相談援助の理論と方法Ⅰ<3章 人と環境の交互作用>レジュメ1 *社会福祉士受験対策

相談援助の理論と方法Ⅰ<3章 人と環境の交互作用>
  レジュメ1


*社会福祉士 受験対策

第3章 人と環境の交互作用
 <第1章 第2節の内容を含む>


■第3章の概要
<ポイント>

 今日のソーシャルワーク実践は、エコシステム接近方法(生態学的視座とシステム思考の統合)を取り入れたライフモデルの枠組みによって得られる。

<解説>
1 エコシステム接近方法

・エコシステム接近方法とは、何らかの問題を抱える個人を、様々な環境(自然環境、社会環境、人間環境)と別々のものとして捉えるのではなく、一体的なシステムとして捉える方法である。また、そうした捉え方に基づく支援のありかたを具体化したのがライフモデル(生活モデル)である。

◎エコシステムとは、あるエリアのすべての生物と,そこに存在するすべての物理的条件の間に発生する,物質の循環,エネルギーフロー,情報伝達といった相互作用を機能の観点から捉えたシステムである。マイヤー(Meyer, C. H.)は,ソーシャルワークに多大な影響を与えてきた生態学理論とシステム理論の統合を試みるなかで,このエコシステムの概念をソーシャルワーク実践の文脈に則してエコシステム視点として体系化した。 

 エコシステム視点では,クライエントのみならず,クライエントを取り巻く環境(家族,友人・知人,関係社会機関,地域など)からの影響、クライエントと環境との間にある相互関連性をも含めて包括的に理解することが求められる。

2 ライフモデル
 ライフモデル(生活モデル)は、人々の成長と発達を最大限にし、環境を改善すれば相互に良好な適合状態が確保されるという観点で、人間の持つ不健全性だけではなく、健全性にも関心をもつ。またライフモデルにおいて、援助者は利用者の生活を指導するのではなく支援するのであり、利用者は受動的存在ではなく、能動的・応答的存在として援助者のパートナーとしてみられる。

◎ライフ・モデルとは、1960年代以降アメリカで複雑で多様な生活問題への援助の要請が高まり,従来の個人のパーソナリティに治療の焦点をおいた伝統的なアプローチに対する批判が高まった。そのソーシャルワークの限界を打開するために,生態学や一般システム理論などの新たな理論的枠組を背景に登場したのがジャーメインらによって体系化されたライフ・モデル(生活モデル)である。
 このモデルでは,人,環境のどこに問題があるのかを問うのではなく,問題は生活空間における不適切な交互作用(transaction)にあると考え,人と環境の接触面(interface)に焦点をあてていく。ソーシャルワーカーの社会的目的は,人々の成長と発達を最大限にし,環境を改善する交互作用を生み出すように,人々の適応能力と環境の特性を結び合わせることとされる。そこでは,生活体の適応能力を高めると同時に環境を改善するという二つの実践の焦点があり,人も環境も等しく重要であって,この両者の互恵的適応関係のバランスがいかに獲得されるのかに最大の関心が払われる。したがって,ソーシャルワーカーが扱う対象は人と環境の「開かれた」連鎖的交互作用であり,「人と環境の適合性」である。


1 実践における人と環境 テキスト「相談援助の理論と方法Ⅰ」P54~
 「ソーシャルケースワークは人間と社会環境との間を個別に,意識的に調整することを通して人格(パーソナリティ)を発達させる諸過程である」
 M.リッチモンド 1922年『What Is Social Case Work ?(ソーシャルケースワークとは何か)』 より

*社会福祉援助活動(ソーシャルワーク実践)とは、それぞれの時代や地域特性といった背景を交錯させながら生じる個人と集団および、その環境間の不調和からもたらされる問題が、社会的援助を必要とするとき、その間題の解決もしくは問題を軽減するために展開され、専門性を高めてきたものである。

*具体的なソーシャルワーク実践とは、社会福祉学を基に、ケースワーク(個別援助技術)、グループワーク(集団援助技術)、コミュニティワーク(地域援助技術)等の、方法レパートリーを用いて、社会的に支援を必要とする利用者とその環境に働きかけることを指す。これら方法レパートリーは、個々に援助技術を発展させてきたものであるが、相互に関連しあうことで援助の有効性が高まる。一人のソーシャルワーカーがさまざまな場面でこれらの技術を相互に、あるいは連鎖的に用いることが必要とされる。

■ソーシャルワーク・社会福祉援助活動の特性
①視点:利用者中心の視点
②焦点:人間と環境による固有な生活世界をとらえる生活概念、
③目的:社会参加、自己実現の支援
④手段:問題状況の改善・向上
⑤方法:科学的方法、利用者の問題解決能力の育成
<ソーシャルワークのフィードバック>
⑥運動:社会福祉サービスの改善 = フィードバック
⑦過程:ミクロからマクロへの循環
⑧特性:人間と環境への介入


2 人にとっての環境の意味 理論と方法Ⅰ P56~
1)エコロジーの特性

①交互作用と互恵関係
・人間と環境の交互作用に焦点をあて、さらにそれが人間と環境の互恵関係として成立し、維持されることを目指す。

②ストレスと対処
・環境の側にあって人間と環境の交互作用における緊張関係の原因となるものをストレッサーといい、人間がそれを処理する能力を対処能力(コーピング)という。

③アセスメント
・ここで使うアセスメントとは、人間と環境の相互の影響を調査することである。

④ニッチ
*エコロジーは、人と環境との交互作用を通して、ニッチ(生態学的適所)の作成を目指す。

⑤希少動物の保護
*「希少動物の保護」という考え方は、社会の価値(利益主義、能力主義など)に合致しない人間で合っても、その人が存在することに無限の価値と意義を見出そうとする社会福祉の価値と整合性をもつ。

*C.H.マイヤーは、1980年代、一般システム論とエコロジーを融合したエコシステム論を提示した。

*人と環境に着目したエコロジー・生活(ライフ)モデルは、生活問題は個人や家族と,彼らを取り巻く環境間とその接触面(インターフェイス)における不適切な相互作用の結果として発生するとみなし,人間のプラスの側面に目を向け,適応(コーピング)能力を高め,環境の応答性(レスポンス)を増してストレスを軽減し,新しい適応のバランスを得ることをめざして援助を行うものである。


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■用語解説:生態学(ecology)
 19世紀中葉にヘッケル(Haeckel, E. H.)が生物学の一分野として造語。ギリシャ語のoikos(家)に由来し,生物とその環境の相互作用を扱う科学=生態学を意味する。生物(人間を含む)は環境に影響を与え、環境は生物に影響を与える。 生態学研究の主要な関心は、生物個体の分布や数に、そしてこれらがいかに環境に影響されるかにある。ここでの「環境」とは、気候や地質など非生物的な環境と生物的環境を含んでいる。

■ニッチ niche
・多くの場合生態学の分野で使われる用語であるが,社会学,経済学でも使用される。生態学的には,相互に依存するコミュニティ内で,ある種が占有する位置(地位)をさす。社会学,社会福祉学の分野では,ある個人あるいは家族がその住むコミュニティの社会構造のなかで占める状態のことをいう。



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by yrx04167 | 2009-07-13 12:15 | Comments(0)