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社会福祉士 Webオリエンテーション 各分野の紹介②―児童福祉・子どもの貧困

社会福祉士の資格・仕事とは
<社会福祉士 Web オリエンテーション 各分野の紹介②>


*社会福祉士が働く領域は幅広い。
 このシリーズでは、社会福祉士の仕事に関心を持たれた皆様に、分野別に社会福祉士の役割、福祉施設、業務内容を紹介していく。
 今回は、児童福祉の領域である。

<児童福祉の今日的な課題>
■児童虐待 child abuse
 一般的には,家庭内における親,きょうだい,祖父母などの親族による身体的・心理的・性的暴力や,主たる養育者による子どもの放置をいう。広くは,学校や社会福祉施設などにおける教職員による暴力も包括する。
 児童虐待は,
 ①身体的虐待(殴る,蹴るなどの身体的暴力),
 ②心理的虐待(子どもの情緒的発達を阻害する無視やことば),
 ③性的虐待,
 ④ネグレクト(養育の放棄・怠慢)に分類される。

■不登校
 文部科学省は,年間30日以上の長期欠席者のうち,何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により登校しない,あるいはしたくてもできない状況にある状態と定義している。不登校は登校拒否,学校恐怖症などとほぼ同義に用いられることもあるが,学齢児童・生徒(幼・保育園児や高校・大学生を含める場合もある)の「学校に行けない」あるいは「行かない状態」の総称としても用いられている。

■子どもの貧困
 「子供の貧困」がクローズアップされている。経済協力開発機構(OECD)のデータによると、日本では、17歳以下の子供の7人に1人が貧困状態にある。貧しい家庭環境が健康や教育に及ぼす影響はもちろん、親から子に伝わる「負の連鎖」を懸念する声も強い。
 子供が貧困に陥るのは、親が働いていないか、働いていても収入が低いことなどが考えられる。
 大阪市が04年3月にまとめた「大阪市ひとり親家庭等実態調査報告書」によると、希望する子供の最終学歴を「大学」とした割合は、年収600万円以上の世帯では半数以上だったが、同200万円未満の場合は25%を切った。約20年前から有志で、生活保護家庭の子供に無料で勉強を教えている東京都江戸川区の職員、徳沢健さんは、「家の事情や親の学歴を考えて、自ら進学をあきらめる子も多い」と指摘する。
 健康面への影響も懸念される。横浜市社会保障推進協議会が昨年2月末、市からデータを得たところ、国民健康保険料の滞納により、受診抑制が懸念される世帯の子供は約3700人に上った。「家庭環境で治療を受けられない子供がいる」と、同会では警鐘を鳴らす。
 06年4月に、大阪府堺市健康福祉局の道中隆理事が、市内の生活保護受給390世帯を無作為抽出して調べた結果、その25%は世帯主が育った家庭もやはり生活保護世帯で、その割合は母子世帯では40%に上った。「『貧困の固定化』がうかがえる。まずはこうした負の連鎖を断ち切り、親子が自立できる政策が必要」と道中理事は強調する。
<参考リンク 下記をクリック>
2008年10月7日 読売新聞


児童福祉施設
①児童福祉施設とは
 児童福祉法7条に規定される施設で,児童の保護,自立,機能の向上などを図ることを目的としている。
 法律には,助産施設,乳児院,母子生活支援施設,保育所,児童厚生施設(児童館・児童遊園),児童養護施設,知的障害児施設(自閉症児施設を含む),知的障害児通園施設,盲ろうあ児施設(盲児施設・ろうあ児施設),肢体不自由児施設(肢体不自由児通園施設・肢体不自由児療護施設を含む),重症心身障害児施設,情緒障害児短期治療施設,児童自立支援施設,児童家庭支援センターの14種類が規定されている。
 ( )内に示す施設は,児童福祉施設最低基準に示す名称。児童福祉施設の設備および運営は,児童福祉施設最低基準によって行われる。設置主体や種別等については,社会福祉法に規定される。

■児童福祉施設最低基準
 児童福祉施設の職員配置,設備あるいは運営等についての最低基準を定める省令(昭和23年厚生省令63号)で,児童福祉施設の種別の個々について,一般原則,設備,職員要件および配置などを規定している。児童福祉施設に入所している者が,明るくて,衛生的な環境において,素養があり,かつ,適切な訓練を受けた職員の指導により,心身ともに健やかにして,社会に適応するように育成されることを保障することを目的とする(2条)。児童福祉施設は,最低基準を超えて,つねに,その設備および運営を向上させなければならない(4条)。

②主な児童福祉領域の生活施設の現状と課題
1 児童養護施設

 児童福祉法に定められた児童福祉施設の一つ。「保護者のない児童,虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて,これを養護し,あわせてその自立を支援することを目的とする施設」(41条)。
 1997年の児童福祉法改正では,養護施設から児童養護施設と改称され,その機能もたんに養護するだけでなく,退所後の児童の自立を支援することが機能として付け加えられた。
 施設形態には大舎制,中舎制,小舎制,グループホームなどの形態があるが,圧倒的に大舎制のものが多い。運営主体は,社会福祉法人または都道府県,市町村,財団法人など。

2 児童自立支援施設
 非行児童および家庭環境等から生活指導等を要する児童を入所または通所させ,自立の支援を目的とする児童福祉施設。
 1997年の児童福祉法改正で「教護院」から改称され,①対象を非行児童以外に拡大,②小中学校への就学義務,③通所形式の採用等の改革が行われた。児童自立支援専門員,児童生活支援員,精神科医(嘱託可)等が配置されている。政令で都道府県に設置義務が課されている。
 2000年の武蔵野学院(国立の児童自立支援施設)の調査では,約6割の入所児童に被虐待経験がある。

3 情緒障害児短期治療施設
 軽度の情緒障害を有する児童を短期間入所させ,または保護者のもとから通わせて,その情緒障害を治すことを目的とする施設。
 1997年の児童福祉法改正により,それまでおおむね12歳未満とされていた利用年齢制限を撤廃し,18歳未満までの者が利用可能となった。さらに,必要に応じて満20歳に達するまで利用可能とする延長規定が加わった。職員には,医師,看護師,心理療法を担当する職員,児童指導員,保育士,栄養士等をおくこととなっている。

4 母子生活支援施設
 母子生活支援施設とは、児童福祉法38条に規定されている児童福祉施設の一つ。夫の死亡,離婚,夫の暴力からの避難,未婚での出産などの状況にあり,自立して生活していくことが困難な母子を保護し,母子の自立促進のために生活を支援することを目的としている。1997年の児童福祉法改正以前は,母子寮とよばれていた。

5 乳児院
 保護者の病気や家族の病気で付添看護を必要とする場合,出産,離婚,家出,遺棄や,その他やむをえない事情で乳児を育てられない場合に利用できる児童福祉施設。児童福祉法37条に,「乳児(保健上その他の理由により特に必要のある場合には,おおむね2歳未満の幼児を含む。)を入院させて,これを養育することを目的とする施設」と規定されている。乳児院入所児だけでなく,地域の児童養育支援センターの機能が求められている。

6 児童家庭支援センター
 児童の福祉に関し相談に応じ,児童相談所の委託を受けて児童・保護者の指導を行うとともに,関係機関の連絡・調整等を行うため,1997年の児童福祉法改正により創設された児童福祉施設。乳児院,児童養護施設,児童自立支援施設,情緒障害児短期治療施設,母子生活支援施設に附置され,ソーシャルワーカーと心理療法担当職員が配置される。夜間休日も対応可能なシェルター機能に期待が寄せられている。


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by yrx04167 | 2009-09-14 12:00 | Comments(0)