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低所得者に対する支援と生活保護制度 練習問題 基礎編-生活保護施設-社会福祉士受験対策

低所得者に対する支援と生活保護制度
(公的扶助論) 練習問題 基礎・初歩編


*社会福祉士 精神保健福祉士 受験対策

問題13 生活保護法に基づく保護施設に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 救護施設は,心身に著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させ,生活扶助を行うことを目的とする施設である。
B 更生施設は,心身上の理由により養護及び生活指導を必要とする要保護者を入所させ,生業扶助のみを行うことを目的とする施設である。
C 授産施設は,心身の理由又は世帯の事情により就業能力の限られている要保護者に対して,就労又は技能の修得に必要な機会及び便宜を与えて,その自立を助長することを目的とする施設である。
D 宿所提供施設は,住居のない要保護者の世帯に対し住宅扶助を行うことを目的とする施設である。

<組み合わせ>
  A   B  C  D
1 ×  ×  ×  ○
2 ×  ○  ○  ○
3 ○  ×  ○  ○
4 ○  ×  ×  ×
5 ×  ○  ×  ×


問題14 公的扶助・生活保護法に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 公的扶助は、素行調査(尾行・監視など)をその前提条件として,要保護者の申請に基づき,国や地方自治体が実施する補足的給付である。
2 日本国憲法の規定する生存権の保障を国が実体的に具現するための一つとして制定されたのが生活保護法である。
3 生活に困窮する国民の最低生活保障を国がその恩恵・慈善において行う原理が生活保護法に規定されている。
4 生活保護法第2条は「国民は,この法律の定める要件を満たす限り,この法律による保護を,無差別平等に受けることができる」とあるが、生活困窮に陥った原因による差別は当然に許されている。
5 生活保護法第4条は,「保護は,生活に困窮する者が,その利用し得る資産,能力その他あらゆるものを,その最低限度の生活の維持のために活用しなくても行われる。」と規定している。




*解答と解説は下記をクリック



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<解答>

問題13  正答3


Bが誤り。正しくは「生活扶助を行う」


問題14  正答2

1 正しくは「資力調査(ミーンズテスト)
3 正しくは、最低生活保障を、国がその責務において行なう
4 正しくは、生活困窮に陥った原因による差別は許されない
5 生活保護法第4条「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」。


<解説>
*生活保護施設の概要

 生活保護法は居宅保護を原則としつつも,保護の目的を達成するために,いわば補完的に保護施設を維持してきた。
 救護施設,更生施設,医療保護施設,授産施設,宿所提供施設の5種類の施設がある。
 
① 救護施設 
 身体・精神上の著しい障害のため独立して日常生活を営めない要保護者を入所させる施設。
・「身体上又は精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者」のための生活扶助施設(生活保護法38条2項)とされている。
 救護法による旧救護施設は,身寄りのない極貧者に対して限定的な院内救済を行う収容施設であったが,現在では,入所と通所によるサービスが実施され,重複障害等をもつために身体障害や精神障害等の各福祉法による施設になじまない者が多く利用している。長期入院していた精神障害者の退院先の受け皿などとしても利用されている。

② 更生施設
 身体・精神上の理由により養護・補導を必要とする要保護者を入所させる施設。
生活保護法第38条3項 更生施設は、身体上又は精神上の理由により養護及び生活指導を必要とする要保護者を入所させて、生活扶助を行うことを目的とする施設とする。

③ 医療保護施設
 医療扶助の給付を行う施設。
・「医療を必要とする要保護者に対して,医療の給付を行うことを目的とする施設」(生活保護法38条4項)とされている。
 救護法の時代から,医療費の負担能力のない行旅病人に対して入院等の治療を実施する病院として機能しており,生活保護法による医療扶助が普及した現在でも,住所不定者等に対して寝具や日常生活用具を含めた包括的医療を提供できる施設として,一定の役割を果たしている。

④ 授産施設
 就業能力が眼られている要保護者のため就労または技能の習得のための機会・便宜を与える、通所施設。
・生活保護法による授産施設は,「就業能力の限られている要保護者に対して,就労又は技能の修得のために必要な機会及び便宜を与えて,その自立を助長することを目的とする施設」(38条5項)とされている。

⑤ 宿所提供施設
 住宅のない要保護者の世帯に住宅扶助を行う施設。
・「住居のない要保護者の世帯に対して,住宅扶助を行うことを目的とする施設」(38条6項)とされている。第二次世界大戦後の混乱の時代において,住居を失った者,海外からの引き揚げ者,野宿者等に対して住居を提供してきた。



<詳しくは下記をクリック>
相談援助実習 前期12回 レジュメ<前半>―生活保護施設の概要
談援助実習 前期12回 レジュメ<後半>―生活保護・救護施設



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by yrx04167 | 2009-09-28 08:34 | Comments(0)