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2024年10月4日21時からの「 Abema Prime アベマプライム」に出演させて頂きました。
テーマは「子ども食堂の持続可能な運営のために」
共演者の皆様、番組スタッフの皆様に御礼申し上げます。 関屋光泰 山梨県立大学
*アベプラは見逃し配信をしています。下記にアクセスしご視聴ください。

【こども食堂は「困っている」子ども、親子しか来てはいけないのか?様々な「困った」の声をつなげる】
ABEMA Primeの打ち合わせの際、「こども食堂は誰のためのものか?」という疑問が浮かびました。
それはSNSで、「困った様子もない親子が、こども食堂で食べている!」などといった厳しいコメントを私も見たことがあります。
率直に思ったのは 【(経済的に)困っていなければ、子ども食堂に来てはいけないのか?】ということです。
今の世の中、様々なことで「困っている」子ども、家族がたくさんいます。
例えば、孤立した子育てで誰にも相談できない。
子どもの進学を考えるとお金に余裕がない家庭も多く、そのため、親が一生懸命に働き、時間がいくらあっても足りないこともあります。
働く環境はめまぐるしく変わり、特に社会福祉分野では人材不足で時間に追われている現状もあります。
子どもの栄養、勉強、多様性など、「困っていること」は多岐にわたります。
私は、様々な困難を抱えている人が孤独に、家族の中だけで困り続けるのはどうなのかと思います。いろんな困った人が集まり、支え合える居場所が必要ではないでしょうか。
社会福祉の言葉で言えば、地域社会の様々なニーズを見つけて、孤立している「困った」という声をつなげていくコミュニティワークが重要です。
具体的に支え合う仕組みを作り、「あったらいいね」の社会資源を開発することも求められています。

子ども食堂やフードパントリーなどの民間支援には、公的扶助にはない「敷居の低さ」という良さがあります。支援にアクセスしやすいのです。利用者の方々が立ち寄れる場所と感じて下さっているのでしょう。
しかし、支援活動を続ける難しさもあります。
これらの活動のボランティアは、決してゆとりのある人だけが行っているわけではありません。むしろ子育て中の方や、シングルマザーの方々も、時間の制約がある中でボランティアに参加しています。
子ども食堂やフードパントリーなどは、ゆとりが無い人がお互いで支え合っている側面もあります。
また、地方自治体の中には「行政にできることは何もない」と民間に任せるところもあると聞いています。ボランティア団体は万能でも無限でもありません。
一方、町会などからのサポート、会場提供には本当に助けられています。地縁のネットワークは、子ども食堂への協力なサポートです。

【中学生の居場所は?】
また、考えたいのは、小学生の居場所はこども食堂や児童館、学童保育など様々な場所がありますが、中学生になると自分から友達と繋がる自由が増える一方で、全ての中学生がそのようなつながりを作れるわけではありません。
また、中学生になると新たな困難、良くない繋がりも生じてしまうこともあります。

【こども食堂の誕生は、1973年の横浜・寿町ドヤ街】
こども食堂の始まりを辿ると、1973年に寿町で、夏休みの子供たちの昼ご飯や学習を支えるために、町内の教会を会場に始まったと資料に出てきます。関係者からお話も聴きました。
いつどこで始まったかは重要ではなく、子どもに関連する様々な困難がある時に、地域の中の支え合いとして「こども食堂」が生まれるのです。

社会福祉論Ⅱ 第Ⅰ回 レジュメの概要1
*社会福祉の役割とは何か?
社会の不平等をなくし、誰もが安心して暮らせる社会を目指して。
ソーシャルワークの支援が必要な人々は、何らかの困難、それは社会的な問題や人間関係の問題等を抱える人たちであり、その困難には社会的な要因が存在する。
その要因には、経済的な困窮、失業、ハンディキャップなどによるさまざまな差別、関わりや支援からの孤立などが含まれる。
これらの問題は本人たちだけの責任ではなく、社会に要因がある。
この時代の社会福祉は何のためにあるのか?
ウェルビーイングの実現など様々な目的があるが、本質的には社会の不平等を緩和するためにある。
今日の社会では貧富の格差が生じ、持たざる者は教育や就労の選択肢が狭められる。人間は平等であるべきなのに、おかしいことである。これを緩和するのが社会福祉の役割の一つである。
社会福祉に関連するテーマも、このような本質的な問題を置き去りにして、具体的な活動や事業のみではいけない。

*社会構造の問題とソーシャルワーク
ソーシャルワークの役割の一つは、困難を抱える当事者を支え、状況を改善することだけでなく、現代社会が抱える問題やその残酷さを明らかにすることでもある。
社会の抱える問題を改善しなければ、さまざまな人々を苦しめる社会問題の、根本的な解決には繋がらない。

社会政策(1)
はじめに
福祉政策の概念導入: 2009年の社会福祉士養成課程の見直しで、福祉政策が新たな概念として導入された。
福祉政策の定義: 福祉政策は、福祉を実現するための公共政策。福祉の範囲によって、広義と狭義の福祉政策に分けられる。

1. 社会政策のなかの福祉政策
社会政策、福祉政策、社会福祉政策の関係:
社会政策:経済政策の対概念。広義の福祉を実現するための公共政策。
福祉政策:社会政策の一部。従来の社会福祉政策を基幹とし、様々な社会政策と連携。
社会福祉政策:狭義の福祉政策。社会福祉法に基づく社会福祉事業に関連する公共政策。
福祉政策の理解の重要性: 社会福祉士は、社会政策、福祉政策、社会福祉政策を理解することで、より効果的に仕事を行うことができる。

2. 公共政策の体系
公共政策: 政府が主体となって策定・実行される政策。社会秩序の維持、経済システムの安定と成長、市民生活の安定と向上などを目的とする。
社会政策と経済政策:
社会政策は、市民生活の安定と向上を目的とする。
経済政策は、経済システムの安定と成長を目的とする。
両者は密接に関連しており、相互に影響を及ぼし合う。

まとめ
ソーシャルワーク専門職は、福祉政策を理解することで、自身の仕事の意味をより深く理解し、より効果的に社会貢献できる。
福祉政策は、社会政策、社会福祉政策といった他の概念と密接に関連しており、それらの関係性を理解することで、より広い視野から社会問題に取り組むことができる。

【介護現場、人手不足が深刻化!働き続ける職員のこころと身体の危機とは?】
先日、私が担当する「福祉施設職員のストレスケア研修」を開講しました。ここのところ、都内の福祉施設に出向いて実感するのは、施設の介護職等の職員の深刻な人手不足です。
東京都と東京都社会福祉協議会が運営する研修事業を担当して8年を超えると思います。180箇所を超える福祉施設に出向き職員研修を実施してきました。
最初の頃、特別養護老人ホーム等で「燃え尽き症候群・バーンアウト」の説明をすると、ベテランの介護士等が「先生、それは私には心配ない。だって仕事に燃えてないから」とガッハッハと元気に笑っていました。最近はそのような場面も少なくなり、福祉事業所職員の心身の慢性疲労の深刻さを感じます。

【福祉施設の職場のメンタルヘルスが注目される理由とその影響について】
現在、福祉施設職員のメンタルヘルスがこれほどまでに注目を集めるようになったのは、メンタルヘルスの不調によって職場でさまざまなインシデントも発生し、それが組織としても見過ごすことができなくなったことが大きいといえます。
メンタルヘルスの不調は、仕事が進まなくなる、遅刻が増える、突然休む、といった問題に繋がる場合があります。これらの問題は、個人の生活だけでなく、職場全体のケアの質にも影響を与えます。
さらに、職場のメンタルヘルスの問題は、同僚、チームの関係にも影響を及ぼします。コミュニケーションの不足や誤解が生じやすくなり、職場の雰囲気が悪化することもあります。これにより、職場全体の士気が低下し、さらなるメンタルヘルス不調を引き起こす悪循環に陥ることも少なくありません。
このような状況に対処し改善するためには、組織としても積極的な対策が求められます。
ストレススケアの重要性を認識し、かつ職場のコミュニケーション、働く環境の改善や、現場の職員へのサポート体制を整えることが必要です。また、職員個人としても、自分自身のメンタルヘルスを大切にし、適切なサポートを受けることが重要です。

いま、私はどのように役割を果たすべきか考えさせられています。
ケアの人材不足と、援助者の心身の慢性疲労という問題は、社会全体の課題として利用者や家族、市民も参加して幅広い議論が必要だと感じています。

【私は18歳の時、大学の社会福祉学部に入学しました。卒業後も公的扶助の分野ですが、ソーシャルワークを実践したり、教えたりしてきました。気づけば、33年間、社会福祉の世界に身を置いています。
このところ、その基盤が「ひと」の面でも危うくなりつつあるような、問い直さなければいけないような実感があります。皆さんはいかがでしょうか?】
最近、「地域の力で社会の課題を解決する」というフレーズをよく耳にします。しかし、その「地域」とは具体的に誰を指し、「力」とは何を意味するのか、腑に落ちないことも多々あります。
私が考える地域とは、そこで生活する全ての人々を指します。誰も取り残さず、排除しないことが大切です。
地域の力とは、住民一人ひとりの協力や支え合い、そして共に問題を解決しようとする意志だと思います。

【コラム 忘れられない味、釜ヶ崎・あいりん地区の「ホルモン屋台」 簡易宿泊所街】
簡易宿泊所の街、横浜・寿町。そこには、美味しいご飯・お弁当が隠されています。
かつてドヤ街のあいりん地区の屋台で食べたホルモンの味を求め彷徨っていた私が、最近見つけた、あるお弁当を紹介します。
私は1994年に初めて大阪の西成区の簡易宿泊所街「釜ヶ崎(あいりん地区)」に行った時に食べた、屋台のホルモンの味が忘れられません。「アブラ」だと思います。
もしかしたら、調理していた方も、ホルモンを頬張っていた方々も、もう地上にはいないのかもしれません。もう一度食べたいと思っても叶わない、遠い日のホルモン。一生、忘れられない味です。

【その当時の簡易宿泊所の街は、まさにシンプルなライフスタイルの象徴だったと思います。
早朝に寄せ場で日雇いの仕事を見つけて働きに出かけて、夕方は屋台のホルモン、食堂等でお酒とご飯を仲間たちと食べる。そして、街の銭湯で一日の疲れを癒し、簡易宿泊所で眠る。
そんな日々を送る人たちの群像が広がっていました】
さて私は寿町に関わって25年ほどになりますが、精神科デイケアでは、新型コロナの時代の前は、午前中に利用者の皆さんと一緒に調理をして、一緒に食べていたので、あまり寿町の中でお弁当を買ったり、他の食堂に行ったりすることはありませんでした。
越冬活動などに参加するときは街の商店のクッパなどのお惣菜を食べていました。
新型コロナで大変だった頃に、医療機関として感染には特に留意しなければならず、未だ完全な形態では共同調理を再開できていません。利用者の方々と同じ釜の飯を食べる機会が減り、近隣でお弁当などを買って食べることが増えました。
その中で、寿町のセンターの近くにある、簡易宿泊所1階の商店のお惣菜のうち、「焼き鳥丼」はお得な価格で、小ぶりな容器なのにボリュームもあって、しかもとても美味しいです。
先日、鶏皮の炒め物も食べてみましたが、これも美味しかったです。おそらく焼き鳥ベースのメニューは全て美味しいのだと思います。

皆さんも寿町にお立ち寄りの際には、ドヤ街の商店のお弁当の味を試してみてはいかがでしょうか?
若い頃の釜ヶ崎の屋台のホルモン味が忘れられず、未だに私の好物の一つはホルモンです。
青年は中年になりましたが。

社会福祉士、精神保健福祉士、保育士(福祉施設) 実習日誌・記録の例文
<実習 利用者(高校生)とのコミュニケーション、双方向の関わり 児童養護施設等、社会的養護>
本日の実習では、利用者(高校生)への声掛けや、日々の生活への関わり方など、まだまだ改善すべき点が多いと感じた。
特に、積極的に利用者の方々の中に入っていき、コミュニケーションをとるという点において、自分自身の行動が足りていなかったと反省している。
明日の実習では、今日の反省を活かし、もっと積極的に利用者の方々に声をかけてみようと思う。また、
日々の生活の中で、何気ない会話やちょっとした手伝いを通して、より深く関わりを築いていきたい。
印象に残ったのは、次のような会話である。
場面: 児童養護施設のデイルーム。自由時間。実習生のAさんと、高校2年生のBくんが二人で談笑している。
Aさん: Bくん、最近何かハマってることある?
Bくん: えー、最近ね、ギター練習してるんだ。難しいんだけど、ちょっとずつ弾けるようになってきた。
Aさん: へえ、ギター!かっこいいじゃん。僕も昔ギターやってたことあるよ。どんな曲が弾けるの?
Bくん: うーん、まだ簡単な曲しか弾けないんだけど、最近BOØWYを練習してるんだ。
Aさん: BOØWY!いいね!僕も好きだよ。あのバンドって、目標に向かって頑張るって感じがすごく伝わってくるよね。
Bくん: そうなんだよね!僕も、BOØWYみたいに、将来やりたいことが見つかってもっと頑張りたいなって思う。
Aさん: それはすごいね。僕もBくんみたいに、将来の目標に向かって頑張りたいと思えるように、もっと色々考えてみようかな。
Bくん: Aさんは、将来どんな仕事したいの?
Aさん: うーん、まだはっきりとは決まってないんだけど、人の役に立てるような仕事がしたいなって思ってるんだ。
Bくん: え、それってすごいね!僕なんか、将来のこと全然わかんないや。
Aさん: 将来のことって、いきなり決まるもんじゃないと思うよ。色んな経験をしていくうちに、やりたいことが見つかることもあるし。
Bくん: そうかもね。でも、やっぱり不安だな。
Aさん: 確かに将来のことって不安だよね。でも、色んな人に相談したり、色んなことを経験してみたりすれば、きっと道は開けてくると思うよ。
Bくん: そうか、ありがとう。ちょっと安心した。

本日の実習を通して、指導員として身につけるべきことを改めて認識した。
高校生たちのグループとの関わりの中で、以下の4つの点が特に重要だと考えさせられた。
①見通しをもって持続的に取り組む力
高校生たちは、将来への不安を抱えながらも、目標に向かって努力している姿が印象的だった。彼らの前向きな姿勢から、私も見通しを持って物事に取り組むことの大切さを改めて認識した。
②信じて待つこと、人間の可能性への信頼
利用者の方々は、それぞれ異なるペースで成長していく。
人の可能性を信じ、焦らずに待つことの大切さを学んだ。
③広い範囲を見渡せる、多面的な視野
一つの事象に対して、様々な角度から捉えることの重要性を実感した。
利用者の方々の行動の裏にある背景や、その行動が意味するものを深く考えることが大切だと感じた。
④本当の学習(科学的探究心)
利用者の方々との関わりを通して、常に学び続けることの大切さを実感した。
新しい知識や情報を積極的に取り入れ、自己成長につなげていきたい。

利用者の高校生たちは、自主的な活動や、仲間との関わりを通して、社会的な主体として自立していく過程にあると感じた。
「自立支援」とは何か。社会福祉の分野では、生活困窮世帯支援やホームレス支援、障害者支援、就労支援、こども支援、女性支援などにおいて「自立支援」が重要なテーマとなっている。「自立」は確かに大事なことだと思う。自分で自分の生き方を決めること、誰にも支配されないこと、誰かに何かを強いられないこと。自分を指揮するのは自分であって、他者ではない。
この成長の過程を支えるためには、私たちが高校生たちの可能性を信じ、寄り添い、共に歩んでいくことが重要だと考える。
本日の実習で得た学びを活かし、より良い関わりを目指していきたい。自己成長に努めていきたい。

総括
本日の実習を通して、児童養護施設で暮らす高校生たちの現状や課題を深く知ることができた。
また、指導員としての役割や、社会的養護の実践の魅力についても改めて認識することができた。