たな支援事業も全国で開始されました。当学科の卒業生のなかにも、これらの相談事業を担い、自立と社会参加に向けた支援、生活や就労の意欲の向上、繋がりの構築、福祉制度の活用とプラン作成、生活の助言等を通じて、生活問題の解決とメンタルヘルスを支援しています。
 生活困窮家庭と子どもへの包括的な支援は、医療ソーシャルワーカーやスクールソーシャルワーカー等の社会福祉士にとっても、更に重要なテーマとなりました。
 
 今回は、貧困・低所得者支援に関連する生活や家族の問題と、貧困を緩和するソーシャルワークの実践、相談援助やグループワークの支援の方法などを重点的にお話しします。
 社会福祉士を目指す方、本校入学予定の方、テーマに関心をお持ちの方等を対象とした公開の社会福祉入門講座(入学前講座)。
 参加者の方々の学習や進路等のご相談も歓迎です。
 一般公開、参加無料。ブログ閲覧中の皆様、関心をお持ちの皆様、ご参加下さい。

<内容予告 貧困問題とソーシャルワーク実践>
・貧困問題とは何か。生活困窮者とは誰か。
・ソーシャルワークによる生活困窮者への支援、エンパワメントを中心として。
 相談援助は、人間対人間の率直な関わりが基盤にある。それは、マニュアルに縛られない、人間に双方向で関わり、支える仕事である。
 個々の自分らしさ、人間らしさが活かされる、人間的な仕事でもある。
 困窮の痛みを抱えている人、孤独、病気のなかにいる人々と共にある専門職。痛みへの共感が起点となる。
 社会福祉士は、困窮のなかにある人々を支えるために、新たな取り組みを創造していく。
 エンパワメントとは、自らの力で問題に取り組み、変化を起こす力を高めることを目指す支援。

・ブログ筆者の貧困・生活困窮者支援領域のソーシャルワーク実践
 筆者の、生活困窮者、生活保護受給者を対象としたソーシャルワーク実践-相談援助、グループワーク等の実際。
 事例も用いて解説。

・子どもの貧困、生活困窮の世代間連鎖等、子どもの格差。
 スクールソーシャルワークの課題。貧困と教育。
・生活困窮化に対するソーシャルワーク
・心身の健康破壊、社会的孤立、コミュニケーション・繋がりの貧困とは。
・虐待、ドメスティックバイオレンスDV被害。
・アルコール・薬物等の依存症問題、メンタルヘルス等の健康問題の重複
 貧困・生活困窮者と医療ソーシャルワーク。
 
・貧困問題の緩和を目指して-生活困窮者の相談援助、グループワーク 社会福祉士
・社会的孤立、心身の健康破壊からの回復を目指す相談援助


貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中


日時:2016年2月25日(木)18:30から20:00
会場:日本福祉教育専門学校 高田校舎(1階窓口で使用教室をお問い合わせ下さい)
 JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線「高田馬場駅」下車徒歩7分
 東京都豊島区高田3-6-15

参加費:無料(どなたでも参加できます)

<日本福祉教育専門学校 高田馬場校舎 交通アクセス>
JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線「高田馬場駅」徒歩7分
 案内図です

<お問い合わせ先> 
 学校法人敬心学園 日本福祉教育専門学校
 電話:0120-166-255


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
電話:0120-166-255


日本福祉教育専門学校 公式チャンネル - YouTube

*社会福祉士とは
  「社会福祉士及び介護福祉士法」により定められた、相談援助、運営管理、グループワーク等、ソーシャルワークに携わる専門職の国家資格です。
 各種の相談機関、福祉行政機関、福祉施設・団体、医療機関などにおいて,専門的知識と技術をもって,福祉サービス利用者の相談援助や,グループワーク、施設の運営管理、地域福祉活動等を行なう社会福祉専門職です。
 社会福祉士は、子ども、コミュニティ、障害者、貧困、女性、高齢者、更生保護等、多岐にわたる領域で、相談援助、社会貢献等の実務を担っています。
 社会福祉士は、様々な生きづらさ、生活問題を持った人々を相談やグループワーク等によって支える、人間支援の専門職です。自分らしさと優しさを活かしながら働ける、職業として社会貢献を行う専門職でもあります。

社会福祉士及び介護福祉士法

 
日本福祉教育専門学校の地域社会貢献 【MeMoプロジェクト】  コミュニティと共に、認知症ケア活動
いよいよ今週末!『MeMoカフェ』 2月27日(土)遂にオープン!!!
 認知症の方やご家族の方、地域住民の方と過ごしやすい街作りを目指し、
 MeMoカフェで楽しい時間を過ごしませんか?
 皆さまのご来店、心よりお待ちしております♪

【開催日時】※開店時間※
2/27(土) 13:30 ~ 15:30
会場 日本福祉教育専門学校高田校舎
 〒171-0033
 東京都豊島区高田3-6-15
【定員】
20名様
【参加費】
100円
【参加方法】
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生活保護受給者、簡易宿泊所街「寿町」の精神障害者を対象とした精神科デイケア、グループワーク実践
 当ブログ筆者の論文
 『生活保護受給者を対象としたグループワーク-ドヤ街「寿町」における実践報告と考察-』
 日本福祉教育専門学校研修紀要第21巻1号 39頁から52頁 2013年5月
 上記の論文の抜粋
 この部分の概要
*生活保護受給者、生活困窮者の金銭管理やコミュニケーション、メンタルヘルスの障害を支援するグループワーク

 金銭管理能力の障害から、生活保護を受給しているにもかかわらず、経済的な困窮に陥る当事者も目立つ。当診療所の患者のなかには、経済的困窮による抑うつ、強い不安等、心身の不調の訴えに繋がる場合も見られる。当然ではあるが、これらの場合の経済的困窮も、当事者の心理に影響を与える。もちろん、経済的なゆとりが無いことによる社会的孤立、食事を含めた不自由さ、生活の幅の縮小という社会的困窮をもたらす。
 また、生活保護受給者、生活困窮者は、コミュニケーションの円滑さ、人間関係の維持に課題がある人々が多い。グループワークは、これらのエンパワメントを図りながら、今、ここで起きている現実を教材に、コニュニケーションの促進、能力の向上を図ってきた。
 次に、生活困窮者にとって、精神疾患・精神障害を切り離すことは出来ない。集団における精神科リハビリテーションとして働きかけ、支援する基盤として、観察技法が不可欠である。
 誰にとっても食べること、栄養は生きていくなかで重要なものであるが、生活保護受給者であり、何らかの病を持つ利用者にとっては、食べることは生きることに直結する。精神科デイケアでは、共同調理を通して、共につくり、共に食べ、共に生きる実践を1999年の開設の日から今日まで続けてきた。

(1) 金銭管理と人間関係のトラブルの予防-生活保護受給者
 生活保護受給者と生活困窮者の支援の領域としては、経済状態と金銭管理の適切さを把握するため、在宅時の食事が摂れているか、また孤立の深刻さや、逆に借金、たかり等を意図して近づく人物はいないか等、人間関係を把握することも必要である。これらはドヤ街である寿町の特性とも言えよう。
 また寿町の当事者のなかには、経済的な弱みを握られた他の住民の使い走りをさせられていた事例もあった。生活保護受給者やサービス利用者に対する観察によるトラブルの早期発見と、事実関係の確認、必要に応じて関連機関と連携しながらの介入の実施等が求められる。
 精神科デイケアの開設時から、本論が報告した期間に引き継がれた問題として、利用者のなかには、生活保護費の自己管理が困難な人も少なくないことが挙げられる。 略  利用者の精神障害や知的障害もしくはそのボーダーライン等も、要因として考えなければならないだろう。
 生活保護受給者が金銭管理の障害のために、経済的に困窮した場合、生活はどうするのか。寿町の簡易宿泊所には有料のコインシャワーが併設されているが、入浴はせず、同じく宿泊所のコインランドリーによる洗濯もしない。 略 これらの生き抜く技法、力とも言えるものが現れている。
 略 これらの人々は、適切な金銭管理のために支援を要している。これに対し、職員側は、買い物への同行や、インスタント食品や米のような食料等の必需品の、生活保護費支給日の購入等の提案や助言などによって、支援を実施した。

(2) 利用者観察の要点-視線、虱や南京虫、服装等

 利用者の全人的な理解、把握が求められるが、利用者の非言語的、外見の観察の要点として、以下を挙げることが出来る。
 貧困・公的扶助領域の当事者の特徴として、感情の抑制や、感情表現を抑えることに課題がある事例も多く、また、稀に衝動的であったり、豹変する場合もある。これらの感情の大きな変化は、視線や、眼の表情に最初に現れることが多いため、観察のポイントである。
 統合失調症の患者は、不調の訴えや自覚が無い場合もあるので、注意を要する。また、簡易宿泊所の居住環境では虱、南京虫、ダニ等によって、皮膚に問題が生じる場合もある。これらを発見した場合は、当事者のケアに加え、薬剤(スミスリン等)等を用いた駆除が必要な場合もある。
 姿勢も観察を要する。デイケアの利用者は、不安や抑うつ、幻聴等の精神的な不調・不安定や、孤立感、他の利用者に対する警戒、被害的な意識が姿勢に現れることがある。また、日雇労働、トラックやタクシー運転手の職歴を持つ利用者が多い為、腰痛が蔓延しており、不適切な姿勢に繋がっている。
 顔面の表情として、統合失調症の利用者は無表情、空笑等の特徴がある。また、人格障害が疑われる利用者には「演技」もみられ、引きつった様な過剰な笑い声、話す調子の不自然さ等に現れることもある。躁状態の利用者も、表情の観察が状態の把握の一助になる。
 心身の不調、気分の異変が、「貧乏ゆすり」や身体の震え、地団駄、上着や髪等を触る反復に現れることもある。個別援助を必要としているサインとして、見逃してはならない。しかし、利用者の身体的な不調や痛みの訴えは、時には大げさな表現を用いたり、精神的にも抑うつ状態になる傾向もある。
 特に、利用者の服装は観察すべきである。デイケア通所時は、作業着やスウェットの利用者が目立つが、常に同じ服装の利用者や、対照的に洒落た服装を心がけている少数の利用者もいる。また、夏でも着替えない人や、季節に合わせた服装への転換が困難な統合失調症の利用者は、支援を要する。多くの利用者は、ジャンパー等を室内でも脱がない生活習慣の傾向があるので、室内スポーツプログラムでは、脱ぐことを促さなければならない。

(3) グループ観察の要点-横暴なボスの予防
 グループを全体的に観察し、グループ規範や利用者間の相互作用、特に摩擦や排除等の動きを早期に察知することが求められる。また、利用者間のリーダーシップが、横暴な「ボス」的なものとならないよう、観察と適正化の介入を必要とする。
 グループの観察を基に、グループのなかで、利用者の自由な表現や、諸活動への集中を可能とするために、側面的な支援を行い、グループとしての成長を図る。また、グループワークにおける経験が、利用者の行動や心理、考え方にどのような影響をもたらしているかを観察する。
 総じて、不安感や緊張感を持ちながら参加している利用者も、グループに対して安心感、居心地の良さを感じることを可能とする為に、観察に基づくグループへの介入、調整が必要である。観察は、グループを安定させる為に不可欠である。

(4)共同調理と利用者の食生活
 利用者の多くは、デイケアの昼食に期待を持っている。利用者にとっては、食事は、デイケアへの参加を誘引するものであり、また集合時間に遅刻した場合、昼食は食べられない等の規範を遵守する要因ともなっている。つまり、昼食のプログラムは、このグループを維持する要とも言え、併せて個々の利用者の健康と生活を支えるためにも不可欠なものである。
 しかし、この様に重要な食事ではあっても、貧困領域の当事者の多くは食べるスピードが速い。開設時から今日まで変わらぬ特徴である。利用者のなかには、入れ歯を使用していたり、歯がほぼ残存していない等、歯の問題がある利用者もこのスピードは変わらない。長年の単身生活のなかで、日常では一人での食事を続けてきたことが要因であろうかと思われる。
 また、利用者の多くは、主菜や汁物が濃い味付けにすることを好み、マヨネーズやソース等も多量に用いる傾向がある。なお、本論の時期は、利用者の多くは、主菜とご飯の量を多くするよう求めていた。稀に、隣の席の利用者の、主菜の肉が自分のより数個多いと怒った利用者もいた。大食自慢話の競い合いもあった。近年、これら大食の傾向を持つ利用者は減少した。職員からの健康を維持する為の働きかけや、利用者達の年齢、障害等が影響しているものと考えられる。
 障害等の要因により極端な偏食の利用者や、身体的な疾患のため、毎食のご飯の計量を要する利用者等、個別のケアを行った。
また、メニューを考える際には、寿町の食生活の特徴や、パン食は圧倒的に不人気である等の利用者の傾向も踏まえなければならない。配膳時、主菜等の盛り付けをセルフサービスとすることは、適切ではない。利用者の中には、自分の食事の確保には関心があっても、適切な配分を考えない人もいるからである。

 以上、抜粋

 本稿における実践とは、横浜市中区の簡易宿泊所街「寿町」の精神科診療所に併設された精神科デイケアという形態のグループワークにより、園芸・緑化、調理等の作業、田植や稲刈り等の農作業、造形や絵画、書道の創作活動、ゲートボール等のスポーツなどのプログラムが、筆者も参画し1999年から実践を開始した。
 診療所は、精神科・内科等の医療機関であり、通院する殆どの患者が、地域内の簡易宿泊所に住む生活保護受給者である。併設の精神科デイケアの利用者は、簡易宿泊所に単身で居住し、疾患は、アルコール依存症、薬物精神病(依存症、主に覚醒剤)、統合失調症等の多岐にわたる。
 各利用者の精神科リハビリテーションの課題は、断酒の継続、心身の健康と日常生活の維持、ギャンブル問題の改善、人間関係やコミュニケーションの向上、お互いに支え合う関わり、就労等であり、年齢層と合わせて幅広い。
 生活保護受給者を対象としたグループワーク、精神科デイケアの実践の報告と考察である。


<当ブログ筆者の論文 最新>
当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


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社会福祉士受験対策web夏期講習 相談援助の理論と方法編 第7回
ナラティブアプローチ
○概要:ナラティブ・アプローチ 

・ナラティブ・アプローチは,クライエントが語るストーリーを重視して,新たな意味の世界を創り出すことを援助する。
 つまり、ナラティブ(物語)モデルは、クライエントの語る「物語」を通して援助を行なうものである。クライエントの現実として存在し、支配している「物語」を、ソーシャルワーカーは、クライエントとともに見い出していく作業が、出発点として求められる。そして、クライエントとの共同作業により、新たな意味の世界を利用者が創り出すことにより、問題状況から決別させる。
 ナラティブ(物語)・モデルの考え方では,クライエントの現実として存在し,支配している物語を,ソーシャルワーカーはクライエントとともに共同して見いだしていく作業が求められる。
 クライエントの心理的葛藤に着目し,クライエント自身が語ることを支援する。 

*ナラティブ・アプローチは社会構成主義の視点をソーシャルワークに応用した援助方法である。
 M.ホワイトとD.エプストンは、家族を対象としたソーシャルワークに社会構成主義の考えを取り入れた。A.ハートマンとJ.レアードもこの考えをとっている。

1)社会構成主義の概要
*社会構成主義は、人は自分のもつ認識の枠組みや知識を使って世界を理解し、自分なりの意味を生成するとみなす(意味世界)。

*社会構成主義とはモダニズムの考え方を否定し、乗り越えるポスト・モダニズムを基礎としている。

・ナラティブ・アプローチは、社会構成主義に基づくアプローチである。
 社会構成主義は,これまでの主観・客観の二分的見方をとらず、「現実は人々の間で構成される」と捉える。理解は治療の場におけるクライエントと援助者の間の対話そのものにあるとする。「無知のアプローチ」に基づく「いま,ここで」の対話とその解釈が重視され,「治療的対話」に主眼がおかれる。

*ナラティブ・アプローチはクライエントが自己について否定的な物語、価値観を抱き、それを変えることができないと信じ込んでいる場合に有効である。このようにクライエントのなかで確立している物語をドミナント・ストーリーという。
 まず、クライエントは、援助者との対話を通して、ドミナント・ストーリーを解体する。(「自己」についての否定的なストーリーが、変えられないものではないことに気づく)この作業を問題の外在化という。 そして、クライエント自身が新たに構成するストーリーをオルタナティブ・ ストーリーという。

*ナラティブ・アプローチはストレングス(強さ志向)・アプローチの一種ともいえる。

<テキスト解説>
1 起源と基盤理論

・理論基盤は、社会構成主義にあり、「現実は社会的に構成されたもの」「現実は、人と人との対話を通じてつくられるもの」という認識論であり、フーコーの影響を受けている。
・人は「現実」を常に「意味づけ」しながら生きており、それは過去からの流れのなかでの経験に対する解釈である。自分自身について、自らの意味世界を物語として編み出している。
・家族療法のホワイトやエプストンらの理論と実践を基盤にし、ソーシャルワーク、心理臨床等の領域に導入されてきた。

2 ナラティブアプローチを理解するためのキーワード
*ドミナント・ストーリー

 過去からの流れのなかでとらえてきたクライエントの「物語」であり、問題が染み込んだストーリーである。

*オルタナティブ・ストーリー
・「物語」を変容し、新たに描き出された物語である。

3 適用対象・適用課題
・家族ソーシャルワーク等の領域が考えられる。
しかし、重度の精神障害の場合など、医学的要因がある事例は、適用が難しいとされる。

4 支援焦点
・クライエントが、自身の生活や人生を、問題により否定的に支配されたと捉えるのではなく、肯定的に捉えることができるように支援する。
 自らの人生を構成するストーリーを理解し、新たなストーリーに書き換えていく=人生の再構築を図る。

5 支援展開
・展開過程  テキストP170 図
・クライエントのストーリーの傾聴 ⇒ 反省的質問、問題の外在化 挑戦する問題の明確化、経験に新しい意味を付与、新しいストーリーを著述する。
・具体的には、クライエントとワーカー間で手紙のやり取りを実施する、面接過程に関与する専門支援者集団のフィードバックを取り入れるなどの方法が用いられる。

*ナラティプアブローチの展開過程
1 ドミナント・ストーリーを傾聴する

2 問題を外在化する
 クライエントから問題を引き離す。問題のこれまでの影響について別の捉え方で視る。

3 反省的質問をする
 問題の維持に誰がかかわり、出来事、経験が関与しているか考察する。

4ユニークな結果を見出していく
 (ドミナント・ストーリーとは異なる結果)

5 オルタナティブーストーリーを構築していく
 これまでの経験に新しい意味づけを行い、新たな物語を、共同で構築していく

危機介入アプローチ 悲嘆、ストレスマネジメントとは 相談援助理論 ソーシャルインクルージョンと民間支援

簡易宿泊所街 寿町の生活保護受給者対象の精神科デイケア 実践 相談援助の理論 行動変容アプローチ

エンパワメントアプローチ ソロモンの定義とは 生活保護受給者 生活困窮者コミュニケーション問題と支援法



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生活保護受給者、簡易宿泊所街「寿町」の精神障害者を対象とした精神科デイケア、グループワーク実践
 当ブログ筆者の論文
 『生活保護受給者を対象としたグループワーク-ドヤ街「寿町」における実践報告と考察-』
 日本福祉教育専門学校研修紀要第21巻1号 39頁から52頁 2013年5月

2.生活保護受給者、精神障害者や依存症者対象のグループワークの援助関係
(1)生活保護受給者、生活困窮者の人間関係の問題

 生活保護受給者や生活困窮者の人間関係、コミュニケーションには特性と、大きな問題がある。後述するように、過去の「縦の人間関係」の影響から、グループワークにおいても相互不信に陥り利用者間で対等な関わりを構築出来なかったり、自分よりも弱い対象を排除する「内なる排除」を行ってしまう傾向も見られる。
 貧困問題の当事者の社会的孤立を緩和し、孤独死を予防するためのは、繋がりを創ることを支援することが不可欠である。どのような方法で、関わりを媒介することをなし得るのか。ソーシャルワークにおいては、グループワークによって、全人的な交流を持つ新たな経験と場の提供を実施することが可能である。コミュニケーションが意欲を喚起し、生活の質の向上と、やがて地域における相互支援へと成長することを促進する。
 当ブログ筆者の、1999年から今日に至る生活保護受給者対象のグループワーク、精神科デイケアの実践の報告と考察である。

(2)貧困問題当事者の「内なる排除」 弱いものを叩く「縦の人間関係」からのオルタナティブへ
 簡易宿泊所街「寿町」において、生活保護受給中の精神障害者、アルコールや覚醒剤依存症者等が日々通所するこの精神科デイケアの利用者は、コミュニケーションが不得手な人が多く、元来、他の利用者にはあまり関心を持たない。人間関係そのものへの関心が希薄とも言えよう。また、利用者には、児童養護施設等で育った、もしくは精神病院への長期入院、「暴走族」等のアウトサイダーの組織に関係していた、刑務所の服役等を経て、簡易宿泊所街とこのデイケアの通所に至っている場合もある。
 つまり、このような生活歴を経て、人間関係の持ち方が独特なものとなっている。過去には、管理や支配等、主に「縦の人間関係」のなかで生きてきたというのも過言ではないだろう。
 当然ながら、これら利用者者対象のグループワーク、デイケアにおいては、支配と被支配、利用する・されるではない、利用者と職員間では、対等な専門的援助関係を、利用者間では水平な相互支援の繋がりを築いていくことを目指している。

(3)生活保護受給者対象グループワークの援助技法

 利用者の古い人間関係のあり方の影響を、職員側は分析しつつ、新たな関わりの形態や協調を、言動により、時にはモデルとなり、方向を示す必要がある。デイケアでは、日中の6時間程を共に過ごし、調理や作業等の様々な恊働の場面があること、加えて多様な職員の、それぞれの専門性、個性を活用した働きかけによって可能となったと考えられる。
 利用者と職員の関わりにおいて、専門的な距離感を持ちながらも、情緒的に関わろうとする姿勢が無ければ、個別の援助関係も、ましてグループワークも成立しない。しかし、寿町の利用者の中には、職員に対する過度の依存や独占欲を持ち、適切な関わりを持つことが困難な利用者もいる。時には、職員を独占した利用者への、他の利用者からの嫉妬、羨望に繋がることがある。援助関係を確立するために、職員は過度に巻き込まれないことと、客観的かつ全人的な視点が不可欠である。
 また、利用者の多くは、「SOS」、支援の要請を素直に発しづらい特性がある。支援を必要としていても「放っといてくれ」等の、言語による表面的な情報と、裏側に潜む感情や真のメッセージが異なる。このような場面では、利用者の言語だけではなく、表情や態度などの非言語にも注目し、理解を基に働きかける必要がある。

(4)処遇困難事例へのチームアプローチ 利用者の「嘘」と暴力

 また、稀に利用者は、職員に不調や薬の紛失を訴え、薬の処方を要求する等、職員を利用しようとすることがある。また、一職員が許可した等の嘘をついて、職員を操作しようとする場合もある。職員チーム内での情報の共有により、適切に対処しなければならない。
 加えて、利用者の中には、ルールを無視して食事を求めたり、自分の希望が通らないと、声をあらげる場合もある。実際に、職員に対して「ババア」等と暴言を吐いたり、職員に物品を投げつけた利用者もいた。必要に応じて、複数の職員での対応等、毅然とした姿勢が必要であろう。また、ルールや許容範囲等を各職員が共通認識を持たなければならない。利用者も個々の職員とチームを観察し、職員側のルール等の解釈の不一致、あいまいさ、チームワークの隙を突くことがある。

(5) 観察による幻聴等の精神症状悪化の早期発見 覚醒剤依存症からの回復
 多様な個性を持つ利用者を注意深く観察しつつ、個別に関わることによって、各個人の独自性を認識することが必要とされる。利用者が参加するグループワークの基本的技術ではあるが、デイケアにおいては、心身の健康状態、睡眠や、気分障害の利用者のうつと躁の変化、生活の様子等の観察と関わりによる理解によって、症状の悪化の早期発見が可能となる。
 特に利用者の幻聴の中には「屋上から"飛び降りろ"と、男性の声で仕向けられる」といったものもあるが、危険な幻聴や妄想は、薬物依存症者に目立つ。これらに支配された言動や自殺のほのめかしに対し、本人や周囲の安全を守るために、注意を要する。
 生活困窮者の薬物依存においては、少年時代はシンナーを乱用し、その後に覚醒剤を使用していた事例が目立つ。
 また、適切に服薬しているか否かを観察し、本人から聞き取り、必要に応じて、簡易宿泊所を訪問して確認する実践も行われた。

 以上、抜粋

 横浜市中区の簡易宿泊所街「寿町」の精神科診療所に併設された精神科デイケアという形態のグループワークにより、園芸・緑化、調理等の作業、田植や稲刈り等の農作業、造形や絵画、書道の創作活動、ゲートボール等のスポーツなどのプログラムが、筆者も参画し1999年から実践を開始した。
 診療所は、精神科・内科等の医療機関であり、通院する殆どの患者が、地域内の簡易宿泊所に住む生活保護受給者である。併設の精神科デイケアの利用者は、簡易宿泊所に単身で居住し、疾患は、アルコール依存症、薬物精神病(依存症、主に覚醒剤)、統合失調症等の多岐にわたる。
 各利用者の精神科リハビリテーションの課題は、断酒の継続、心身の健康と日常生活の維持、ギャンブル問題の改善、人間関係やコミュニケーションの向上、お互いに支え合う関わり、就労等であり、年齢層と合わせて幅広い。
 生活保護受給者を対象としたグループワーク、精神科デイケアの実践の報告と考察である。


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内容 貧困・生保受給者対象のグループワークプログラムと留意点等を、講師(ブログ筆者)の実践や事例に基づき解説

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内容 福祉施設職員に求められるモラルや福祉マインドの基礎と、ハラスメントの予防を含めて解説。

「グループワークの基礎」講座番号33
内容 福祉施設におけるグループワークのプロセス、方法、プログラム等の基礎を解説。

 上記は当ブログ筆者が担当する研修の一部です。
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社会福祉士受験対策web夏期講習 相談援助の理論と方法編 第6回
*エンパワメントアプローチ
*概要:エンパワメント

・エンパワメントの考え方は,クライエントが自ら力を回復し,自分たちを取り巻く問題状況を解決していけるようにしようというものである。
 エンパワメントでは,クライエント自身が,問題解決に必要な知識やスキルを習得することを支援する。
・エンパワメント・アプローチとは、クライエント、利用者が本来もっている力、潜在的な力、可能性に着目し、その力を引き出して積極的に利用、援助することをいう。今日、社会福祉をはじめとして、多様な領域で取り入れられている。
・人間の福利(ウェルビーイング)と社会の変革を進め,人びとのエンパワメントと解放を促していくことが,国際ソーシャルワーカー連盟の「ソーシャルワークの定義」(2000年)で唱えられている。
・ケアマネジメント実践では,利用者主体の地域生活を目指すために,エンパワメントの視点による支援が強調され,障害者福祉の分野でも障害者が地域生活を自らマネジメントできる力をつけることが重視されている。
・サレエベイ(Sallebey,D.)によれば,ストレングスとは,「人間は困難でショッキングな人生経験を軽視したり,人生の苦悩を無視したりせず,むしろこのような試練を教訓にし,耐えていく能力である復元力を基本にしている」という。

・住民が生活問題状況を自覚し,自分たちの生活をコントロールしたり,改善したりする能力の形成を目指すことは,「エンパワメント」の考え方に含まれる。
 福祉サービスを必要とする地域住民が,自らの問題への気づき,仲間づくりなどを通して,生活主体者としての自己決定能力を高めるなどのエンパワメントアプローチの手法は,地域福祉の実践にとっても有意義である。

・ エンパワメントが社会福祉、ソーシャルワークのあらゆる領域で取りいれられるようになった背景には、ソーシャルワーク理論として一般システム論やエコシステム論、ライフモデルが定着したことがある。
エンパワメントは、1960年代のアメリカにおける公民権運動やブラックパワー運動を源流とする。

*B.ソロモンによるエンパワメントの定義
・エンパワメントは、1976年にソロモンによって初めて用いられた用語である。
 「エンパワメントとは、スティグマ化されている集団の構成メンバーであることによって加えられた否定的な評価によって引き起こされたパワーの欠如状態を減らすことを目指して、クライエントもしくはクライエント・システムに対応する一連の諸活動にソーシャルワーカーが関わっていく過程である」とソロモンは定義した。

・エンパワメントは、クライエントの潜在能力や能力の強さに焦点を当てる。
 エンパワメントは、クライエント自身が問題解決の主導者であることを前提としており、ソーシャルワーカーは原則として側面的援助に徹するべきである。
 エンパワメントの視点は生活モデル(生態学的視点)の実践展開に方向性を与える側面がある。
 エンパワメントは、ミクロの個人的問題に対する心理調整と、マクロの社会構造の改革という、両者の援助に同時に関わる。
*エンパワメントは、長期にわたって社会的ケアを受けなければならない状況におかれているような高齢者、身体や精神に障害のある人々へのソーシャルワーク実践に拡大されている。
*エンパワメントにおける「パワー」は、ソーシャルワーク実践を統合していく重要な構成要素である。また、医学モデルに基づいたクライエントシステムの病理や弱さの側面を志向するあり方を脱却しつつ、クライエントの健康や強さの側面を重視する「強さ志向の視点」の必要性が強調されるようになった。

<テキスト解説>
1 起源と基盤理論 テキストP164

・17世紀の法律用語が起源と言われ、「公的な権威や法律的な権限を与えること」の意味。アメリカの公民権運動等を経て、広範に用いられ、現在は学際的用語として定着した。
・ソロモン(B.Solomon)は、『黒人へのエンパワメント 抑圧された地域社会におけるソーシャルワーク』を1976年に著した。
・ポストモダニズムの潮流に沿い、障害者運動、セルフヘルプ活動などの影響を受けた。
・ソーシャルアクションのレイノルズの思想と実践、マルシオの「コンピテンス概念」を摂取した。昨今のストレングス、リカバリーの概念等との親和性をもっている。
・国際ソーシャルワーカー連盟・ソーシャルワーク定義において、専門職の役割として明示された。
 
2 エンパワメントアプローチを理解するためのキーワード
*ポストモダニズム

・建築分野発祥の概念であり、論理性、実証性、合理性の近代主義(モダン)を否定し、脱近代を目標とする思想的潮流。
・近代を超えようとする文化・芸術運動であり、近代の合理主義的傾向を否定する考え方。もともとは、機能主義・合理主義に対置する新しい建築を意味した。
・社会学では、ポストモダン哲学の影響を強く受け、従来の部分/全体の二元論的発想、近代的自我に根ざした社会分析を離れつつも、難渋かつ抽象的な哲学論議に深入りすることなく、「主体の脱中心化」のテーマに則った経験的記述の方法論が彫琢されている。

*パワー
・人が、自律性を確保し、生活を維持のために他者と協働しつつ、自らの人生に影響を行使する力。

*パワーレスネス
・問題解決のための資源との接触が制限されていたり、知識や技術が不足している状態。

3 適用対象・適用課題 テキストP165
・障害、人種、貧困、性など、社会的マイノリティであることを理由に抑圧され、パワーレスな状態におかれてた人々と、その課題全般である。

4 支援焦点
・支援展開は、クライエント自らが、抑圧状況を認識し、自らの潜在能力に気づき、能力を高め、抱える問題に対処する。加えて、抑圧状況の要因を変革していく。

5 支援展開
・エンパワメントアプローチの具体的内容(デュボイスとミレイ)
  テキストP166表
・援助の当初より、ミクロ・メゾ・マクロの各次元への介入、環境との交互作用を意識し、複眼的視点で同時併行的に、問題・課題の解決に挑戦する。

・クライエントとの面接、社会生活技能訓練(SST)、グループワーク・自助グループ活動、アドボカシー活動、ソーシャルアクションなどの手法が活用されている。

危機介入アプローチ 悲嘆、ストレスマネジメントとは 相談援助理論 ソーシャルインクルージョンと民間支援

簡易宿泊所街 寿町の生活保護受給者対象の精神科デイケア 実践 相談援助の理論 行動変容アプローチ


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相談援助職とは 社会福祉士の仕事の実際 説明会 相談会 一般公開 参加無料
10/15(木)18:30から20:00
会場 日本福祉教育専門学校 高田校舎

社会福祉士の主要な職務である、相談援助の仕事の具体的な内容についてお話しする説明会。また、社会福祉士の仕事の実際など、皆様の疑問に答えます。個別相談も歓迎です。
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生活保護受給者、簡易宿泊所街「寿町」の精神障害者を対象とした精神科デイケア、グループワーク実践

 当ブログ筆者の論文
『生活保護受給者を対象としたグループワーク-ドヤ街「寿町」における実践報告と考察-』
日本福祉教育専門学校研修紀要第21巻1号 39頁から52頁 2013年5月


抜粋
 精神科診療所に併設された精神科デイケアという形態のグループワークにより、園芸・緑化、調理等の作業、田植や稲刈り等の農作業、造形や絵画、書道の創作活動、ゲートボール等のスポーツなどのプログラムが、筆者も参画し1999年から実施された。簡易宿泊所街における、生活保護受給者を対象としたグループワーク、精神科デイケアの実践の報告と考察である。

Ⅲ.寿町のグループワークの手法-実践からの抽出
1.グループワークの援助の視点
 デイケアのグループワーク実践から導き出される、支援を有効なものとするために必要であった視点は、次の7点である。
(1) 引きこもりを脱し、生活の拡充を図る支援
 調理や外出、その他のプログラムが、個々の利用者の生活のリハーサルとなって、生活の幅、生活圏を広げることを支援する方向性である。利用者は、デイケア終了後に簡易宿泊所の自室に帰れば、引きこもる場合が多い。グループワークを通じて、人間関係を持つことや、プログラムにより様々な事柄に取り組むことにおいて、新たな経験を提供したと考えられる。また、利用者の自信を強化し、自尊感情を支え、生活の質の向上も目指した。

(2) 各種作業における承認の機会
 個々の利用者の、強み、能力、意欲を持って取り組める作業を見出し、承認する場面をつくることである。利用者自身の力で出来ることは取り組みを促し、職員は側面から支援する姿勢である。取り組みの結果は、率直に受け止め、次の方策を考える。例えば、飲食業等調理に関連する職歴を持つ利用者は、昼食の調理において活躍する場面をつくり、能力を引き出しつつ本人のエンパワメントを推進する。例えば、公園の緑化作業や農作業においては、穴掘り作業等は、土木・建設の元プロフェッショナル達の独壇場である。

(3) グループワークと個別援助の併用
 統合失調症や覚醒剤依存の後遺症、アルコール依存症等、症状や生活が不安定な利用者等に対して、情緒的な安定を図るために、面接や簡易宿泊所への訪問などの個別援助を、必要に応じ、グループワークに併せて実施することである。また、健康や生活の危機の予防も図る。事例として、他者からの批判や攻撃を恐れ、周囲の視線が常に気になって通所が困難になり、個別のフォローを必要とした利用者もいた。加えて、利用者の危機に際しては、主治医等の医療スタッフと共同での訪問等の対応や、福祉事務所の担当ケースワーカーとの連携を行った。

(4) 創作活動による自己表現の機会の提供
 造形や書道等の創作活動プログラムによって、自己表現を促すことである。デイケアの利用者のなかには、全ての創作活動に対して「不器用だから」等の苦手意識を抱えていたり、アートに関心が皆無、集中が続かない人も少なくなかった。利用者の取り組みを職員が個別に励まし、優れている点を誉め、自己表現を豊かにし、その技能を高めていく実践を行った。

(5) 社会資源の適切な利用の為の情報提供
 デイケアの利用者は、社会資源を含む様々な情報に対し、誤解を持っていたり、噂に左右されていることが少なくない。職員が情報を提供し、もしくは利用者相互に情報の共有化を図って、正しい理解を持つことが、資源の適切な活用にも繋がる。

(6)柔軟な参加形態と能力の向上
 個々の利用者の心身の健康状態や障害の程度、グループへの抵抗に応じて、参加するよう個別に働きかける。全日程参加の利用者が多数ではあるが、曜日を定めたり、特定のプログラムのみの参加も認めている。個別の目標やスケジュールを、利用者と職員が共同で設定し、障害が重くても参加できる活動を考える。なお、利用者には、主体的に参加するよう励まし、また能力を更に高めるため、やさしい内容から難しい内容へと段階的に目標達成へと進む働きかけを行う。

(7)ドヤ街の生活と文化に合ったプログラムの立案
 次の様な留意点が必要となる。プログラムは、利用者の持つ文化、関心、その生活を基に立案されなければならない。しかし、寿町の住民は、これらの幅が狭い傾向がある。あまりに迎合すると、利用者に新たな経験や生活の拡充をもたらすことが困難となり、マンネリ化に陥る。利用者の生活からかけ離れたものは、利用者の参加意欲や満足度、グループの求心力の低下に繋がる。これらのバランスが求められる。また、寿町故の特殊なニーズとして、 略  行き先の選定時に配慮を要する。
 略
 利用者とグループに望ましい変化と、その動機付け、グループ内外の相互作用の促進が図られた。利用者は、プログラムを経験することで、自らの新たな側面を見出し、職員からエンパワーされていった。また、グループのまとまりや共同性、協力、責任、社会との関わり等を生み出した。これらは、個々の利用者の情緒的な安定、意欲の向上、地域生活の維持に繋がっていくものであったと言えよう。
 略
 「寿町」 地域とは、横浜市中区の簡易宿泊所が密集した「ドヤ街」 である。現在は、高齢者や障害者等の生活保護受給者が単身で集住する「福祉の町」である。
 当診療所は、精神科・内科・整形外科等の医療機関であり、通院する殆どの患者が、寿町の簡易宿泊所に住む生活保護受給者である。
 併設の精神科デイケア(以降、デイケアと表記)は、利用者のほぼ全員が、寿町の簡易宿泊所に単身で居住する精神障害者であり、生活保護を受給している。
 利用者の疾患は、アルコール依存症、薬物精神病(依存症、主に覚醒剤)、統合失調症等の多岐にわたる。
 各利用者の精神科リハビリテーションとしての課題は、断酒の継続、心身の健康と日常生活の維持、借金・ギャンブル問題の改善、人間関係やコミュニケーションの向上、就労等であり、年齢層と合わせて幅広い。
 現在、デイケアは火曜日から土曜日の午前10 時から午後4 時まで、午前は共同調理と会食、午後は公園の緑化・園芸作業、造形と書道の創作活動、音楽・茶道・エアロビ・ヨガの教室、卓球等のスポーツ、散歩や映画鑑賞などのプログラムを実施している。
 また、季節毎の農作業等の宿泊プログラム、運動会、餅つきなどの年間行事を実施している。
 これまでのデイケアにおける実践の成果としては、統合失調症で簡易宿泊所に閉じこもっていた利用者が、デイケアに欠かさず通所し生活も安定した事例や、アルコール依存症から回復した事例等が挙げられる。
 反面、毎日通所していたが自室で孤独死、自殺を迎えた利用者も目立つ。
 筆者は、準備段階を含めて1999年3月から現在まで、かつては常勤職員、現在は非常勤職員として、この診療所とデイケアにおける実践を継続中である。
(註)
 簡易宿泊所とは、旅館業法における4種(ホテル、旅館、簡易宿所、下宿)の旅館営業許可業種のうち
のひとつである。
 ドヤ街は他に、「山谷」や、「釜ヶ崎」が現存する。山谷は、東京都台東区と荒川区にまたがる、「泪橋交差点」を中心としたドヤ街である。釜ヶ崎は、大阪市西成区萩之茶屋周辺の簡易宿泊所街・寄せ場である。1966年の「第五次釜ヶ崎暴動」以降は、行政や大阪府警により「あいりん地区」の呼称が用いられるようになった。


 以上、抜粋 

<当ブログ筆者の論文 最新>
当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


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社会福祉士受験対策web夏期講習 相談援助の理論と方法編 第5回
6節 行動変容アプローチ
○概要:行動変容アプローチ(行動主義モデル) E.トーマスら  1967年

 この行動主義モデルでは,クライエントの行動変容を目指して援助が行われる。
 つまり、主には「特定の好ましくない行動の明確化及び修正」が、支援の焦点となる。
 利用者の問題行動の原因や動機にさかのぼることをせず、問題行動そのものを取り上げて、特定の問題行動の変容を目標に働きかけるアプローチである。ケースワークに、学習理論、行動療法を導入した。あくまで目的は問題行動それ自体の解消、修正であって、問題行動の原因や動機を解消、修正することや、クライエントの意識や思考の変容は直接の目的ではない。

 行動療法とは、学習理論を基礎とし,すべての行動は経験を通して学習されたものであると考える治療方法。

*解説:学習理論
 人の行動は学習によって形成され、また、その改善も学習によって達成されるとする理論である。

1 起源と基盤理論 テキストP159
・行動変容(行動療法)アプローチとも呼ばれる。行動療法をソーシャルワークに導入した。
・1960年代後半、精神分析や自我心理学の影響を受けたソーシャルワークへの批判から出発。
・基盤は、学習理論であり、リスボンデント条件づけ等、認知行動療法が折衷・統合的に導入されている。

2 行動変容アプローチを理解するためのキーワード
*学習理論

 広義には、人間の「学習」の成立過程を説明する理論を意味する。連合説は、刺激とそれへの反応の連合=学習である。認知説は、人間の環境に対する認知構造=学習である。

*オペラント条件づけ
・行動の結果の如何により、その行動の生起頻度が変容される過程。正と負、強化と罰の両側面をもつ。トークンエコノミー法などの具体的方法を用いる。

○補足:オペラント条件づけ
 レスポンデント反応
 古典的条件づけ
 オペラント反応
 スキナーの実験
 強化子 略

*モデリング
 人間の行動は、他者の行動を観察し、模倣により学習する=社会学習理論に基づき、学習すべき行動を示す具体的方法。ロールプレイング法などが活用される。

○補足:モデリング(観察学習)
 他者の行動を観察することによって学習が成立することをモデリング(観察学習)と呼ぶ。 略

3 適用対象・適用課題 テキストP160
・多様な範囲が支援対象となり得る。不安や抑うつ、対人関係上の問題、暴力、問題行動などの課題に適応可能である。

4 支援焦点
・具体的に、望ましい行動を増加させ、望ましくない行動を減少させることである。

5 支援展開
・行動変容アプローチの展開過程-テキストP161図参照。
アセスメントの着眼点(方法)、目標設定や介入技法、また評価方法に特徴がある。

*補足:行動変容アプローチ
 学習理論をケースワーク理論に導入したもので、条件反射の消去あるいは強化によって特定の症状の解決を図るものである。利用者の問題行動の原因や動機にさかのぼることをせず、問題行動そのものに焦点を置き、変化すべき行動を観察することによって、特定の問題行動の変容を目標に働きかけ(条件反射の消去か強化)、問題行動を修正しようとする考え方をいう。
行動修正モデルにおいては、援助者は利用者の行動の原因を突き止めようとはしないし、なぜそうするのかも探ろうとはしない。問題行動の社会生活史をとることは援助者の目的ではないとされている。


危機介入アプローチ 悲嘆、ストレスマネジメントとは 相談援助理論 ソーシャルインクルージョンと民間支援

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貧困問題、生活困窮者生活保護受給者対象のソーシャルワーク、社会福祉
 当ブログ筆者の論文
 「簡易宿泊所街・横浜寿町における民間支援活動-歴史的経緯の概要-」
<前回から続き>
2.社会的排除と「支援」
(1)社会的排除とソーシャル・インクルージョン
 ここでは、本論のキー概念である、社会的排除とソーシャル・インクルージョンに関して、概括したい。この二つは、対になった概念である。
 社会的排除とは、貧困の現代的な概念と言える。岩田によると、社会的排除とは「お金がない、という意味での貧困が、貧困ラインの上や下(アップ・アンド・ダウン)として把握できるとすれば、社会的排除は通常の社会的関係への組み込まれと排除(イン・アンド・アウト)として描かれうる」と述べている。
 換言するならば、現代における貧困とは、市民社会の内部における経済的困窮と職業等の地位の下降に留まらず、市民社会の外部への放逐、つまり排除であると考えられる。それは、社会における居場所の喪失とも言える。
 また、バラとラペールによる、社会的排除の3つの主要な側面とは、次のものである。第一に、経済的な次元として、他の人びとが有している雇用や所得、住宅、保健、教育、サービスへのアクセスからの排除。第二に、社会的な次元として、他の人々が得ている「社会関係の織物(ファブリック)」や、医療や教育などの社会サービス、一般的労働市場へのアクセスからの排除。第三に、政治的な次元として、他の人々が有している市民的権利(表現の自由など)、政治的権利、社会経済的権利(機会の平等)からの排除である。
 つまり、社会的排除とは、多次元的で構造的な過程であり、貧困を単なる経済的・物質的な困窮と捉らえるものではない。それは、経済的脆弱さ、地域社会や人間関係からの孤立、社会的ネットワークの喪失、所得保障・住宅・医療・教育等の社会サービスへのアクセス困難、労働市場からの排除等をもたらす、社会的剥奪であると捉らえる 。
 総じて、社会的排除とは、社会関係の喪失に焦点をあてた、安定した生活を営む為の資源やサービスからの排除と考えられる。
 一方のソーシャルインクルージョンは、『ソーシャルワーカーの倫理綱領』において、倫理基準として次のように掲げられている。「1.(ソーシャル・インクルージョン)ソーシャルワーカーは、人々をあらゆる差別、貧困、抑圧、排除、暴力、環境破壊などから守り、包含的な社会を目指すよう努める」 。また、「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」の報告書においては、「イギリスやフランスでも、"ソーシャル・インクルージョン"が一つの政策目標とされるに至っているが、これらは"つながり"の再構築に向けての歩みと理解することも可能であろう」 と述べられており、また、「つながり」の構築を通じて偏見・差別を克服し、人間の関係性を重視するところに、社会福祉の役割があるとも述べられている。
 つまり、ソーシャルインクルージョンとは、社会関係の再構築に焦点をあてた、共生・包摂型社会を目指す概念と言えよう。

(2)「支援」と「民間支援活動」
 次に、もうひとつのキー概念である「支援」について、ふれておきたい。
 後述する寿町の歴史的経緯において、社会福祉、医療、労働領域に関する民間活動は、「支援」という行為を巡って、「取り組み」、「ボランティア」、「活動」、「支援」など、いくつかのことばで称してきた。特に1974年頃から「支援」「支援者」が、用いられることが多くなっていった 。
 「支援」とは、英語のサポート(support)の日本語訳である。類語に援助=エイド(aid)、手助け=ヘルプ(help)、補助=アシスト(assist)がある。「支援」とは、『大辞林 第二版』によれば、「他人を支えたすけること。援助。後援」とある。「支援」は、近年、社会福祉領域における様々な領域で用いられている概念でもある。
 本論では、支援の一般的な概念について、支援基礎論研究会による『支援学』 を参照することとしたい。支援学とは、支援の概念とシステムに関する、学際的な研究である。同書のなかで今田は、支援の定義を「支援とは、他者への働きかけが前提になっており、支援者と被支援者というセットで意味をなす行為である。そして支援される人(被支援者)の意図を理解すること、行為の質の維持・改善、およびことがらをなす力をつけること(エンパワーすること)がポイントである。(中略)被支援者がどういう状況に置かれており、支援行為がどう受け止められているかを常にフィードバックして、被支援者の意図に沿うように自分の行為を変える必要がある」 と述べている。また、支援の構成要素として「1.他者の行為への働きかけ、2.他者の意図の理解、3.(支援)行為の質の維持・改善、4.エンパワーメント」という4点を提示している。加えて、支援システムは、被支援者の置かれた状況に応じて自らを自在に変化できなければ、その支援は効果的ではないものとなってしまうことから、「自省的フィードバック」が重要となる。支援が成立するためには、一連の支援行為がばらばらになされるのではなく、それらがまとまりをもったシステムを形成することが必要である。そして、これらの支援の働きかけをおこなうものを、支援者と呼び、支援を受ける行為の主体を、被支援者と呼ぶと位置づけている 。 
 こうした定義をふまえて、本論における「支援」についても、先述の4つの構成要素を持つ他者への働きかけと定義し、それを行う主体を、「支援者」と位置づけることとした。
 また本論では、寿町で行われている支援者による支援活動を「民間支援活動」と表現している。民間支援活動は、公的機関によって、あるいは一定の法律のもとで目的を持って行われる支援活動ではなく、民間人、そして公務員などの職にある者であっても職務を離れて、自発的に行なう支援活動を指す。


*以上、当ブログ筆者の論文より抜粋
 「簡易宿泊所街・横浜寿町地域における民間支援活動-歴史的経緯の概要-」『研究紀要』第18巻第1号,
 学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所,2010年,単著

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内容 福祉施設におけるグループワークのプロセス、方法、プログラム等の基礎を解説。

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社会福祉士受験対策web夏期講習 相談援助の理論と方法編 第4回
危機介入アプローチ
概要:危機介入アプローチ
 危機とはクライエントがそれまで獲得し、用いてきた対処方法では問題解決を図ることができず情緒的に不安定な状況である。
 危機に直面して情緒的に混乱している利用者に対して、適切な時期に、迅速に、危機介入していく援助方法である。危機理論を導入したもの。積極的・集中的な援助を行い、危機状況からの脱出を目的とする援助方法である。
 危機介入アプローチでは,災害や急病といった突発的な出来事ばかりでなく,ライフサイクル上の課題等によるストレスも視野に入れて介入を行う。
 災害の被災者は自らの生命の危険を感じるだけでなく,死別や喪失,生活変化などで急性ストレスや慢性ストレスが生じやすい。

 犯罪被害者に対する支援は,被害者がストレスなどに対処し,自ら立ち直っていくことを必要な範囲で援助するという姿勢が基本である。

 ストレスの成立を阻止するための対応策を総称してストレスマネジメントと呼ぶが,心の問題の発生を予防する重要な手段の一つである。
 対人援助職がセルフコントロールやセルフリラクセーションの方法を習得することは,援助スキルの理解にとどまらず,自らのストレス対処方略にも役立つ。

危機理論
 危機理論とは、火災で犠牲となった人々の関係者(遺族,親族,友人・知人)の悲嘆にまつわるリンデマン(Lindemann, E.)の研究に端を発し,後にキャプラン(Caplan, G.)らと共同で1940年代から60年代に構築された理論。
 危機とは,対処困難な事態に突然直面した際に引き起こされる,ホメオスタシス(恒常性)のバランスを崩した状態。この理論は、危機状態から脱する過程において一定の段階と法則が存在し,その期間が長期的なものではないと捉える。

1 起源と基盤理論
・フロイト精神分析、エリクソンの自我心理学(発達段階・課題)、学習理論を基盤とする。
 リンデマンの急性悲嘆反応研究、キャプランの地域予防精神医学研究、キューブラー・ロスの「死の受容過程」の研究を摂取し、短期処遇の方法として理論化、体系化された。

2 危機介入アプローチを理解するためのキーワード
*死の受容過程
 ロスは、重要な他者の死を適応・受容するプロセスを、①否定、②怒り、③取引き、④抑うつ、⑤受容と捉えた。各段階の特徴や支援方法などの明確化を図った。

*地域予防精神医学
 キャプランは、危機理論を構築し、危機の予防、早期の介入の重要性を示した。

*危機 
 従来の対処能力が損なわれたことにより、通常の安定した状態に生起する急性の感情的混乱。

3 適用対象・適用課題
・専ら「危機的状況」が課題として取り上げられ、危機を抱える個人・家族・グループが対象となる。危機と危機による社会的機能の障害が生起している状況に適用され得る。

4 支援焦点
・急性の心理学的危機(感情的混乱)におけるニーズ充足等を図り、新しいパターンを教示しつつ対処能力を強化し、社会的機能を回復する。

5 支援展開
・キャプランは、「危機は、人が大切な目標に向かう時障害に直面し、それが習慣的な問題解決の方法を用いても克服できない時に生じる。混乱の時期、動転の時期が続いて起こり、その間にさまざまな解決の試みがなされるがいずれも失敗する」と捉えた。

・予期できる危磯とは、発達段階で予測される(成熟に伴う)危機である。
・予想できない危機とは、喪失に由来する危機、準備が十分でない状態で経験する危機といった状況的危機、災害等の危機がある。
・危機によって生じる身体や心理、関係機能面での苦痛を軽減・解消するために介入する。
 
・早期の介入、時間的制約(通常4~6週間の限定)、懸念・不安の表出が奨励され、実際的な情報や支援が提供される。加えて、自我の適応力を強化し、対処能力を高めていく。
・初期段階はアウトリーチが重要である。

<補足>
*危機介入法の目標

 危機介入法は,危機状態に陥り、情緒的均衡が崩れている人に,介入によって,できるだけ早く均衡を回復させることを目標 略

*危機介入法の行われる期間
 危機介入法では,限られた期間内での面接で対処することになる。危機状態が持続するのはおよそ1~6週間程度で,その間にタイミングよく介入する必要がある。面接回数もそれ程は多くない(例:5回以内 略

*危機介入法で扱う素材

 危機介入法では,後に述べる危機理論に基づいて,現時点でのクライエントの問題発生状況を理解し,危機に関係する事柄に集中的に取り組む。 生育歴  略 現在の問題の理解と,将来に向けての対処の仕方が中心的に扱われる 略
 また,危機への対処にあたって,心の内面の検討だけではなく,クライエントを支える可能性のある周囲の関係者(家族や学校・職場の関係者など)や関係機関などの援助資源の査定と,その利用をはかり,必要があれは,家族面接や訪問面接などによって環境の調整 略

*危機理論
 危機理論では,危摸状態とは,「人生上の重要目標が達成されるのを妨げられる事態に直面した時,習慣的な課題解決法をまず始めに用いて,その事態を解決しようとするが,それでも克服できない結果発生する状態である」と定義される。この,「人生上の重要目標が達成されるのを妨げられる事態」を危機発生状況とよぶ。
 ライフサイクル上のさまざまな発達課題として,あるいは偶発的な出来事として脅威,喪失などの形で生じる 略

地域福祉の理論と方法国試過去問 民生委員推薦会、コミュニティケアとは 無料低額診療事業、フードバンク


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<当ブログ筆者の講義レジュメ概要>
相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第18回講義レジュメ概要1
 当ブログ筆者(専任教員)が、社会福祉士養成科(夜間部)にて、2015年8月19日 に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>

9章 相談援助のためのアセスメントの技術
1節 ソーシャルワークにおけるアセスメントの特性、援助的関係、面接
<ポイント>

・アセスメントとは、介入の前段階の、分析・評価の過程である。つまり、何が問題で,問題の要因と背景を探求し、かつ、クライエントの十分に機能している健康な面と、クライエント本人の課題を評価する。次の過程で、適切な目標の設定と,介入方法と援助計画の決定の基盤となる重要な作業である。
・クライエントの問題、状況とその背景への理解と分析が必要であり、人と環境との相互作用に対する視点、考察がその基盤となる。
・クライエントの問題対処能力、満たされないニーズ、問題の原因を考察する。
・クライエントの強さ=ストレングスへの着目も求められている。

*事例 貧困、困窮の生活スタイル、文化
 人間とその生活スタイルには、様々な面がある、単純ではない-生活歴による「文化」の違い。
 簡易宿泊所街の住民のファッション。
 簡易宿泊所という環境の良い影響-他者に干渉しない-障害者等のマイノリティにとっての生き易さの側面も。
 ドヤ街のアジール(逃れ隠れる場)としての側面とは。
 悪い影響-悪いつながり、依存症にとって。

 事例:児童福祉分野のケースでは、悪い関係から脱することが課題となる場合もある(薬物等)。

・援助者を含む市民との間に、生き方、生活、食生活、文化の大きな違い、隔たりがある。媒介し、交流による相互理解を図る専門職でもある。
 先ず、援助者がクライエントのあるがままの姿、生き方を受け容れることが求められる。多様な価値観、考えを尊重し合い、多様性の中の調和を見出していく。
 異なる他者を理解し、包容、寛容さの資質がソーシャルワーカーには必須である。


*解説 簡易宿泊所 貧困とメンタルヘルス
 簡易宿泊所とは、旅館業法における4種(ホテル、旅館、簡易宿所、下宿)の旅館営業許可業種のうちのひとつである。
 東京の山谷、大阪の釜ヶ崎(あいりん地区)、横浜の寿町等の簡易宿泊所街(ドヤ街)が現存する。
 寿町地域 とは、横浜市中区の簡易宿泊所が密集した「ドヤ街」 の一つである。現在は、高齢化した元日雇労働者や精神障害者等の生活保護受給者が単身で集住する地域である。当ブログ筆者は、1999年からは寿町の精神科等医療機関における精神科デイケアにおいて、主にグループワークの実践を継続して今日に至っている。利用者は簡易宿泊所に単身で住む生活保護受給者であり、アルコール・薬物(覚醒剤等)依存症、統合失調症等の多様な疾患・障害を持つ。


1 アセスメントの特性-統合的で多面的な問題のとらえ方 テキストP177~
<受験対策ポイント>
・アセスメントに当たっては,利用者のニーズの緊急性や優先度が考慮されなければならない。
・アセスメントでは,クライエントの社会生活の全体性を見て,多様な環境と人との相互作用のうち,どれが問題に関連しているかを検討できる広い視野が必要である。
・ストレングスアプローチでは,クライエント固有の強さ,クライエントの有する資源や問題解決能力に焦点を当てるアセスメントを行う。

・アセスメントの特徴の一つとして、現状の問題点の背景、原因の分析が挙げられる。

・ソーシャルワークのアセスメントの特性を、以下に述べる。
 アセスメントの対象は、家族、小グループ、組織、地域など広範である。
 アセスメントの起源は、1917年のリッチモンドの『社会診断』にある。診断の用語を当てつつ、クライエント理解の枠組みを「社会」に求めようとした。
 「アセスメント」という用語が「診断」の代わりに用いられるようになった。
 近年、システム論、エコロジカルモデル等に準拠した統合的アセスメントが主流となり、アセスメントの特性は統合的で多面的に問題を把握することが強調されている。

*ソーシャルワークのアセスメントの特徴
 人間、状況は変わる-常に変化する。高齢者、障害者は加齢による変化がある。生と死に関わる変化のスピードがあまりにも速い場合がある。その流れを前にして人間の健康、生命には限界がある。
 しかし、身体は加齢等の影響を受けても、人間の内面、内なるもの、精神は日々新しくなり、最期のときまで成長を続けることが出来る。

*全人的・ホリスティックな人間観、捉え方
・アセスメントは、静的なものではなく、支援の進行とともに情報が追加、統合、分析することによる動的なプロセスである。
 例えば、クライエントの潜在的な感情等の新たな情報は、支援方針を検討する際に重要な役割を果たす。
 家族の秘密による潜在的な感情 略

・障害者の生涯の段階における、出来ること出来ること、出来ないことの変化。
 身体障害者の二次障害とは   略

 これらのソーシャルワークの人間観を深め、磨くための思索が求められる。
 人間にとって、幸福とは何か、幸福とはどのような状態なのか。
 死をどのように捉えたらよいのか。生きることの意味とは。
 健康とはどのような状態であるのか。自らは健康なのか。


・ヘップワースらによるアセスメントに関する記述 略
・ソーシャルワークは、クライエント個人と、周囲の環境の相互・交互作用に着目する。

*問題の意味の探求
・メイヤーによると,「(アセスメントとは)問題の意味を探すことであり,すなわち,ソーシャルワーカーがいかにして,かなり複雑であるケースを理解するかという認識の過程」であると定義 略
 つまり、困難の意味の探求、意味づけが、アセスメントにおいても重要なものである。

*全人的、ホリスティックな視点
・クライエントの多くの側面を誤りなく理解することが、クライエントが真に望むこと、求めることの実現を支えることに繋がる。 
 多様性と複雑さをもつクライエントである個人、家族、グループ、コミュニティの生活を捉え、支えるには、内面、精神とその動きを見続けることが不可欠である。
 援助過程を通じて、クライエントは自分自身の痛みを伴う経験、トラウマ、孤独感と向き合う精神的な強さ、力を引き出され、関わりのなかで磨かれていく。
 だからこそ、安易な妥協よりも、全人的な成長のためのチャレンジが求められる。
 人間にとって、自らの痛み、経験は成長の糧となることがあり、それを支えるソーシャルワークが求められている。痛み、弱さ、屈辱、無力さが、やがて力、強さ、誇りに変わる。回復と新たな出発の場を創る。


・これらを整理すると,「アセスメントとは、クライエント・システムの問題に対して,ソーシャルワーカーとクライエントや関係者たちが、可能な限り必要かつ適切な情報収集を行ない、その情報に基づき生活問題、状況の理解と、援助計画や実践展開に必要な資源や方法の提供を目指して専門的判断を行なう過程である」 略

<補足>
・ピンカスとミナハンによれば、アセスメントは,二つの部分からなるプロセスである 略
 一つ目は、クライエント・システムとその環境に関する適切なデータを収集すること,
 二つ目は、インターベンション計画を展開するための基礎になるデータを評価することであると定義 略

<講義 参考文献の紹介>
真野節雄 著『「学校」がほしい 川崎に夜間中学ができるまで』,新泉社,1983年
ISBN4-7877-8314-9
 日本においても近年、子どもの貧困、教育格差等が社会問題化している。当ブログや筆者の講義でも扱う重要なテーマであるが、ソーシャルワークにとって昔も今も主要なテーマである。シャルロット・トールの『コモンヒューマンニーズ』Towle, C., Common Human Needs, NASW, 1965 においても、子どもの教育機会の平等が、社会の安定、民主主義の維持のためにも必要不可欠であり、生活保障と栄養、健康等の総合的支援が、ソーシャルワーカーの職務であると位置づけられた。併せて、トールも科学技術を飛躍的に発展させた人類が、貧困問題を解決、緩和させることが出来ないことを嘆いている。
 そこからおよそ半世紀。ソーシャルワークにとって、貧困、困窮家庭の子どもの学習支援、進路等は課題であり続けている。

 この文献『「学校」がほしい』は、30年程前に、川崎市で公立夜間中学開設を求める運動を推進した著者たちが、市民の力によって「自主夜間中学」を開設し、未就学者の学びの創った。当時も、心身の障害、生活困窮、時代の波に翻弄されて教育の機会が無かった人々がいた。「自主夜間中学」は、公的な卒業証書も、補償もないなかで、「学びたい」という切実な願いで、集い続けた「生徒」と、支援を続けた市民の「先生」の6年間の記録である。

 教育を受けている時には、学ぶことの価値を忘れてしまうこともある。しかし、生活困窮、障害、社会問題等によって、学びたくても学べない子どもたち、市民もいる。教育格差に派生する生活問題、社会的不利益も看過できない。
 ソーシャルワークは、学びたい人々の生活を支援し、学びと繋がなくてはならない。学ぶことは、生きる力になるのだから、支える実践が求められている。
<関連する当ブログ過去の記事 下記をクリック>
講義レジュメ 教育と福祉、識字能力、ストレングスによる生き方支援、虐待の回復とは 相談援助基盤第6回
 教育と社会福祉 事例から学ぶ、読み書きが出来ないということ。



<当ブログ筆者の論文 最新>
当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


新刊 当ブログ筆者が試験問題解説を執筆 
「2016社会福祉士国家試験過去問解説集 第25回─第27回全問完全解説」日本社会福祉士養成校協会編集 ISBN 978-4-8058-5161-6
 中央法規出版 2015年5月10日発行

 450問を選択肢ごとに詳しく解説し、科目別ポイントを収載。第27回を含む過去3年分の国家試験全問題を掲載した問題集。過去2年分も最新の制度や数値にアップデートし、次回試験に完全対応。基本の理解、実力試し、傾向対策、総復習で着実に学習効果を発揮。 中央法規出版


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ブログ閲覧中の皆様、卒業生、学生、福祉施設や機関の職員の皆様にお知らせ
ソーシャルワーク実践研究会 卒業生社会福祉士の実践報告 公開
 関心をお持ちの方、どなたでもご参加ください。
 日本福祉教育専門学校社会福祉士養成学科 主催
 参加無料 参加申し込み不要、直接会場へ
 日時 2015年8月29日(土)14時半から16時半

 ソーシャルワーク実践研究会は、子ども家庭福祉、地域福祉、貧困生活困窮者支援、高齢者や障害者福祉、スクールソーシャルワーク等、毎回さまざまなテーマで、本校社会福祉士養成学科の卒業生等の社会福祉士からの実践報告、現場レポートなどを行なっています。
 また、それぞれの実践の経験からの知識を共有するディスカッションを行い、卒業生と在校生、教員、福祉施設職員、一般の参加者との交流の場ともなっています。
 社会福祉士養成学科・養成科等の本校の学生や卒業生はもちろん、現場の福祉職員の方々や社会福祉に関心をお持ちの一般の皆様の参加も歓迎です。

<関連資料 バックナンバー>
貧困・低所得・生活保護 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記


講義レジュメ ストレッサーのアセスメントとは 生活困窮者アルコール依存症者支援による援助者のストレス

福祉施設職員のメンタルヘルス支援研修 講義レジュメ 看取り介護、社会起業福祉分野、社会資源開発

福祉介護職の職場ストレス、人間関係 研修 心理社会的アプローチ、心理社会療法 社会福祉士受験夏期講習

福祉介護職のストレングス 講義レジュメ 問題解決アプローチ、パールマン、コンピテンスとは 受験対策


<進路検討中の皆様 当ブログ筆者の説明会 >
社会福祉士養成学科 養成科オープンキャンパス説明会<ブログ筆者担当>
8/29(土)13:20から15:30 参加無料  参加申込不要
会場 日本福祉教育専門学校 本校舎

 オープンキャンパスでは、本校の社会福祉士養成学科と養成科の特徴、就職先、カリキュラムの概要等を初めての皆様向けに解説しています。2015年社会福祉士の国家試験合格率が81.9%と合格者数全国1位の社会福祉士養成学科。全国でトップクラスの実績を維持している理由も、当ブログ筆者(社会福祉士養成学科 学科長)が説明します。ご質問やご相談も歓迎です。関心をお持ちの皆様、ご参加下さい、参加無料


*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部(通学)です
お問い合せは 日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255

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高齢者に対する支援と介護保険制度 練習問題
<社会福祉士受験対策・専門科目>


<5択問題>
問題 介護保険制度における身体的拘束の禁止に関する次の記述のうち,正しいものを二つ選びなさい


1 介護保険施設のうち,介護老人福祉施設,介護老人保健施設には身体的拘束禁止の規定があるが,医療的なケアが中心である介護療養型医療施設には,その規定が設けられていない。
2 やむを得ず身体的拘束等を行う場合には,その態様及び時間,その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないとされている。
3 ベッドから自分で降りられないように,ベッドを柵(サイドレール)で囲むことは身体的拘束に当たらない。
4 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように,手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつけることは,身体的拘束に当たらない。
5 指定介護福祉施設サービスの提供に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為(身体的拘束等)を行ってはならない。

 正誤問題
問題8 市町村は、国の基本指針に即して、3年を1期とする市町村介護保険事業計画を定める。

問題9 高齢者虐待防止法(高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律)上の「高齢者」とは、65歳以上の者である。

問題10 「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」は、虐待防止に関する国等の責務、高齢者の保護、養護者に対する支援等を定めることを目的として、介護保険法とともに制定された。

問題11 老人保健施設(現介護老人保健施設)は、看護、介護、機能訓練に重点を置き、医療ケアと日常生活サービスを提供するために創設された。

問題12 介護保険制度の創設で、「介護療養型医療施設」は介護保険施設となり、医療法に基づく病院ではなくなった。

高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律

*解答と解説:身体的拘束の禁止、抑制帯、高齢者虐待
福祉用具 居住環境の改善 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律
介護療養型医療施設 施設サービス計画 「養護者による高齢者虐待」 ネグレクト
心理的虐待(心理的外傷を与えるような言動)とは 記事下方をクリック



日刊 福祉施設 社会起業新聞 関連情報クリップ
生活困窮、生活保護受給家庭の中学生に無料学習教室と悩み相談 高校進学を支援し貧困連鎖を断ち切る 福岡市 
2015/07/18 00:16 【西日本新聞】

引用「福岡市は8月、経済的に困窮している家庭の中学生を対象に学習支援事業を始める。高校進学に向けて勉強したり、進路を相談したりできる学習教室を2カ所に設置。市は「学習環境を確保し、貧困の連鎖を断ち切りたい」 略 。
 略
 生活保護受給世帯のほか、就学援助や児童扶養手当などを受給する生活困窮世帯の中学2、3年生が対象。市の委託を受けたNPO法人が運営し、中学生2人に対し、大学生ら専門スタッフ1人の態勢で学習指導に当たる。日々の生活の悩み相談にも応じる。
 厚生労働省によると、2013年の調査で、全国の中学生の高校進学率は98・6%だが、生活保護受給世帯では90・8%。市によると家庭で十分な学習環境が確保できていないケースが多いという。4月の生活困窮者自立支援法施行で国の支援制度が整ったため設置を決め、まずは二つの区で試験的に行うことにした。受講は無料で定員各20人」引用ここまで

滋賀の障害者福祉学ぶ インド人教師、重度知的障害者福祉施設「止揚学園」で実務研修
2015/07/25 11:41 【京都新聞】

引用「障害者福祉を学ぶため、インド人教師シャラン・トーマスさん(24)が、滋賀県東近江市の重度知的障害者福祉施設「止揚学園」で実務研修に取り組んでいる。
 トーマスさんは、インド・ケララ州でキリスト教会が運営する障害者福祉施設「ナバジョティースクール」の教師として障害者と接しながら、牧師も目指す。同国では人口増に伴い障害者の数も増えているが、国の支援や学校の数が少ないという。両施設は15年前から交流し、止揚学園ではこれまでインド人6人の研修を受け入れた。
 トーマスさんは6月から同学園で研修し、食事や風呂、トイレの介助のほか、歌や遊びなどを通して障害者と暮らしを共にしてきた。
 27日に帰国するトーマスさんは「職員と入所者が家族のように暮らしていることに驚いた。清潔な環境や建物の安全性、入所者に対する愛情を持った接し方など、ここで学んだ多くのことをインドで生かしたい 略 」引用ここまで

保育園児招きミュージカル披露 常葉大富士保育学部学生
2015/07/23 09:12 【静岡新聞】

引用「富士市の常葉大富士キャンパスは22日、保育学部の学生による「第8回ミュージカル発表会」を同市のロゼシアターで開いた。3年生101人が磨いてきた演技力や歌唱力、表現力などを披露した。
 乳幼児期の音楽指導を学ぶ「幼児音楽研究2」の授業の一環。市内の3保育園の園児約100人を招待し、「浦島太郎」や「赤ずきん」「さるかに合戦」といったおなじみの六つの演目を30分前後ずつ表現した。発表会は実際に子供の前で歌や演技を表現することで、保育者としての自覚を促すのが狙い」引用ここまで

若者に交流の場 県警職員の臨床心理士も常駐 県警が月1回イオンタウンで定期開催 釜石・大槌
2015/07/25 14:42 【岩手日報】

引用「県警本部と釜石署は23日、釜石市港町のイオンタウン釜石で、青少年が自由に交流できる「おしゃべりパーク」の開所式を行った。同市と大槌町で月1回定期開催し、若者が気軽に相談や交流ができる「居場所」としていく。
 地元の社会福祉協議会など11団体が協力し、気軽に立ち寄れる交流スペースとして開放する。県警職員の臨床心理士も常駐し、出前相談所も併設 略 」引用ここまで

鎌倉の海はバリアフリー 2015鎌倉バリアフリービーチ 体が不自由な人も海水浴を 特別支援学校の児童等
2015/07/27 00:00 【東京新聞】

引用「体の不自由な人にも海水浴を楽しんでもらおうと、「2015鎌倉バリアフリービーチin材木座」が二十六日、鎌倉市の材木座海水浴場で開かれ、普段は車いすの人など約百人が参加した。
 ボランティア活動をしている市内の医師、酒井太郎さんらによって組織された実行委員会の主催。県、市や海の家組合も協力して実現した。海水浴場の一部をバリアフリーゾーンとし、一般の人も身体障害者も利用できるようにした。
 実行委によると、こうしたイベントは全国的にも珍しく、県内だけでなく都内からも車いす利用者がやって来た。約八十人のボランティアでサポートした。
 生まれて初めて海に入るという車いすの特別支援学校の児童らは、砂浜に板が敷かれた通路を通って波打ち際へ。ボランティアの付き添いで海へ入った 略 」引用ここまで

<関連資料 バックナンバー>
貧困・低所得・生活保護 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記


貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中

当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


講義レジュメ ソーシャルワークの終結段階、移行支援、アフターケア、メイヤロフの補充関係とは 相談援助

講義レジュメ ストレッサーのアセスメントとは 生活困窮者アルコール依存症者支援による援助者のストレス

講義レジュメ 支援計画事例、生活保護受給者の金銭管理支援とは 生活困窮者のコミュニケーション問題

講義レジュメ 予防アプローチ、社会資源サービス開発、メゾマクロソーシャルワーク、エコシステム視点とは

高齢者支援と介護保険練習問題 高齢者虐待防止法、心理的虐待とは 生活困窮者自立支援相談 就職実績
 

新刊 当ブログ筆者が試験問題解説を執筆 
「2016社会福祉士国家試験過去問解説集 第25回─第27回全問完全解説」日本社会福祉士養成校協会編集 ISBN 978-4-8058-5161-6
 中央法規出版 2015年5月10日発行

 450問を選択肢ごとに詳しく解説し、科目別ポイントを収載。第27回を含む過去3年分の国家試験全問題を掲載した問題集。過去2年分も最新の制度や数値にアップデートし、次回試験に完全対応。基本の理解、実力試し、傾向対策、総復習で着実に学習効果を発揮。 中央法規出版


ブログ閲覧中の社会福祉士国家試験受験生の皆様へ
<当ブログ筆者の社会福祉士 国家試験対策講座 模擬試験+ポイント解説>
 日本福祉大学の社会福祉士受験対策講座
【社会福祉士養成校協会】全国統一模試+ポイント解説講座
講座は、東京会場と岡山会場をブログ筆者が担当
10月25日(日)東京会場
10月31日(土)岡山会場

お問い合わせは日本福祉大学名古屋オフィス 電話052-242-3069


*解答と解説 下記をクリック

More*解答と解説:身体的拘束の禁止、抑制帯、高齢者虐待とは⇒⇒
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